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30. 揚げ芋サンドはあげないもん
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クラスの中がたまごハチミツサンドにしようと言う雰囲気になり、試食会の話も流れた。
「多数決を取るぞ」
プラント先生が多数決を取り、たまごハチミツサンドに確定した。
ジーンが余計な事を言わなければ、勝てたかも知れないのに。
「では、次の時間からは装飾作りな」
授業が終わったので、私は次のマナー学の準備を始めるとジーンが話しかけて来た。
「アイリーン感謝しろよな。俺のおかげで試食を作らなくて済んだだろう」
「ジーンのせいで揚げ芋サンドが食べられないじゃない! 感謝なんてしないわよ」
「そ、そんなに揚げ芋サンドが食べたいなら、自分で作ればいいじゃん。ついでに俺も食べてやるよ」
「あげない! ジーンには私の揚げ芋サンドを絶対にあげないから!」
何故か落ち込んだ顔をしているジーン。落ち込んんでいるのは私の方なのに。
「あっ、そうだ。アイリーン。ちょっといいか? 返したい物がある」
落ち込んでいる私に、プラント先生から声が掛かり席を立つ。
「はい。今行きます」
「これを」
私がプラント先生の所まで行くと、袋に入ったピンク色の粉を三つ貰った。
「これは……この間の授業で作ったクサーシュ草の解毒薬ですか?」
「そうだ。分析結果が出た。成分はクサーシュ草の解毒薬と同じもので安全なものだった。だが、本来のクサーシュ草の解毒薬の効果の五倍程の効果がある事が分かった」
「それは、五倍の早さで治ると言う事でしょうか」
「ああ。まあ、そんな所だ。効き目が五倍と言った方が伝わるかも知れないな。それから、僅かだがクサーシュ草の解毒薬には自然治癒力を高める効果があるのを知っているか」
私は知らなかったので首を振った。
「クサーシュ草の解毒薬には僅かだが自然治癒力を高める効果があり、その効果が十倍程に高まっていた」
「先生の肩こりが良くなったのはそれの効果って事ですか?」
「そうだ」
「わー、そうなんですね」
「それで、もう一つ伝言が。国の薬開発の機関…………王都薬開発研究所が卒業後の進路に検討してみてくれないかと」
「えっと、それは一緒に働きませんか? って事ですか」
私は口をポカンと開けて、プラント先生を見た。
「多数決を取るぞ」
プラント先生が多数決を取り、たまごハチミツサンドに確定した。
ジーンが余計な事を言わなければ、勝てたかも知れないのに。
「では、次の時間からは装飾作りな」
授業が終わったので、私は次のマナー学の準備を始めるとジーンが話しかけて来た。
「アイリーン感謝しろよな。俺のおかげで試食を作らなくて済んだだろう」
「ジーンのせいで揚げ芋サンドが食べられないじゃない! 感謝なんてしないわよ」
「そ、そんなに揚げ芋サンドが食べたいなら、自分で作ればいいじゃん。ついでに俺も食べてやるよ」
「あげない! ジーンには私の揚げ芋サンドを絶対にあげないから!」
何故か落ち込んだ顔をしているジーン。落ち込んんでいるのは私の方なのに。
「あっ、そうだ。アイリーン。ちょっといいか? 返したい物がある」
落ち込んでいる私に、プラント先生から声が掛かり席を立つ。
「はい。今行きます」
「これを」
私がプラント先生の所まで行くと、袋に入ったピンク色の粉を三つ貰った。
「これは……この間の授業で作ったクサーシュ草の解毒薬ですか?」
「そうだ。分析結果が出た。成分はクサーシュ草の解毒薬と同じもので安全なものだった。だが、本来のクサーシュ草の解毒薬の効果の五倍程の効果がある事が分かった」
「それは、五倍の早さで治ると言う事でしょうか」
「ああ。まあ、そんな所だ。効き目が五倍と言った方が伝わるかも知れないな。それから、僅かだがクサーシュ草の解毒薬には自然治癒力を高める効果があるのを知っているか」
私は知らなかったので首を振った。
「クサーシュ草の解毒薬には僅かだが自然治癒力を高める効果があり、その効果が十倍程に高まっていた」
「先生の肩こりが良くなったのはそれの効果って事ですか?」
「そうだ」
「わー、そうなんですね」
「それで、もう一つ伝言が。国の薬開発の機関…………王都薬開発研究所が卒業後の進路に検討してみてくれないかと」
「えっと、それは一緒に働きませんか? って事ですか」
私は口をポカンと開けて、プラント先生を見た。
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