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47. 黒龍の名前

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「ブレイトン・ドンアーズ」

「いやいや、そんな変な名前嫌だよ」

「じゃあ、ジャイアント・ブラックキング」

「なんだか、王族の方に目をつけられそうな名前だよね」

 今は黒龍の名前を考えていた。
 授業の合間に一人で悶々と考えているとジーンが参加をして来たのだ。

「こんなに素晴らしい名前は中々思い付かないぞ」

 そうかな? ジーンのセンスってちょっと……。

「な、なんだよ。その目は」

 どうやら考えている事がジーンに伝わってしまったようだ。目は口ほどに物を言う。と言う言葉がある。
 危ない、危ない。気を付けなければ。

「じゃあ。クロで」

「何だよその名前。ペットかよ」

 ジーンはけらけらと笑う。

「あら、素敵な名前ね」

「僕もいいと思う」

 シルフィーさんとユースチスくんがやって来た。

「二人にそう言って貰えて良かったです。今日からあなたはクロよ。よろしくね」

 私はしょんぼりしているジーンを横目にクロに話しかけた。
 三日前に色々とあって契約をする事になったクロだが、契約をしてからは別人……別龍? のようにおとなしい。

 契約をするとある程度動きが拘束されるのだろうか?
 そう言えば契約をした直後にクロは落下する私を助けようとしてくれた。やはり契約をすると主従関係が結ばれるのだろうか。

 「グァグァ。 グァァァァァ」

 クロは返事をした後に大きなあくびをした。今は龍と言うより手乗りカラスと言われた方がしっくりくる。

「なんだかこの間の事が嘘のように可愛くなっちゃったわね」

「はい。本当に」

 クロはシルフィーさんに首のしたをくすぐられて喜んでいる。

「席に着け。授業を始めるぞ」

 プラント先生がやって来た。
 あの騒動から三日が経ち、グラウンドの片付けなどが終わって今日は久しぶりの通常授業だ。

「えー。教科書の八十二ページを…………おーい。授業の邪魔をしないでくれないか」

 プラント先生が手元にある教科書の辺りに浮遊きた黄色の妖精を手で追い払っている。

 この雷の妖精は先程の授業の時もプラント先生の周りを浮遊していた。
 きっとプラント先生の事が好きなのだろう。

 何故このような事が起っているのかと言うと、あの騒動以来妖精の数が増えたのだ。

 五百人から千人程ではと言われているが、結局のところ何人いるのか分からない。
 だが何気ない日常の風景でも契約をしていない妖精が浮遊しているので、かなりの数がいるのだろう。
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