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第89話 乱闘
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「ようライノ! ちょうど良いところに来たなオイ! もしかしてウチの料理を食べに来てくれたのか?」
ゴロツキと対峙しつつも、心底嬉しそうな笑みを浮かべるマルコ。
「ああ、最近ここらじゃ見かけない料理を食わせる店が出来たって聞いてな。しかし……ずいぶんと繁盛しているみたいだが」
「まあ、ちょっと、事情があってな。あんたらに迷惑かけるつもりはねえんだが……すまねえ」
俺がゴロツキたちを見ながらそう言うと、マルコがバツの悪そうな顔になった。
何か事情とやらがあるらしい。
ここ一連の流れを鑑みるに、グレン商会だろうか?
だが、こういうゴロツキが自分たちの『シマ』にできた飯屋にたかりにいく、というのはそれなりによく聞く話だ。
連中の仕業と断定するにはまだ早いな。
「まあ、悪いが少し待っててくれ。 お陰様で、ここのところはずっとこんな感じでな! 俺としても積もる話もあるんだが、その前に店とその周りを片付けちちまうからよ」
すぐにニヤリと笑い、そんなことを言ってくる。
だが、大丈夫か?
ゴロツキとはいえ武装した男三人だ。
さすがにたった一人で相手をするにはキツいような気がするが。
「マルコ、俺たちも手伝おうか?」
「いやいや、大事なお客様の手を煩わせるわけにはいかねえだろ。それに前、言っただろ? 「俺は強くなる』ってよ。今じゃ、素手でもトロルとだって対等に渡り合えるんだぜ? 武装していていようがゴロツキ風情が三人程度、一瞬でぺしゃんこにしてやるぜ」
「そ、そうか」
前にそんなことを言っていたような、言っていなかったような……
まあそれはともかくとして、冒険者としての腕は上げているということか。
トロルと素手で渡り合えるのが本当ならば、それはすごいことだからな。
普通の冒険者なら、万全に準備を整えたうえで数人がかりで戦ってやっと倒せる相手だし。
確かに、そこで転がっているアルバーノとかいう大男の惨状を見るに、あながちウソとまでは言い切れない。
ならば、せっかくの機会だ。
お手並み拝見といこうか。
「ほ~う? 好き勝手言ってくれるじゃねえか、ウェイターさんよォ」
俺たちの会話を聞いていたゴロツキAの頬がピクピクと引きつる。
「だがなァ、いつ俺らが三人だけだと言った!? オイ、お前ら! 出番じゃあぁぁっ!」
「「「オオオオオッ!!」」」
ゴロツキAが大声咆えるやいなや、大勢のゴロツキがワラワラと現れ、俺たちを取り囲んだ。
「…………オイオイ、この街中のどこから湧いてきやがったんだよ」
まさかの伏兵の登場に、マルコがげんなりした声をあげる。
その数、ざっと五十人ほど。
もちろん全員武器を持っている。
見た感じ、ただのゴロツキというよりは、冒険者やら傭兵崩れの連中のようだ。
これはさすがにマルコだけではキツイか?
いくらケンカが強かったとしても、一度に殴れるのは一人だけだからな。
「ククク、ケンカは数だぜ? さっき吐いた言葉を後悔しながら命乞いでもしてみろや! 俺たちにベコベコにされたあとでなァ?」
勝利を確信したのか、ゴロツキAがニヤニヤと笑いながら、手に持った武器を弄んでいる。それに合わせて、他の連中もジリジリと距離を詰めてくる。
……仕方ないな。
最近は料理人として働く機会が多く、ダンジョン探索も戦闘もご無沙汰だった。
食事の前に少し身体を動かすのも悪くないだろう。
「マルコ、これはいくら何でも繁盛しすぎだろ? 俺も手伝うぞ」
「ぐっ、すまねえ……さすがにアイツら全員で襲ってきたら、あんたら全員を護りきるのは無理だ。各自対処で頼む」
「気にするな。……パレルモとビトラは俺の後ろに下がっていてくれ」
一応、二人にはそう声を掛けておく。
彼女たちを戦闘に参加させたくないからな。
だがそれは、別に彼女らが危ないからではない。
むしろその逆、だ。
なぜならば……
「ライノ、いつでも撃てるよっ! 「挑戦者」さん、覚悟ッ! コオォォ……」
「む。承知した。背後は任せて。「挑戦者」は土に還るのが大自然の摂理」
何を勘違いしたのか、パレルモはふんすふんすと鼻息荒く、謎の香ばしいポーズで溜めなくてもいい力を溜めているし、ビトラは据わった目つきで物騒なセリフを吐いている。おいやめろ。
君らが本気の一割でも出したら、人死にどころかこの辺一体が焦土と化すからね? ホントやめてね?
