607 / 842
第十五章
そこのおまえら
しおりを挟む
廃工場の中に、三人の男たちが血相を変えて駆け込んでくる。
『大変だ! 殴り込みだ』
『なに?』
その様子を、僕は内部に潜入させた蛇型ドローンを通じて見ていた。
『相手は何人だ?』
『それが、一人で』
『はあ? おまえら、たった一人相手に尻尾巻いて逃げて来たのか?』
『そんなこと言ったって、相手は化け物みたいな奴で……』
化け物とは失礼な。
『そこのおまえら。ちょっと行って、様子見てこい』
程なくして、そこのおまえらが廃工場から出てくる。
人数は七人ほど……
七人とも皮鎧を纏い、フリントロック銃で武装している。
年齢は、二十代前半ぐらいから四十代まで様々。
リーダーらしき男が僕に声をかける。
「てめえ! 何者だ!? 俺たちに何の用だ」
ここで素直に名乗りをあげて、ミクを取り返しに来たなんて言ったら、ミクを人質にされかねない。
「名乗るほどの者ではない。君たちを皆殺しにきた者だ」
「なに? なぜだ?」
「恨みを買った覚えがないとでも言うのか? それとも、覚えがありすぎてどれのことだか分からないか?」
「ははあ、大方アーテミスの奴らにでも雇われた傭兵か何かだろう」
「全然違うな」
「では、何が目的だ?」
「知る必要はない。君たちは、ここで死ぬのだからな」
「死ぬのはてめえだ! やれ」
七人は一斉に銃を撃ってきた。
「馬鹿な奴だ。カッコつけやがって」
僕と仕留めたと思っているようだな。では、錯覚を正してやろう。
「君。今、何かやったかい?」
「え? 馬鹿野郎! 弾が外れているじゃねえか!」
いや、おまえも撃っているだろう。手下を非難できるのかよ。
男たちは次弾装填を始めたが、それが終わるのを待ってやる気はない。
「アクセレレーション」
加速機能で一気に間合いを詰めた。
「ブースト」
一人の男が、ブーストパンチを食らって吹っ飛んでいく。
「うわわ!」
横で驚いている男をさらに殴り飛ばす。
二人の男が、抜刀して左右からかかってきた。
「おりゃあ!」「死ねえ!」
二本の刀を、僕は左右の手で掴み取り、そのままへし折った。
「ひええ!」「そんな馬鹿な!」
折れた刀を見て驚いている二人の男を僕は殴り飛ばした。
「ちくしょう!」
一人の男が短銃を抜いた。
だが、奴が引き金を引く前に、僕も拳銃を抜いて男の眉間を撃ちぬく。
さらに隣で、弾の装填を終えた銃を僕に向けていた男の心臓を撃ちぬいた。
「ひいい! 許してくれ!」
最後に残った一人の胸ぐらを掴み、引き寄せた。
「僕の相手をするのに、これっぽっちじゃ足りないな。もっと、応援を呼んでこい」
そう言って、僕は男を投げ飛ばした。
男は地面に落ちてから、這いつくばるように逃げていく。
『大変だ! 殴り込みだ』
『なに?』
その様子を、僕は内部に潜入させた蛇型ドローンを通じて見ていた。
『相手は何人だ?』
『それが、一人で』
『はあ? おまえら、たった一人相手に尻尾巻いて逃げて来たのか?』
『そんなこと言ったって、相手は化け物みたいな奴で……』
化け物とは失礼な。
『そこのおまえら。ちょっと行って、様子見てこい』
程なくして、そこのおまえらが廃工場から出てくる。
人数は七人ほど……
七人とも皮鎧を纏い、フリントロック銃で武装している。
年齢は、二十代前半ぐらいから四十代まで様々。
リーダーらしき男が僕に声をかける。
「てめえ! 何者だ!? 俺たちに何の用だ」
ここで素直に名乗りをあげて、ミクを取り返しに来たなんて言ったら、ミクを人質にされかねない。
「名乗るほどの者ではない。君たちを皆殺しにきた者だ」
「なに? なぜだ?」
「恨みを買った覚えがないとでも言うのか? それとも、覚えがありすぎてどれのことだか分からないか?」
「ははあ、大方アーテミスの奴らにでも雇われた傭兵か何かだろう」
「全然違うな」
「では、何が目的だ?」
「知る必要はない。君たちは、ここで死ぬのだからな」
「死ぬのはてめえだ! やれ」
七人は一斉に銃を撃ってきた。
「馬鹿な奴だ。カッコつけやがって」
僕と仕留めたと思っているようだな。では、錯覚を正してやろう。
「君。今、何かやったかい?」
「え? 馬鹿野郎! 弾が外れているじゃねえか!」
いや、おまえも撃っているだろう。手下を非難できるのかよ。
男たちは次弾装填を始めたが、それが終わるのを待ってやる気はない。
「アクセレレーション」
加速機能で一気に間合いを詰めた。
「ブースト」
一人の男が、ブーストパンチを食らって吹っ飛んでいく。
「うわわ!」
横で驚いている男をさらに殴り飛ばす。
二人の男が、抜刀して左右からかかってきた。
「おりゃあ!」「死ねえ!」
二本の刀を、僕は左右の手で掴み取り、そのままへし折った。
「ひええ!」「そんな馬鹿な!」
折れた刀を見て驚いている二人の男を僕は殴り飛ばした。
「ちくしょう!」
一人の男が短銃を抜いた。
だが、奴が引き金を引く前に、僕も拳銃を抜いて男の眉間を撃ちぬく。
さらに隣で、弾の装填を終えた銃を僕に向けていた男の心臓を撃ちぬいた。
「ひいい! 許してくれ!」
最後に残った一人の胸ぐらを掴み、引き寄せた。
「僕の相手をするのに、これっぽっちじゃ足りないな。もっと、応援を呼んでこい」
そう言って、僕は男を投げ飛ばした。
男は地面に落ちてから、這いつくばるように逃げていく。
0
お気に入りに追加
139
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
悠久の機甲歩兵
竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。
※現在毎日更新中
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
日本国転生
北乃大空
SF
女神ガイアは神族と呼ばれる宇宙管理者であり、地球を含む太陽系を管理して人類の歴史を見守ってきた。
或る日、ガイアは地球上の人類未来についてのシミュレーションを実施し、その結果は22世紀まで確実に人類が滅亡するシナリオで、何度実施しても滅亡する確率は99.999%であった。
ガイアは人類滅亡シミュレーション結果を中央管理局に提出、事態を重くみた中央管理局はガイアに人類滅亡の回避指令を出した。
その指令内容は地球人類の歴史改変で、現代地球とは別のパラレルワールド上に存在するもう一つの地球に干渉して歴史改変するものであった。
ガイアが取った歴史改変方法は、国家丸ごと転移するもので転移する国家は何と現代日本であり、その転移先は太平洋戦争開戦1年前の日本で、そこに国土ごと上書きするというものであった。
その転移先で日本が世界各国と開戦し、そこで起こる様々な出来事を超人的な能力を持つ女神と天使達の手助けで日本が覇権国家になり、人類滅亡を回避させて行くのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる