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第一章 砂漠の街 古代遺跡
氷霧分遣艦隊
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アレックスはホテルの食堂で、スパゲッティを注文し、テーブル席で一人、黙々と食べていた。
しかし、その安寧もすぐに打ち砕かれる。突然耳をつんざくような爆発音のような音が遠くで鳴り響き、建物の壁が大きく揺れる。
「な、なんだ!?」
アレックスは唐突な出来事に狼狽える。周りを見回すと、食堂の客が怯えた表情をしている。
「海賊よぉ!海賊が来たのよぉ!!」女性客が叫ぶ。「殺される!」女性客に釣られるように他の客も叫び、ホテル内は騒然となり、パニック状態に陥る。あちこちで悲鳴が聞こえる。
「ちっ、噂に聞いていたけど本当にいるのかよ、これはまた厄介事になりそうだ」
アレックスは舌打ちする。
「おい!お前ら!!調子はどうだい、ベイビー!!」赤髪にグラサン、黒ジャケットにダメージジーンズ姿の海賊の女メアリーは巨大なスピーカー車につないだメガフォンで大々的に告げる。「我々、『氷霧分遣艦隊』の要求に答えろ!!さもなければ、この街ごと破壊するぞ!!良いな!」
耐えきれなくなたアレックスは食堂の席を立ち上げり、「少しホテルの外へ見に行く」と言ってホテルの外へ向かおうとするが、男性客に「危ないぞあんた!!見つかったら殺される!だから、ここに居た方が良い!」と咎められる。しかしアレックスは男性客の静止を振り切り、ドアを開けて外へと出る。
外へ出ると、建物の屋根や壁が破壊されており、通りの奥にIGFやバトルクルーザー、ホバークラフト型揚陸艇が並んでいる。
「お前らの要求とはなんだ!?」
アレックスは海賊に向かって叫ぶ。
「この街の食料と燃料資源一式をよこせ!!」
なんて無茶苦茶な要求だ。
「残念だがそれはできない」
アレックスはメアリーの要求を跳ね除ける。
「何故だ?」
メアリーは顔をしかめる。
「とにかくその要求は無理って言ったら無理だ!この街の食料は、この街の住民のものでお前らの物じゃあない!!それをお前らが横取りする権利は無い筈だ!!」アレックスは必死に反論する。
「そうだ、そうだ!!この街の食料は我々の間で平等に分配されるべきだ!」いつの間にか外に出てきていたホテル客が海賊に向かって叫ぶ。
「そうか。それならばいっそこの街を破壊するぞ!!貴様らやってしまえ!!」とメアリーが支持する。IGFが鉄球がついた鎖を振り回し、長屋や住宅の屋根を壊していく。
氷霧分遣艦隊が使用するIGFは肩幅が広く巨大なシールドと一体化している。頭部は猛禽類を彷彿とさせるデザインで、側面からギザギザとした目が頭の奥まで続いている。胸部はコクピットと思われる部分が分厚い装甲に包まれているが、腹部はスラッと細く、腰のスカートとスラスターの後部両端に細長い突起が付いている。
しかし、氷霧分遣艦隊のIGFには羽らしきものが見つからない。代わりに足の後ろに車輪が付いている。もしかしたら錬洋石を使用せずに陸戦に特化したモデルなのだろうか。
「くっ……こいつら」アレックスは一目散に街の北側にある崖へと疾走する。息を切らしながら、岩場の斜面を登り、IGF「アレス・フォール」へと乗り込む。アレス・フォールで崖の急斜面を手をつきながら滑り、そして腰元に装備してある小銃を手に取る。
「航空機を使わないならばこちらも戦闘スタイルを合わせてやろうか。その方がフェアだろう」アレックスは平等を好む性格だ。ぶっきらぼうとは言え争い事にはいつだって正々堂々と望む。
アレス・フォールで街へ降りたアレックスは艦隊のIGFの背中めがけて、数発小銃の弾丸を打ち込む。背中の装甲はそこまでヤワじゃないらしい、弾丸のそっとやちょっとではびくともしない。
「これではダメか」
「おいどうした小僧、ビビっているのか?」
「ビビってなんか、いねぇ!!」
