Dear my...

E.L.L

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51章

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今日は結子さんの退院後初めてのデートの日だ

格好など普段あまり気にしない方だが、今日は少し悩んだ末結局普段と余り変わらない格好になってしまった

彼女はたまに発作が起きる時無理に押さえ込もうとする
俺がそばにいると特に
気を使わせたくないのだろうけれど、彼女が苦しいのが俺は何より困る
何も出来ないのが歯がゆくてたまらなかった
どうしたらいいんだ?
すぐ諦めるのが俺の悪い癖だったはずなのに
俺ってこんな人間だっけ?
彼女のおかげで、過去の自分はカメラも始められた
今の俺も、少しずつ前よりも前進できている気がして前より自分のことを少し好きになった気がする
彼女に会えたことに本当に感謝している
最近の俺の考えていることは割と気持ち悪い
やめよう

結子さんと病室で話した日、帰ってから俺は例のケースを開けた
想像通り中身は指輪だった
誕生石の埋め込まれたシンプルなデザイン

プロポーズ、しようとしたんだよな
理由とか、経過といったものは日記には書いていなかった
指輪の作成依頼の時期は記念日ではないし誕生日でもない
俺はケースの蓋を閉めて元の場所に戻した

「行ってきます」

「はいはい、結子ちゃんによろしくね」

彼女の家まで迎えに行く
屋外では彼女に負担がかかるかもしれないので、今日は屋内デートにしようと日記の中にあった水族館に行くことにした
長時間の滞在は避け、あとはゆっくり食事しようと計画している

待ち合わせにしようと彼女は言ったが俺は反対した
何かあったら嫌だと思った
過保護だと言われたが何とか説得した

「迎えに来てくれてありがとう」

俺は首を横に振った
結子さんは何だかいつもよりも少し大人っぽく見えた
メイクか?服装か?
俺!絞りだせ!何か言うんだ!

「行きましょ」

俺が何かを言う前に結子さんは楽しそうに笑って歩き出した
顔色も良さそうで俺はほっとした
結局何も言えず水族館に向かった



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