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56章
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昨日の夜ぼんやりしながら日記を読み返したり写真を見たりしていたが、何となく気になって指輪を取り出した
ケースの台座から初めて指輪を外した
すると台座におさめている時には死角になっている位置に文字が書かれていた
イニシャルかと思ったがフランス語だった
英語さえあやしいのに何でフランス語なんだ
俺はパソコンで意味を調べてみた
Je veux être à vos côtés
君のそばにいたい
頭がチカチカした
「あの…直接書くのは、恥ずかしい、ので…」
「畏まりました」
エクラトントビジューの田中さんだ
「でしたら、フランス語にしてみてはいかがでしょう」
「え」
「やはり、ストレートなお気持ちをの方がよろしいかと…
こういったことは捻りますと逆に拗れることもございますし
もし意味をお知りになられたら、きっと喜ばれるかと思います
フランス語でしたら渡した瞬間に分かると言うことも少ないかと思います
お相手の方がフランス語堪能な方でしたら別の国の言葉をお使いになられたらいかがかと」
「あ…はい…フランス語は…堪能じゃないと思います…」
引き金を引いたようにどんどん思い出してくる
何でそばにいたいなんで唐突に思ったんだ?
照史さんの話だと、そばにいて安心させてあげたくてプロポーズしようとしたのかもしれないらしいが
日記の様子でも別れそうな感じはなかったが、結子さんの元気があまりなくて心配だった
最初はまだ辞めた会社のことで自分を責めたりしているのではないかと思った
日記で分かることだけでも結子さんを傷つけたあの会社に穏やかならぬ感情が浮かぶ
でもそれだけか?
彼女は体調が良くない日が続いたからきちんと病院にも行っていたはずだ
病院?
また頭がザワザワしてきた
「お母さん、あのね…」
ある時帰ったら結子さんの声が聞こえてきた
奈波さんと電話しているのだろう
盗み聞きは良くないと思い、とりあえず洗面所に向かおうとした
「私まだ言えてないの…
それに今回の治療法でもダメみたい」
俺はびっくりしてかたまってしまった
「ううん、まだあといくつか方法はあると思うけど…
うん…
あのね…でもそれが効かなかったらあと―」
彼女が大声を出さないように声を抑えて話している
俺は固まったまま聞いて―
そうだ、俺は知っていたんだ
ケースの台座から初めて指輪を外した
すると台座におさめている時には死角になっている位置に文字が書かれていた
イニシャルかと思ったがフランス語だった
英語さえあやしいのに何でフランス語なんだ
俺はパソコンで意味を調べてみた
Je veux être à vos côtés
君のそばにいたい
頭がチカチカした
「あの…直接書くのは、恥ずかしい、ので…」
「畏まりました」
エクラトントビジューの田中さんだ
「でしたら、フランス語にしてみてはいかがでしょう」
「え」
「やはり、ストレートなお気持ちをの方がよろしいかと…
こういったことは捻りますと逆に拗れることもございますし
もし意味をお知りになられたら、きっと喜ばれるかと思います
フランス語でしたら渡した瞬間に分かると言うことも少ないかと思います
お相手の方がフランス語堪能な方でしたら別の国の言葉をお使いになられたらいかがかと」
「あ…はい…フランス語は…堪能じゃないと思います…」
引き金を引いたようにどんどん思い出してくる
何でそばにいたいなんで唐突に思ったんだ?
照史さんの話だと、そばにいて安心させてあげたくてプロポーズしようとしたのかもしれないらしいが
日記の様子でも別れそうな感じはなかったが、結子さんの元気があまりなくて心配だった
最初はまだ辞めた会社のことで自分を責めたりしているのではないかと思った
日記で分かることだけでも結子さんを傷つけたあの会社に穏やかならぬ感情が浮かぶ
でもそれだけか?
彼女は体調が良くない日が続いたからきちんと病院にも行っていたはずだ
病院?
また頭がザワザワしてきた
「お母さん、あのね…」
ある時帰ったら結子さんの声が聞こえてきた
奈波さんと電話しているのだろう
盗み聞きは良くないと思い、とりあえず洗面所に向かおうとした
「私まだ言えてないの…
それに今回の治療法でもダメみたい」
俺はびっくりしてかたまってしまった
「ううん、まだあといくつか方法はあると思うけど…
うん…
あのね…でもそれが効かなかったらあと―」
彼女が大声を出さないように声を抑えて話している
俺は固まったまま聞いて―
そうだ、俺は知っていたんだ
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