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ネタバレ 改
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イリアは混乱した。
先ほどまでぼろい安宿の年季の入った廊下にいたはずなのに、ここはどこだろう。
白を基調としたロココ調の家具でまとめられた美しい部屋。
アーチ型の白フレームの窓からは先ほどから時間が経っていないことを裏付けるかのように朝日が差している。
もしかしなくても……貴族の一室だと察せられる。
「えっ!? リオ!? ここは!?」
「王都の僕の部屋」
「王都!? さっきの〝力ある言葉〟って……まさか魔法で転移したの!?」
「そうだよ。言ったよね。僕は魔法を使えるって」
「回復魔法だけじゃないの?」
「うん。イリアみたいな凄い魔法じゃない簡単な魔法だけどね」
転移門を使った魔法移動なら魔力がなくても問題ないが、普通の魔法で転移できるとはかなり高等な魔法だ。
イリアもディボの作った魔道具がなければ転移など不可能だ。
リオの顔を見たくて、イリアはリオの胸を少し押して、見上げた。
リオの腕の力は緩まないものの、にっこりと満面の笑みを浮かべている。
(魔法が使えるなんて凄いわ……って問題はそこじゃない! 僕の部屋ってなに?)
「なんでリオの部屋に転移したの? どういうこと?」
「ん? だってイリアの目的はここでしょ?」
「ここって……私が王都に来た目的は王太子殿下の病を治すことよ。なんでリオの部屋にいるの?」
「だから、僕の病を治してくれるんでしょ?」
「僕の病……?」
混乱するイリアにリオが悪戯が成功したようにふっと微笑んだ。かと思うと自分の髪に触れた。
リオからふわりと風が舞い、淡いレモンイエローの粒子が舞った。
「リオ……その髪……」
リオの赤銅色の髪が見る見るうちに淡い緑の髪に変化した。
光の加減で金にも見える髪がサラリと揺れる。
(この髪……この瞳……)
「エリオット王太子殿下……」
「そう、正解」
「え……えええええええ!?」
思わずリオを突き飛ばし、その姿をまじまじと見た。
子供の頃に見た禁書、「フロイライン―剣と魔法と恋―」の設定資料集に書かれていた王太子エリオットの姿だった。
「うそ……」
「ごめんね。王太子ですって会いに行ったらイリアはまた逃げちゃうだろ?」
「じゃあ、病気っていうのも嘘だったの?」
「嘘じゃないよ。だって僕は〝恋の病〟だったから。ね、イリアにしか治せないでしょ?」
堂々とそんなこっぱずかしいことを言うリオ――エリオットに思わず真顔になって白い眼を向けてしまう。
「イリアーそんなドン引きしないで」
「いや、ドン引きするでしょ? 恥ずかしくないの?」
「だって本当のことだし、ね」
「じゃあなんで転移してさっさと王都に連れてこなかったの?」
「その方がイリアと一緒に長くいられるし、その間に僕のことを好きになってもらおうかなって」
(いろんな意味で騙された……)
迂闊に好きかもなんて言ってしまったことを後悔した。
「悩むよりまず行動! 失敗してもその経験が財産!」が信条であったが、結果は失敗のほうだったし、その経験が財産となるどころか断罪=死亡ルートまっしぐらだ。
(いや、待って……まだチャンスはある。だって王太子には婚約者がいるって言っていた。ということは私が婚約者になるわけじゃない! 断罪ルート回避できるかも!)
「リオ、申し訳ないけど、私、婚約者がいるような人とはお付き合いできないわ。だから付き合うっていうのは無しにしましょう」
「え? 婚約者なんていないよ」
「アイザックさんがリオには婚約者がいるって言っていたけど……」
「そんなこと言ってた?」
「言っていたわ! 〝婚約者として正式な方はまだいないけど婚約式の準備は出来てる〟って。あれは婚約者に内定している人はいるけど、まだ婚約式で公表してないだけってことでしょ?」
「それはイリアのことだよ」
その言葉にイリアは絶句した。
確かに具体的に誰とは言わなかった。
だがそれが自分のことを言っていると誰が思うだろうか?
