立派な淑女に育てたはずなのに

愛する男と親友に裏切られた魔女レアケは、森の奥にひっそりとそびえたつ古びた塔に住んでいた。その塔は国が管理しており、魔女には身の回りの世話をする侍女がつけられていた。

ある日、新しい侍女として年若い、口悪い、礼儀のなっていないやせ細った少女が塔にやってきた。魔女レアケは少女の秘めた才を見出し、少女を立派な淑女に育て、同時に立派な魔法使いに育てた。


それから少女が塔から去り、数年経ったある日のこと。



「迎えに来ましたよ、私の魔女。さあ、結婚しましょう」

「…いや、あなた誰よ？！」



少女を立派な淑女に育てたはずなのに、後に見知らぬ紳士に求婚される魔女の話。



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