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30.みっちゃんとにっしー side南
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「みっちゃんどうしたの?そんな険しい顔して」
お昼休み、人が少ない立ち入り禁止屋上の扉前でご飯を食べながら、にっしーに話しかける。
「…多分なんだけど、村瀬さん悪い男に捕まってるかも…」
「え?」
思わぬ話題だったのかにっしーはポカンと口を開けて私を見ていた。それはそう。
「いや、実はさ…」
私は朝会った時の様子を事細かに説明する。
「…多分村瀬さん声に出してた事に気付いてなかったから言わなかったんだけど…セフレって言ってた」
「……それ本当なの?」
言っちゃ悪いけど、村瀬さんに男っ気が全然なかったからにっしーが疑うのも当然と言えば当然。
だけど、確かにそう言っていたのを私は聞いた。まだ半信半疑のにっしーはうーんと唸っている。
「…変な男が引っかかるところに行く人には見えないけどな…」
「…一つあるじゃん!ヤバなやつ!」
あの日結局会うことができなかった噂の占い師。
にっしーはああ!と目を見開いた。
「確かに!それはあり得る!!」
「でしょ!」
実際に会いに行こうとした手前、強くは言えないが、この噂が女を釣るための餌だったのではないかと私は睨んでいる。
そして、私達が何故か寝ている間に村瀬さんは釣り上げられてしまったのではないかと。
「みっちゃん凄いね…合ってそー」
「出会うイケメン全てが心もイケメンではなかったからねっ!!」
何度となく騙されかけたからこそ女の勘が働いたのだ。
「それでもイケメンに会おうとするみっちゃん強いわ…」
「心の栄養!会って話してみないと、そこんとこ分かんないからね」
ウィンクかましたら少しにっしーが引いた様な気がしたが気にしない!それより、
「だからさ、村瀬さんにひっついているであろう心ブサ男くんをどうにかしようと思って」
「ぶっ、ブサ男くん…」
何がツボに入ったのか今度は肩を震わせているにっしーに構わず、私は彼女に協力を仰ぐ。
「にっしーも手伝ってよー」
「え?私も?」
頭数に自分も入っているとは思っていなかったのか笑い声がぴたりと止まってこちらを見る。
一人で百面相でもやってんのかな?
「うん、あたりまえっしょ!」
「いや、それは…いいんだけど」
具体的なプランなど何も考えてないから、是非ともにっしーには頭脳をお借りしたい。
むしろにっしーがいないと始まらない…というか終わる。
「ん?何か問題ある?」
少し歯切れの悪い同意に、無理やり付き合わせたくはないので問いかけると、
「みっちゃんそもそも村瀬さんとそんな仲良かったっけ?」
「ん?あぁ…」
確かに席は隣であるが、最近まで大して話していなかったしそう思うのも自然だなと思う。
でも私は、
「私は、村瀬さん友達だと思ってるし…友達が困ってたら助けるのが普通じゃん?」
「うぉっ…眩しい…」
「…」
無言で睨み付けると、可愛い顔が台無しだよと人差し指で眉間をゴリゴリされた。
そんな顔をさせてるのは貴女ですよ!あなた!!
「で?何か作戦はあるの?」
「ないから考えよー!!」
「…なるほど」
何を理解したのか一人頷いて、にっしーは止めていた箸を動かしはじめた。
「とりあえずまずは仲間を増やそう」
早速作戦を思いついたのか、そう言うにっしーの口元にはご飯粒がついていたが妙に頼もしく感じた。
お昼休み、人が少ない立ち入り禁止屋上の扉前でご飯を食べながら、にっしーに話しかける。
「…多分なんだけど、村瀬さん悪い男に捕まってるかも…」
「え?」
思わぬ話題だったのかにっしーはポカンと口を開けて私を見ていた。それはそう。
「いや、実はさ…」
私は朝会った時の様子を事細かに説明する。
「…多分村瀬さん声に出してた事に気付いてなかったから言わなかったんだけど…セフレって言ってた」
「……それ本当なの?」
言っちゃ悪いけど、村瀬さんに男っ気が全然なかったからにっしーが疑うのも当然と言えば当然。
だけど、確かにそう言っていたのを私は聞いた。まだ半信半疑のにっしーはうーんと唸っている。
「…変な男が引っかかるところに行く人には見えないけどな…」
「…一つあるじゃん!ヤバなやつ!」
あの日結局会うことができなかった噂の占い師。
にっしーはああ!と目を見開いた。
「確かに!それはあり得る!!」
「でしょ!」
実際に会いに行こうとした手前、強くは言えないが、この噂が女を釣るための餌だったのではないかと私は睨んでいる。
そして、私達が何故か寝ている間に村瀬さんは釣り上げられてしまったのではないかと。
「みっちゃん凄いね…合ってそー」
「出会うイケメン全てが心もイケメンではなかったからねっ!!」
何度となく騙されかけたからこそ女の勘が働いたのだ。
「それでもイケメンに会おうとするみっちゃん強いわ…」
「心の栄養!会って話してみないと、そこんとこ分かんないからね」
ウィンクかましたら少しにっしーが引いた様な気がしたが気にしない!それより、
「だからさ、村瀬さんにひっついているであろう心ブサ男くんをどうにかしようと思って」
「ぶっ、ブサ男くん…」
何がツボに入ったのか今度は肩を震わせているにっしーに構わず、私は彼女に協力を仰ぐ。
「にっしーも手伝ってよー」
「え?私も?」
頭数に自分も入っているとは思っていなかったのか笑い声がぴたりと止まってこちらを見る。
一人で百面相でもやってんのかな?
「うん、あたりまえっしょ!」
「いや、それは…いいんだけど」
具体的なプランなど何も考えてないから、是非ともにっしーには頭脳をお借りしたい。
むしろにっしーがいないと始まらない…というか終わる。
「ん?何か問題ある?」
少し歯切れの悪い同意に、無理やり付き合わせたくはないので問いかけると、
「みっちゃんそもそも村瀬さんとそんな仲良かったっけ?」
「ん?あぁ…」
確かに席は隣であるが、最近まで大して話していなかったしそう思うのも自然だなと思う。
でも私は、
「私は、村瀬さん友達だと思ってるし…友達が困ってたら助けるのが普通じゃん?」
「うぉっ…眩しい…」
「…」
無言で睨み付けると、可愛い顔が台無しだよと人差し指で眉間をゴリゴリされた。
そんな顔をさせてるのは貴女ですよ!あなた!!
「で?何か作戦はあるの?」
「ないから考えよー!!」
「…なるほど」
何を理解したのか一人頷いて、にっしーは止めていた箸を動かしはじめた。
「とりあえずまずは仲間を増やそう」
早速作戦を思いついたのか、そう言うにっしーの口元にはご飯粒がついていたが妙に頼もしく感じた。
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