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第二章
こら!! こら!! 糸魚川君!!
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『悪い人』はピンクのウインドブレーカーをまとい、大きなマスクとゴーグルで顔を覆っていた。糸魚川君がピストルを構える。
「だあ!! 撃っちゃだめ!! この人は!」
「美樹本さん、糸魚川君。ここで何してるの?」
「え?」
『悪い人』に突然名前を呼ばれて、糸魚川君は呆気に取られる。
「ああ、ごめん。私よ私」
星野さんはマスクとゴーグルを外した。
三毛猫を追ってここに入ってきたんだな。
「委員長!! なんでそんな格好?」
星野さんの趣味については、あたしから糸魚川君に説明した。
「私の高尚な趣味については、理解してもらえたかしら? 糸魚川君」
こ……高尚なのか?
「それで、今度はこっちが聞きたいんだけど、ここで二人は何をしていたの?」
ヤバい。なんて言いわけしよう。
「ごめんなさい。聞くまでも無かったわね」
なんか変な誤解をされた予感。
「美樹本さんが新しい恋を見つけた事は良いことだと思うわ。でも、二人とも中学生なんだから、そういう事は節度をもってするべきだと思うの」
「もちろん、僕はそのつもりだ」
こら!! こら!! 糸魚川君!! どさくさに紛れて、何を既成事実にしようとしてんのよ!!
「そうなの? でもこんな空き家に二人切りでいたら……ん?」
星野さんの視線が糸魚川君のピストルに向いた。
ヤバい!! これはもう言い訳できない。
「ああ!! ごめんなさい。私勘違いしちゃった。てっきり二人が不純異性交遊をしているのかと思ったわ」
「不純なんてそんな……僕は純粋に美樹本さんが好きなんだ」
あたしはまだ付き合うとは言ってないんですけど……それより、星野さんはピストルをどう解釈したんだろう?
「これって、サバイバルゲームって奴でしょ?」
そう思っていてもらった方がいいかな。
「だあ!! 撃っちゃだめ!! この人は!」
「美樹本さん、糸魚川君。ここで何してるの?」
「え?」
『悪い人』に突然名前を呼ばれて、糸魚川君は呆気に取られる。
「ああ、ごめん。私よ私」
星野さんはマスクとゴーグルを外した。
三毛猫を追ってここに入ってきたんだな。
「委員長!! なんでそんな格好?」
星野さんの趣味については、あたしから糸魚川君に説明した。
「私の高尚な趣味については、理解してもらえたかしら? 糸魚川君」
こ……高尚なのか?
「それで、今度はこっちが聞きたいんだけど、ここで二人は何をしていたの?」
ヤバい。なんて言いわけしよう。
「ごめんなさい。聞くまでも無かったわね」
なんか変な誤解をされた予感。
「美樹本さんが新しい恋を見つけた事は良いことだと思うわ。でも、二人とも中学生なんだから、そういう事は節度をもってするべきだと思うの」
「もちろん、僕はそのつもりだ」
こら!! こら!! 糸魚川君!! どさくさに紛れて、何を既成事実にしようとしてんのよ!!
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ヤバい!! これはもう言い訳できない。
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そう思っていてもらった方がいいかな。
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