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霧の鬼編
(118)寝ぼけパニック②
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~紗彩目線~
「はあ……朝から疲れた」
ノーヴァさんと合流した私達は、食堂に向かい歩いている。
その道中、シヴァさんはため息を吐きながら心底疲れ切ったと言いたげな表情を浮かべている。
うん、お疲れ様ですシヴァさん。
そう思っていると、ノーヴァさんが首を傾げた。
あ、もしかして__
「…………大丈夫、団長」
「お前のせいだろ」
首を傾げたままそう言ったノーヴァさんを、シヴァさんはギロリと睨みながら低い声で言う。
そんなノーヴァさんの反応に、思わず頭を抱えてしまいたくなった。
最近、ノーヴァさんの反応を予測できてしまう。
こんなこと、知りたくなかった。
そう思っていると、ある部屋の前を通りかかって歩みが止まった。
そこは、私もよく知っているセレスさんの部屋だった。
何故知っているのかと言えばセレスさんがよく小説を貸してくれて、それを返すためによく来ているからだ。
セレスさんの部屋のドアの小窓からは、小さな魔法ランプの光がユラユラと揺れているだけで部屋の中からは何も聞こえてこない。
「おや……セレス君はまだ寝ているようだね」
「珍しいな」
「…………うん、珍しい」
ジョゼフさんが不思議そうな表情を浮かべながら言った言葉に、シヴァさんとノーヴァさんも頷いている。
今は、朝の六時だ。
確か、今までの経験からこの時間帯ならセレスさんはすでに起きているはず。
不思議だなと思っていれば、シヴァさんがドアに近づいていく。
もちろん、私は抱き上げられたままだ。
「会議もあるし起こすか」
そう言いながら、コンコンと部屋のドアをノックするシヴァさん。
ノックをした後、しばらく待ったけれどドアが開くことはなかった。
そんな状況に、三人とも顔を見合わせている。
私も思わず、首をかしげてしまった。
今までセレスさんを見ていて思ったけれど、セレスさんはあまり深くは眠らない人だと思う。
眠っている時に横を通った時も、音を出していなかったはずなのに目を覚ましてしまった。
だから、深く眠らなくて気配に敏感なんだと思った。
実際彼ら獣人は見た目が人間っぽいけど、祖先である動物とかなり共通している部分がある。
だから、セレスさんに関係なく獣人は皆そんな感じなんだと思った。
だからこそ、ノックをしても出てこないという状況に違和感を覚えてしまう。
「おいセレス……って」
私を下ろし警戒した表情で断りを入れた後、ドアを開けるシヴァさん。
ドアを開けようとした瞬間、周囲にピリッとした空気が流れる。
今までの経験でわかる。
突入時とかにも流れる、強く警戒している時の緊迫した空気だ。
ドアが開かれて私が見たのは、元の世界の馬ぐらいの大きさのハイエナが四本の足を投げ出した状態で床で眠っていた。
その周囲には、脱いだのか軍服の上着やシャツやズボンが散乱していた。
それを見た瞬間、ピリピリと緊迫していた空気が和らいだ。
「おや、セレス君はどうやら獣化したまま眠ってしまったようだね」
「そういえば、昨日は捕獲対象の足が異様に早かったからな」
苦笑しながら言うジョゼフさんに、呆れたような声音で言いながらセレスさんに近づくシヴァさん。
「ほら、セレス。早く起き……って、おい!?」
「へ、セレスさん?」
そう言いかけたシヴァさんに、私も驚いてしまった。
今まで目をつぶっていたセレスさんの目が開いたと思った瞬間、フラリと立ち上がって私の方に向かってきた。
そう、向かってきた。
え、なんで?
そう思った瞬間、セレスさんの姿は消え一瞬にして私は空中に浮かんでいた。
それと同時に、うなじに感じたのは何かで挟まれているような感覚。
別に、痛みは感じない。
ただ、湿って滑りのある弾力を感じる何かの存在もわかる。
浮かんでいるというよりは、誰かに持ち上げられた?
そう思って見回してみれば、驚いているシヴァさんたちとモフモフとした毛が見えた。
その瞬間、理解した。
私はセレスさんに、ネコ科の動物が子供にするように首根っこを甘噛みで咥えられているのだと。
「え、悲鳴上げた方がいいですか?」
「ある意味、あげた方がセレスのためでもあるな」
混乱しながらも思わずそう言ってしまえば、疲れ切ったように眉間のしわをもんでいるシヴァさん。
「まあ、うん。その持ち方からして、たぶんサーヤ君のことをわが子だとでも思っているんじゃないかな」
「…………セレス、お母さん?」
「セレス……お前、いつの間にそんな立派な子供を」
苦笑しながら言うジョゼフさん。
首をかしげながら無表情で言うノーヴァさん。
真顔でノーヴァさんのノリの乗るシヴァさん。
これがカオス?
