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第二話『 泥 』 - 04 /07
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甘ったるい女の声が、異常なほど近い位置から聞こえ続けていた。
綺刀は、まるで、耳に口を付けてまま囁かれているような不快感を感じ、微かに顔を顰める。
だが、女は耳元でひたすら囁き続ける。
――大丈夫、私はいつでも貴方のそばにいるから
私が離れていても、もう一人の私がずっとここに居るからね
一生そばにいるから
ねぇ、私を一生愛してくれるのよね
私を一生幸せにしてくれるんでしょう
約束してくれたの覚えてるよ
ねぇ、私のこと愛してる?
ねぇ愛してるって言って
愛してるって言って
愛してるって言って
ねぇ ねぇ ねぇ
(うるせぇな……)
綺刀は歯を食いしばる。友人にこの状態を悟られまいとするが、果たして表面上だけでも平静を保っていられているだろうか。
友人の腕に抱えられた片腕の感触が、負の念に呑まれそうになる綺刀の意識を繋ぎとめてくれている。
音が激しさを増したのだろうか、友人がより強く綺刀の腕を抱え込む。
(男のくせに情けねぇぞ……)
苦笑気味にそう思いながら、握られた手を握り返してやる。
その状況下でもまだ、耳元に女の声が張り付いている。
「綺刀、なぁって……」
「……ん?」
「急に黙んなよ……こえぇだろ」
「あ、あぁ悪ぃ」
突然女の声が小さくなり、友人の声がはっきり聞こえるようになった。
相変らず綺刀の片腕を抱え込みながら、涙目の友人が縋るように綺刀に文句を言う。
少し耳を澄ませてみると、天井からはカリカリという何かを引っ掻くような音だけが聞こえている。そんな中、部屋では相変わらず思念の泥が落ちては消え、落ちては消えを繰り返している。
そして、女の声はまだ聞こえるが、先ほどよりは大分静かになったようだった。
「大丈夫だって。泣くなよ、だっせぇぞ」
「うるせぇなぁ、こえぇんだよぉ」
今まで全身を何かで締め付けられ、体中に重しを載せられているような圧迫感に襲われていたが、なんとか体が動かせるようになってきた。それを確認するついでに、空いている方の手で友人の頭をわしゃりと撫でてやる。
その後、いくらか経つと徐々に女の声は遠ざかってゆき、それと同時に上から溢れ出ていた泥も引いていった。
やはり、この真上の部屋には強力な何かが居る。
おそらく友人は、その持ち前の陽の気が自分を護っている事と、霊感的素質が皆無である点が幸いして、怪音が聞こえる程度の被害で済んでいたのだろう。
だが逆に言えば、そんな彼ですら音を感知できるほどの強い力をもった負の存在が上に棲んでいるという事だ。
もしかすると、このままでは彼の陽の気すらも徐々に蝕まれてしまうかもしれない。
「な、なぁ、それで結局どう?」
「なるほどなぁ」
明け方四時を回った頃、友人の言う通り怪音は鳴り止んだ。
そして、まるで太陽に浄化されるかのように、思念の泥も一滴残らず消え去ったのだった。
その時点で友人がそう尋ねてきたので、綺刀は敢えて明るい口調で言った。
「ま、これなら、お前が下手にお祓いする~とか言って刺激しなきゃ大丈夫だと思うぜ。確かに上にはなんか居るっぽいけど、下に来ようとしてるわけでもなさそうだしな」
「そ、そうなのか?」
「おう」
「で、でもさ、なんとかできねぇかな。やっぱ音がするだけでもこえぇし……」
それはそうだろうな、と綺刀は思う。
綺刀も、一時的に取り繕うような事を伝えているが、このまま放置して良いとは思っていない。
だが、今の自分にはどうする事もできないし、正直なところ、これ以上ここに居ると胃の中の物を全て戻してしまいそうだった。それほどまでに、心身共にダメージを受けていたのだ。
その為、綺刀はまず、一刻も早くここから立ち去る必要があった。
そんな綺刀は無理に笑顔を作り、とりあえずの提案を友人に伝えた。
「俺もやっぱ今日見ただけじゃ上手く判断できねぇからさ、近いうちにまたちゃんと詳しく調べに来るよ。だから、それまでは友達の家泊まるとかして凌げるか?」
「そ、そだな。わかった。ちょっとそうしてみる……その、ごめんな。迷惑かけて」
「いいって、気にすんな」
いつも元気な友人が突然しおらしくなるので、綺刀は最後の気力を振り絞り、彼の髪を強めに撫で、笑顔を作る。
その後、早朝からバイトがある、とその日最後の嘘を吐き、綺刀は友人の家を後にした。
ふらつく足をなんとか奮い立たせ、意識が朦朧とする中、やっとの思いで自宅に辿り着く。
その日の帰路は、明け方だというのに酷く蒸し暑かった。そんな中、どうにか頭痛と吐き気を堪えながら歩いてきたものの、心身共に限界などはとうに越えていた。
自宅前に辿り着くなり、力の入らない手でどうにか鍵をあけ、玄関口で倒れそうになるのを堪える。そしてふらつきながら冷蔵庫に向かい、ミネラルウォーターを取り出して残っていた分を全て飲み干す。
「ざけんな……クソ……」
空になったペットボトルを乱暴に放り投げ、荒い息の中、誰に宛てるでもない悪態をついた。
その後、ついには軽く倒れ込んでしまったが、未だに治まらない身体ダメージと疲労感を抱えながらもなんとかその重い体を引きずってゆく。そして、這いずるようにしてベッドに辿り着いた。
ベッドに体を投げやると、これまで以上に体が重く感じられ、そのまま強い力で引きずり込まれるように眠りに落ちた。
眠りに落ちる直前、馬鹿者、と怒ったような呆れ声が脳内で聞こえたような気がしたが、対応する間もなく意識を手放した綺刀は、それから夜まで眠り通した。
できる事なら、もう二度とあのアパートには近寄りたくないと思っていたが、友人をあのままにしておく事もできない。
だからこそ、どうすれば最善の方法をもって友人を救えるのかという答えを得る為に、綺刀は禰琥壱を頼る事にしたのだった。
禰琥壱ならば、その場所を見た上で何か良い選択肢を与えてくれるのではないか。
そう思い、綺刀はその日、禰琥壱を連れてあのアパートへ再び向かう事にした。
昼間に行くのは流石に暑いからと、夕方にアパートへ赴く事になったのだが、綺刀としては、むしろ暑くても日中の方が良かったのではと思っていた。
「散歩がてらつっても、この時間じゃ余計不吉じゃね」
「まぁまぁ、この時間だからこそ見聞するに値するんだよ」
夕方というのは"逢魔時"とされる時間帯と重なる頃合いで、見えざる者たちと遭遇しやすい、または彼らが活発に動くような時間帯と言われている。
夕方は、昼と夜のどちらともつかない曖昧な時間帯の呼び名だ。かつてより、そのように曖昧で境界が不確かなものは、怪異や不吉なものと結び付けられやすい。
その事から、夕時は魔と遭遇する時として、逢魔時と言われていたりする。
また、深夜帯に訪れる丑三つ時もまた、このような由来により不吉とされている。
そして、綺刀が言うように、この逢魔時である今の時刻にあのアパート行くのは、少なからず吉ではないというわけだ。
「ん、センセ?」
あのアパートが近付いて来た事によりやや緊張し始めていた綺刀は、歩みを止めたらしい禰琥壱に気付き、声をかけた。
すると禰琥壱は、遠目にアパートの方向を見ながら言った。
「なるほどね」
「え?」
綺刀は、まるで、耳に口を付けてまま囁かれているような不快感を感じ、微かに顔を顰める。
だが、女は耳元でひたすら囁き続ける。
――大丈夫、私はいつでも貴方のそばにいるから
私が離れていても、もう一人の私がずっとここに居るからね
一生そばにいるから
ねぇ、私を一生愛してくれるのよね
私を一生幸せにしてくれるんでしょう
約束してくれたの覚えてるよ
ねぇ、私のこと愛してる?
ねぇ愛してるって言って
愛してるって言って
愛してるって言って
ねぇ ねぇ ねぇ
(うるせぇな……)
綺刀は歯を食いしばる。友人にこの状態を悟られまいとするが、果たして表面上だけでも平静を保っていられているだろうか。
友人の腕に抱えられた片腕の感触が、負の念に呑まれそうになる綺刀の意識を繋ぎとめてくれている。
音が激しさを増したのだろうか、友人がより強く綺刀の腕を抱え込む。
(男のくせに情けねぇぞ……)
苦笑気味にそう思いながら、握られた手を握り返してやる。
その状況下でもまだ、耳元に女の声が張り付いている。
「綺刀、なぁって……」
「……ん?」
「急に黙んなよ……こえぇだろ」
「あ、あぁ悪ぃ」
突然女の声が小さくなり、友人の声がはっきり聞こえるようになった。
相変らず綺刀の片腕を抱え込みながら、涙目の友人が縋るように綺刀に文句を言う。
少し耳を澄ませてみると、天井からはカリカリという何かを引っ掻くような音だけが聞こえている。そんな中、部屋では相変わらず思念の泥が落ちては消え、落ちては消えを繰り返している。
そして、女の声はまだ聞こえるが、先ほどよりは大分静かになったようだった。
「大丈夫だって。泣くなよ、だっせぇぞ」
「うるせぇなぁ、こえぇんだよぉ」
今まで全身を何かで締め付けられ、体中に重しを載せられているような圧迫感に襲われていたが、なんとか体が動かせるようになってきた。それを確認するついでに、空いている方の手で友人の頭をわしゃりと撫でてやる。
その後、いくらか経つと徐々に女の声は遠ざかってゆき、それと同時に上から溢れ出ていた泥も引いていった。
やはり、この真上の部屋には強力な何かが居る。
おそらく友人は、その持ち前の陽の気が自分を護っている事と、霊感的素質が皆無である点が幸いして、怪音が聞こえる程度の被害で済んでいたのだろう。
