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交流編

(94)子供と母親

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~紗彩目線~


「何、爆笑しているんです?」


 爆笑しているレオンさんをどうすればいいのかと見守っていると、オズワルドさんの首根っこを掴んで引きずってきているシヴァさんが見えた。

 え、シヴァさん強い。

 オズワルドさんって結構ガタイが良くてしっかりした筋肉ついていそうなのに、そんな彼のことをあんなふうに片手で引きずっていけるものなのだろうか?

 のんきにそう思っていると、オズワルドさんが立ち上がってレオンさんに近づいていった。


「お願いですから、これ以上恥ずかしい行動はやめてくださいよ」
「酷くないか!?」


 オズワルドさんは、そう言いながらレオンさんのことを叱っている。
 …………この人たち、立場が逆転してないか?

 そう思っていると、シヴァさんが私の目の前に来て私を抱き上げた。


「サーヤ、大丈夫か?」
「大丈夫です、シヴァさん」
「別に、俺は何もしないぞ!?」
「うるさいですよ。あんたの行動は、サーヤの教育に悪すぎます」


 シヴァさんからの質問に答えていると、オズワルドさんの目の前で正座をしているレオンさんが叫んできた。
 そんなレオンさんに、シヴァさんがまた叫び返している。

 …………なんであの人、正座しているんだろう?

 しかも、オズワルドさんがまたレオンさんのことを叱り始めたし。
 何故だろう、オズワルドさんがレオンさんの母親に見えてきた。

 そう思っていると、裏口の扉が開いてアルさんが顔を出した。


「団長」
「ああ来たか、アル。悪いが、サーヤをセレスの所に連れて行ってくれ」
「わかりました」


 アルさんがシヴァさんを呼ぶと、シヴァさんがアルさんがいる方に振り向いて私を手渡しながら彼にそう言った。
 もちろん、その間レオンさんはオズワルドさんによる説教中である。

 というか、なんで私は成人女性なのに抱き上げられたまま手渡しで渡されているのだろう?

 あとレオンさん、そんな飼い主に捨てられた子猫のような表情で私を見ないでください。
 良心が痛むので。
 あなた、いつライオンの獣人から子猫の獣人に変わったんですか?


「それでは、失礼します」


 私は、ペコリと頭を下げたアルさんによって本部の中に連れて行かれた。

 しばらく歩いていると、アルさんに話しかけられた。


「初めての王族の方はどうでしたか?」


 どんな人?あえて言うのなら、王族って感じがあまりない人だった。

 あと、オズワルドさんが完全にレオンさんの母親に見えた。
 いや、母親というよりは保護者か。


「えーと…………変わった方だなと思いました」
「ふふ、怒りませんよ。基本、レオン様は誰に対しても最初はそうですから」


 歩きながらアルさんと話していると、【第二執務室】と書かれた部屋が見てくる。
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