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第七章
「恥を知れ! この卑怯者!」
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現場が見えてきた。
まだ功夫少女と馬賊の戦いは続いている。
「Pちゃん。女の子から離れている奴から狙ってくれ」
ショットガンでは、女の子も巻き込む恐れがあるからだ。
「了解です」
Pちゃんはサイドカーから、AA12コンバットショットガンを構えた。
射程距離に入ると同時に銃撃。
二人の馬賊が、血まみれになって馬ごと倒れる。
ううむ……馬は助けてやりたいが、ショットガンだと、どうしても巻き込んでしまうな。
「あたしも」
ミールが、拳銃を構えた。
「おい! ミール」
戦闘モードではない分身体では、拳銃の反動に耐えられないのでは……
「大丈夫です。見ていて下さい」
抜刀して、功夫少女に切りかかろうとした馬賊が、突然目を押さえて落馬した。
上手い! レーザーサイトで目を狙ったな。
「戦いは、頭でするのですよ」
そう言って、ミールは次の馬賊に狙いを定める。
十人ほどの馬賊が、僕らに気が付いて向かってくる。
僕もフルスロットルで、奴らに向かっていった。
馬賊が銃撃してきた。
しかし、僕もPちゃんも防弾服で身を固めている。
フリントロック銃ぐらいなんともない。
ミールは分身体なので、憑代に当たらなければ大丈夫。
バイクも軍用。この程度の銃撃は何ともない。
逆に馬賊たちは、Pちゃんの銃撃で次々と血しぶきをまき散らして倒れていく。
すれ違う時、僕はスロットルを手放して拳銃を抜いた。
Pちゃんが撃ち漏らした三騎の馬賊に銃撃。
すれ違った後、バックミラーで見ていると、三人の馬賊は次々と馬から落ちていった。
自由になった馬は、そのままどこかへ逃げていく。
僕は再びバイクを走らせ、功夫少女の方へ向かった。
僕らに気が付いた馬賊の頭目らしき男が、僕らに向かって何かを叫ぶ。
翻訳ディバイスが翻訳するのに少し時間がかかった。
帝国語のようだが、少し訛りがあるらしい。
「なんだてめえらは!? 関係ない奴は、引っ込んでろ!!」
翻訳するまでもなかったか。
なんとなく、こんな事を言ってるような気がしていた。
僕はバイクから降りて、ショットガンを構えながら言いかえす。
「大の男が、寄ってたかって女の子を苛めているところを見て、引っ込んでいるわけにはいかないな」
「うるせぇ! かっこつけやがって! おまえら! こいつらを挽肉にしてやれ!」
頭目の号令と同時に、十騎の馬賊が僕らを挽肉にすべく刀を手にして向かってくる。
そして……
AA12の一連射で、馬賊たちは挽肉と化した。
頭目の顔が蒼白になる。
それでも、まだ懲りないようだ。
「怯むな! 今ので、弾は撃ち尽くしたはずだ」
残念。おまえらの銃と違って、これはマガジンを交換するだけでいいんだな。
次にかかってきた馬賊の群れも、瞬く間に挽肉と化した。
「こ……この卑怯者! 男らしく刀で勝負しろ!」
卑怯な事をする奴ほど、自分が不利になる度に『卑怯』という言葉を使いたがるらしい。
もちろん、そんな戯言に付き合う義理は無い。
男らしく、刀を抜いてかかってくる馬賊たちを、僕は男らしく銃で迎え撃った。
「やい! こっちを見ろ」
声は、後ろからだった。
振り向くと、馬賊の一人がミールを捕まえて刀を突き付けている。
「このガキの命が惜しかったら、銃を捨てろ」
ううむ……どうせ分身なのだから、見捨ててもいいのだが、ここで見捨てるのもなんか気分が悪い。
「カイトさん! 構いません。あたしごと撃って下さい。ここまでくれば、もう道案内はいりません」
