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フードプリンター
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夕闇迫る町中で私は車を降りた。道路に穴が開き、私を乗せてきた車は道路下の駐車場に収納される。
今では考えられない事だが、昔は人間が自ら車を運転していたそうだ。その時代の人間からしてみたら、便利な世の中になったものだろう。
だが、私は常々疑問に思う。
便利な事は果たして良いことだろうか?
便利になればなるほど、人はどんどん堕落していくのでは……
おっと、思索にふけっている場合ではない。約束の時間だ。
私の前に一軒の簡素な二階建ての建物がある。
ごく普通の住宅に見えるが、ここが料理作家、朝霞 零の工房。
「いらっしゃませ」
工房内に入ると、若い女性が出迎えてくれた。
新しい助手を雇ったのだろうか?
「さあ、鶴岡 懐石先生。どうぞこちらへ」
「うむ」
彼女に案内されて入った部屋は和室。真ん中に掘り炬燵がある。その傍に、若い男が控えていた。
「鶴岡さん。お待ちしておりました」
「朝霞君。今回は、どんな料理を出してくれるのかね?」
「まずはこちらを」
朝霞 零は掘り炬燵の上に五つの皿を並べた。
皿に盛られているのは……
「ゴマ豆腐のようだが、何か変わった作り方をしたのかね?」
「いえ。私が作った普通のゴマ豆腐です。この中の一つは……」
「一つは? では、残りの四つは?」
「残りの四つは、私の作ったゴマ豆腐をスキャナーで読み取り、プリンターで出力した物でございます」
なんだと!?
「君は私に、プリンターで作った物を食わせようというのか?」
今の時代、衣服、車、建物、家財などを始め、ありとあらゆる品物が電子データを元にプリンターで作られている。料理も例外ではなく、ほぼ全ての料理が電子データ化され、かつてあった料理人という職業はなくなってしまった。代わりに、これまでに無い新しい料理を作りだし、そのデータをネットで配信する料理作家という職業が生まれる。
この朝霞 零もそんな料理作家の一人だ。
このように料理作家の作った料理は電子データ化され、ネットから各家庭のプリンターでいつでも出力でき、世界中のどこでも食べることができるのだ。
だが、私は認めない。プリンターの出力した料理など、本物の料理ではない。
私は食通として、料理作家が直接作った料理を食しているが、その料理をスキャナーで読み取りプリンターから出力された物はとても同じものとは思えない紛い物だった。だが、一般人にそんな違いは些細なことで、プリンターから出力された料理をありがたく食している。
「ご不満はごもっともと思いますが、その前にご紹介したい方がいます」
朝霞 零は私をここへ案内してきた女性を示した。
「彼女は、如月 亜衣さん。豆芝社の方です」
「豆芝社だと?」
豆芝社といえば、プリンターメーカーの一つだったと記憶しているが……
如月 亜衣は私に名刺を差し出した。
「鶴岡 懐石様。この度、我が豆芝社では社運をかけて新しいプリンターを開発いたしました。よろしければ、その性能試験にご協力をお願いしたいのでございます」
なるほど、そういう事か。
「つまり、その新しいプリンターで作った料理が、私の舌を満足させることができるか試したいという事だな?」
「左様でございます」
「私を呼びつけたからには、それなりの自信があると考えてよいのだな?」
「もちろんです」
「いいだろう。そこまで言うなら」
「では、この五つのゴマ豆腐の中から、朝霞さんの作った物を当てて下さい」
私はゴマ豆腐を一皿手に取った。見かけは普通のゴマ豆腐と変わりはない。
箸で一か所を切り取り口に入れた。
これは……確かにゴマ豆腐だ。しかし、なんだ? この鉄の味は?
