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2.お風呂
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家路に着くまでの間、側から見ればコスプレしているオーくんに好奇の目が向くか心配だったが、それは杞憂でしかなかった。彼曰く、
「認識を阻害する魔法…みたいなものです。あ、幻覚ではなくちゃんと存在してますので」
「へえ…」
「また信じてませんね?ま、その気持ちもわかりますが」
家に帰り着いた私はオーくんがいまだ持ってくれて
いるバッグの中から鍵を取り出す。
真っ暗な部屋の電気をつけながら、少しソワソワしているオーくんに声をかける。
「オーくんってさ、ご飯とか食べるの?」
「基本は必要としませんが、食べることはできますよ。」
「……じゃあさ、一緒にご飯食べない?」
必要しないと言われた相手に食事を誘うのは気が引けたが、どうやら杞憂だったみたいだ。
「作ってくれるんですか!?天音のご飯一度食べてみたかったんですよね!ちなみに本日の献立は?!」
「テンション上がりすぎでしょ」
嬉しそうにこちらを見るオーくんにつられて私も気づけば笑っていた。
「ようやく笑ってくれましたね」
「…私笑ってなかった?」
「ええ、それは。私に対する顰めっ面ときたら」
「あんな登場の仕方されて、そうならないほうがおかしいでしょう」
「それは失敬」
誰かとたわいのない話をする、この行為に私がどれだけ感謝しているかオーくんにはわからないだろう。
つけあがりそうだから絶対言わないけど。
「ちなみに、お風呂って入るの?」
「基本は必要としません、と言いたいところですが不潔な男は嫌われそうなのでそちらは頂こうとかと思います」
「ナイス判断です」
「それでは私はお風呂を沸かしてきますね」
「え、わかるの?」
「私を誰とお思いですか、天音の守り神ならぬ守り鬼ですよ」
「誇らしげに言ってるけど、鬼のキーホルダーでしょ、何言ってんのよ」
「辛辣だ」
まさかこんな日が来るなんて、昨日までの私には想像できなかっただろう。
たとえこれが一日だけの幻でもいい。
もう少しだけ、この幸せな時間を私にください。
#
「ああ…疲れた…」
「すみません、天音」
「まさかお風呂一つでこんなに疲れるとは…」
「面目ない」
自称私の守り鬼?は、自信満々にお風呂を沸かしに行ったのだが、何故か泡まみれで戻ってきた。
流石に頭を抱えた。
話すと長くなるので割愛するが、私が思ったより鈍臭い鬼さんらしい。
あ、ちゃんとその後沸かすことはできました。
「さて、守り鬼さんが悪戦苦闘している間にご飯ができました」
「おお!美味しそうですね!!!」
「お口に合うかわからないけど、どうぞ」
誰かに自分が作ったご飯を食べてもらったことがない為、少し緊張する。
反応が気になりすぎてじっと見ていれば何故か顔を赤らめて口元を隠された。ん?
「み、見すぎですよ」
「どう?美味しい?」
「とても、美味しいですよ」
「本当に?」
「本当に」
「よかったあ」
オーくんの言葉に安堵して、私も食べ始める。
その様子を見てオーくんが愛おしそうにこちらを見ていたことを私は知らない。
「ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
食べ終わって、食器を洗い場に持っていくと、オーくんに手首を掴まれた。
「どうしたの?」
「お風呂、入りましょう」
「私洗い物してから入るから、お先にどうぞ」
「わかりました。待ってますね」
「ん?待たなくていいよ?私オーくんの後に入るから」
「…え」
「え?」
「一緒に入らないんですか?」
彼の発言に思考が停止した。一緒に入る…?お風呂に????
「はぁぁぁあ!!!?はっ、入らないに決まってるでしょ?!!!!」
「ええ…入りましょうよ。昔は一緒に入っていたじゃないですか」
「昔と今の状態が違いすぎる!!!!」
「じゃあ前の姿に戻れば…」
「いや、無理。本当に無理」
自分の顔が熱くなるのが分かる。いくら元キーホルダーと言われようと目の前に立つのは成人男性。生まれてこの方異性と付き合ったこともない私にはハードルが高すぎる。
例え付き合っていたとしても恥ずかしいことに変わりはない。
いやでも意識せざるを得ない状態で、改めて見ると顔の良さが際立つ…というか私好みの顔なんだよなあ…
「天音、…天音?」
「…」
「ふむ、」
ぼーっとオーくんの顔を眺めていたら何を考えたのやら、手首を掴んでいない空いた手で、私の前髪をかきあげ、額にキスしてきた。
「?!!?!」
「おや、より真っ赤になってしまいました」
「オッ、オ…」
「あ、やっと目が合った。…意識は戻ってきましたか?」
「いっ、い、今!?キッ…!!!?」
動揺しすぎてまともに話すことも出来ない私を、至極満面の笑みを浮かべて見つめてくるオーくん。
私は掴まれていた手を振り払い、逃げるようにお風呂場に向かった。
「絶対入ってこないでね!!!!」
「えー」
「入ってきたら家追い出すから!!!!」
「わかりましたよ、入りませんからごゆっくり」
あの余裕は何だ!?大人の余裕か!?それとも女の子には慣れてるってこと?!
