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第三章

なんとか、ミサイルを阻止しないと。

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 居ても立ってもいられなくなったあたしは、博士が止めるのも聞かないで部屋を抜け出した。いくら、糸魚川君が超人でも、あんなミサイルで狙われたら助からない。
 なんとか、ミサイルを阻止しないと。
「どうやって?」
 通路を歩きながらリアルの発した質問に、あたしは答えられなかった。
 いや、部屋を抜けだしたのはいいけど、なにも対策ないのよね。
「だと思った。とにかく、信号弾を探そう」
「そんなもの、どうするの?」
「スティンガーミサイルは熱線誘導式だ。つまり熱い物を追いかける。信号弾で偽の熱源を作って、ミサイルの狙いを逸らすんだ」
「わかった」
 しばらく通路を歩いて、倉庫らしき部屋を見つけた。
 部屋の中には、木箱やダンボールが乱雑に置いてある。リアルの話では、信号弾は船ならたいてい積んであるというけど……
 発煙筒を見つけたけど、これじゃだめよね。
「あったぞ」
 リアルが口で示した木箱に「Signal bullet」と書いてあった。
 蓋を開けると、金属の筒が数本。
 ピストルみたいな形のと、ただの円筒と二種類あるけど……
「ヘイ!! ユー!!」
 やば!! 入り口に女の人が。
 あの人って昨日あたしにピストルを突きつけた人。たしかリンダとかいったっけ。
 リンダがこっちへやってくる。
「フギャー!!」
 リアルがリンダに飛びかかるる。
 頭にしがみついて、ひっかいたり、猫パンチを浴びせたりするリアルを、リンダは必死で引っ剥がそうとする。
「リアル!! そいつから離れて!!」
 リアルが飛び退いた瞬間、あたしは発煙筒を点火してリンダの顔面に突きつけた。
 発煙筒の煙をもろに吸い込んで、リンダは激しく咽せる。
 その隙に、あたしは箱から信号弾を掴んで倉庫から逃げ出した。
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