2 / 7
第2話
しおりを挟む
「あれ? 私寝てた?」
Bが周囲を見回すと、車は人気のない夜道を走っている。
「今、どこを走っているの?」
眠る前まで走っていた中央高速も甲州街道も、嫌と言うほど車で溢れかえっていたというのに、その道路では自分たち以外の車はまったく走っていない。
対向車はおろか、後続車も先行車も見あたらなかった。
現代ならスマホで容易に位置情報を調べることも可能だが、この頃スマホはおろかガラケーもカーナビもない。
抜け道へ行こうと言い出したCが、分厚いロードマップを開いて必死で調べているところを見ると、どうやら道に迷ったらしい。
「Bさん。私は右の窓から見ているから、あなたは左から標識か何か見えないか探して」
「分かったわ。Dさん」
そうしてBは車窓から、現在位置の分かる物はないか探した。
しかし、道路の両脇は広い畑が広がっているだけ。
標識も通行人も人家も見あたらない。
街路灯はあるのだが、それが付いている電信柱には住所表示のような物は見あたらなかった。
「ねえBさん。あれ、何かしら?」
「え?」
Dに促されて視線をフロントガラスに向けると、それが目に入った。
Bが周囲を見回すと、車は人気のない夜道を走っている。
「今、どこを走っているの?」
眠る前まで走っていた中央高速も甲州街道も、嫌と言うほど車で溢れかえっていたというのに、その道路では自分たち以外の車はまったく走っていない。
対向車はおろか、後続車も先行車も見あたらなかった。
現代ならスマホで容易に位置情報を調べることも可能だが、この頃スマホはおろかガラケーもカーナビもない。
抜け道へ行こうと言い出したCが、分厚いロードマップを開いて必死で調べているところを見ると、どうやら道に迷ったらしい。
「Bさん。私は右の窓から見ているから、あなたは左から標識か何か見えないか探して」
「分かったわ。Dさん」
そうしてBは車窓から、現在位置の分かる物はないか探した。
しかし、道路の両脇は広い畑が広がっているだけ。
標識も通行人も人家も見あたらない。
街路灯はあるのだが、それが付いている電信柱には住所表示のような物は見あたらなかった。
「ねえBさん。あれ、何かしら?」
「え?」
Dに促されて視線をフロントガラスに向けると、それが目に入った。
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる