Dear my...

E.L.L

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26章

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エクラトントビジューは名前とは逆に華やかさよりも、シンプルなデザインを中心としたアクセサリーが多かった

田中という名の店長は俺が入ってきた瞬間に安心したような顔をした
顔を見るだけで落ち着くような穏やかな顔をした人だった

「私、お客様を見る目には自信がありましてね」

代金は支払い済みだったようだが、そのまま受け取りに来ない客もたまにいるという

まぁ品物が品物ですし、ね
でもお客様はまたいらっしゃるだろうと思っていましたよ
と微笑む

俺は謝罪と簡単に俺の現状を説明した
と言っても俺は言葉足らずなため、結局ほとんど先輩たちに頼ってしまったけど
ただ、注文した商品は俺には思い出せなかった

田中は悩ましげな顔をしたあと、店の奥から小さなジュエリーボックスを持ってきた
サイズ的には指輪だろうか

俺はなんとなく開けられなくてその箱を見つめた
開けたら後戻り出来ないような気がした

後ろから小笠原先輩が静かに言った

「多分その箱はまだ開けない方がいいと思うわ」

「…」

先輩たちには中身が分かっているのだろう
俺にも、分からないわけじゃなかった
記憶がなかろうと、持っている情報を整理すれば川底の魚の影くらいおぼろげながらも仮説は立てられる
そしてそれは恐らく間違っていない

でも、それなら何故?

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