いや分かっている。
プリンターとは、噴出ヘッドから電離した原子を一つ一つ吹き付けてデータ通りに品物を組み立てていく機械。その原子は八十三種類の元素を純粋な状態で収めたカートリッジから供給される。
データさえあれば、このプリンターでどんなものでも作ることができる。
だが、この時できた製品には、ほんの少しだけ不純物が混ざる。先に出力した製品に使った元素が微量に残っていて、次に出力する製品にそれが混じってしまうというのだ。ほとんど問題にならない量だというが、私の舌は誤魔化せない。
このゴマ豆腐を出力した機械は、先に鉄製品を出力したな。とにかく……
「これは違う。プリンターで作った物だ」
二皿目を口に入れた。硫黄の味が微かにする。
「これも違う」
三皿目は、鉛の風味がして吐き出した。
このプリンターは本当に新型なのか? まったく今までと変わらないぞ。
四皿目を口にした。これは、不純物がない。
「これが本物だな」
だが、朝霞 零は首を横にふった。
「それは私が作った物ではありません、プリンターで出力した物です」
「なんだって!」
「鶴岡さんが先に食した三皿は、従来型のプリンターで出力した物。今手にされているゴマ豆腐は、豆芝製の新型フード専用プリンターによるものです」
「フード専用だと?」
如月 亜衣が説明を代わる。
「はい。従来型プリンターはどんな物でも作りますが、このプリンターは食べ物だけを作るのに特化したプリンターでございます。食べ物しか作れませんが、不純物も入りません」
だが、まだ私は朝霞 零が作ったオリジナルを試していない。新しいプリンターで作った物は確かに美味いが所詮はコピー。オリジナルとは何か違いがあるはずだ。
五皿目を口にした。
どういう事だ? 味も香りも舌触りも、まったくオリジナルと変わらない。
ばかな? こんな事があるはすがない。このまま、オリジナルとコピーの違いを見抜けなければ、私の食通としての権威は……
「待ってくれ。ゴマ豆腐は確かに違いがなかったが、私はコピーされるところを見ていない。本当にコピーなのか? 二つとも朝霞君が作ったのではないのか?」
無様だ! 権威を守りたいがゆえに、私はなんと無様な事を……
「いいでしょう。では、今この場で私が何か料理を作ります。そのコピーを作りますので、その中から本物を見抜いて下さい」
「そうか。では」
私は水槽を指差した。水槽内でニジマスが泳いでいる。
「あのニジマスを塩焼きにしてくれ。尾頭付きで」
「かしこまりました」
朝霞 零は早速ニジマスを網で捕まえて料理に取り掛かった。
尾頭付きを指定したのは、魚が原型を留めているからだ。
ゴマ豆腐のようなものでは、コピーかオリジナルか見分けがつかない。
朝霞 零がゴマ豆腐を二つ作って、片方をコピーだと言っても私には見破れないだろう。
しかし、焼き魚ではそうはいかない。
もし、魚をもう一匹こっそり料理したとしても、まったく同じ物など作れないはずだ。
程なくして、私の前にニジマスの塩焼き五皿が用意された。
五匹の魚は、形も大きさも一致していた。
それどころか、焦げ目までまったく同じ。
間違えなく、この五匹の魚の内四匹はコピーした物。
では味はどうか?
五匹の内、三匹は従来型プリンターによるものと分かった。
しかし、残りの二匹はどちらが本物か分からない。
味も香りも舌触りも歯ごたえも、まったく変わりがない。
「鶴岡さん。どうでしょうか?」
「如月さん。もう少し待ってくれ。何か違うような気がするのだ」
嘘だ。違いなどどこにもない。だが、このまま違いを見抜けなければ、私の食通としての名声は地に落ちる。
なんとか、見破らなければ……
試に頭を骨ごと齧ってみたが違いはまったくなかった。
完敗だ。私の負けだ。まさか、ここまで完璧なコピーが作れるとは……ん?
「朝霞君。それにしても、いい皿を使っているね」
「分かりますか? 古伊万里です」
「ほう」
私は食べるのを一度休み、五つの皿を持ち上げて眺めた。
「良い料理には、良い器が必要だな」
皿を置いてから、また私は食べ比べを始めた。
しばらくして、私は一つの皿を指差す。
「これがオリジナルだ」
二人の顔に驚愕の表情が現れた。
「なぜ分かったのです?」
「朝霞君。確かによく複製されているが、微かに風味が違った」
「風味ですか?」
「だが、如月君。気を落とすことはない。この違いは個性が違う程度の物だ。どちらの魚も大変美味しかった。このプリンターは完璧だよ」
「ありがとうございます」
私に対して深々と頭を下げる彼女の姿を見て、私は罪悪感に苛まれた。
しかし、今更言えない。
皿の下に着けられていた印を見て見破ったなどと……
私の権威は守られたが、ブライドはズタズタだ。
今では考えられない事だが、昔は人間が自ら車を運転していたそうだ。その時代の人間からしてみたら、便利な世の中になったものだろう。
だが、私は常々疑問に思う。
便利な事は果たして良いことだろうか?
