相性って大事

茜菫

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結婚までの道のり

彼女のしあわせ(4)*

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 ベッドの上で向かい合い、何度もキスを交し、おたがいに触れ合って高めあう。ニーナはどちらかと言えばされるよりする方が好きらしく、この時間がいちばん楽しそうだ。ニーナはゆっくりと唇をフェリクスの首筋、胸へと落とす。ちらちらと上目で反応をうかがいながら尽くしてくれる様子が、フェリクスはたまらなくかわいいと思う。

「っ、ニーナ」

「は、……ん、……フェリクス……」

 フェリクスはニーナの頭をなでながら名を呼び、顔を上げた彼女の唇にキスをする。そのまま舌を絡めながら、彼女の体をゆっくりと押し倒した。

 地獄から救ってくれた手を取り、その手のひらと甲にキスをして、ニーナの両脚を抱える。ぬれそぼった彼女の割れ目に自身を擦りつけると、そこはその先を期待するかのようにひくりと震えた。

「フェリクス……」

 フェリクスは名を呼んで両手を広げたニーナの中にぐっと入り込み、甘い声をもらす彼女の体を抱きしめる。ニーナは背に腕を回し、そのままぎゅっと抱きついた。

「……私、すごくしあわせ」

「ニーナ……」

「フェリクスに、会えてよかった」

 そう言ってほほ笑んだニーナに何度もキスをする。会えてよかった、その言葉にはさまざまな想いがあるのだろう。この地にいることは、ニーナにとっては不本意なはずだ。

「……ありがとう、ニーナ」

 しかし、ニーナはそれらを受け入れ、これからの生涯を彼とともにあることを選んでくれた。ほほ笑むニーナの唇に口づけ、フェリクスは腰を動かした。

「ん、あ……っ、あぁ……」

 初めはゆっくりと、次第に激しくなっていく行為にニーナが身をよじらせ、声をもらす。フェリクスは女神だと焦がれたニーナをこの腕に抱くことができ、これからもずっと彼女を腕に抱くことも、この姿を見ることができるのも自分だけだと思うと、よりたぎった。

「あ、ぁ、フェリ、クスっ……も、私、イッちゃう……!」

「ニーナ、……ニーナ……っ」

 フェリクスはニーナを抱き寄せる。彼女の中は果てを促すようにうねり、彼を締めつけた。促されるまま腰をぐっと押し付けると、ニーナは両脚をフェリクスの腰に絡める。

「……あっ……、……っ」

 ニーナがびくりと体を震わせながら達し、フェリクスは彼女の最奥に吐精する。頭の中が真っ白になるような強烈な快楽にともに身を任せ、言い尽くせない幸福感に体も心も満たされた。

「はぁ……フェリクス、まだ……時間……」

 フェリクスが息を整えていると、まだ少し息を荒くし、頬を紅潮させたニーナが潤んだ目で彼を見る。二人が一度で終わることは、もちろんなかった。

「ええ……まだ、時間がありますね……」

 フェリクスはにっこり笑い、ニーナの背とベッドの間に腕を差し入れて体を抱き起こす。そのまま二人は夕食もとらずに、おたがいを貪りあうように抱き合った。さすがにまずいとどちらからともなく静止をかけたが、結局浴室でもしてしまい……

 後日、次の日の朝は本当に、本っ当にとてもきつかったとニーナがぼやいていた。
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