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入学です

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セレーネ・アンガー、無事12歳になりました。そして、私の父母になってくれた2人の間に男の子が産まれました~。
パチパチパチパチ~♪

義理とはいえ、家族と縁遠いなぁなんて思っていた私にとって、弟ができるにはすっごく嬉しいことで、あぁ~幸せってこんな感じなんだぁ~…なんて……他の人が聞けば『そんなことで?』と言われかねないことで幸せを感じている私。そして……そんな風に幸せを噛みしめている私の元にとうとう来てしまった。
あれが…………。
そう………。

とうとう学校の入学通知が来てしまった。
父がいて母がいて弟ができた幸せ絶頂の私の元に、恐怖の案内通知。
気分は戦争に駆り出される……徴兵される若者だよ。徴兵……されたことないけど。

この国では12歳~13歳になると義務ではないけれど学校に行ける通知がくる。
もちろん一般入学だとお金が掛かることもあり、平民が学校に行くのは比率的には2~3割あれば良い方らしく、もっぱら貴族や商人の子どもばかりだということ。

で……私ももちろん試験は受けたよ。
鑑定魔法持ちで魔力量も文句なし。
普通なら優遇されてもおかしくないチカラなんだけど、この国には明確ではないけれど、男尊女卑というか……男性を優遇と言ったらいいのか……そんな文化と制度がある。

たとえば身近なところで、家督を継ぐ継嗣の例でいくと……女子しか子どもが生まれなかった場合だけど、この場合は素直に女子が家督を継ぐことができる。

が……これで終わらないのがこの国の悪い文化&制度。


これは再婚などで後妻を娶った場合など、わりとあることらしいんだけど…後継者を指名したあと、今現在爵位を継いでいる者に男児が生まれたら……。

まぁこの場合、お察しの通り先に後継者指名された女児は爵位継承順位が下がり、実質後継者からは外される。

でも、これにも悪いところはもちろんあって、後に生まれた男児と後継者指名女子の歳の差があり過ぎる場合、もちろんだが後継者でなくなれば他家へ嫁ぐことになる。そしてこの国の女性の平均婚姻年齢は17歳。早ければ15歳で結婚し、20歳にもなれば立派ないき遅れ扱いなのだ。

そんなわけで、他家へ嫁ぐとなればそれはそれは素晴らしいスピードで皆相手を見繕うらしい。

けれど、その後不幸にも後継者予定であった男児が亡くなった場合……とまぁ、この後の説明は機会があったらと言うことにして……こんなわけで、後継者問題にしろお仕事の優遇にしろ何かと男性優遇のこの国、同等又は若干女性の能力が上回った位のチカラの差では、女性は押し負けてしまうのだ。

能力にあぐらをかくなんてことをしていると、女性は職なしいき遅れになり兼ねないのだ。

だからね。
こうして行きたくない学校の試験を受け、学校に通うことにしたんだ。

ちなみに……この学校には飛び級制度がや学力に応じた免除制度があって、色々ある科目の中で、魔法の実技と貴族歴史科以外の座学教科はほぼ免除。でも受けたかったら受けてもいいよ~となっている。

前世の知識チートありがとー‼︎
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