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「お話しをしていませんでしたが、ルシアン様に振られた後に、私は死のうとしました」
二人供、驚いた顔をして見ていた。
「ルシアン様の前で死んでやろうと思ったんです。しかし、それは叶いませんでした。その場に居合わせたお姉様が、私の首に短剣が刺さる前に止めてくれたんです」
二人供悲しそうな顔をして聞いていて、申し訳なく思った。
「けれど、それは違ったんです。私を助けてくれたのは、お姉様じゃないです」
「誰だったんだ」
「つるです」
「はっ?」
「だから、つるに助けてもらったんですって。あの時に地面からつるが伸びてきて、私の腕に絡まったんですよ」
「どうしてだ」
「そんな事知りませんよ」
二人供納得をしていない様子だった。
本当に緑のつるだったもの!
「本当に、緑色のつるだったんですって」
「プラメル伯爵家にはつるがたくさんあるのか?」
「そんなにないですよ。あの時に立っていた場所は土の上でしたよ」
「では、どこからつるが出てくるんだ」
「地面の中から」
「はっ?」
「地面の中から伸びてきた気がします」
「それで、そのつるはどうなったんだ」
「知りません。そういえばあの時の位置に、今はつるなんてないですね。精霊エミリア様だったりして」
冗談で言った私の言葉を聞いたディリック様は、驚いた顔をした。
「おい、エルーシアのお姉様は、リーベル公爵家の人間と婚約をしたと言っていたな」
「そうですよ。クラウス様ですよ」
「エルーシアのお姉様は、つるの事をなんと言っていたんだ?」
「そういえば……私がお姉様に助けてくれてありがとう。って言ったら、覚えていないの? って言っていたような。けれど最後は、私が助けたわ。みたいな事を言っていました」
「エルーシアのお姉様は、何か知っているのではないだろうか……」
「えっ!」
ディリック様は黙ってしまった。
「お姉様に聞きましょう!」
「だけど、エルーシアのお姉様に聞くと言う事は、俺は国に確認を一度取らねばならない。そして、エルーシアと旅をしていた事も、一部の人間だが知られてしまうぞ」
「いいですよ。それよりもこの謎の方が気になります。もし、私がこの国から追い出されたら、また雇ってくれますか?」
「ああ。もちろんだ!」
そう言ったディリック様の顔は優しく笑っていた。
私達は急いで森を出て、宿屋で部屋をとった。
宿屋でディリック様は、ディリック様のお父様に向けて手紙を書いた。
ディリック様が手紙を書いてから数日が経った。手紙を待っている間は、リーベル領の近隣の領地を観光した。
お姉様に聞く事の許可がおりたので、私は家族に向けて明日帰る事を知らせる手紙を書いた。
夕食を外で食べて宿屋に戻った。
ノックがあった。
ディリック様だった。
「どうかされましたか」
「その……今日で最後だと思ってな」
「ふふ。そうですね。旅楽しかったですね」
「ああ。それでその……、エルーシアが結婚をしたくないと分かっているんだがな、えっと……」
「何ですか?」
「だから、その、好きなんだ!」
「えっ」
「だから、エルーシアの事が好きなんだ!」
私はどう答えていいのか分からずに、返事を返せなくなった。
「エルーシアが貴族と関わりたくない事を知っている。だから、不思議探しが終わってから、俺も立派な庶民を目指そうと思っている。全て片付いたら、俺と一緒にフォンダーン王国に来て欲しい」
「え、えっと」
「俺の事を嫌いか」
「嫌いじゃありません」
「嫌いじゃないのだな? なら、返事は今で無くていい。ゆっくり考えてくれればいいから」
「分かりました」
「おやすみエルーシア」
「おやすみなさい」
ディリック様は優しく微笑んでから、退出をしていった。
私はどうしていいのか分からなくなった。
ディリック様の事は嫌いじゃない。けれど、好きになるのが怖い。
信じて裏切られる事が一番怖い。
二人供、驚いた顔をして見ていた。
「ルシアン様の前で死んでやろうと思ったんです。しかし、それは叶いませんでした。その場に居合わせたお姉様が、私の首に短剣が刺さる前に止めてくれたんです」
二人供悲しそうな顔をして聞いていて、申し訳なく思った。
「けれど、それは違ったんです。私を助けてくれたのは、お姉様じゃないです」
「誰だったんだ」
「つるです」
「はっ?」
「だから、つるに助けてもらったんですって。あの時に地面からつるが伸びてきて、私の腕に絡まったんですよ」
「どうしてだ」
「そんな事知りませんよ」
二人供納得をしていない様子だった。
本当に緑のつるだったもの!