「黙ってろ! くそガキ!」
「恥を知れ! この卑怯者!」
突然そう叫んだのは、僕ではなかった。
まだ功夫少女と馬賊の戦いは続いている。
「Pちゃん。女の子から離れている奴から狙ってくれ」
ショットガンでは、女の子も巻き込む恐れがあるからだ。
「了解です」
Pちゃんはサイドカーから、AA12コンバットショットガンを構えた。
射程距離に入ると同時に銃撃。
二人の馬賊が、血まみれになって馬ごと倒れる。
ううむ……馬は助けてやりたいが、ショットガンだと、どうしても巻き込んでしまうな。
「あたしも」
ミールが、拳銃を構えた。
「おい! ミール」
戦闘モードではない分身体では、拳銃の反動に耐えられないのでは……
「大丈夫です。見ていて下さい」
抜刀して、功夫少女に切りかかろうとした馬賊が、突然目を押さえて落馬した。
上手い! レーザーサイトで目を狙ったな。
「戦いは、頭でするのですよ」
そう言って、ミールは次の馬賊に狙いを定める。
十人ほどの馬賊が、僕らに気が付いて向かってくる。
僕もフルスロットルで、奴らに向かっていった。
馬賊が銃撃してきた。
しかし、僕もPちゃんも防弾服で身を固めている。
フリントロック銃ぐらいなんともない。
ミールは分身体なので、憑代に当たらなければ大丈夫。
バイクも軍用。この程度の銃撃は何ともない。
逆に馬賊たちは、Pちゃんの銃撃で次々と血しぶきをまき散らして倒れていく。
すれ違う時、僕はスロットルを手放して拳銃を抜いた。
Pちゃんが撃ち漏らした三騎の馬賊に銃撃。
すれ違った後、バックミラーで見ていると、三人の馬賊は次々と馬から落ちていった。
自由になった馬は、そのままどこかへ逃げていく。
僕は再びバイクを走らせ、功夫少女の方へ向かった。
僕らに気が付いた馬賊の頭目らしき男が、僕らに向かって何かを叫ぶ。
翻訳ディバイスが翻訳するのに少し時間がかかった。
帝国語のようだが、少し訛りがあるらしい。
「なんだてめえらは!? 関係ない奴は、引っ込んでろ!!」
翻訳するまでもなかったか。
なんとなく、こんな事を言ってるような気がしていた。
僕はバイクから降りて、ショットガンを構えながら言いかえす。
「大の男が、寄ってたかって女の子を苛めているところを見て、引っ込んでいるわけにはいかないな」
「うるせぇ! かっこつけやがって! おまえら! こいつらを挽肉にしてやれ!」
頭目の号令と同時に、十騎の馬賊が僕らを挽肉にすべく刀を手にして向かってくる。
そして……
AA12の一連射で、馬賊たちは挽肉と化した。
頭目の顔が蒼白になる。
それでも、まだ懲りないようだ。
「怯むな! 今ので、弾は撃ち尽くしたはずだ」
残念。おまえらの銃と違って、これはマガジンを交換するだけでいいんだな。
次にかかってきた馬賊の群れも、瞬く間に挽肉と化した。
「こ……この卑怯者! 男らしく刀で勝負しろ!」
卑怯な事をする奴ほど、自分が不利になる度に『卑怯』という言葉を使いたがるらしい。
もちろん、そんな戯言に付き合う義理は無い。
男らしく、刀を抜いてかかってくる馬賊たちを、僕は男らしく銃で迎え撃った。
「やい! こっちを見ろ」
声は、後ろからだった。
振り向くと、馬賊の一人がミールを捕まえて刀を突き付けている。
「このガキの命が惜しかったら、銃を捨てろ」
ううむ……どうせ分身なのだから、見捨ててもいいのだが、ここで見捨てるのもなんか気分が悪い。
「カイトさん! 構いません。あたしごと撃って下さい。ここまでくれば、もう道案内はいりません」
「黙ってろ! くそガキ!」
「恥を知れ! この卑怯者!」
突然そう叫んだのは、僕ではなかった。
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