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第十三章
生きた対空兵器
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キャプター機雷とは、普段は水中に潜み、近くに敵艦が通りかかると内蔵した魚雷を射出する機雷。
さっき《アクラ》が反転して逃げた時、水中に物体を投下する音が四回聞こえた。そのうち二つが通常魚雷。残り二つがこのキャプター機雷だったのだろう。
キャプター機雷はそのまま川底に沈みジッと待ち続けていた。《水龍》が通りかかるのを……
そして、《水龍》が近づくのを感知すると、待っていましたとばかりに魚雷を放ってきたのだろう。
至近距離から発射されたこの魚雷から逃れるには……
「ロンロン! ロケットエンジン点火! 《水龍》急速上昇!」
レイホーの号令の直後、床下から轟音が轟いた。同時にエレベーターが上昇する時のような感覚が……
今、《水龍》は、ロケットエンジンによって水面上に飛び出しているはず。キャプター機雷から逃れるにはもうこれしかない。
三十年前、カルカの技師たちは帝国軍のキャプター機雷から防御するために《水龍》にロケットエンジンを装備していたのだ。
しかし、《水龍》が飛べることを、今の敵は知っている可能性が大きい。
もし知っているなら、《アクラ》は対空戦闘装備を用意して待ちかまえているはず。実際に、《アクラ》からは二機のドローンが飛び立つのをレーダーで確認していた。
ドローンの目的は決まっている。
キャプター機雷に追い立てられた《水龍》が空中に飛び立つところを攻撃する事に……
それに対して《水龍》には空対空ミサイルなどから防御する火炎弾の類は装備されていない。
だが、エラのプラズマボールなら火炎弾として十分に使える。
だがら、この作戦にエラを生きた対空兵器して組み込んだ。
「水上に出ると同時に司令塔ハッチオープン」
レイホーが号令して、程なくハッチが開く。
「エラ。頼んだぞ」
「任せておけ」
エラがハッチから身を乗り出してプラズマボールを撃ちまくった。
「敵ドローン。空対空ミサイル四発を発射」
ロンロンの報告は想定通り。
ドローンから放たれたミサイルの群は、エラのプラズマボールが放つ赤外線に引き寄せられ、《水龍》からは逸れていく。
敵はさらに四発のミサイルを撃ってきたが、ことごとくエラのプラズマボールで迎撃された。
次はこっちの番。
「芽衣ちゃん。行くよ」
「はい。北村さん」
僕と芽衣ちゃんはハッチから空中へ飛び出した。
ロボットスーツのレーダーが敵ドローン二機を捉えた。
映像を出してみると、菊花と同じくジェットドローン。すでにミサイルは撃ち尽くしている。
それでも向かってくるという事は、ドローンごと体当たりでもする気だろう。
そうはさせない。
僕は九十一式地対空誘導弾を構えた。
照準セット。
「ファイヤー!」
すぐに次のミサイルを装填して撃つ。
二発の対空ミサイルが、敵のドローンに向かっていった。
それに対して敵ドローンは火炎弾を放って防御するが、画像認識追尾を採用している九十一式は火炎弾では防げない。
ミサイルは吸い込まれるように敵ドローンに命中。
無数の破片が夕日をキラキラと反射させながらマオ川の川面に落下していく。
次は……
さっき《アクラ》が反転して逃げた時、水中に物体を投下する音が四回聞こえた。そのうち二つが通常魚雷。残り二つがこのキャプター機雷だったのだろう。
キャプター機雷はそのまま川底に沈みジッと待ち続けていた。《水龍》が通りかかるのを……
そして、《水龍》が近づくのを感知すると、待っていましたとばかりに魚雷を放ってきたのだろう。
至近距離から発射されたこの魚雷から逃れるには……
「ロンロン! ロケットエンジン点火! 《水龍》急速上昇!」
レイホーの号令の直後、床下から轟音が轟いた。同時にエレベーターが上昇する時のような感覚が……
今、《水龍》は、ロケットエンジンによって水面上に飛び出しているはず。キャプター機雷から逃れるにはもうこれしかない。
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しかし、《水龍》が飛べることを、今の敵は知っている可能性が大きい。
もし知っているなら、《アクラ》は対空戦闘装備を用意して待ちかまえているはず。実際に、《アクラ》からは二機のドローンが飛び立つのをレーダーで確認していた。
ドローンの目的は決まっている。
キャプター機雷に追い立てられた《水龍》が空中に飛び立つところを攻撃する事に……
それに対して《水龍》には空対空ミサイルなどから防御する火炎弾の類は装備されていない。
だが、エラのプラズマボールなら火炎弾として十分に使える。
だがら、この作戦にエラを生きた対空兵器して組み込んだ。
「水上に出ると同時に司令塔ハッチオープン」
レイホーが号令して、程なくハッチが開く。
「エラ。頼んだぞ」
「任せておけ」
エラがハッチから身を乗り出してプラズマボールを撃ちまくった。
「敵ドローン。空対空ミサイル四発を発射」
ロンロンの報告は想定通り。
ドローンから放たれたミサイルの群は、エラのプラズマボールが放つ赤外線に引き寄せられ、《水龍》からは逸れていく。
敵はさらに四発のミサイルを撃ってきたが、ことごとくエラのプラズマボールで迎撃された。
次はこっちの番。
「芽衣ちゃん。行くよ」
「はい。北村さん」
僕と芽衣ちゃんはハッチから空中へ飛び出した。
ロボットスーツのレーダーが敵ドローン二機を捉えた。
映像を出してみると、菊花と同じくジェットドローン。すでにミサイルは撃ち尽くしている。
それでも向かってくるという事は、ドローンごと体当たりでもする気だろう。
そうはさせない。
僕は九十一式地対空誘導弾を構えた。
照準セット。
「ファイヤー!」
すぐに次のミサイルを装填して撃つ。
二発の対空ミサイルが、敵のドローンに向かっていった。
それに対して敵ドローンは火炎弾を放って防御するが、画像認識追尾を採用している九十一式は火炎弾では防げない。
ミサイルは吸い込まれるように敵ドローンに命中。
無数の破片が夕日をキラキラと反射させながらマオ川の川面に落下していく。
次は……
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