気付けば頭の中はオーくんの事でいっぱいだった。それもこれもあんな…あんなことしてくるオーくんが悪いんだけど!
「…ふう」
服を脱ぐまではついてこないか心配だったが、どうやら一緒に入ることは諦めてくれたみたいでよかった。
勢いで先に入る事になってしまった事に少し申し訳なく思ったが私は悪くない…よね。
温かいお湯に身を委ねれば、先程までの興奮も幾分かは落ち着き、改めて今日一日が激動だったなと思い耽った。
(明日学校行きたくないなあ…)
最近特に酷くなった私への当たり。本当に突然始まった私へのイジメ。理由がわからず対処もできず、言い返せない私に男子達はどんどんつけ上がっていった。
(何が、気に入らないんだろう)
考えれば考えるほど、苦しくなる。目頭が熱くなるのを感じて思考を止めた。あがろう。
「お風呂どーぞ」
「…」
「オーくん?」
「あ、はい。入りますね」
上がってきてオーくんに声をかければ、何か考え事でもしていたのか一瞬返事がなかった。
が、直ぐにこちらに視線を向けてソファから立ち上がると風呂場に向かっていった。
「…あ、服ないじゃん」
少し気にはなったがさして気に留めず、私は着替えを用意しようとして男物の洋服が家にないことに気付く。
慌てて風呂場に行けば、まだ服を脱ぐ前だったオーくんに声をかける。
「オーくん、服なんだけどさ、うちに男物の服なくて…」
「ん?ああ…大丈夫ですよ」
「え?」
「私、裸で寝ますので」
「……は?」
目の前の男は一体何を以ってして大丈夫と言っているのだろうか。
呆然としている私の前で恥ずかしげもなく服を脱ぎ始めた彼に、私の方が恥ずかしくなり慌てて扉を閉めた。
「え、裸で寝るの?いやいや、その前に裸で出てくるの??裸族????????」
オーくんがお風呂から上がってくるまでの時間、冷静でいられるはずもなく、私はソファの上で頭を抱えていた。
(あ、寝る場所もないじゃん…詰んだ)
「認識を阻害する魔法…みたいなものです。あ、幻覚ではなくちゃんと存在してますので」
「へえ…」
「また信じてませんね?ま、その気持ちもわかりますが」
家に帰り着いた私はオーくんがいまだ持ってくれて
いるバッグの中から鍵を取り出す。
真っ暗な部屋の電気をつけながら、少しソワソワしているオーくんに声をかける。
「オーくんってさ、ご飯とか食べるの?」
「基本は必要としませんが、食べることはできますよ。」
「……じゃあさ、一緒にご飯食べない?」
必要しないと言われた相手に食事を誘うのは気が引けたが、どうやら杞憂だったみたいだ。
「作ってくれるんですか!?天音のご飯一度食べてみたかったんですよね!ちなみに本日の献立は?!」
「テンション上がりすぎでしょ」
嬉しそうにこちらを見るオーくんにつられて私も気づけば笑っていた。
「ようやく笑ってくれましたね」
「…私笑ってなかった?」
「ええ、それは。私に対する顰めっ面ときたら」
「あんな登場の仕方されて、そうならないほうがおかしいでしょう」
「それは失敬」
誰かとたわいのない話をする、この行為に私がどれだけ感謝しているかオーくんにはわからないだろう。
つけあがりそうだから絶対言わないけど。
「ちなみに、お風呂って入るの?」
「基本は必要としません、と言いたいところですが不潔な男は嫌われそうなのでそちらは頂こうとかと思います」
「ナイス判断です」
「それでは私はお風呂を沸かしてきますね」
「え、わかるの?」
「私を誰とお思いですか、天音の守り神ならぬ守り鬼ですよ」
「誇らしげに言ってるけど、鬼のキーホルダーでしょ、何言ってんのよ」
「辛辣だ」
まさかこんな日が来るなんて、昨日までの私には想像できなかっただろう。
たとえこれが一日だけの幻でもいい。
もう少しだけ、この幸せな時間を私にください。
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「ああ…疲れた…」
「すみません、天音」
「まさかお風呂一つでこんなに疲れるとは…」
「面目ない」
自称私の守り鬼?は、自信満々にお風呂を沸かしに行ったのだが、何故か泡まみれで戻ってきた。
流石に頭を抱えた。
話すと長くなるので割愛するが、私が思ったより鈍臭い鬼さんらしい。
あ、ちゃんとその後沸かすことはできました。
「さて、守り鬼さんが悪戦苦闘している間にご飯ができました」
「おお!美味しそうですね!!!」
「お口に合うかわからないけど、どうぞ」
誰かに自分が作ったご飯を食べてもらったことがない為、少し緊張する。
反応が気になりすぎてじっと見ていれば何故か顔を赤らめて口元を隠された。ん?
