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ピンチです①
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黙っているリディに対し、ナルサスは更に詰め寄った。
どんどん二人の間の隙間が縮まる。
ナルサスを知っているのは彼が攻略対象であるからなのだが、そんなことは言えるはずもない。
故にそれらしい理由を述べた。
「ほほほ…ナルサス殿下は有名な方でいらっしゃいますから。もちろん皆知っておりますでしょ?」
ほほほとワザとらしい笑いになってしまったが、とにかくこのご尊顔が近づくのは避けたい。
あまりに距離が近過ぎて落ち着かない。
だが、リディの言葉に対し、ナルサスは再びドンと壁を叩いた。
思わずびくりと肩が揺れてしまった。
「私がこのヴァンドール王国に来たのは極秘だ。しかも私はヴァンドールに来るのは初めてだ」
「はぁ」
「つまり、私の顔を知る人間はこの国には居ないということだ」
(そうなの!?)
その剣呑な瞳のままにナルサスが更に迫る。
「私の命を狙う者か?誰に雇われた?なぜ私を知っている。返答次第ではお前を殺す」
「えーと…」
ここで「貴方はゲームの攻略対象なんで知ってるんです」なんて事は言えない。
どう考えても頭のおかしい人間だと思われるだろう。
だが同じ頭がおかしい人間だと思われるならまだ妖精のお告げだとかの方がマシだろう。
「わ、私、妖精が見えまして、妖精が教えてくれたんです!」
「はぁ?そんな馬鹿げたことを私が信じるとでも思っているのか?ならば、相当めでたい頭の持ち主だな」
「やっぱりそうなりますよね…。では、ナルサス様の秘密を伝えたら信じてくれますか?」
「やれるならな」
生命の危機を感じ、リディは緊張しながらもナルサスの周りにいる妖精に小声で語りかけた。
(ナルサス様について教えてもらえないでしょうか?)
『ナルサスの秘密はー』
『ナルサスってばさー』
双子のような妖精が薄緑の羽をパタパタとはためかせて、リディの周りを飛びながら囁いた。
ただその内容は攻略対象のナルサスが持つ秘密としてはいささか驚きの事で、リディにはちょっと信じられない。
「えっと…金の目、綺麗ですよ?」
「は?」
「お嫌いなんでしょう?」
「…」
そう、ナルサスは自分の容姿が嫌いなのだった。
(モブキャラの私にとっては羨ましすぎる悩み!!贅沢すぎだわ!)
などとちょっとむっとしたが、次に妖精が囁いたエピソードは少し微笑ましくて思わず笑ってしまった。
「あと、暗い髪を気にしてらっしゃるんですね。ふふふ…十四歳の時に魔術師に頼んで金髪に変えようとしたら失敗して緑になって怒られたなんて、ナルサス様可愛いところあるんですね」
「!?」
ナルサスの顔から先ほどの怒気は無くなり、代わりに驚愕とも唖然とも取れる表情になっている。
「これで…信じてもらえました?」
「…ふーん、お前、面白い女だな」
(乙女ゲームであるセリフだけどガチで言われると思わなかった…)
ナルサスはにやりと笑ってそう言った。
表情は先ほどとは打って変わって、何か興味深い物…いや、珍獣を見たような表情になっている。
そしてリディの頤に手を当ててくいと上向かせた。
「お前、私と来い。もう少し話がしたい」
すっと細められた目がリディを捕える。
まるで珍獣…もとい獲物を捕らえた捕食者の目だ。
それを見たリディは本能的に危険を察知した。
(まずい、なんか分からないけどまずい!)
ピキーンという音が脳内に鳴ると同時にリディは渾身の力を込めてナルサスの手を振り払おうとした。
だが、勢い余ってナルサスの脛に蹴りを入れる形になってしまった。
ヴっと言ってナルサスが手を離した瞬間にリディはナルサスの束縛から逃れ、早口で捲し立てながら脱兎のごとく逃げた。
「えっ、えーと!!人を待たせているので失礼します!!」
「あ!おい!」
ナルサスは脛に打撃を食らった痛みで歩けないようで、その場から動かずリディを呼び止める。
(逃げるが勝ち!!)
リディは後ろを振り返らず猛ダッシュで廊下を駆け抜けた。
短距離走さながらにドレスをたくし上げて走ったので、廊下ですれ違った女性が二度見している。
「おい、待て!」
チラリと後を見ればナルサスが追いかけてくるのが見えたので、リディはさらに加速した。
距離はあるがこちらはドレスだ。
だがもう形振り構ってはいられない。
髪が乱れていることや、およそ貴族令嬢らしからぬ形相でいることも理解しているが、捕まるわけにはいかない。
先ほどルシアンと別れた場所まで辿り着くと、そこには既にルシアンが戻って来て、リディを探しているのかキョロキョロと周囲を見回しているのが見えた。
「ルシアン様!」
「リディ、探した…って?」
「とりあえず逃げます!!」
「えっ?!」
リディはルシアンの腕に手を絡めてそのまま連行した。
訳も分かってないルシアンだったが、何か事件が起こっていることを察して、逆にリディの手を引いて走ってくれた。
やがて屋敷の外に出て、庭園の茂みに身を隠す。
「あいつ、どこに行った?…見失ったか」
息を顰めていると、ナルサスの声が聞こえたが、やがてその気配は無くなった。
どうやら諦めて帰って行ったようだ。
「はぁ…居なくなりましたね」
「何があったんだ?」
リディがほっと胸を撫で下ろして見上げれば、ルシアンに抱き抱えられていることに気づく。
(ち、近い!!)
