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50 女子トーク
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食堂でローサとエミールとレティシアは昼食を食べていた。
話題は、この間の剣大会についてだ。
「殿下、格好良かったわね」
「そうね。ルーカスは惜しかったわ」
「そうそう。急に動きが鈍くなったらしいわよ。ケネスが言っていたわ」
ローサは二人の会話を聞きながら、どちらも優勝して欲しくなかった。なんて言ったらチクチク言われるのだろうなーっと、考えていた。
身近な人が優勝をするのは嬉しいが、やはり人前でキスなどしたくなかった。と言うのが、ローサの本音だ。
「そうだったのね。一瞬の事で私には分からなかったわ」
「ええ、私もよ。ローサは?」
「えっ、何?」
「聞いていなかったの? ルーカスの敗因についての話よ」
「ああ。ルーカスのね。頑張っていたのに残念よね。フレデリク殿下の方が年上だから、体力とか体格の問題じゃないかしら?」
「体格なら、殿下よりルーカスの方がいいわよね」
エミールはあれ? と言った顔で答えた。
「うーん。そうかも」
「ケネスは、ルーカスの動きが一瞬止まったって言っていたわ」
「そうなの。ケネスが言うならそうなのかも」
「そうよね。だって、ケネスが言うんだもの」
レティシアはそうなのか? と、二人の会話を聞いていたが、口を挟まない事にした。
ローサとエミールは、ケネスの事を先生のように思っている所がある。
なぜなら、ケネス先生の熱い指導のおかけでローサとルーカスは、魔力石を使えるようになったからだ。
「ケネスと言えば、ルーカスと放課後こそこそと何かやっているのよ」
「だから毎日一緒に帰らないのね。二人は仲が良いわね」
「へぇー、そうなんだ」
「あら、レティシアも知らないのね」
「ええ」
「ルーカスに対して積極的だから、知っているかもと思っていたんだけど……」
そう言ったのはエミールだ。
「うーん。もういいかも。ルーカスより大人男性はたくさんいそうな気がして」
ローサの中でレティシアの好きな男性のタイプが追加された。
権力者でお金持ちで大人な男性。
そんな人……何処にいるのだろうか……。
「うーん、そうかもね。ルーカスより大人な男性はたくさんいるわ。例えばレイノス様とか」
「そうよね、そうよね。レイノス様も素敵だけど、ローサのご親戚のアリストロさんも格好良かったわ」
「えっ、あーくん?」
「そう。アリストロさん! また会いたいわー」
レティシアは、少し頬を染めてローサに言った。
「あーくんは、オルブライト領に帰るって言っていたから難しい……かな……?」
「そうなのね……残念だわ。オルブライト領でお仕事をされているの?」
「そうなの!」
「まあ、何をされているのかしら?」
ローサはあーくんが普段している事について真剣に考えた。
えっと、人間の中身の入替えと……人の人生を掻き回して遊んでいるわね。
「あっ、えっと…………人生相談……かな?」
「人生相談? 初めて聞く職業だわ」
「そう! 最近始めた商売で、オルブライト領で成功をしたら、王都で挑戦してみるって言っていた……かも?」
「へぇー、そうなの。今度私も相談に乗って欲しいわ」
「はーい。伝えておくわね」
ローサは苦笑いをして答えた。
二人の会話が一段落をした所で、エミールが話し始めた。
「ねぇ、最近レイノス様のファンクラブ? が、学院の中で作られたらしいの。知っている?」
「ええ、噂で聞いたわ。確か二つ上の学年を中心に人が集まっているらしわね」
「へぇー、知らなかった。レイノス様のファンクラブが出来たんだ」
「ローサ、ファンクラブを知っているの?」
エミールが驚いた顔をして、ローサに聞いた。
隣のレティシアも驚いた顔をしている。
「えっ? レイノス様のが作られたのは知らないけど、ファンクラブは知っているわよ」
首を傾げたローサ。
「そうなの? もしかしてオルブライト領ではあるのかしら? 私、ファンクラブってものを初めて知ったわ。会員制の愛好家団体の事をファンクラブって呼ぶのね」
「えっ……そう。オルブライト領ではあるのよ。ファンクラブ!」
「誰の?」
ローサは咄嗟に、さっき話題に上がっていた。悪魔を思い出した。
「あーくんのよ!」
「まあ! さすがアリストロさんだわ」
目をキラキラさせたレティシア。
「あー、うん。そうなの」
「オルブライト領って、色々な事に取り組んでいるのね」
「え、ええ。そうなのよ」
この世界では、ファンクラブがなかった……?
と言う事は、レイが自分のファンクラブを作ったって事?
