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第三章

変態注意報

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(瑠璃華視点)

 飛行船のゴンドラは狭い。
 その狭いゴンドラのさらに狭い部屋に、あたしは閉じこめられた。
 スマホは取り上げられたけど、グッキーは返して貰えた。
 ケージを開いて手を突っ込んでみると、グッキーあたしの腕を駆け上がって肩にちょこんと止まる。
「大丈夫よ。グッキー。あなたにひどい事はさせないからね」
 と、声をかけてみたけど、グッキーは不安そうな顔をしている。
 もしかすると、言葉はわかるけどあたしなんか頼りにならないと思ってるのかな?
 まあ、実際そうだけど……
 不意に扉が開く。
「やあ」
 緑埜!? 
 こんな重い人が乗ってよく飛行船が落ちないわね。 
「な……なんですか!?」
「そんな怖がらなくても。ヒマワリの種を持ってきてあげただけだよ」
「じゃあ、そこに置いて出てってください」
「そういうなよ。先は長いんだ。仲良くしようよ」
 緑埜は後ろ手に扉を閉めた。
「ひ……人を呼ぶわよ」
「大丈夫だよ。誰も来ないって」
 緑埜はあたしに手を延ばす。
「いやあああ!!」 
 あたしは思わず目をつぶって悲鳴をあげた。
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