俺はチラチラと二人に視線を送るが、パレルモは目と目で通じ合ったみたいバチコンッ! とウインクで返してくるし、ビトラはなぜか頬を赤らめ上目遣いで俺を見つめてくる。
いや、そうじゃねーよ!
「クソ! お前ら人前でイチャイチャしやがってえぇ! お前ら、やっちまええぇっ!!!」
「「「「ウラアアアァァァッ!!!」」」」
俺たちのやりとりに何を感じたのかは知らないが、ジワジワと包囲を狭めていたゴロツキどもが一斉に殺気立ち、襲いかかってきた!
「クソッ、上等だコラァ! こうなったら、全員ブチのめしてやらぁ!」
その様子に若干顔を引きつらせながらもヤケクソなセリフを吐きつつ、マルコがゴロツキの集団に突撃してゆく。
ドゴン! 「へぶっ!?」
ガガン! 「おごぉッ!?」
ドカン! 「がはぁッ!?」
おお!
さすがに言うだけのことはあるようだ。
マルコが突っ込んでいった場所からおよそ人の拳から発せられたとは思えない重く鈍い音が響き、次々とゴロツキたちが宙に舞いあげられてゆく。
もしかしたら、マルコは武器を持つより徒手空拳の方が性に合っているのかも知れないな。明らかに動きのキレがいいし。
……とはいえ、いくらマルコが強くても、数十人からなるゴロツキの全てを止めるこはできない。
「ハハァ! 残念だったな、ケンカ自慢のウェイターさんよォ! さすがにこの人数だ、客のフォローまでは手が回らねーだろ!」
マルコの豪腕から逃れた数人のゴロツキが、こっちに襲いかかってきた。
ゴロツキAとその取り巻きどもだ。
「す、すまねえライノ! そっちはそっちで何とかしてくれ!」
ゴロツキを数人まとめてなぎ倒しながらも、こっちを振り返り叫ぶマルコ。
言われずともそうするつもりだ。
「オラァッ!」
ゴロツキAが、手に持った蛮刀で斬りつけてくる。
が……遅い。
この程度ならば、能力を使う必要すらないな。
俺は斬撃が迫ると同時にスッと半身を引き、逆にゴロツキAの懐に入る。
「なっ、速……ぐわっ!?」
そのままゴロツキAの持つ蛮刀の柄をそっと押さえ、軽く足を払ってやる。
するとバランスを崩したゴロツキAはいとも簡単に地に伏した。
「ほい」
「ぐえっ」
トドメに後頭部に軽く手刀をくらわせ、昏倒させる。
一応ここはダンジョンではなく、街中だからな。穏便に、穏便に、と。
ここで人死にが出れば、メシどころではなくなるからな。
それはさすがにマズい。
「クソがぁッ! 兄貴の仇ィッ!」
「ワリャアァ! ヤったらんかいィ!」
それを見て取り巻き二人が同時に襲ってくるが、そこはただのゴロツキだ。
練度もなにもあったものではない。
剣の速度も太刀筋も、イリナどころかへなちょこ剣術の勇者サムリにすら劣る、ただの力任せのちゃんばらだ。
「……はあ」
思わず、ため息が漏れてしまう。