シヴァさん、せめて泣きそうな表情を浮かべよう。
そうすれば、セレスさんの成長に感動する父親か母親になるから。
「シヴァ君、ノーヴァ君のノリに合わせるんじゃない。あと、セレス君もいい加減に起きなさい。サーヤ君が可哀そうだよ」
「…………はっ」
「へ? うわ!?」
「おっと」
苦笑しているジョゼフさんの言葉に、セレスさんが正気に戻ったのか私は床に落ちそうになる。
驚きながらも着地の姿勢に自然と入るが、そのままジョゼフさんに助けられた。
「へ、サーヤ? なんでここに…………というか団長たちも!?」
ジョゼフさんにそのまま抱き上げられれば、セレスさんの驚いた声が聞こえてきた。
セレスさんの方を見ても、もちろん彼はハイエナの姿のまま。
そういえば、彼らは動物の姿でも人の言葉を話すんだっけ?
「あー…………なんだかごめんなさいね、サーヤ」
「いえ…………少し驚いただけですので気にしないでください」
「とりあえず、会議もあって起こしに来たんだが」
「あっ、そうだったわね! ちょっと、すぐに着替えてくるから!!」
事情を聞いたセレスさんに申し訳なさそうに謝られ首を横に振っていれば、シヴァさんの疲れたような声でセレスさんは慌ててタンスから数枚の服を持ち、落ちている服も拾い上げそのまま部屋の奥へと消えていった。
ガチャ、バタバタバタという音が奥から聞こえてくる。
それから数分ぐらいたってから、いつも通りの軍服姿のセレスさんが出てきた。
そんなセレスさんに、ジョゼフさんが私をシヴァさんに渡した後物凄く怖い笑顔を浮かべて近づいていく。
ジョゼフさん、目が笑っていないのに口元は笑っています。
非常に怖いので、今すぐやめてください。
そんなジョゼフさんに嫌な予感を感じたのか、セレスさんの顔色もどこか悪い。
「セレス君? 後で、少し話そうか」
「…………拒否権はないの?」
「あると思うのかい? …………全く、また君は徹夜なんてして」
セレスさん、骨は拾えるかはわかりませんが頑張って拾いますね。
「はあ……朝から疲れた」
ノーヴァさんと合流した私達は、食堂に向かい歩いている。
その道中、シヴァさんはため息を吐きながら心底疲れ切ったと言いたげな表情を浮かべている。
うん、お疲れ様ですシヴァさん。
そう思っていると、ノーヴァさんが首を傾げた。
あ、もしかして__
「…………大丈夫、団長」
「お前のせいだろ」
首を傾げたままそう言ったノーヴァさんを、シヴァさんはギロリと睨みながら低い声で言う。
そんなノーヴァさんの反応に、思わず頭を抱えてしまいたくなった。
最近、ノーヴァさんの反応を予測できてしまう。
こんなこと、知りたくなかった。
そう思っていると、ある部屋の前を通りかかって歩みが止まった。
そこは、私もよく知っているセレスさんの部屋だった。
何故知っているのかと言えばセレスさんがよく小説を貸してくれて、それを返すためによく来ているからだ。
セレスさんの部屋のドアの小窓からは、小さな魔法ランプの光がユラユラと揺れているだけで部屋の中からは何も聞こえてこない。
「おや……セレス君はまだ寝ているようだね」
「珍しいな」
「…………うん、珍しい」
ジョゼフさんが不思議そうな表情を浮かべながら言った言葉に、シヴァさんとノーヴァさんも頷いている。
今は、朝の六時だ。
確か、今までの経験からこの時間帯ならセレスさんはすでに起きているはず。
不思議だなと思っていれば、シヴァさんがドアに近づいていく。
もちろん、私は抱き上げられたままだ。
「会議もあるし起こすか」
そう言いながら、コンコンと部屋のドアをノックするシヴァさん。
ノックをした後、しばらく待ったけれどドアが開くことはなかった。
そんな状況に、三人とも顔を見合わせている。
私も思わず、首をかしげてしまった。
今までセレスさんを見ていて思ったけれど、セレスさんはあまり深くは眠らない人だと思う。
眠っている時に横を通った時も、音を出していなかったはずなのに目を覚ましてしまった。
だから、深く眠らなくて気配に敏感なんだと思った。
実際彼ら獣人は見た目が人間っぽいけど、祖先である動物とかなり共通している部分がある。
だから、セレスさんに関係なく獣人は皆そんな感じなんだと思った。
だからこそ、ノックをしても出てこないという状況に違和感を覚えてしまう。
「おいセレス……って」
私を下ろし警戒した表情で断りを入れた後、ドアを開けるシヴァさん。
ドアを開けようとした瞬間、周囲にピリッとした空気が流れる。
今までの経験でわかる。
突入時とかにも流れる、強く警戒している時の緊迫した空気だ。
ドアが開かれて私が見たのは、元の世界の馬ぐらいの大きさのハイエナが四本の足を投げ出した状態で床で眠っていた。
その周囲には、脱いだのか軍服の上着やシャツやズボンが散乱していた。
それを見た瞬間、ピリピリと緊迫していた空気が和らいだ。
「おや、セレス君はどうやら獣化したまま眠ってしまったようだね」
「そういえば、昨日は捕獲対象の足が異様に早かったからな」
苦笑しながら言うジョゼフさんに、呆れたような声音で言いながらセレスさんに近づくシヴァさん。
「ほら、セレス。早く起き……って、おい!?」
「へ、セレスさん?」
そう言いかけたシヴァさんに、私も驚いてしまった。
今まで目をつぶっていたセレスさんの目が開いたと思った瞬間、フラリと立ち上がって私の方に向かってきた。
そう、向かってきた。
え、なんで?