「み、見すぎですよ」
「どう?美味しい?」
「とても、美味しいですよ」
「本当に?」
「本当に」
「よかったあ」
オーくんの言葉に安堵して、私も食べ始める。
その様子を見てオーくんが愛おしそうにこちらを見ていたことを私は知らない。
「ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
食べ終わって、食器を洗い場に持っていくと、オーくんに手首を掴まれた。
「どうしたの?」
「お風呂、入りましょう」
「私洗い物してから入るから、お先にどうぞ」
「わかりました。待ってますね」
「ん?待たなくていいよ?私オーくんの後に入るから」
「…え」
「え?」
「一緒に入らないんですか?」
彼の発言に思考が停止した。一緒に入る…?お風呂に????
「はぁぁぁあ!!!?はっ、入らないに決まってるでしょ?!!!!」
「ええ…入りましょうよ。昔は一緒に入っていたじゃないですか」
「昔と今の状態が違いすぎる!!!!」
「じゃあ前の姿に戻れば…」
「いや、無理。本当に無理」
自分の顔が熱くなるのが分かる。いくら元キーホルダーと言われようと目の前に立つのは成人男性。生まれてこの方異性と付き合ったこともない私にはハードルが高すぎる。
例え付き合っていたとしても恥ずかしいことに変わりはない。
いやでも意識せざるを得ない状態で、改めて見ると顔の良さが際立つ…というか私好みの顔なんだよなあ…
「天音、…天音?」
「…」
「ふむ、」
ぼーっとオーくんの顔を眺めていたら何を考えたのやら、手首を掴んでいない空いた手で、私の前髪をかきあげ、額にキスしてきた。
「?!!?!」
「おや、より真っ赤になってしまいました」
「オッ、オ…」
「あ、やっと目が合った。…意識は戻ってきましたか?」
「いっ、い、今!?キッ…!!!?」
動揺しすぎてまともに話すことも出来ない私を、至極満面の笑みを浮かべて見つめてくるオーくん。
私は掴まれていた手を振り払い、逃げるようにお風呂場に向かった。
「絶対入ってこないでね!!!!」
「えー」
「入ってきたら家追い出すから!!!!」
「わかりましたよ、入りませんからごゆっくり」
あの余裕は何だ!?大人の余裕か!?それとも女の子には慣れてるってこと?!
気付けば頭の中はオーくんの事でいっぱいだった。それもこれもあんな…あんなことしてくるオーくんが悪いんだけど!
「…ふう」
服を脱ぐまではついてこないか心配だったが、どうやら一緒に入ることは諦めてくれたみたいでよかった。
勢いで先に入る事になってしまった事に少し申し訳なく思ったが私は悪くない…よね。
温かいお湯に身を委ねれば、先程までの興奮も幾分かは落ち着き、改めて今日一日が激動だったなと思い耽った。
(明日学校行きたくないなあ…)
最近特に酷くなった私への当たり。本当に突然始まった私へのイジメ。理由がわからず対処もできず、言い返せない私に男子達はどんどんつけ上がっていった。
(何が、気に入らないんだろう)
考えれば考えるほど、苦しくなる。目頭が熱くなるのを感じて思考を止めた。あがろう。
「お風呂どーぞ」
「…」
「オーくん?」
「あ、はい。入りますね」
上がってきてオーくんに声をかければ、何か考え事でもしていたのか一瞬返事がなかった。
が、直ぐにこちらに視線を向けてソファから立ち上がると風呂場に向かっていった。
「…あ、服ないじゃん」
少し気にはなったがさして気に留めず、私は着替えを用意しようとして男物の洋服が家にないことに気付く。
慌てて風呂場に行けば、まだ服を脱ぐ前だったオーくんに声をかける。
「オーくん、服なんだけどさ、うちに男物の服なくて…」
「ん?ああ…大丈夫ですよ」
「え?」
「私、裸で寝ますので」
「……は?」
目の前の男は一体何を以ってして大丈夫と言っているのだろうか。
呆然としている私の前で恥ずかしげもなく服を脱ぎ始めた彼に、私の方が恥ずかしくなり慌てて扉を閉めた。
「え、裸で寝るの?いやいや、その前に裸で出てくるの??裸族????????」
オーくんがお風呂から上がってくるまでの時間、冷静でいられるはずもなく、私はソファの上で頭を抱えていた。
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