ゴロツキとはいえ冒険者崩れやら傭兵崩れのような連中もいるようだし、もう少しやると思ったのだが……これでは運動にもならんな。
さっさと終わらせよう。
「よっ、ほいっ」
それぞれがら空きになった腹に拳を叩きこんでいく。
「……ぐふっ!?」
「……ぬがっ!?」
ゴロツキたちは苦悶の声を上げ、地に伏した。
「おっと、やりすぎてないよな」
一応倒れた三人の首に手で触れ、脈があることを確かめる。
よし、生きたまま無力化に成功したようだ。
しかし……なかなかどうして、存外に神経を使うな。
これが魔物ならば、生死なんぞ一切考慮する必要がないから、ある意味気楽だ。
「ねえねえライノー、もう撃ってもいいー?」
「む。私の強化ゴーレムの出番はまだ」
「……お前らが出ると街が崩壊するから、大人しくしててくれ」
俺は二人にクギを刺しつつも、時折向かってくるゴロツキを排除してゆく。
「クソ、なんなんだアイツら! ウェイターも客もバケモノ揃いじゃねーか!」
「アルバーノさんもカルロスの兄貴もやられちまった!」
「退却だ退却! チクチョウ、覚えてやがれっ!」
しばらくそうしていると、まだ何とか動けるゴロツキたちが負傷者を回収しつつ、退却を始めた。
「……フン。おとといきやがれってんだ。ライノ、迷惑かけちまったな」
ゴロツキが完全に引き上げたのを確認すると、マルコが俺たちのところに戻って来た。
立派な仕立てのウェイター服が所々汚れているが、目立った傷はない。
あの人数相手にこれならば、相当に腕を上げたのは確かなようだ。
「別に大したことじゃない。それより、腹が減った。三人分、席空いているか?」
「ああ、もちろんだとも! ……『潮騒の海猫亭』へ、ようこそ。ウチの料理は絶品だぜ!?」
マルコは吹っ飛んだ扉を片付けながら、ニイと笑みを浮かべた。
ゴロツキと対峙しつつも、心底嬉しそうな笑みを浮かべるマルコ。
「ああ、最近ここらじゃ見かけない料理を食わせる店が出来たって聞いてな。しかし……ずいぶんと繁盛しているみたいだが」
「まあ、ちょっと、事情があってな。あんたらに迷惑かけるつもりはねえんだが……すまねえ」
俺がゴロツキたちを見ながらそう言うと、マルコがバツの悪そうな顔になった。
何か事情とやらがあるらしい。
ここ一連の流れを鑑みるに、グレン商会だろうか?
だが、こういうゴロツキが自分たちの『シマ』にできた飯屋にたかりにいく、というのはそれなりによく聞く話だ。
連中の仕業と断定するにはまだ早いな。
「まあ、悪いが少し待っててくれ。 お陰様で、ここのところはずっとこんな感じでな! 俺としても積もる話もあるんだが、その前に店とその周りを片付けちちまうからよ」
すぐにニヤリと笑い、そんなことを言ってくる。
だが、大丈夫か?
