2 / 10
深々と…
しおりを挟むお兄ちゃんのお骨を納骨して、帰宅したのを見計らったかのような吹雪。寒いのは……嫌いだ。まぁ多分誰も好きではないだろうけど。
「はぁ……帰って早々憂鬱。お兄ちゃんはアンタらにはなんも残してないっつーの」
帰宅してポストを確認したら、自称親戚が書き置きしたメモが入っていた。曰くお兄ちゃんの形見分けをして欲しいらしい。
けど、お兄ちゃんは言っていた。アイツらとは付き合うなと。その為にお兄ちゃんは義理の姉……お兄ちゃんが亡くなった後私の後見人となる人を準備してくれた。
『この人は吉村莉子さん。色々あって協議した結果、結婚することになった』
あれは丁度1年前くらいだったか。
いきなりそう紹介され随分戸惑った。
だって彼女がいるだなんて聞いていなかったし、そんな素振りも無かった。
それに、お兄ちゃんは私がそういう意味でお兄ちゃんを好きだという気持ちを受け入れてくれてたのではないか……そう思ってたから。
まぁ、そのあとお兄ちゃんとも吉村さんとも話し、誤解だったことは理解したのだけれど、やっぱりなんだかモヤモヤする。
これは嫉妬というものなのだろうか……。
いつの間にか風が止み、深々と降る雪を見ながらメモを写真に撮り義姉である彼女に送る。
さて……これからどうなるのか。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる