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だいいっしょう
ダンジョン、そして選択を
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そんなこんなで連れてこられてしまったダンジョン。
2人が俺のこと守ってくれるとか言っていたし、俺は多分死なないだろう、きっと、多分、、、
「って無理だろ絶対…」
「いきなり喋ってどうしたんですかイチカくん?」
「いやいやいや、俺魔法使えないんですよ?」
「だから、俺たちが守るって言ったろ?なぁケイル」
「えぇ坊ちゃん。イチカくんが生活できるほどには稼ぐつもりですよ」
頼もしいことこの上ない言葉のはずなのに何故こんなにも嫌な予感というか、悪寒というか、とにかく、良くない気がするのは何故だろう。
しかしそれは俺の杞憂だったのだろうか。2人は魔法と剣でズバズバと気持ち悪い生物達を殺していく。この気持ち悪い生物達は魔物というらしい。
最初は吐いたりしてしまったがこの辺で神様が適当に付けてくれた力でも発動したのだろうか、段々と慣れてきてしまった。
そして俺に危険が迫ることも無く淡々と進んでいく。
魔物たちも少なくなってきて、ここらで休もうとヘリーが言ったので少し開けた場所にケイルさんが結界を貼ってそこでひと休みすることになった。
そして一息ついたところで何故か分からないが俺は質問攻めをされていた。
「イチカくん、君はなぜここの世界の記憶が無いんですか?」
「いや、記憶が無いというか知らないというか」
「知らない!?いや俺のことも知らなかったし…どういうことなんだ?」
「ほらそれはかくかくしかじかで」
「なんですかそのかくかくしかじかって」
「四角いムーブですよ」
「だからなんだよそれ!」
うぅ、めんどくさい、めんどくさいぞこれ。
圧倒的に無駄な時間を過ごしているよな?ケイルさんもこんなグイグイ来る人だったなんて。ヘリーはなんとなく分かるけど。
とにかく、別の世界で死んだからこっちに来たなんて誰にも言ってはいけないと思う。
かといって、この世界で自力で生活ができるなんて思うほど自惚れてもいない。
この2人に会えたことは多分、異世界の中でのたったひとつの幸運と言ったら過言かもしれないけど、それくらいいい出来事だったんだと思う。
助けてもらえるだけ助けて貰ったら2人から離れよう。クズかもしれないけど、それしか俺の生きる道は無いだろうから。何も知らない土地、力も何も無い、どうしようにも生活できるわけがないんだ。
力の使い方を教えてもらおう。自分でもできることは無いのか、そういえば、学校行ってる時色んな罠作って友達に引っ掛けて遊んでたっけ。
それはここの魔物にも通じるのだろうか…そして作れる材料はあるのだろうか…。
「…い、おいイチカ??何考え込んでるんだ、気分でも悪くなったか?」
「大丈夫だよヘリー、なにか俺に出来ることはないか、と思って。」
「そうか、イチカに出来ること…うぅん、なんかあるか?ケイル」
「そうですねぇ…」
2人して考え込んでしまった…
そこまで俺は役ただずなのか、なんか普通にショックを受けた。そして急にあっ、と閃いたようにヘリーが声を上げた。
「なぁイチカ、お前剣に興味無いか?」
「…は?剣?」
「そうだ!俺が教えるから、自分で動けるようになるまで俺が教えてやるよ!なんなら城に一緒に期間限定で住めばいい。」
「それはいい案ですね。そうしたら徐々に稼いでいけばいいですし、坊ちゃんの弟子だとしたら城に部屋くらいは用意して貰えるでしょう。」
なぜ俺が城に住む前提で話が進んでるんだ。
しかも剣をヘリーに教えてもらうという条件で。
こんな、こんな好条件に自分があれをしたいと思ったことが叶ってしまいそうになっている。
何かと運が良いのかもなぁ、前の人生はいいこと無かったし神様が気を使ってくれたのかもしれない。
ここは乗らないといけないのだろう。
「…なんかわかんねぇけど、お願いします…?」
「ところでイチカ、お前今いくつだ?」
「今?…17歳だな」
「「17歳!?!?!?!?」」
「…っくりしたぁ、、いきなり大声出さないでよふたりとも…」
そんな17歳に見えないかな…2人は信じられないという表情でずっとこっちを見ていた。確かに栄養不足とかで身長全然伸びなかったけど、そこまでチビってわけでもねぇだろう。2人がでかいだけだ。やめてくれ。これ以上俺の心をえぐらないでくれ。
「15歳かそこらかと思ってた…てことはお前学校は」
「前は行ってた、今は行ってない。」
そしたらふたりとも考え込んでしまった。
なんか、義務教育みたいなのがあるのだろうか。
「学校行きますか…?」
ケイルさんがこっちを恐る恐る見ながら声をかけてきた。2人は俺が学校が嫌で首吊りしようとして未遂に終わったとでも思ってるのだろうか。
そっちの方が都合良さそうだけど。
「学校は…嫌かな…。」
「そっか、なら、なら俺と一緒に城で学ぼう。」
「そこまでしてもらっていいのか?」
「ええ、坊ちゃんもイチカくんが居れば少しは真面目に勉強するでしょうから。」
それっぽく言えたかな、過去とか調べられたら俺終わりかな。まぁ、何かしらバレて問い詰められたら誤魔化してその日の内に逃げればいい。
今は、今だけは。
心優しいこの人たちに甘えてしまうのを許して欲しい。
誰に許しを求めてるのかも分からないけど。
「じゃあ、お願いします。」
俺は愛想笑いしながら頭を下げる。
2人は嬉しそうに返事をしてくれた。
この選択が自分の事を苦しめるとも知らずに。
2人が俺のこと守ってくれるとか言っていたし、俺は多分死なないだろう、きっと、多分、、、
「って無理だろ絶対…」
「いきなり喋ってどうしたんですかイチカくん?」
「いやいやいや、俺魔法使えないんですよ?」
「だから、俺たちが守るって言ったろ?なぁケイル」
「えぇ坊ちゃん。イチカくんが生活できるほどには稼ぐつもりですよ」
頼もしいことこの上ない言葉のはずなのに何故こんなにも嫌な予感というか、悪寒というか、とにかく、良くない気がするのは何故だろう。
しかしそれは俺の杞憂だったのだろうか。2人は魔法と剣でズバズバと気持ち悪い生物達を殺していく。この気持ち悪い生物達は魔物というらしい。
最初は吐いたりしてしまったがこの辺で神様が適当に付けてくれた力でも発動したのだろうか、段々と慣れてきてしまった。
そして俺に危険が迫ることも無く淡々と進んでいく。
魔物たちも少なくなってきて、ここらで休もうとヘリーが言ったので少し開けた場所にケイルさんが結界を貼ってそこでひと休みすることになった。
そして一息ついたところで何故か分からないが俺は質問攻めをされていた。
「イチカくん、君はなぜここの世界の記憶が無いんですか?」
「いや、記憶が無いというか知らないというか」
「知らない!?いや俺のことも知らなかったし…どういうことなんだ?」
「ほらそれはかくかくしかじかで」
「なんですかそのかくかくしかじかって」
「四角いムーブですよ」
「だからなんだよそれ!」
うぅ、めんどくさい、めんどくさいぞこれ。
圧倒的に無駄な時間を過ごしているよな?ケイルさんもこんなグイグイ来る人だったなんて。ヘリーはなんとなく分かるけど。
とにかく、別の世界で死んだからこっちに来たなんて誰にも言ってはいけないと思う。
かといって、この世界で自力で生活ができるなんて思うほど自惚れてもいない。
この2人に会えたことは多分、異世界の中でのたったひとつの幸運と言ったら過言かもしれないけど、それくらいいい出来事だったんだと思う。
助けてもらえるだけ助けて貰ったら2人から離れよう。クズかもしれないけど、それしか俺の生きる道は無いだろうから。何も知らない土地、力も何も無い、どうしようにも生活できるわけがないんだ。
力の使い方を教えてもらおう。自分でもできることは無いのか、そういえば、学校行ってる時色んな罠作って友達に引っ掛けて遊んでたっけ。
それはここの魔物にも通じるのだろうか…そして作れる材料はあるのだろうか…。
「…い、おいイチカ??何考え込んでるんだ、気分でも悪くなったか?」
「大丈夫だよヘリー、なにか俺に出来ることはないか、と思って。」
「そうか、イチカに出来ること…うぅん、なんかあるか?ケイル」
「そうですねぇ…」
2人して考え込んでしまった…
そこまで俺は役ただずなのか、なんか普通にショックを受けた。そして急にあっ、と閃いたようにヘリーが声を上げた。
「なぁイチカ、お前剣に興味無いか?」
「…は?剣?」
「そうだ!俺が教えるから、自分で動けるようになるまで俺が教えてやるよ!なんなら城に一緒に期間限定で住めばいい。」
「それはいい案ですね。そうしたら徐々に稼いでいけばいいですし、坊ちゃんの弟子だとしたら城に部屋くらいは用意して貰えるでしょう。」
なぜ俺が城に住む前提で話が進んでるんだ。
しかも剣をヘリーに教えてもらうという条件で。
こんな、こんな好条件に自分があれをしたいと思ったことが叶ってしまいそうになっている。
何かと運が良いのかもなぁ、前の人生はいいこと無かったし神様が気を使ってくれたのかもしれない。
ここは乗らないといけないのだろう。
「…なんかわかんねぇけど、お願いします…?」
「ところでイチカ、お前今いくつだ?」
「今?…17歳だな」
「「17歳!?!?!?!?」」
「…っくりしたぁ、、いきなり大声出さないでよふたりとも…」
そんな17歳に見えないかな…2人は信じられないという表情でずっとこっちを見ていた。確かに栄養不足とかで身長全然伸びなかったけど、そこまでチビってわけでもねぇだろう。2人がでかいだけだ。やめてくれ。これ以上俺の心をえぐらないでくれ。
「15歳かそこらかと思ってた…てことはお前学校は」
「前は行ってた、今は行ってない。」
そしたらふたりとも考え込んでしまった。
なんか、義務教育みたいなのがあるのだろうか。
「学校行きますか…?」
ケイルさんがこっちを恐る恐る見ながら声をかけてきた。2人は俺が学校が嫌で首吊りしようとして未遂に終わったとでも思ってるのだろうか。
そっちの方が都合良さそうだけど。
「学校は…嫌かな…。」
「そっか、なら、なら俺と一緒に城で学ぼう。」
「そこまでしてもらっていいのか?」
「ええ、坊ちゃんもイチカくんが居れば少しは真面目に勉強するでしょうから。」
それっぽく言えたかな、過去とか調べられたら俺終わりかな。まぁ、何かしらバレて問い詰められたら誤魔化してその日の内に逃げればいい。
今は、今だけは。
心優しいこの人たちに甘えてしまうのを許して欲しい。
誰に許しを求めてるのかも分からないけど。
「じゃあ、お願いします。」
俺は愛想笑いしながら頭を下げる。
2人は嬉しそうに返事をしてくれた。
この選択が自分の事を苦しめるとも知らずに。
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