ゴロツキとはいえ武装した男三人だ。
さすがにたった一人で相手をするにはキツいような気がするが。
「マルコ、俺たちも手伝おうか?」
「いやいや、大事なお客様の手を煩わせるわけにはいかねえだろ。それに前、言っただろ? 「俺は強くなる』ってよ。今じゃ、素手でもトロルとだって対等に渡り合えるんだぜ? 武装していていようがゴロツキ風情が三人程度、一瞬でぺしゃんこにしてやるぜ」
「そ、そうか」
前にそんなことを言っていたような、言っていなかったような……
まあそれはともかくとして、冒険者としての腕は上げているということか。
トロルと素手で渡り合えるのが本当ならば、それはすごいことだからな。
普通の冒険者なら、万全に準備を整えたうえで数人がかりで戦ってやっと倒せる相手だし。
確かに、そこで転がっているアルバーノとかいう大男の惨状を見るに、あながちウソとまでは言い切れない。
ならば、せっかくの機会だ。
お手並み拝見といこうか。
「ほ~う? 好き勝手言ってくれるじゃねえか、ウェイターさんよォ」
俺たちの会話を聞いていたゴロツキAの頬がピクピクと引きつる。
「だがなァ、いつ俺らが三人だけだと言った!? オイ、お前ら! 出番じゃあぁぁっ!」
「「「オオオオオッ!!」」」
ゴロツキAが大声咆えるやいなや、大勢のゴロツキがワラワラと現れ、俺たちを取り囲んだ。
「…………オイオイ、この街中のどこから湧いてきやがったんだよ」
まさかの伏兵の登場に、マルコがげんなりした声をあげる。
その数、ざっと五十人ほど。
もちろん全員武器を持っている。
見た感じ、ただのゴロツキというよりは、冒険者やら傭兵崩れの連中のようだ。
これはさすがにマルコだけではキツイか?
いくらケンカが強かったとしても、一度に殴れるのは一人だけだからな。
「ククク、ケンカは数だぜ? さっき吐いた言葉を後悔しながら命乞いでもしてみろや! 俺たちにベコベコにされたあとでなァ?」
勝利を確信したのか、ゴロツキAがニヤニヤと笑いながら、手に持った武器を弄んでいる。それに合わせて、他の連中もジリジリと距離を詰めてくる。
……仕方ないな。
最近は料理人として働く機会が多く、ダンジョン探索も戦闘もご無沙汰だった。
食事の前に少し身体を動かすのも悪くないだろう。
「マルコ、これはいくら何でも繁盛しすぎだろ? 俺も手伝うぞ」
「ぐっ、すまねえ……さすがにアイツら全員で襲ってきたら、あんたら全員を護りきるのは無理だ。各自対処で頼む」
「気にするな。……パレルモとビトラは俺の後ろに下がっていてくれ」
一応、二人にはそう声を掛けておく。
彼女たちを戦闘に参加させたくないからな。
だがそれは、別に彼女らが危ないからではない。
むしろその逆、だ。
なぜならば……
「ライノ、いつでも撃てるよっ! 「挑戦者」さん、覚悟ッ! コオォォ……」
「む。承知した。背後は任せて。「挑戦者」は土に還るのが大自然の摂理」
何を勘違いしたのか、パレルモはふんすふんすと鼻息荒く、謎の香ばしいポーズで溜めなくてもいい力を溜めているし、ビトラは据わった目つきで物騒なセリフを吐いている。おいやめろ。
君らが本気の一割でも出したら、人死にどころかこの辺一体が焦土と化すからね? ホントやめてね?
俺はチラチラと二人に視線を送るが、パレルモは目と目で通じ合ったみたいバチコンッ! とウインクで返してくるし、ビトラはなぜか頬を赤らめ上目遣いで俺を見つめてくる。
いや、そうじゃねーよ!
「クソ! お前ら人前でイチャイチャしやがってえぇ! お前ら、やっちまええぇっ!!!」
「「「「ウラアアアァァァッ!!!」」」」
俺たちのやりとりに何を感じたのかは知らないが、ジワジワと包囲を狭めていたゴロツキどもが一斉に殺気立ち、襲いかかってきた!
「クソッ、上等だコラァ! こうなったら、全員ブチのめしてやらぁ!」
その様子に若干顔を引きつらせながらもヤケクソなセリフを吐きつつ、マルコがゴロツキの集団に突撃してゆく。
ドゴン! 「へぶっ!?」
ガガン! 「おごぉッ!?」
ドカン! 「がはぁッ!?」
おお!