そう思った瞬間、セレスさんの姿は消え一瞬にして私は空中に浮かんでいた。
それと同時に、うなじに感じたのは何かで挟まれているような感覚。
別に、痛みは感じない。
ただ、湿って滑りのある弾力を感じる何かの存在もわかる。
浮かんでいるというよりは、誰かに持ち上げられた?
そう思って見回してみれば、驚いているシヴァさんたちとモフモフとした毛が見えた。
その瞬間、理解した。
私はセレスさんに、ネコ科の動物が子供にするように首根っこを甘噛みで咥えられているのだと。
「え、悲鳴上げた方がいいですか?」
「ある意味、あげた方がセレスのためでもあるな」
混乱しながらも思わずそう言ってしまえば、疲れ切ったように眉間のしわをもんでいるシヴァさん。
「まあ、うん。その持ち方からして、たぶんサーヤ君のことをわが子だとでも思っているんじゃないかな」
「…………セレス、お母さん?」
「セレス……お前、いつの間にそんな立派な子供を」
苦笑しながら言うジョゼフさん。
首をかしげながら無表情で言うノーヴァさん。
真顔でノーヴァさんのノリの乗るシヴァさん。
これがカオス?
シヴァさん、せめて泣きそうな表情を浮かべよう。
そうすれば、セレスさんの成長に感動する父親か母親になるから。
「シヴァ君、ノーヴァ君のノリに合わせるんじゃない。あと、セレス君もいい加減に起きなさい。サーヤ君が可哀そうだよ」
「…………はっ」
「へ? うわ!?」
「おっと」
苦笑しているジョゼフさんの言葉に、セレスさんが正気に戻ったのか私は床に落ちそうになる。
驚きながらも着地の姿勢に自然と入るが、そのままジョゼフさんに助けられた。
「へ、サーヤ? なんでここに…………というか団長たちも!?」
ジョゼフさんにそのまま抱き上げられれば、セレスさんの驚いた声が聞こえてきた。
セレスさんの方を見ても、もちろん彼はハイエナの姿のまま。
そういえば、彼らは動物の姿でも人の言葉を話すんだっけ?
「あー…………なんだかごめんなさいね、サーヤ」
「いえ…………少し驚いただけですので気にしないでください」
「とりあえず、会議もあって起こしに来たんだが」
「あっ、そうだったわね! ちょっと、すぐに着替えてくるから!!」
事情を聞いたセレスさんに申し訳なさそうに謝られ首を横に振っていれば、シヴァさんの疲れたような声でセレスさんは慌ててタンスから数枚の服を持ち、落ちている服も拾い上げそのまま部屋の奥へと消えていった。
ガチャ、バタバタバタという音が奥から聞こえてくる。
それから数分ぐらいたってから、いつも通りの軍服姿のセレスさんが出てきた。
そんなセレスさんに、ジョゼフさんが私をシヴァさんに渡した後物凄く怖い笑顔を浮かべて近づいていく。
ジョゼフさん、目が笑っていないのに口元は笑っています。
非常に怖いので、今すぐやめてください。
そんなジョゼフさんに嫌な予感を感じたのか、セレスさんの顔色もどこか悪い。
「セレス君? 後で、少し話そうか」
「…………拒否権はないの?」
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