銃を逆さまに持ち、銃床とショルダーレスト部分を相手の機体の頭部に思いっきり叩きつける。唐突な攻撃に面食らい、ややぐらついた敵機の足元に乱射する。転倒した敵機だが、頭部横の機銃口から弾を発射してくる。量産機であるアレス・フォールの装甲は当然ながら弱い。すぐに弾丸の衝撃を喰らい、後退する。
「くっ、いくら郎党とはいえ訓練された部隊なのか…その戦力は伊達じゃないってわけか」
後退したアレスフォールを再び前進させて、今度はガトリング砲を乱射する。敵機のダクトを破壊することに成功し、火薬がダクト内の空気に触れて爆発する。
その時、「兄貴、来てやったぜ~」と後ろで声がする。先ほど酒場で会ったゲリラ兵たちの声だ。
振り返ると、そこには五機程のIGFが並んでいた。
「お前ら、なんで来たんだ?ここは俺一人で十分だ」
「そっちこさ何言ってんだがさ、困ったときゃあ、協力するのがあたりめぇってもんよ!」
そう言ってエイドリアンらはIGFの右手に携えた巨大なバトルアックスを敵機体に向けて力いっぱい振り下ろす。海賊のIGFはたちまち頭部を割られ、カメラアイの視界を奪われる。
そのすきにアレックスは、敵機体のエンジン部分にアーミーナイフを突き刺す。
「よくもやってくれたな貴様ら!!」
一方海賊の方は腸が煮えくり返っている様子だ。しかしそうは言っても相手の機体は回路がショートし火花が散って煙が上がっている。最早手遅れ、操縦不能、勝機は完全にこっちのものだ。
しかし、油断していた隙にIGFの頭部を一発の銃弾がかすめる。
「なっ!」
それは敵機スナイパーライフルの銃弾だった。
さらにもう一発銃弾が発射され、頭部の60mm機関砲の機銃口をかすめ取って装甲も抉っていく。
アレックスはカメラアイを、銃弾が発射された方角へ向ける。
それはさっき彼が降りてきた崖の方角だった。そして地上にいる海賊の部隊も、その隙を狙ってアレックスらの機体へ向けてバトルクルーザーの艦砲射撃を開始した。
大量の鉛の銃弾が、IGFの外殻を抉っていく。装甲に丸い穴が空き、内部がむき出しになっていく。
ゲリラの兵器もたちまち艦砲射撃の餌食となり、破壊されていく。
勝敗は決した。
完全な誤算だった。
アレックスが次に目を覚ました先は知らない艦の天井だった。
しかし、その安寧もすぐに打ち砕かれる。突然耳をつんざくような爆発音のような音が遠くで鳴り響き、建物の壁が大きく揺れる。
「な、なんだ!?」
アレックスは唐突な出来事に狼狽える。周りを見回すと、食堂の客が怯えた表情をしている。
「海賊よぉ!海賊が来たのよぉ!!」女性客が叫ぶ。「殺される!」女性客に釣られるように他の客も叫び、ホテル内は騒然となり、パニック状態に陥る。あちこちで悲鳴が聞こえる。
「ちっ、噂に聞いていたけど本当にいるのかよ、これはまた厄介事になりそうだ」
アレックスは舌打ちする。
「おい!お前ら!!調子はどうだい、ベイビー!!」赤髪にグラサン、黒ジャケットにダメージジーンズ姿の海賊の女メアリーは巨大なスピーカー車につないだメガフォンで大々的に告げる。「我々、『氷霧分遣艦隊』の要求に答えろ!!さもなければ、この街ごと破壊するぞ!!良いな!」
耐えきれなくなたアレックスは食堂の席を立ち上げり、「少しホテルの外へ見に行く」と言ってホテルの外へ向かおうとするが、男性客に「危ないぞあんた!!見つかったら殺される!だから、ここに居た方が良い!」と咎められる。しかしアレックスは男性客の静止を振り切り、ドアを開けて外へと出る。
外へ出ると、建物の屋根や壁が破壊されており、通りの奥にIGFやバトルクルーザー、ホバークラフト型揚陸艇が並んでいる。
「お前らの要求とはなんだ!?」
アレックスは海賊に向かって叫ぶ。
「この街の食料と燃料資源一式をよこせ!!」
なんて無茶苦茶な要求だ。
「残念だがそれはできない」
アレックスはメアリーの要求を跳ね除ける。
「何故だ?」
メアリーは顔をしかめる。
「とにかくその要求は無理って言ったら無理だ!この街の食料は、この街の住民のものでお前らの物じゃあない!!それをお前らが横取りする権利は無い筈だ!!」アレックスは必死に反論する。