ローサは、うっかりした発言を気をつけようと思ったのだった。
話題は、この間の剣大会についてだ。
「殿下、格好良かったわね」
「そうね。ルーカスは惜しかったわ」
「そうそう。急に動きが鈍くなったらしいわよ。ケネスが言っていたわ」
ローサは二人の会話を聞きながら、どちらも優勝して欲しくなかった。なんて言ったらチクチク言われるのだろうなーっと、考えていた。
身近な人が優勝をするのは嬉しいが、やはり人前でキスなどしたくなかった。と言うのが、ローサの本音だ。
「そうだったのね。一瞬の事で私には分からなかったわ」
「ええ、私もよ。ローサは?」
「えっ、何?」
「聞いていなかったの? ルーカスの敗因についての話よ」
「ああ。ルーカスのね。頑張っていたのに残念よね。フレデリク殿下の方が年上だから、体力とか体格の問題じゃないかしら?」
「体格なら、殿下よりルーカスの方がいいわよね」
エミールはあれ? と言った顔で答えた。
「うーん。そうかも」
「ケネスは、ルーカスの動きが一瞬止まったって言っていたわ」
「そうなの。ケネスが言うならそうなのかも」
「そうよね。だって、ケネスが言うんだもの」
レティシアはそうなのか? と、二人の会話を聞いていたが、口を挟まない事にした。
ローサとエミールは、ケネスの事を先生のように思っている所がある。
なぜなら、ケネス先生の熱い指導のおかけでローサとルーカスは、魔力石を使えるようになったからだ。
「ケネスと言えば、ルーカスと放課後こそこそと何かやっているのよ」
「だから毎日一緒に帰らないのね。二人は仲が良いわね」
「へぇー、そうなんだ」
「あら、レティシアも知らないのね」
「ええ」
「ルーカスに対して積極的だから、知っているかもと思っていたんだけど……」
そう言ったのはエミールだ。
「うーん。もういいかも。ルーカスより大人男性はたくさんいそうな気がして」
ローサの中でレティシアの好きな男性のタイプが追加された。
権力者でお金持ちで大人な男性。
そんな人……何処にいるのだろうか……。
「うーん、そうかもね。ルーカスより大人な男性はたくさんいるわ。例えばレイノス様とか」
「そうよね、そうよね。レイノス様も素敵だけど、ローサのご親戚のアリストロさんも格好良かったわ」
「えっ、あーくん?」
「そう。アリストロさん! また会いたいわー」
レティシアは、少し頬を染めてローサに言った。
「あーくんは、オルブライト領に帰るって言っていたから難しい……かな……?」
「そうなのね……残念だわ。オルブライト領でお仕事をされているの?」
「そうなの!」
「まあ、何をされているのかしら?」
ローサはあーくんが普段している事について真剣に考えた。
えっと、人間の中身の入替えと……人の人生を掻き回して遊んでいるわね。
「あっ、えっと…………人生相談……かな?」
「人生相談? 初めて聞く職業だわ」
「そう! 最近始めた商売で、オルブライト領で成功をしたら、王都で挑戦してみるって言っていた……かも?」
「へぇー、そうなの。今度私も相談に乗って欲しいわ」
「はーい。伝えておくわね」
ローサは苦笑いをして答えた。
二人の会話が一段落をした所で、エミールが話し始めた。
「ねぇ、最近レイノス様のファンクラブ? が、学院の中で作られたらしいの。知っている?」
「ええ、噂で聞いたわ。確か二つ上の学年を中心に人が集まっているらしわね」
「へぇー、知らなかった。レイノス様のファンクラブが出来たんだ」
「ローサ、ファンクラブを知っているの?」
エミールが驚いた顔をして、ローサに聞いた。
隣のレティシアも驚いた顔をしている。
「えっ? レイノス様のが作られたのは知らないけど、ファンクラブは知っているわよ」
首を傾げたローサ。
「そうなの? もしかしてオルブライト領ではあるのかしら? 私、ファンクラブってものを初めて知ったわ。会員制の愛好家団体の事をファンクラブって呼ぶのね」
「えっ……そう。オルブライト領ではあるのよ。ファンクラブ!」
「誰の?」
ローサは咄嗟に、さっき話題に上がっていた。悪魔を思い出した。
「あーくんのよ!」
「まあ! さすがアリストロさんだわ」
目をキラキラさせたレティシア。
「あー、うん。そうなの」
「オルブライト領って、色々な事に取り組んでいるのね」
「え、ええ。そうなのよ」
この世界では、ファンクラブがなかった……?
と言う事は、レイが自分のファンクラブを作ったって事?
ローサは、うっかりした発言を気をつけようと思ったのだった。
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