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しおりを挟む「まだ、マークとお母さんには言っていないの。だって…」
主治医の先生からは経過はあまり芳しくないと言われており、このまま順調に育っても無事出産できるか分からないそうだ。
出産できたとしても死産の可能性もあり、喜んでばかりはいられないらしい。
「あの二人を見ていると、今ここで双子なんて言ったらあっという間に双子用のベビー用品を買い揃えると思うのよ…」
俯いて話す姉は、いつもの堂々とした姉ではなく不安を抱えたお母さんだった。
双子の片割れが助からないかもしれないという不安を、笑顔で隠し通してきたのには感服したけれど、もっと早い段階で私に打ち明けてくれればよかったのにとも思う。
過ぎたことを考えてもしょうがないのだけれど…でも……。
「結構、あの二人は大丈夫じゃない?特にマークなんかは、先に聞いた私のことを怒るかもしれない。『僕のハニーの悩み事は僕が一番に聞かなければいけないんだよ!』…なんてね?」
マークだって父親だ。
きっと知る権利もあり、共に戦う同士だ。
仲間外れはよくない。
皆で…姉と義兄と母と私。
そして私には雪斗さんがついている。
皆で応援してパワーを送ってあげれば、きっと無事産まれることが出来るはず。
「お姉ちゃんとマークの子供だし、私の甥っ子か姪っ子でしょ?ちょっとやそっとの悪いことなんか弾き返しちゃうわよ」
姉のお腹に手を当てて話をすると、返事をするかのように、お腹をトントンと叩く感触があった。
大丈夫…姉夫婦の子に加え、おじいちゃんおばあちゃんは皆、スーパーが付くくらい運がいい。だから……
「安心して出ておいで。大丈夫。皆が守ってくれるから」
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