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 それから言葉は不要だった。二人はベッドに向かい、性急に服を脱ぎ捨てる。ラウルはアメリを抱き上げるとそっとベッドに横たわらせ、その上に覆いかぶさった。

 ラウルはアメリの両脚を開かせると、濡れた割れ目に指を這わせた。溢れた愛液を絡ませながら指を差し入れ、開かせていく。好いところを擦られ、熱い息を吐いたアメリは求めるような目を向けた。

「ラウル…もう、いいから…はやく」

「アメリ…っ」

 アメリに求められている、ラウルは再び涙が出そうなくらいに喜んでいた。その喜びに急いで魔法で避妊具を取り付けると、彼女の両脚を抱え上げる。

「アメリ…、アメリ…」

 濡れて誘うその秘裂に自身を押し付けると、そのままぐっと腰を押しつけ、奥へと一気に突き入れた。包み込まれる温もりにラウルは恍惚と息を吐く。

「あぁ…」

 待ち望んだ熱を咥えこみ、アメリは甘い声を上げた。彼女はラウルの背に腕を回すと、そのままその逞しい体を引き寄せる。それに従った彼の唇に唇を重ね、舌を絡ませながらすべてを受け入れた。

「ん、ふ…っ」

 何度も唇を重ね合い、舌を絡ませながら、互いに求めあって深く交わる。ラウルは抱き合い、口づけあいながら腰を動かしはじめ、アメリもそれを受け入れるように腰を揺らし、中を締めた。

「う…あ、ぁっ、…アメリ…」

 蕩けた表情で緩やかに抽挿しながら、唇を離したラウルは彼女の名を呼ぶ。名を呼ばれ、求められる心地よさに微笑みながら、アメリもまたラウルを求めた。

「…んんっ…ラウル…好き…っ」

「うっ…アメリ、アメリ…好き、好きだ…っ」

「あ…っ」

 アメリの好きという言葉に燃え上がったのか、ラウルは激しさを増して彼女を求めた。彼女は彼の腰に脚を絡め、引き寄せた体をぴったりと寄せ合いながら快感に喘ぐ。

「はぁ、っ…アメリ、あ、あ…っ」

「あ、ん…っん、…あぁ…っ、ラウル…っ」

 肌がぶつかる音が響き、互いの酔う声にさらに興奮させられながら、二人は何度も互いの名を呼びあい、交わる。

(ああ、気持ちいい…っ)

 アメリは今までの中でも一番の快楽に身も心も蕩けていた。やがて昇りつめたアメリは背を反らしながら絶頂を迎え、彼女の中は果てを促すようにうねる。ラウルはそれに逆らえずに彼女の体を掻き抱き、最奥で吐精した。

 はじめて本当に心を通じ合わせ、深く交わった二人はその快楽に惚ける。互いに思い合っている、その事実を認識しあい、体だけでなく心も結びあった二人は今まで一番深く、甘く交わった。

 息を整えたラウルは身を起こし、ゆっくりとアメリの中から抜け出す。夜はもう遅く、明日のことを考えればこのあたりで収めるのが賢明だ。そうはわかっていても、ラウルは正直なものでむくむくと欲を膨れ上がらせ、首をもたげている。

「…元気ね」

「あっ、これは、その…そのうちおさまるし…っ」

 ラウルは慌てて隠そうとしたが、その前にアメリが身を起こして唇を塞いだ。驚く彼にそのまま深く口付け、黙らせた彼女は唇を離すとにやりと笑う。

「…私も、もう少しそんな気分」

 こうなれば、ラウルも我慢が効かなかった。ラウルが急いで避妊具を取り付け直すと、アメリは彼の肩を掴んで跨る。

「…ラウル」

「アメリ…」

 期待に胸が膨らみ、ラウルは彼女にされるがままに従い、背をベッドに預けた。寝転がった状態で見上げると、アメリは彼の力強く勃ちあがった陰茎に手を添え、跨って自身の割れ目にそわせる。

「ん…っ」

 アメリは小さく息を吐きながらゆっくりと腰を下ろし、彼を中へと咥え込んていく。そのさまを一番近くで見上げながら、ラウルは興奮に声を漏らした。

「あぁ…」

 目元を赤くし、恍惚とした表情で見上げるラウルを見下ろしながら、アメリはうっそりと微笑んだ。

(…可愛い人)

 他所見をすることなく、真っ直ぐにアメリだけを見つめて想いを伝えるラウルがたまらなく可愛く、愛おしい。想いを通じ合わせたからか、アメリは快楽からだけではなく可愛い彼の可愛い姿を眺めたくなった。

「う…ぁ…っ」

 彼女が艶めかしく腰を揺らすと、ラウルはその姿を見上げながら声を漏らす。次第に交わりは激しくなっていき、彼が動きに合わせて突き上げると、アメリは身を捩って喘いだ。

「あっ、ぁ…ラウル…っ」

 上体を倒し、ぴったりと体を寄せたアメリの腰を掴んだラウルはがつがつと突き上げる。彼女も腰を揺らし、激しく深く交わった二人は、抱き合って共に絶頂を迎えた。

 抱き合ったまま、暫く余韻に浸っていたアメリは自分の中で再び彼の剛直に力が漲るのを感じ、驚きに目を見開く。上体を起こした彼女を見上げながら、ラウルは恥ずかしそうに目をそらした。

「…だ、だって、アメリが…色っぽくて…」

「本当に、もうすっかり元気ね」

「でもっ、アメリだけになんだよ!」

「わかった、わかったわ」

 アメリが腰を上げてラウルの上から退くと、再び活力を取り戻している彼の陰茎は雄々しく反り勃つ。それを見たアメリは、そろそろやめておいたほうがいいという冷静な自分の声を頭から追いやってしまった。

「…じゃあ、もう一回だけ…」

「!…ああ!」

 ラウルももうそろそろやめておいたほうがいいと思いながらも、アメリの許可を得ると嬉しくて直ぐに行動に出る。そうして再び体を交えた二人は、燃え上がった想いが簡単におさまるはずもなく。



「あぁ…やっちゃった…また私、やっちゃった…」

 朝の光が部屋に差し込む中、涎を垂らして気持ちよさそうに眠るラウルの隣で、アメリは頭を抱えて項垂れることになった。
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