さすがに言うだけのことはあるようだ。
マルコが突っ込んでいった場所からおよそ人の拳から発せられたとは思えない重く鈍い音が響き、次々とゴロツキたちが宙に舞いあげられてゆく。
もしかしたら、マルコは武器を持つより徒手空拳の方が性に合っているのかも知れないな。明らかに動きのキレがいいし。
……とはいえ、いくらマルコが強くても、数十人からなるゴロツキの全てを止めるこはできない。
「ハハァ! 残念だったな、ケンカ自慢のウェイターさんよォ! さすがにこの人数だ、客のフォローまでは手が回らねーだろ!」
マルコの豪腕から逃れた数人のゴロツキが、こっちに襲いかかってきた。
ゴロツキAとその取り巻きどもだ。
「す、すまねえライノ! そっちはそっちで何とかしてくれ!」
ゴロツキを数人まとめてなぎ倒しながらも、こっちを振り返り叫ぶマルコ。
言われずともそうするつもりだ。
「オラァッ!」
ゴロツキAが、手に持った蛮刀で斬りつけてくる。
が……遅い。
この程度ならば、能力を使う必要すらないな。
俺は斬撃が迫ると同時にスッと半身を引き、逆にゴロツキAの懐に入る。
「なっ、速……ぐわっ!?」
そのままゴロツキAの持つ蛮刀の柄をそっと押さえ、軽く足を払ってやる。
するとバランスを崩したゴロツキAはいとも簡単に地に伏した。
「ほい」
「ぐえっ」
トドメに後頭部に軽く手刀をくらわせ、昏倒させる。
一応ここはダンジョンではなく、街中だからな。穏便に、穏便に、と。
ここで人死にが出れば、メシどころではなくなるからな。
それはさすがにマズい。
「クソがぁッ! 兄貴の仇ィッ!」
「ワリャアァ! ヤったらんかいィ!」
それを見て取り巻き二人が同時に襲ってくるが、そこはただのゴロツキだ。
練度もなにもあったものではない。
剣の速度も太刀筋も、イリナどころかへなちょこ剣術の勇者サムリにすら劣る、ただの力任せのちゃんばらだ。
「……はあ」
思わず、ため息が漏れてしまう。
ゴロツキとはいえ冒険者崩れやら傭兵崩れのような連中もいるようだし、もう少しやると思ったのだが……これでは運動にもならんな。
さっさと終わらせよう。
「よっ、ほいっ」
それぞれがら空きになった腹に拳を叩きこんでいく。
「……ぐふっ!?」
「……ぬがっ!?」
ゴロツキたちは苦悶の声を上げ、地に伏した。
「おっと、やりすぎてないよな」
一応倒れた三人の首に手で触れ、脈があることを確かめる。
よし、生きたまま無力化に成功したようだ。
しかし……なかなかどうして、存外に神経を使うな。
これが魔物ならば、生死なんぞ一切考慮する必要がないから、ある意味気楽だ。
「ねえねえライノー、もう撃ってもいいー?」
「む。私の強化ゴーレムの出番はまだ」
「……お前らが出ると街が崩壊するから、大人しくしててくれ」
俺は二人にクギを刺しつつも、時折向かってくるゴロツキを排除してゆく。
「クソ、なんなんだアイツら! ウェイターも客もバケモノ揃いじゃねーか!」
「アルバーノさんもカルロスの兄貴もやられちまった!」
「退却だ退却! チクチョウ、覚えてやがれっ!」
しばらくそうしていると、まだ何とか動けるゴロツキたちが負傷者を回収しつつ、退却を始めた。
「……フン。おとといきやがれってんだ。ライノ、迷惑かけちまったな」
ゴロツキが完全に引き上げたのを確認すると、マルコが俺たちのところに戻って来た。
立派な仕立てのウェイター服が所々汚れているが、目立った傷はない。
あの人数相手にこれならば、相当に腕を上げたのは確かなようだ。
「別に大したことじゃない。それより、腹が減った。三人分、席空いているか?」
「ああ、もちろんだとも! ……『潮騒の海猫亭』へ、ようこそ。ウチの料理は絶品だぜ!?」
マルコは吹っ飛んだ扉を片付けながら、ニイと笑みを浮かべた。
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