「嘘は言ってないよね」
「~~~!!」
もう言葉が出ない。
全てエリオットの計画通りだったのではないか……。
踊らされた気持ちと断罪ルートまっしぐらなことにイリアの思考は完全に停止した。
冷静に考えれば何度も既視感があったのだ。
どこかで見たような顔だとも思ったし、これが薊の推し声優の野宮健次郎に似ているはずである。
「婚約式は1週間後になると思うから、準備で大変かもしれないけど……それだけはごめんね」
「一応聞くけど誰の婚約式かしら?」
「もちろん僕とイリアの」
「私は、婚約しません!」
「じゃあイリアは嘘ついたんだね」
エリオットは視線をそらし、悲壮な顔をして言った。
嘘なんてついた覚えはないし、心外だ。
「嘘なんてついてないわよ。婚約するなんて言ってないじゃない」
「結婚前提に付き合ってくれるって言った」
確かに言った。
だがそれが急に婚約になるとは思わないだろう。
第一相手が王太子だと知っていたら絶対に付き合おうなどと思わなかった。
「僕は嘘なんて一つも言っていないのに……イリアは嘘をつくんだね」
「うううう……そう言われると……確かにリオは嘘はついてないけど……」
「ま、いいや。まずは父上に報告してくるね。嬉しいなぁ、イリアとようやく婚約できる」
「いや、ちょちょっと待って!」
「イリアの元を離れるのは寂しいけど、すぐに戻ってくるから待ってて」
そう言うとエリオットはメイド頭を呼び、イリアを部屋に案内することとお茶を用意するように言いつけて出ていこうとした。
(このままじゃ、断罪ルートまっしぐらよね……ここは、逃げるが勝ちって言うし……)
幸い自分は魔法を使えるし、ここが二階だとしても魔法で飛び降りて走れば逃げれないこともないだろう。
そう脳内で算段していると、ドアに向かって歩き出したエリオットがくるりと踵を返してぎゅっとイリアを抱きしめた。
「逃げようとしてもダメだからね。逃げたらお仕置きだから」
「あまり聞きたくないけど……例えばどんなお仕置きなのかしら?」
「口では言えないこと、しちゃうかもね。例えば……こんな」
エリオットが突然イリアの首元に口づけした。ちゅっというリップ音がイリアの耳に入る。
「もっと凄いことするよ。あぁ、魔法で逃げても無駄だからね。前も言っただろ? イリアがどこにいても見つけられるって」
それがどうしてなのかは分からないが、これまでの実績を考えると、もう逃げ場がないような気がしてくる。
最後にエリオットはイリアの手を取ってそっと口づけを落とした。
紳士的な挨拶ではあるが、やけに熱を帯びている。
「いい子にしててね」
最後にそう告げてエリオットは今度こそ部屋を出て行った。
後には途方に暮れて立ち尽くすイリアが残されたのだった。
先ほどまでぼろい安宿の年季の入った廊下にいたはずなのに、ここはどこだろう。
白を基調としたロココ調の家具でまとめられた美しい部屋。
アーチ型の白フレームの窓からは先ほどから時間が経っていないことを裏付けるかのように朝日が差している。
もしかしなくても……貴族の一室だと察せられる。
「えっ!? リオ!? ここは!?」
「王都の僕の部屋」
「王都!? さっきの〝力ある言葉〟って……まさか魔法で転移したの!?」
「そうだよ。言ったよね。僕は魔法を使えるって」
「回復魔法だけじゃないの?」
「うん。イリアみたいな凄い魔法じゃない簡単な魔法だけどね」
転移門を使った魔法移動なら魔力がなくても問題ないが、普通の魔法で転移できるとはかなり高等な魔法だ。
イリアもディボの作った魔道具がなければ転移など不可能だ。
リオの顔を見たくて、イリアはリオの胸を少し押して、見上げた。
リオの腕の力は緩まないものの、にっこりと満面の笑みを浮かべている。
(魔法が使えるなんて凄いわ……って問題はそこじゃない! 僕の部屋ってなに?)
「なんでリオの部屋に転移したの? どういうこと?」
「ん? だってイリアの目的はここでしょ?」
「ここって……私が王都に来た目的は王太子殿下の病を治すことよ。なんでリオの部屋にいるの?」
「だから、僕の病を治してくれるんでしょ?」
「僕の病……?」
混乱するイリアにリオが悪戯が成功したようにふっと微笑んだ。かと思うと自分の髪に触れた。
リオからふわりと風が舞い、淡いレモンイエローの粒子が舞った。
「リオ……その髪……」
リオの赤銅色の髪が見る見るうちに淡い緑の髪に変化した。
光の加減で金にも見える髪がサラリと揺れる。
(この髪……この瞳……)
「エリオット王太子殿下……」
「そう、正解」
「え……えええええええ!?」
思わずリオを突き飛ばし、その姿をまじまじと見た。
子供の頃に見た禁書、「フロイライン―剣と魔法と恋―」の設定資料集に書かれていた王太子エリオットの姿だった。
「うそ……」
「ごめんね。王太子ですって会いに行ったらイリアはまた逃げちゃうだろ?」
「じゃあ、病気っていうのも嘘だったの?」
「嘘じゃないよ。だって僕は〝恋の病〟だったから。ね、イリアにしか治せないでしょ?」
堂々とそんなこっぱずかしいことを言うリオ――エリオットに思わず真顔になって白い眼を向けてしまう。
「イリアーそんなドン引きしないで」
「いや、ドン引きするでしょ? 恥ずかしくないの?」
「だって本当のことだし、ね」
「じゃあなんで転移してさっさと王都に連れてこなかったの?」
「その方がイリアと一緒に長くいられるし、その間に僕のことを好きになってもらおうかなって」
(いろんな意味で騙された……)
迂闊に好きかもなんて言ってしまったことを後悔した。
「悩むよりまず行動! 失敗してもその経験が財産!」が信条であったが、結果は失敗のほうだったし、その経験が財産となるどころか断罪=死亡ルートまっしぐらだ。
(いや、待って……まだチャンスはある。だって王太子には婚約者がいるって言っていた。ということは私が婚約者になるわけじゃない! 断罪ルート回避できるかも!)
「リオ、申し訳ないけど、私、婚約者がいるような人とはお付き合いできないわ。だから付き合うっていうのは無しにしましょう」
「え? 婚約者なんていないよ」
「アイザックさんがリオには婚約者がいるって言っていたけど……」
「そんなこと言ってた?」
「言っていたわ! 〝婚約者として正式な方はまだいないけど婚約式の準備は出来てる〟って。あれは婚約者に内定している人はいるけど、まだ婚約式で公表してないだけってことでしょ?」
「それはイリアのことだよ」
その言葉にイリアは絶句した。
確かに具体的に誰とは言わなかった。
だがそれが自分のことを言っていると誰が思うだろうか?
「嘘は言ってないよね」
「~~~!!」
もう言葉が出ない。
全てエリオットの計画通りだったのではないか……。
踊らされた気持ちと断罪ルートまっしぐらなことにイリアの思考は完全に停止した。
冷静に考えれば何度も既視感があったのだ。
どこかで見たような顔だとも思ったし、これが薊の推し声優の野宮健次郎に似ているはずである。
「婚約式は1週間後になると思うから、準備で大変かもしれないけど……それだけはごめんね」
「一応聞くけど誰の婚約式かしら?」
「もちろん僕とイリアの」
「私は、婚約しません!」
「じゃあイリアは嘘ついたんだね」
エリオットは視線をそらし、悲壮な顔をして言った。
嘘なんてついた覚えはないし、心外だ。
「嘘なんてついてないわよ。婚約するなんて言ってないじゃない」
「結婚前提に付き合ってくれるって言った」
確かに言った。
だがそれが急に婚約になるとは思わないだろう。
第一相手が王太子だと知っていたら絶対に付き合おうなどと思わなかった。
「僕は嘘なんて一つも言っていないのに……イリアは嘘をつくんだね」
「うううう……そう言われると……確かにリオは嘘はついてないけど……」
「ま、いいや。まずは父上に報告してくるね。嬉しいなぁ、イリアとようやく婚約できる」
「いや、ちょちょっと待って!」
「イリアの元を離れるのは寂しいけど、すぐに戻ってくるから待ってて」
そう言うとエリオットはメイド頭を呼び、イリアを部屋に案内することとお茶を用意するように言いつけて出ていこうとした。
(このままじゃ、断罪ルートまっしぐらよね……ここは、逃げるが勝ちって言うし……)
幸い自分は魔法を使えるし、ここが二階だとしても魔法で飛び降りて走れば逃げれないこともないだろう。
そう脳内で算段していると、ドアに向かって歩き出したエリオットがくるりと踵を返してぎゅっとイリアを抱きしめた。
「逃げようとしてもダメだからね。逃げたらお仕置きだから」
「あまり聞きたくないけど……例えばどんなお仕置きなのかしら?」
「口では言えないこと、しちゃうかもね。例えば……こんな」
エリオットが突然イリアの首元に口づけした。ちゅっというリップ音がイリアの耳に入る。
「もっと凄いことするよ。あぁ、魔法で逃げても無駄だからね。前も言っただろ? イリアがどこにいても見つけられるって」
それがどうしてなのかは分からないが、これまでの実績を考えると、もう逃げ場がないような気がしてくる。
最後にエリオットはイリアの手を取ってそっと口づけを落とした。
紳士的な挨拶ではあるが、やけに熱を帯びている。
「いい子にしててね」
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