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第二章

レッドドラゴン 4

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「それは出せますが、冷静になって下さい。調合している時間があると思いますか?」
 ないな。普通に考えて、あるわけないな。
 いかん! 冷静にならんと……
 チラッと、レットドラゴンの方を見ると、奴は離れたところから、恐る恐るこっちの様子を見ていた。
 ショットガンを向けると、パッと飛びのいて距離を取る。
 まだハッタリが効いてるようだ。このまま……『ちっ! こんな面倒な奴やめておこう』と考えて帰ってくれないかな。
 いや、無理そうだ。
 片目を潰された事を、根に持ってるのかな? 持ってるだろうな。
「ご主人様。今のうちにロボットスーツを……」
「あれは、嫌だと言ったろ」
「わがまま言っている場合ですか!!」
「わがままじゃない。僕はこのスーツのせいで、何度も死にかけたんだ」
「でも、レッドドラゴンが襲ってきたら、確実に殺されますよ」
「おまえが、戦え!!」
「か弱いアンドロイドに、無茶言わないでください」
「か……か弱いのか?」
 ううむ……アニメやマンガに出てくるアンドロイドって、メッチャ強いけど、アシモとか現実のアンドロイドって、あんまし戦闘向きじゃなかったな。
「そもそも人型は、戦闘には向きません」
 そういえば、ガンダムみたいな巨大人型ロボットなんか作っても、実戦では戦車に勝てないと言われていたな。あんなデカ物いい標的だし、いくらチタニウム装甲でも、徹甲榴弾食らったらアウトだろう。
 では、ロボットスーツはいいのか?
 これは、いいんだ。
 ロボットスーツは、元々は歩兵を補助するためのもの。重装備の歩兵が長時間移動しても、疲れないようにする目的で開発された。
 ただ、僕が使っていたのはちょっと違う。格闘ができるように開発されたのだ。
 軽めの装甲なら一撃で粉砕できるパンチ力を持っているし、自動車並みの速度で移動できる。
 そのせいで、装着者の身体に無理な負担がかかるのだ。
 しかし、今はこれを使わないと、切り抜けられそうにないな。
 仕方ない。
 僕は、ショットガンを地面に置いてシートに座った。
「装着」
 自動装着機能が動き出す。
「げ!?」
 レットドラゴンが、こっちへ向かって突進して来た。
 しまった! ショットガンを手放したので、チャンスと考えたな。
 ロボットスーツの装着には、三十秒かかる。
 間に合わない。
 レッドドラゴンは、大口を開けて迫ってくる。
 あかん、食われる!!
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