だが逆に言えば、そんな彼ですら音を感知できるほどの強い力をもった負の存在が上に棲んでいるという事だ。
もしかすると、このままでは彼の陽の気すらも徐々に蝕まれてしまうかもしれない。
「な、なぁ、それで結局どう?」
「なるほどなぁ」
明け方四時を回った頃、友人の言う通り怪音は鳴り止んだ。
そして、まるで太陽に浄化されるかのように、思念の泥も一滴残らず消え去ったのだった。
その時点で友人がそう尋ねてきたので、綺刀は敢えて明るい口調で言った。
「ま、これなら、お前が下手にお祓いする~とか言って刺激しなきゃ大丈夫だと思うぜ。確かに上にはなんか居るっぽいけど、下に来ようとしてるわけでもなさそうだしな」
「そ、そうなのか?」
「おう」
「で、でもさ、なんとかできねぇかな。やっぱ音がするだけでもこえぇし……」
それはそうだろうな、と綺刀は思う。
綺刀も、一時的に取り繕うような事を伝えているが、このまま放置して良いとは思っていない。
だが、今の自分にはどうする事もできないし、正直なところ、これ以上ここに居ると胃の中の物を全て戻してしまいそうだった。それほどまでに、心身共にダメージを受けていたのだ。
その為、綺刀はまず、一刻も早くここから立ち去る必要があった。
そんな綺刀は無理に笑顔を作り、とりあえずの提案を友人に伝えた。
「俺もやっぱ今日見ただけじゃ上手く判断できねぇからさ、近いうちにまたちゃんと詳しく調べに来るよ。だから、それまでは友達の家泊まるとかして凌げるか?」
「そ、そだな。わかった。ちょっとそうしてみる……その、ごめんな。迷惑かけて」
「いいって、気にすんな」
いつも元気な友人が突然しおらしくなるので、綺刀は最後の気力を振り絞り、彼の髪を強めに撫で、笑顔を作る。
その後、早朝からバイトがある、とその日最後の嘘を吐き、綺刀は友人の家を後にした。
ふらつく足をなんとか奮い立たせ、意識が朦朧とする中、やっとの思いで自宅に辿り着く。
その日の帰路は、明け方だというのに酷く蒸し暑かった。そんな中、どうにか頭痛と吐き気を堪えながら歩いてきたものの、心身共に限界などはとうに越えていた。
自宅前に辿り着くなり、力の入らない手でどうにか鍵をあけ、玄関口で倒れそうになるのを堪える。そしてふらつきながら冷蔵庫に向かい、ミネラルウォーターを取り出して残っていた分を全て飲み干す。
「ざけんな……クソ……」
空になったペットボトルを乱暴に放り投げ、荒い息の中、誰に宛てるでもない悪態をついた。
その後、ついには軽く倒れ込んでしまったが、未だに治まらない身体ダメージと疲労感を抱えながらもなんとかその重い体を引きずってゆく。そして、這いずるようにしてベッドに辿り着いた。
ベッドに体を投げやると、これまで以上に体が重く感じられ、そのまま強い力で引きずり込まれるように眠りに落ちた。
眠りに落ちる直前、馬鹿者、と怒ったような呆れ声が脳内で聞こえたような気がしたが、対応する間もなく意識を手放した綺刀は、それから夜まで眠り通した。
できる事なら、もう二度とあのアパートには近寄りたくないと思っていたが、友人をあのままにしておく事もできない。
だからこそ、どうすれば最善の方法をもって友人を救えるのかという答えを得る為に、綺刀は禰琥壱を頼る事にしたのだった。
禰琥壱ならば、その場所を見た上で何か良い選択肢を与えてくれるのではないか。
そう思い、綺刀はその日、禰琥壱を連れてあのアパートへ再び向かう事にした。
昼間に行くのは流石に暑いからと、夕方にアパートへ赴く事になったのだが、綺刀としては、むしろ暑くても日中の方が良かったのではと思っていた。
「散歩がてらつっても、この時間じゃ余計不吉じゃね」
「まぁまぁ、この時間だからこそ見聞するに値するんだよ」
夕方というのは"逢魔時"とされる時間帯と重なる頃合いで、見えざる者たちと遭遇しやすい、または彼らが活発に動くような時間帯と言われている。
夕方は、昼と夜のどちらともつかない曖昧な時間帯の呼び名だ。かつてより、そのように曖昧で境界が不確かなものは、怪異や不吉なものと結び付けられやすい。
その事から、夕時は魔と遭遇する時として、逢魔時と言われていたりする。
また、深夜帯に訪れる丑三つ時もまた、このような由来により不吉とされている。
そして、綺刀が言うように、この逢魔時である今の時刻にあのアパート行くのは、少なからず吉ではないというわけだ。
「ん、センセ?」
あのアパートが近付いて来た事によりやや緊張し始めていた綺刀は、歩みを止めたらしい禰琥壱に気付き、声をかけた。
すると禰琥壱は、遠目にアパートの方向を見ながら言った。
「なるほどね」
「え?」
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