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しおりを挟むなんだろうあれ……。
お父様を捕まえて、なんだろうって事はないんだろうけど……ミーリアの記憶だと、デキる男のお父様なんだけど、私にとっては大変残念なお父様だ。
若くしてウィンステッド家を継いだお父様。
ミーリアには兄様もいるけれど、今は王都の学校に行っている。
近い将来、私(ミーリア)も王都に戻らねばならないのかと思うと憂鬱だし不安だ。
今回、ミーリアが寝込んだ原因…それは、ウィリアム王子が唆したマーカスが起こした事件だ。
私を凍てつく湖に突き落としたのだ。
特に運動神経が良いわけでもなく、訓練をしているわけでもない子供…まして季節は冬…。
私を突き落としたマーカスは、慌てた様子を装い助けを呼ぶ。
泳げるわけでもないミーリアを助けた頃にはすでに手遅れだった…。
という、なんとも荒い殺人計画だ。
多分…それの調査結果報告や、ミーリアの見舞いに来たのだろうお父様は、いまだ扉の所から動かないのだから不思議だ。
何をしているのだろう?
ミーリアの記憶を探っても、お父様との間に何かあったわけではなさそうなんだけれど…。
「お父様?何をしているのですか?」
思い切って声を掛けてみる。
身に覚えのない事をうだうだと考えるのは時間の無駄だ。
…忘れないようにもう一度言うけど…姿は子供、心は大人…精神年齢は31歳なのだ。
無駄ダメ…絶対…ではないけどね。
ツカツカとベッドサイドまで来たお父様は、何も言わず置いてある椅子に腰を下ろす。
「ミーリア…大丈夫か?記憶の混乱があると聞いたが、父様の事は覚えていてくれているかい?」
お父様…なんでこんなに自信ないんだろう。ミーリアには結構好かれている筈なのに…。
どう反応したら良いものか判らず、視線をメアリに向ける。
「エドワード様…ミーリア様は記憶の混乱はあっても、ご自分の周りの方達のことは覚えておいでのようです。ただ…なんと申したら良いのか分かりませんが…感情面の記憶があやふやのようでございます。恐らくは今回の事件で、信頼していたものに裏切られた…という事が影響しているかと思います」
まさきにいナイスフォローっす!
思わず親指立てちゃうとこでした (汗)
それを聞いたお父様はますます難しい顔になる。
きっと今後の事を考えているのだろうと思う。今の私では、周囲の環境の情報が無さすぎてなんの提案も出来ない…。っていうか、私まだ7歳だった!下手なこと言ったらすっごく怪しまれるよね?
そんな事実に顔を青くしていると、メアリが一つ提案をしてきた。
「エドワード様…私をこの格好のまま、お嬢様の護衛兼メイドにして頂けませんか?アルベルトは、対外的には責任を取らされ左遷って事にして…」
といきなりびっくりな提案をしてきた。
ミーリアは身の回りに専属のメイドを置いていなかったらしい。
専属は騎士だけ…メイドは屋敷付きの、侍女はその都度お父様の指示で付けていたようだ。
まだ成人前だし、手のかかる子供でもない為、専属の侍女までは付けなくても大丈夫であろう…と。
今回の事件はそんな隙を狙われたのだから、当たり前の提案なのかもしれない。
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