絶対顔が真っ赤になっているであろう。
さっきのこともあってリディは逃げるように飛び退いた。
とりあえずは月明かりだけが庭園を照らしているので、赤面中のリディの顔色までは見えないとは思う。
なんとか冷静を保ちつつ、リディは事の顛末を話した。
「実は…」
たまたまナルサスと会ったこと。
だがナルサスは極秘で訪問していたのでリディの言動を不審に思われて殺されそうだったこと…などだ。
「なるほどな。実は先ほど呼ばれた件はナルサスの話だったんだ。公にはされてないが極秘に入国した可能性があると。ただ行方知らずというか…どこに滞在しているなどの情報はなくて。もし万が一彼に何があれば国際問題だ」
「え…」
「どうしたんだリディ」
「いえ、なんでもないと…思います」
(私、さっきめっちゃ鳩尾エルボーした上、脛蹴っちゃったよね?!怪我とか…してないよね?!)
これで国際問題になったら冗談じゃすまない。
リディの鼓動が先ほどのドキドキとは違う意味で激しくなり、背中にも冷や汗が流れた。
(でも、ナルサスは私の事分からないだろうし…)
リディは自己紹介をしていないし、自分程度の容姿の人間が記憶には残らないだろう。
なんせモブなのだから、その他大勢の夜会参加者の一人だ。身元がバレることはない…はずだ。
「でもナルサスがこんなところにいるとは、思わなかった」
「ですね…。でもなんで夜会に潜入のように参加してたんですかね?」
「そこは分からないが、ソフィアナとの縁談の件で来たのかもな。推測だが」
「ナルサスが現れたってことは、ルイスもナルサスもソフィアナを選ばない方法を早く考えなくちゃですね。もう無理かもですけど…」
ソフィアナはあれだけの絶世の美女なのだ。
男性が放っておくはずはない。
しかも相手は隣国の王子とこの国の王子なのだ。
侯爵令嬢との婚約は身分的にも問題ない。
どんどん二人の間の隙間が縮まる。
ナルサスを知っているのは彼が攻略対象であるからなのだが、そんなことは言えるはずもない。
故にそれらしい理由を述べた。
「ほほほ…ナルサス殿下は有名な方でいらっしゃいますから。もちろん皆知っておりますでしょ?」
ほほほとワザとらしい笑いになってしまったが、とにかくこのご尊顔が近づくのは避けたい。
あまりに距離が近過ぎて落ち着かない。
だが、リディの言葉に対し、ナルサスは再びドンと壁を叩いた。
思わずびくりと肩が揺れてしまった。
「私がこのヴァンドール王国に来たのは極秘だ。しかも私はヴァンドールに来るのは初めてだ」
「はぁ」
「つまり、私の顔を知る人間はこの国には居ないということだ」
(そうなの!?)
その剣呑な瞳のままにナルサスが更に迫る。
「私の命を狙う者か?誰に雇われた?なぜ私を知っている。返答次第ではお前を殺す」
「えーと…」
ここで「貴方はゲームの攻略対象なんで知ってるんです」なんて事は言えない。
どう考えても頭のおかしい人間だと思われるだろう。
だが同じ頭がおかしい人間だと思われるならまだ妖精のお告げだとかの方がマシだろう。
「わ、私、妖精が見えまして、妖精が教えてくれたんです!」
「はぁ?そんな馬鹿げたことを私が信じるとでも思っているのか?ならば、相当めでたい頭の持ち主だな」
「やっぱりそうなりますよね…。では、ナルサス様の秘密を伝えたら信じてくれますか?」
「やれるならな」
生命の危機を感じ、リディは緊張しながらもナルサスの周りにいる妖精に小声で語りかけた。
(ナルサス様について教えてもらえないでしょうか?)
『ナルサスの秘密はー』
『ナルサスってばさー』
双子のような妖精が薄緑の羽をパタパタとはためかせて、リディの周りを飛びながら囁いた。
ただその内容は攻略対象のナルサスが持つ秘密としてはいささか驚きの事で、リディにはちょっと信じられない。
「えっと…金の目、綺麗ですよ?」
「は?」
「お嫌いなんでしょう?」
「…」
そう、ナルサスは自分の容姿が嫌いなのだった。
(モブキャラの私にとっては羨ましすぎる悩み!!贅沢すぎだわ!)
