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「ああ
早く成長したい」
俺がジタバタしてるのに涼しい顔をしているのはもちろん女神(仮)
「ジャイルズの年になるまで数年か…長いな」
「独り言が大きくてうるせぇ」
「いや、赤ん坊の割には頑張ってると思うんですよ、俺は
でも、新幹線くらいのスピードで走るのはまだどう頑張っでも無理なんですよ」
「まともなことが喋れないなら黙ってろ」
「情報がね
少なすぎるんですよ」
美しい顔に向かって文句を垂れた
が、
高確率で華麗なる無視をされている
連れない女神(仮)だぜ
「何も知らなさすぎたり後出し情報ばかりなんですから、魔王退治どころじゃないんですよね
こんな適当な扱いを受けている異世界生活の主人公とかいます?
いませんよね?」
「自分で主人公とか言っちゃってるのって恥ずかしくねぇの?」
「反応して欲しいのはそこじゃないんですよね」
「大体、教えろ教えろってね、こちとら世界の仕組みのギリギリでやってんの
何も考えず、ママからの餌を待つ鳥みてぇにピィピィうるせぇ奴の相手してるこっちの身にもなれや」
「世界の、仕組み?」
いや、そこ始めに教えてくれよ
「人の話は聞かねぇし、うるせぇし、もうお前元の世界に帰れよ」
「帰るために頑張ってるんです」
「何かを得る為には何かを失う
欲しいものと同じ価値のあるものを差し出さなければ得られない」
「はあ」
突然なんだ
ちょっと厳かな感じでやっと女神らしい話し方をし始めたぞこいつ
「情報も例外じゃない
お前がここに来る度に無駄なことばかり聞いてくるから、それで全て消費しちまってんの」
女神モード終わるの早すぎない?
「いやいや待って
話せる事話してって言って聞いてた…こともあったでしょうよ!」
「聞いてなかったのか?
同等の価値だ
そこまで貯まってなかったんだよ、お前のストックが」
「え
じゃあ…今回は」
「だから無視してやったんだろうが
浪費家が」
「ありがとうございます!」
そうか、あの無視は優しさだったのか
いや待てよ
新しい扉開かれたみたいな納得をするなよ、俺
この女神(仮)に出会ってから俺は強固に作り上げた二枚目キャラが風の前の塵みたいになっている
「ちなみにその決まりを無視、とかは」
「対価を超えたものを要求した場合、不足分は他のもので強制的に補う
大体は身近な人間が支払うことになる」
「それって、お金、とかですか?」
「愚かだな
世界に対して金になんの意味がある
金は金
それ以上でもそれ以下でもない
確かに金で釣り合いが取れるケースもあるが、取れないものもまた多い
お前の世界でだって勉強とか努力とかしたやつがそれ相応の能力を得るだろうが
多少労力とかに差はあるが」
確かにお金は対価を分かりやすく示すための基準みたいなものだけど、お金で買えないとか何か倫理とかドラマのセリフとかみたいだ
「じゃあ、成長を早めるのが出来なくはないけどっていうのも…」
「それに見合うものを差し出せばいけるな」
「…結構お高い、ですよね」
「まぁな」
「あの世界じゃまぁ待てば結構動けるようになるようだから気長に待つしか…」
「…はぁ」
盛大すぎるため息やめろよ
幸せ逃げちゃうぜ?
いや、自分でもジメジメしてんのは分かってんだけどさ
「だって、俺あの世界の人間4人くらいしか知りませんけどその半数以上が俺の世界の人間の体力超えてましたし、あの体力値があの世界の平均なんでしょ?」
「…だから、〝完全〟じゃなかっただろ」
早く成長したい」
俺がジタバタしてるのに涼しい顔をしているのはもちろん女神(仮)
「ジャイルズの年になるまで数年か…長いな」
「独り言が大きくてうるせぇ」
「いや、赤ん坊の割には頑張ってると思うんですよ、俺は
でも、新幹線くらいのスピードで走るのはまだどう頑張っでも無理なんですよ」
「まともなことが喋れないなら黙ってろ」
「情報がね
少なすぎるんですよ」
美しい顔に向かって文句を垂れた
が、
高確率で華麗なる無視をされている
連れない女神(仮)だぜ
「何も知らなさすぎたり後出し情報ばかりなんですから、魔王退治どころじゃないんですよね
こんな適当な扱いを受けている異世界生活の主人公とかいます?
いませんよね?」
「自分で主人公とか言っちゃってるのって恥ずかしくねぇの?」
「反応して欲しいのはそこじゃないんですよね」
「大体、教えろ教えろってね、こちとら世界の仕組みのギリギリでやってんの
何も考えず、ママからの餌を待つ鳥みてぇにピィピィうるせぇ奴の相手してるこっちの身にもなれや」
「世界の、仕組み?」
いや、そこ始めに教えてくれよ
「人の話は聞かねぇし、うるせぇし、もうお前元の世界に帰れよ」
「帰るために頑張ってるんです」
「何かを得る為には何かを失う
欲しいものと同じ価値のあるものを差し出さなければ得られない」
「はあ」
突然なんだ
ちょっと厳かな感じでやっと女神らしい話し方をし始めたぞこいつ
「情報も例外じゃない
お前がここに来る度に無駄なことばかり聞いてくるから、それで全て消費しちまってんの」
女神モード終わるの早すぎない?
「いやいや待って
話せる事話してって言って聞いてた…こともあったでしょうよ!」
「聞いてなかったのか?
同等の価値だ
そこまで貯まってなかったんだよ、お前のストックが」
「え
じゃあ…今回は」
「だから無視してやったんだろうが
浪費家が」
「ありがとうございます!」
そうか、あの無視は優しさだったのか
いや待てよ
新しい扉開かれたみたいな納得をするなよ、俺
この女神(仮)に出会ってから俺は強固に作り上げた二枚目キャラが風の前の塵みたいになっている
「ちなみにその決まりを無視、とかは」
「対価を超えたものを要求した場合、不足分は他のもので強制的に補う
大体は身近な人間が支払うことになる」
「それって、お金、とかですか?」
「愚かだな
世界に対して金になんの意味がある
金は金
それ以上でもそれ以下でもない
確かに金で釣り合いが取れるケースもあるが、取れないものもまた多い
お前の世界でだって勉強とか努力とかしたやつがそれ相応の能力を得るだろうが
多少労力とかに差はあるが」
確かにお金は対価を分かりやすく示すための基準みたいなものだけど、お金で買えないとか何か倫理とかドラマのセリフとかみたいだ
「じゃあ、成長を早めるのが出来なくはないけどっていうのも…」
「それに見合うものを差し出せばいけるな」
「…結構お高い、ですよね」
「まぁな」
「あの世界じゃまぁ待てば結構動けるようになるようだから気長に待つしか…」
「…はぁ」
盛大すぎるため息やめろよ
幸せ逃げちゃうぜ?
いや、自分でもジメジメしてんのは分かってんだけどさ
「だって、俺あの世界の人間4人くらいしか知りませんけどその半数以上が俺の世界の人間の体力超えてましたし、あの体力値があの世界の平均なんでしょ?」
「…だから、〝完全〟じゃなかっただろ」
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