「そうだ、そうだ!!この街の食料は我々の間で平等に分配されるべきだ!」いつの間にか外に出てきていたホテル客が海賊に向かって叫ぶ。
「そうか。それならばいっそこの街を破壊するぞ!!貴様らやってしまえ!!」とメアリーが支持する。IGFが鉄球がついた鎖を振り回し、長屋や住宅の屋根を壊していく。
氷霧分遣艦隊が使用するIGFは肩幅が広く巨大なシールドと一体化している。頭部は猛禽類を彷彿とさせるデザインで、側面からギザギザとした目が頭の奥まで続いている。胸部はコクピットと思われる部分が分厚い装甲に包まれているが、腹部はスラッと細く、腰のスカートとスラスターの後部両端に細長い突起が付いている。
しかし、氷霧分遣艦隊のIGFには羽らしきものが見つからない。代わりに足の後ろに車輪が付いている。もしかしたら錬洋石を使用せずに陸戦に特化したモデルなのだろうか。
「くっ……こいつら」アレックスは一目散に街の北側にある崖へと疾走する。息を切らしながら、岩場の斜面を登り、IGF「アレス・フォール」へと乗り込む。アレス・フォールで崖の急斜面を手をつきながら滑り、そして腰元に装備してある小銃を手に取る。
「航空機を使わないならばこちらも戦闘スタイルを合わせてやろうか。その方がフェアだろう」アレックスは平等を好む性格だ。ぶっきらぼうとは言え争い事にはいつだって正々堂々と望む。
アレス・フォールで街へ降りたアレックスは艦隊のIGFの背中めがけて、数発小銃の弾丸を打ち込む。背中の装甲はそこまでヤワじゃないらしい、弾丸のそっとやちょっとではびくともしない。
「これではダメか」
「おいどうした小僧、ビビっているのか?」
「ビビってなんか、いねぇ!!」
銃を逆さまに持ち、銃床とショルダーレスト部分を相手の機体の頭部に思いっきり叩きつける。唐突な攻撃に面食らい、ややぐらついた敵機の足元に乱射する。転倒した敵機だが、頭部横の機銃口から弾を発射してくる。量産機であるアレス・フォールの装甲は当然ながら弱い。すぐに弾丸の衝撃を喰らい、後退する。
「くっ、いくら郎党とはいえ訓練された部隊なのか…その戦力は伊達じゃないってわけか」
後退したアレスフォールを再び前進させて、今度はガトリング砲を乱射する。敵機のダクトを破壊することに成功し、火薬がダクト内の空気に触れて爆発する。
その時、「兄貴、来てやったぜ~」と後ろで声がする。先ほど酒場で会ったゲリラ兵たちの声だ。
振り返ると、そこには五機程のIGFが並んでいた。
「お前ら、なんで来たんだ?ここは俺一人で十分だ」
「そっちこさ何言ってんだがさ、困ったときゃあ、協力するのがあたりめぇってもんよ!」
そう言ってエイドリアンらはIGFの右手に携えた巨大なバトルアックスを敵機体に向けて力いっぱい振り下ろす。海賊のIGFはたちまち頭部を割られ、カメラアイの視界を奪われる。
そのすきにアレックスは、敵機体のエンジン部分にアーミーナイフを突き刺す。
「よくもやってくれたな貴様ら!!」
一方海賊の方は腸が煮えくり返っている様子だ。しかしそうは言っても相手の機体は回路がショートし火花が散って煙が上がっている。最早手遅れ、操縦不能、勝機は完全にこっちのものだ。
しかし、油断していた隙にIGFの頭部を一発の銃弾がかすめる。
「なっ!」
それは敵機スナイパーライフルの銃弾だった。
さらにもう一発銃弾が発射され、頭部の60mm機関砲の機銃口をかすめ取って装甲も抉っていく。
アレックスはカメラアイを、銃弾が発射された方角へ向ける。
それはさっき彼が降りてきた崖の方角だった。そして地上にいる海賊の部隊も、その隙を狙ってアレックスらの機体へ向けてバトルクルーザーの艦砲射撃を開始した。
大量の鉛の銃弾が、IGFの外殻を抉っていく。装甲に丸い穴が空き、内部がむき出しになっていく。
ゲリラの兵器もたちまち艦砲射撃の餌食となり、破壊されていく。
勝敗は決した。
完全な誤算だった。
アレックスが次に目を覚ました先は知らない艦の天井だった。
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