便利になればなるほど、人はどんどん堕落していくのでは……
おっと、思索にふけっている場合ではない。約束の時間だ。
私の前に一軒の簡素な二階建ての建物がある。
ごく普通の住宅に見えるが、ここが料理作家、朝霞 零の工房。
「いらっしゃませ」
工房内に入ると、若い女性が出迎えてくれた。
新しい助手を雇ったのだろうか?
「さあ、鶴岡 懐石先生。どうぞこちらへ」
「うむ」
彼女に案内されて入った部屋は和室。真ん中に掘り炬燵がある。その傍に、若い男が控えていた。
「鶴岡さん。お待ちしておりました」
「朝霞君。今回は、どんな料理を出してくれるのかね?」
「まずはこちらを」
朝霞 零は掘り炬燵の上に五つの皿を並べた。
皿に盛られているのは……
「ゴマ豆腐のようだが、何か変わった作り方をしたのかね?」
「いえ。私が作った普通のゴマ豆腐です。この中の一つは……」
「一つは? では、残りの四つは?」
「残りの四つは、私の作ったゴマ豆腐をスキャナーで読み取り、プリンターで出力した物でございます」
なんだと!?
「君は私に、プリンターで作った物を食わせようというのか?」
今の時代、衣服、車、建物、家財などを始め、ありとあらゆる品物が電子データを元にプリンターで作られている。料理も例外ではなく、ほぼ全ての料理が電子データ化され、かつてあった料理人という職業はなくなってしまった。代わりに、これまでに無い新しい料理を作りだし、そのデータをネットで配信する料理作家という職業が生まれる。
この朝霞 零もそんな料理作家の一人だ。
このように料理作家の作った料理は電子データ化され、ネットから各家庭のプリンターでいつでも出力でき、世界中のどこでも食べることができるのだ。
だが、私は認めない。プリンターの出力した料理など、本物の料理ではない。
私は食通として、料理作家が直接作った料理を食しているが、その料理をスキャナーで読み取りプリンターから出力された物はとても同じものとは思えない紛い物だった。だが、一般人にそんな違いは些細なことで、プリンターから出力された料理をありがたく食している。
「ご不満はごもっともと思いますが、その前にご紹介したい方がいます」
朝霞 零は私をここへ案内してきた女性を示した。
「彼女は、如月 亜衣さん。豆芝社の方です」
「豆芝社だと?」
豆芝社といえば、プリンターメーカーの一つだったと記憶しているが……
如月 亜衣は私に名刺を差し出した。
「鶴岡 懐石様。この度、我が豆芝社では社運をかけて新しいプリンターを開発いたしました。よろしければ、その性能試験にご協力をお願いしたいのでございます」
なるほど、そういう事か。
「つまり、その新しいプリンターで作った料理が、私の舌を満足させることができるか試したいという事だな?」
「左様でございます」
「私を呼びつけたからには、それなりの自信があると考えてよいのだな?」
「もちろんです」
「いいだろう。そこまで言うなら」
「では、この五つのゴマ豆腐の中から、朝霞さんの作った物を当てて下さい」
私はゴマ豆腐を一皿手に取った。見かけは普通のゴマ豆腐と変わりはない。
箸で一か所を切り取り口に入れた。
これは……確かにゴマ豆腐だ。しかし、なんだ? この鉄の味は?