「本当に、緑色のつるだったんですって」
「プラメル伯爵家にはつるがたくさんあるのか?」
「そんなにないですよ。あの時に立っていた場所は土の上でしたよ」
「では、どこからつるが出てくるんだ」
「地面の中から」
「はっ?」
「地面の中から伸びてきた気がします」
「それで、そのつるはどうなったんだ」
「知りません。そういえばあの時の位置に、今はつるなんてないですね。精霊エミリア様だったりして」
冗談で言った私の言葉を聞いたディリック様は、驚いた顔をした。
「おい、エルーシアのお姉様は、リーベル公爵家の人間と婚約をしたと言っていたな」
「そうですよ。クラウス様ですよ」
「エルーシアのお姉様は、つるの事をなんと言っていたんだ?」
「そういえば……私がお姉様に助けてくれてありがとう。って言ったら、覚えていないの? って言っていたような。けれど最後は、私が助けたわ。みたいな事を言っていました」
「エルーシアのお姉様は、何か知っているのではないだろうか……」
「えっ!」
ディリック様は黙ってしまった。
「お姉様に聞きましょう!」
「だけど、エルーシアのお姉様に聞くと言う事は、俺は国に確認を一度取らねばならない。そして、エルーシアと旅をしていた事も、一部の人間だが知られてしまうぞ」
「いいですよ。それよりもこの謎の方が気になります。もし、私がこの国から追い出されたら、また雇ってくれますか?」
「ああ。もちろんだ!」
そう言ったディリック様の顔は優しく笑っていた。
私達は急いで森を出て、宿屋で部屋をとった。
宿屋でディリック様は、ディリック様のお父様に向けて手紙を書いた。
ディリック様が手紙を書いてから数日が経った。手紙を待っている間は、リーベル領の近隣の領地を観光した。
お姉様に聞く事の許可がおりたので、私は家族に向けて明日帰る事を知らせる手紙を書いた。
夕食を外で食べて宿屋に戻った。
ノックがあった。
ディリック様だった。
「どうかされましたか」
「その……今日で最後だと思ってな」
「ふふ。そうですね。旅楽しかったですね」
「ああ。それでその……、エルーシアが結婚をしたくないと分かっているんだがな、えっと……」
「何ですか?」
「だから、その、好きなんだ!」
「えっ」
「だから、エルーシアの事が好きなんだ!」
私はどう答えていいのか分からずに、返事を返せなくなった。
「エルーシアが貴族と関わりたくない事を知っている。だから、不思議探しが終わってから、俺も立派な庶民を目指そうと思っている。全て片付いたら、俺と一緒にフォンダーン王国に来て欲しい」
「え、えっと」
「俺の事を嫌いか」
「嫌いじゃありません」
「嫌いじゃないのだな? なら、返事は今で無くていい。ゆっくり考えてくれればいいから」
「分かりました」
「おやすみエルーシア」
「おやすみなさい」
ディリック様は優しく微笑んでから、退出をしていった。
私はどうしていいのか分からなくなった。
ディリック様の事は嫌いじゃない。けれど、好きになるのが怖い。
信じて裏切られる事が一番怖い。
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