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13章
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「今日はお呼びだてしてすみません」
櫻野春子は氷野奈波と会っていた
「いえ、本来でしたらこちらからお詫びに伺わなくてはいけませんのに」
「そんな!」
「本当にご迷惑をおかけして…」
「頭をあげてください!」
春子は慌てて言った
「あの、今日お呼びしたのは相談がありまして…」
「相談、ですか?」
「ええ、昨日結子ちゃんから―」
英司が結子のことを思い出さないようにして欲しいとお願いされたことを話した
「あのバカ娘…!」
「いえ!結子ちゃんの提案は納得できませんけど、きっと英司を想ってのことだと思いますし
ただ、英司が今日3年間の記憶を取り戻したいって言ってましてね、結子ちゃんにその協力をしてもらいたいなと」
「下手に口を挟んではと、何もしなかった私が言えることではないですが、英司くんの助けになるなら結子はきちんと自分のことに向き合うべきです」
氷野奈波はきっぱりと言ったがその目が赤いことに春子は気づいていた
「結子ちゃんのことでも色々と大変ですのに、すみません…」
「元はと言えば娘が黙っていたことが原因ですから」
「結子ちゃんにとってもその方が気分転換というか、何かプラスな影響になるといいんですが…
まぁ私たちにできることは見守ることですかね…」
春子は氷が解けて薄くなったアイスコーヒーをすすった
櫻野春子は氷野奈波と会っていた
「いえ、本来でしたらこちらからお詫びに伺わなくてはいけませんのに」
「そんな!」
「本当にご迷惑をおかけして…」
「頭をあげてください!」
春子は慌てて言った
「あの、今日お呼びしたのは相談がありまして…」
「相談、ですか?」
「ええ、昨日結子ちゃんから―」
英司が結子のことを思い出さないようにして欲しいとお願いされたことを話した
「あのバカ娘…!」
「いえ!結子ちゃんの提案は納得できませんけど、きっと英司を想ってのことだと思いますし
ただ、英司が今日3年間の記憶を取り戻したいって言ってましてね、結子ちゃんにその協力をしてもらいたいなと」
「下手に口を挟んではと、何もしなかった私が言えることではないですが、英司くんの助けになるなら結子はきちんと自分のことに向き合うべきです」
氷野奈波はきっぱりと言ったがその目が赤いことに春子は気づいていた
「結子ちゃんのことでも色々と大変ですのに、すみません…」
「元はと言えば娘が黙っていたことが原因ですから」
「結子ちゃんにとってもその方が気分転換というか、何かプラスな影響になるといいんですが…
まぁ私たちにできることは見守ることですかね…」
春子は氷が解けて薄くなったアイスコーヒーをすすった
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