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本編
好きです、旦那様(1)
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アデリナが目覚めると、隣にヴァルターの姿は既になかった。彼女はベッドに寝転がったまま、冷たくなったシーツに指を這わせる。時計を見れば、彼が仕事へ向かう時間はとっくに過ぎていた。
(…今日はお見送り、できなかったわ)
ヴァルターはアデリナを気遣って、起こさなかったのだろう。だが、毎日の自分の務めとして課していた、仕事へ向かう夫の見送りができなかったことに、彼女は少し落ち込んでしまう。
(けれど、昨夜はあんなに…あぁっ、私ったら!)
アデリナは昨夜のことを思い出して、恥ずかしさのあまり枕に顔を埋めて唸った。夜半過ぎまで何度も体を重ねて、最後は疲れ果ててそのまま眠ってしまった。今も、気だるくて体が重い。彼女が脱いだはずのネグリジェを着ているのは、おそらくヴァルターが着せてくれたからだろう。一週間以上振りとはいえ、まさか、あそこまで燃え上がるとは、アデリナは思っていなかった。
(だって、だって、旦那様があんなことを言うから…!)
ヴァルターの低い声を思い出して、下半身が甘く疼く。アデリナは自分の体を抱きしめてその疼きを抑えようとするが、あまり効果はなかった。
『今は、務めを忘れてくれ』
(そんなことを言われたら、好いてもらえているのではと勘違いしてしまうわ!)
アデリナは嬉しくて、浮かれてしまって、夢中になっていた。求めて、求められて、務めを全て忘れてヴァルターに溺れてしまった。
(引かれていないかしら…でも、旦那様も…)
ヴァルターの堪えるような息遣い、時折漏らす快楽に酔った声、汗ばんだがっしりとした体。アデリナはその全てに興奮させられた。
名を呼ばれて抱きしめられ、奥を穿たれ、彼女は端なく嬌声をあげながら、何度も達してしまった。夢中になりすぎて、自分がどんな痴態を晒したのかわからない。
「はあ…」
昨夜のことを思い出して顔が熱くなり、下腹部に手をあてる。何度もヴァルターの子種が注がれて、彼の子を孕めるかもしれない、そう思うと嬉しくて堪らない。アデリナは務めとして彼の子を産む気持ちはあるけれど、そうでなくても彼の子が欲しかった。
(…もしかして、勘違いではなく…旦那様に振り向いていただけたのかしら?)
あんなに激しく、情熱的に求められたのだから、可能性はある。閨でしか見られない、自分だけが知っているヴァルターの姿を思い出して、アデリナは再び下半身が疼くのを感じた。
「旦那様…ヴァルター…」
名を呟くだけで、アデリナの胸は高鳴り、幸せな気持ちが胸を占める。彼女がそのまま惚けていると、扉がノックされて驚きに飛び上がりそうになった。
「奥様、起きておいでですか?」
「っ、ええ…入ってもいいわ」
アデリナの声は少し掠れてしまったが、許可すると侍女が入室した。彼女の姿を見て全てを察したようだが、表情を変えずに朝食を運びましょうかと問われる。アデリナがそうねと頷くと、彼女は一礼して直ぐに退出した。暫く待つと食事が運ばれてきたので、アデリナはベッドの上で軽く朝食をとる。
(…今日はお見送り、できなかったわ)
ヴァルターはアデリナを気遣って、起こさなかったのだろう。だが、毎日の自分の務めとして課していた、仕事へ向かう夫の見送りができなかったことに、彼女は少し落ち込んでしまう。
(けれど、昨夜はあんなに…あぁっ、私ったら!)
アデリナは昨夜のことを思い出して、恥ずかしさのあまり枕に顔を埋めて唸った。夜半過ぎまで何度も体を重ねて、最後は疲れ果ててそのまま眠ってしまった。今も、気だるくて体が重い。彼女が脱いだはずのネグリジェを着ているのは、おそらくヴァルターが着せてくれたからだろう。一週間以上振りとはいえ、まさか、あそこまで燃え上がるとは、アデリナは思っていなかった。
(だって、だって、旦那様があんなことを言うから…!)
ヴァルターの低い声を思い出して、下半身が甘く疼く。アデリナは自分の体を抱きしめてその疼きを抑えようとするが、あまり効果はなかった。
『今は、務めを忘れてくれ』
(そんなことを言われたら、好いてもらえているのではと勘違いしてしまうわ!)
アデリナは嬉しくて、浮かれてしまって、夢中になっていた。求めて、求められて、務めを全て忘れてヴァルターに溺れてしまった。
(引かれていないかしら…でも、旦那様も…)
ヴァルターの堪えるような息遣い、時折漏らす快楽に酔った声、汗ばんだがっしりとした体。アデリナはその全てに興奮させられた。
名を呼ばれて抱きしめられ、奥を穿たれ、彼女は端なく嬌声をあげながら、何度も達してしまった。夢中になりすぎて、自分がどんな痴態を晒したのかわからない。
「はあ…」
昨夜のことを思い出して顔が熱くなり、下腹部に手をあてる。何度もヴァルターの子種が注がれて、彼の子を孕めるかもしれない、そう思うと嬉しくて堪らない。アデリナは務めとして彼の子を産む気持ちはあるけれど、そうでなくても彼の子が欲しかった。
(…もしかして、勘違いではなく…旦那様に振り向いていただけたのかしら?)
あんなに激しく、情熱的に求められたのだから、可能性はある。閨でしか見られない、自分だけが知っているヴァルターの姿を思い出して、アデリナは再び下半身が疼くのを感じた。
「旦那様…ヴァルター…」
名を呟くだけで、アデリナの胸は高鳴り、幸せな気持ちが胸を占める。彼女がそのまま惚けていると、扉がノックされて驚きに飛び上がりそうになった。
「奥様、起きておいでですか?」
「っ、ええ…入ってもいいわ」
アデリナの声は少し掠れてしまったが、許可すると侍女が入室した。彼女の姿を見て全てを察したようだが、表情を変えずに朝食を運びましょうかと問われる。アデリナがそうねと頷くと、彼女は一礼して直ぐに退出した。暫く待つと食事が運ばれてきたので、アデリナはベッドの上で軽く朝食をとる。
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