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7. カールセンさんの魔法はかっこいい
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スタートの合図で一斉にクラスメイト達が走り出す。
こうしている間にもプラント先生は水人形を一体、もう一体と作り出していく。水人形は水で出来た人型の人形で、目や口などのパーツは何も付いていなかった。
プラント先生は自分が作り出した水人形を、生徒に壊された時に全て把握出来ると言うから驚きだ。
「アイリーン! ぼさっとしないで早く逃げるわよ」
いつの間にか、カールセンさんに呼び捨てにされている。
「ボケっとしないで! 後ろ」
私が後ろ振り向くと、浮遊している水人形がすぐ側まで近づいて来ていた。
「お願い! アイリーンを助けて!」
カールセンさんが声を上げると、手から火炎放射が出ていた。
ジュワッとした音とともに、水人形はどんどん蒸発をしていった。
「カールセンさん。ありがとうございます」
「良かったわ。間に合って。ほら、逃げるわよ」
ホッとした顔を一瞬したカールセンさんは、いつものおほほ顔の時よりも可愛かった。
私達は今、グラウンドの隅にある草むらに隠れている。
カールセンさんが判断をした隠れるは正しかったようで、ポイントを稼ごうとしてグラウンドの中心で魔法を繰り出している生徒達が、複数の水人形に一斉攻撃をされて次々とリタイアして行く様子が見えた。
しかし残り時間はあと十分。
私達はいつまでも隠れている訳にはいかない。
「水人形を倒しに行ってくるわ。アイリーンはここで見つからないように隠れているのよ」
「私も行きます! 一緒に戦います」
「リタイアをしたらマイナス三ポイントなのよ。とにかく見つからないように。分かったわね」
両手を組んだカールセンさんは中々の圧力をかけてくる。
「……分かりました」
カールセンさんは頷くと草むらから飛び出して行った。
こうしている間にもプラント先生は水人形を一体、もう一体と作り出していく。水人形は水で出来た人型の人形で、目や口などのパーツは何も付いていなかった。
プラント先生は自分が作り出した水人形を、生徒に壊された時に全て把握出来ると言うから驚きだ。
「アイリーン! ぼさっとしないで早く逃げるわよ」
いつの間にか、カールセンさんに呼び捨てにされている。
「ボケっとしないで! 後ろ」
私が後ろ振り向くと、浮遊している水人形がすぐ側まで近づいて来ていた。
「お願い! アイリーンを助けて!」
カールセンさんが声を上げると、手から火炎放射が出ていた。
ジュワッとした音とともに、水人形はどんどん蒸発をしていった。
「カールセンさん。ありがとうございます」
「良かったわ。間に合って。ほら、逃げるわよ」
ホッとした顔を一瞬したカールセンさんは、いつものおほほ顔の時よりも可愛かった。
私達は今、グラウンドの隅にある草むらに隠れている。
カールセンさんが判断をした隠れるは正しかったようで、ポイントを稼ごうとしてグラウンドの中心で魔法を繰り出している生徒達が、複数の水人形に一斉攻撃をされて次々とリタイアして行く様子が見えた。
しかし残り時間はあと十分。
私達はいつまでも隠れている訳にはいかない。
「水人形を倒しに行ってくるわ。アイリーンはここで見つからないように隠れているのよ」
「私も行きます! 一緒に戦います」
「リタイアをしたらマイナス三ポイントなのよ。とにかく見つからないように。分かったわね」
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