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第十三章
フーファイター対策
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「ご主人様。新しい衛星画像が届きました」
Pちゃんが壁に映した映像には、《アクラ》が上流へ向かってくる様子が映っていた。
速度は変わらず。逆にこっちが速度を落としたので、戦闘行動半径に入るのは予定より遅れて午後四時。
午後五時にはハイド島に到着する。
しかし……
「《アクラ》側は、僕らが生きていることを知っていてなおも向かってくる。ドローンの回収は分かるけど、このまま来ればマジで一戦やることになるのだが、勝算も無しに来るとは思えない。何を持って、勝算ありと考えたのか?」
呟くような僕の問いかけに芽衣ちゃんが答える。
「普通に考えるなら、フーファイターだと思います。ただ、ハイド島に降りたフーファイターはエネルギー切れでまともに戦えません。叩くなら今ですが……」
叩いた途端に《アクラ》は勝算がなくなり引き返してしまう。そうなると、《水龍》《海龍》の速度ではとても追いつけない。《アクラ》を捕まえたかったら、エサとなるフーファイターを今叩くわけにはいかない。
となると……
「《アクラ》が引き返せない距離にまで近づいた時点で、フーファイターを一気に破壊できる準備をしておくしかない。もし、フーファイターに燃料を補給されてしまったら、こっちの勝算がなくなる」
「しかし……どうやって?」
「ジャミングガンは効果あるかな?」
「フーファイターのコントロールには、量子暗号が使われています。ジャミングガンは、ほとんど効果ありません」
となると、もっと他の手段を使うしかないな。
「カイトさん」
ミールが手を上げていた。
「フーファイターはともかく、敵にはエラがいますよ。これはどうします?」
「ああ。エラなら……そういえば、ミクの様態は!?」
エラに関してはミクの式神を当てにしていたけど、そう言えば寝込んでいたのだった。
「かなり回復してきましたが、式神を操るのは……」
「そうか」
そうなると、ミクなしでエラと戦うしかないな。
「北村君。ちょっといいかしら」
アーニャが手を上げていた。
「どうぞ」
「私はフーファイターを今すぐ破壊すべきだと思うわ」
「なぜ?」
「君がフーファイターを今すぐ叩かないのは、《アクラ》を呼び寄せるエサにしたいから。でも、向こうも私達が生きている事を知っている以上、その事は予想しているはず。ならば、回収寸前のフーファイターを私たちが叩こうとしている事も……敵はその裏をかいてフーファイターを復活させる策を立てているとしたら……」
確かに《アクラ》をおびき寄せるのはいいが、フーファイターがエネルギーを補給してしまったら、目も当てられない事態になる。
ならば、ここでフーファイターを叩いて《アクラ》は諦めた方がいい。そして、ベイス島攻略作戦を進めた方が……
しかし……
「北村君。もう一つ私が心配している事があるのよ。フーファイターは、はたしてあれ一機だけなのか? フーファイターじゃないにしても、敵にはそれ以外の戦力があるのではないか?」
アーニャの心配ももっともだな。
実は僕もそれを考えていた。
「ちょっと、いいかしら」
馬艦長が手を上げた。
「私はずっと疑問に思っていたのだけど、矢納とエラはどうやって《アクラ》に乗り込んだのかしら?」
え?
「水の上にいる《アクラ》に乗り込むには、水上または空中を移動できる手段があるのじゃないかしら?」
確かに……
「だとすると、私たちが警戒すべきは《アクラ》だけじゃない。彼らがその移動手段を使って《アクラ》と別行動を取り、先にハイド島に上陸する可能性が……」
そうだった!
「その危険に気が付かなかった。すぐにハイド島に上陸してフーファイターを押さえよう」
Pちゃんが壁に映した映像には、《アクラ》が上流へ向かってくる様子が映っていた。
速度は変わらず。逆にこっちが速度を落としたので、戦闘行動半径に入るのは予定より遅れて午後四時。
午後五時にはハイド島に到着する。
しかし……
「《アクラ》側は、僕らが生きていることを知っていてなおも向かってくる。ドローンの回収は分かるけど、このまま来ればマジで一戦やることになるのだが、勝算も無しに来るとは思えない。何を持って、勝算ありと考えたのか?」
呟くような僕の問いかけに芽衣ちゃんが答える。
「普通に考えるなら、フーファイターだと思います。ただ、ハイド島に降りたフーファイターはエネルギー切れでまともに戦えません。叩くなら今ですが……」
叩いた途端に《アクラ》は勝算がなくなり引き返してしまう。そうなると、《水龍》《海龍》の速度ではとても追いつけない。《アクラ》を捕まえたかったら、エサとなるフーファイターを今叩くわけにはいかない。
となると……
「《アクラ》が引き返せない距離にまで近づいた時点で、フーファイターを一気に破壊できる準備をしておくしかない。もし、フーファイターに燃料を補給されてしまったら、こっちの勝算がなくなる」
「しかし……どうやって?」
「ジャミングガンは効果あるかな?」
「フーファイターのコントロールには、量子暗号が使われています。ジャミングガンは、ほとんど効果ありません」
となると、もっと他の手段を使うしかないな。
「カイトさん」
ミールが手を上げていた。
「フーファイターはともかく、敵にはエラがいますよ。これはどうします?」
「ああ。エラなら……そういえば、ミクの様態は!?」
エラに関してはミクの式神を当てにしていたけど、そう言えば寝込んでいたのだった。
「かなり回復してきましたが、式神を操るのは……」
「そうか」
そうなると、ミクなしでエラと戦うしかないな。
「北村君。ちょっといいかしら」
アーニャが手を上げていた。
「どうぞ」
「私はフーファイターを今すぐ破壊すべきだと思うわ」
「なぜ?」
「君がフーファイターを今すぐ叩かないのは、《アクラ》を呼び寄せるエサにしたいから。でも、向こうも私達が生きている事を知っている以上、その事は予想しているはず。ならば、回収寸前のフーファイターを私たちが叩こうとしている事も……敵はその裏をかいてフーファイターを復活させる策を立てているとしたら……」
確かに《アクラ》をおびき寄せるのはいいが、フーファイターがエネルギーを補給してしまったら、目も当てられない事態になる。
ならば、ここでフーファイターを叩いて《アクラ》は諦めた方がいい。そして、ベイス島攻略作戦を進めた方が……
しかし……
「北村君。もう一つ私が心配している事があるのよ。フーファイターは、はたしてあれ一機だけなのか? フーファイターじゃないにしても、敵にはそれ以外の戦力があるのではないか?」
アーニャの心配ももっともだな。
実は僕もそれを考えていた。
「ちょっと、いいかしら」
馬艦長が手を上げた。
「私はずっと疑問に思っていたのだけど、矢納とエラはどうやって《アクラ》に乗り込んだのかしら?」
え?
「水の上にいる《アクラ》に乗り込むには、水上または空中を移動できる手段があるのじゃないかしら?」
確かに……
「だとすると、私たちが警戒すべきは《アクラ》だけじゃない。彼らがその移動手段を使って《アクラ》と別行動を取り、先にハイド島に上陸する可能性が……」
そうだった!
「その危険に気が付かなかった。すぐにハイド島に上陸してフーファイターを押さえよう」
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