などとちょっとむっとしたが、次に妖精が囁いたエピソードは少し微笑ましくて思わず笑ってしまった。
「あと、暗い髪を気にしてらっしゃるんですね。ふふふ…十四歳の時に魔術師に頼んで金髪に変えようとしたら失敗して緑になって怒られたなんて、ナルサス様可愛いところあるんですね」
「!?」
ナルサスの顔から先ほどの怒気は無くなり、代わりに驚愕とも唖然とも取れる表情になっている。
「これで…信じてもらえました?」
「…ふーん、お前、面白い女だな」
(乙女ゲームであるセリフだけどガチで言われると思わなかった…)
ナルサスはにやりと笑ってそう言った。
表情は先ほどとは打って変わって、何か興味深い物…いや、珍獣を見たような表情になっている。
そしてリディの頤に手を当ててくいと上向かせた。
「お前、私と来い。もう少し話がしたい」
すっと細められた目がリディを捕える。
まるで珍獣…もとい獲物を捕らえた捕食者の目だ。
それを見たリディは本能的に危険を察知した。
(まずい、なんか分からないけどまずい!)
ピキーンという音が脳内に鳴ると同時にリディは渾身の力を込めてナルサスの手を振り払おうとした。
だが、勢い余ってナルサスの脛に蹴りを入れる形になってしまった。
ヴっと言ってナルサスが手を離した瞬間にリディはナルサスの束縛から逃れ、早口で捲し立てながら脱兎のごとく逃げた。
「えっ、えーと!!人を待たせているので失礼します!!」
「あ!おい!」
ナルサスは脛に打撃を食らった痛みで歩けないようで、その場から動かずリディを呼び止める。
(逃げるが勝ち!!)
リディは後ろを振り返らず猛ダッシュで廊下を駆け抜けた。
短距離走さながらにドレスをたくし上げて走ったので、廊下ですれ違った女性が二度見している。
「おい、待て!」
チラリと後を見ればナルサスが追いかけてくるのが見えたので、リディはさらに加速した。
距離はあるがこちらはドレスだ。
だがもう形振り構ってはいられない。
髪が乱れていることや、およそ貴族令嬢らしからぬ形相でいることも理解しているが、捕まるわけにはいかない。
先ほどルシアンと別れた場所まで辿り着くと、そこには既にルシアンが戻って来て、リディを探しているのかキョロキョロと周囲を見回しているのが見えた。
「ルシアン様!」
「リディ、探した…って?」
「とりあえず逃げます!!」
「えっ?!」
リディはルシアンの腕に手を絡めてそのまま連行した。
訳も分かってないルシアンだったが、何か事件が起こっていることを察して、逆にリディの手を引いて走ってくれた。
やがて屋敷の外に出て、庭園の茂みに身を隠す。
「あいつ、どこに行った?…見失ったか」
息を顰めていると、ナルサスの声が聞こえたが、やがてその気配は無くなった。
どうやら諦めて帰って行ったようだ。
「はぁ…居なくなりましたね」
「何があったんだ?」
リディがほっと胸を撫で下ろして見上げれば、ルシアンに抱き抱えられていることに気づく。
(ち、近い!!)
絶対顔が真っ赤になっているであろう。
さっきのこともあってリディは逃げるように飛び退いた。
とりあえずは月明かりだけが庭園を照らしているので、赤面中のリディの顔色までは見えないとは思う。
なんとか冷静を保ちつつ、リディは事の顛末を話した。
「実は…」
たまたまナルサスと会ったこと。
だがナルサスは極秘で訪問していたのでリディの言動を不審に思われて殺されそうだったこと…などだ。
「なるほどな。実は先ほど呼ばれた件はナルサスの話だったんだ。公にはされてないが極秘に入国した可能性があると。ただ行方知らずというか…どこに滞在しているなどの情報はなくて。もし万が一彼に何があれば国際問題だ」
「え…」
「どうしたんだリディ」
「いえ、なんでもないと…思います」
(私、さっきめっちゃ鳩尾エルボーした上、脛蹴っちゃったよね?!怪我とか…してないよね?!)
これで国際問題になったら冗談じゃすまない。
リディの鼓動が先ほどのドキドキとは違う意味で激しくなり、背中にも冷や汗が流れた。
(でも、ナルサスは私の事分からないだろうし…)
リディは自己紹介をしていないし、自分程度の容姿の人間が記憶には残らないだろう。
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「でもナルサスがこんなところにいるとは、思わなかった」
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「そこは分からないが、ソフィアナとの縁談の件で来たのかもな。推測だが」
「ナルサスが現れたってことは、ルイスもナルサスもソフィアナを選ばない方法を早く考えなくちゃですね。もう無理かもですけど…」
ソフィアナはあれだけの絶世の美女なのだ。
男性が放っておくはずはない。
しかも相手は隣国の王子とこの国の王子なのだ。
侯爵令嬢との婚約は身分的にも問題ない。
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