いや分かっている。
プリンターとは、噴出ヘッドから電離した原子を一つ一つ吹き付けてデータ通りに品物を組み立てていく機械。その原子は八十三種類の元素を純粋な状態で収めたカートリッジから供給される。
データさえあれば、このプリンターでどんなものでも作ることができる。
だが、この時できた製品には、ほんの少しだけ不純物が混ざる。先に出力した製品に使った元素が微量に残っていて、次に出力する製品にそれが混じってしまうというのだ。ほとんど問題にならない量だというが、私の舌は誤魔化せない。
このゴマ豆腐を出力した機械は、先に鉄製品を出力したな。とにかく……
「これは違う。プリンターで作った物だ」
二皿目を口に入れた。硫黄の味が微かにする。
「これも違う」
三皿目は、鉛の風味がして吐き出した。
このプリンターは本当に新型なのか? まったく今までと変わらないぞ。
四皿目を口にした。これは、不純物がない。
「これが本物だな」
だが、朝霞 零は首を横にふった。
「それは私が作った物ではありません、プリンターで出力した物です」
「なんだって!」
「鶴岡さんが先に食した三皿は、従来型のプリンターで出力した物。今手にされているゴマ豆腐は、豆芝製の新型フード専用プリンターによるものです」
「フード専用だと?」
如月 亜衣が説明を代わる。
「はい。従来型プリンターはどんな物でも作りますが、このプリンターは食べ物だけを作るのに特化したプリンターでございます。食べ物しか作れませんが、不純物も入りません」
だが、まだ私は朝霞 零が作ったオリジナルを試していない。新しいプリンターで作った物は確かに美味いが所詮はコピー。オリジナルとは何か違いがあるはずだ。
五皿目を口にした。
どういう事だ? 味も香りも舌触りも、まったくオリジナルと変わらない。
ばかな? こんな事があるはすがない。このまま、オリジナルとコピーの違いを見抜けなければ、私の食通としての権威は……
「待ってくれ。ゴマ豆腐は確かに違いがなかったが、私はコピーされるところを見ていない。本当にコピーなのか? 二つとも朝霞君が作ったのではないのか?」
無様だ! 権威を守りたいがゆえに、私はなんと無様な事を……
「いいでしょう。では、今この場で私が何か料理を作ります。そのコピーを作りますので、その中から本物を見抜いて下さい」
「そうか。では」
私は水槽を指差した。水槽内でニジマスが泳いでいる。
「あのニジマスを塩焼きにしてくれ。尾頭付きで」
「かしこまりました」
朝霞 零は早速ニジマスを網で捕まえて料理に取り掛かった。
尾頭付きを指定したのは、魚が原型を留めているからだ。
ゴマ豆腐のようなものでは、コピーかオリジナルか見分けがつかない。
朝霞 零がゴマ豆腐を二つ作って、片方をコピーだと言っても私には見破れないだろう。
しかし、焼き魚ではそうはいかない。
もし、魚をもう一匹こっそり料理したとしても、まったく同じ物など作れないはずだ。
程なくして、私の前にニジマスの塩焼き五皿が用意された。
五匹の魚は、形も大きさも一致していた。
それどころか、焦げ目までまったく同じ。
間違えなく、この五匹の魚の内四匹はコピーした物。
では味はどうか?
五匹の内、三匹は従来型プリンターによるものと分かった。
しかし、残りの二匹はどちらが本物か分からない。
味も香りも舌触りも歯ごたえも、まったく変わりがない。
「鶴岡さん。どうでしょうか?」
「如月さん。もう少し待ってくれ。何か違うような気がするのだ」
嘘だ。違いなどどこにもない。だが、このまま違いを見抜けなければ、私の食通としての名声は地に落ちる。
なんとか、見破らなければ……
試に頭を骨ごと齧ってみたが違いはまったくなかった。
完敗だ。私の負けだ。まさか、ここまで完璧なコピーが作れるとは……ん?
「朝霞君。それにしても、いい皿を使っているね」
「分かりますか? 古伊万里です」
「ほう」
私は食べるのを一度休み、五つの皿を持ち上げて眺めた。
「良い料理には、良い器が必要だな」
皿を置いてから、また私は食べ比べを始めた。
しばらくして、私は一つの皿を指差す。
「これがオリジナルだ」
二人の顔に驚愕の表情が現れた。
「なぜ分かったのです?」
「朝霞君。確かによく複製されているが、微かに風味が違った」
「風味ですか?」
「だが、如月君。気を落とすことはない。この違いは個性が違う程度の物だ。どちらの魚も大変美味しかった。このプリンターは完璧だよ」
「ありがとうございます」
私に対して深々と頭を下げる彼女の姿を見て、私は罪悪感に苛まれた。
しかし、今更言えない。
皿の下に着けられていた印を見て見破ったなどと……
私の権威は守られたが、ブライドはズタズタだ。
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