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第23話

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23話

ガラガラガラ!!ドンッ!!

「お、なぎっ………井上。と白崎さん。士郎くん。どうしたんです?そんなに急いで」

「えっと、わかったんですよね?」

「あ、ああ。朝礼のやつだね?」

「え、えぇ。そうです」

本当に家というか部活ではすっごい暗いのに、学校とか、人が集まる場所では、爽やかなイケメンに変わるな。

「昔は外で朝礼をやっていたらしいよ」

「あ、あっ!!校庭!」

「そ、そうかー」

なんでだ?なんでこんなに簡単な問題に悩んでいたんだろうか……

「じゃ、とりあえず、校庭行きましょうか」

「は、はい」

僕らが校庭の前のグランドに着くと、他の部活の人たちもいた。

そこまでは普通だったのだが………

「な、なんです?これ?」

「さ、さぁ……」

みんなが地面を掘っていた。

そして、その中に見覚えのある生徒がいた。そう、この前の体育祭で、女の子にボコボコに潰されていたやつだ。って、顔にモザイクかかってんぞ!?

そんなやつが、清楚系の女の人に話しかけていた。制服を見る限り、一年生だろうか?

「ねえ、そこの君。好きです。付き合ってくださいっ!!」

こんな公共の場で告白とか、ありえ………

「ギャァァァァァ!!!!!」

その叫び声に僕の考えは遮断された。

な、なんだ?

その女の子からの絶叫だった。

その女の子は、ムンクの叫びみたいな顔をしながら、走り去ってしまった。

「な、なんでダメなんだ………?」

と、一人呟くと、その場に蹲ったモザイク野郎。

………関わると、ろくなことがなさそうだ。

そして、僕らはその人から離れるように、行動した。

そして、朝礼台の前まで来ると

「お?やっと来たか」

と、僕に話しかけてきたのは、憎らしい。でも助けてくれたのか?よくわからないアロハシャツのおっさんだった。

「え?お、おっさん!!なぜここに!?」

「おお!あと、金髪の子に白髪のお嬢ちゃんじゃないか!!あっはっはー」

と、陽気なおっさん。

「あ、どーも」

「お。おじさん。お久しぶりですっ!」

二人共、衝撃が強いこの人のことは覚えているようだ。

「で、これってなんなんです?」

「宝探し。だそうだ」

「へ、へぇ………なんか普通ですね」

「ですね」

「そうね」

「普通かー。まあ、それもそうだな。でも、ここは普通じゃないかもな。ってのは、宝ってのは人それぞれとか言ってたな」

「……………え?どれが宝なんです?」

僕は理解出来ず、もう一度訊き直した。

「さあな。宝は人それぞれってことだそうだ」

え、えぇ……もう、体育祭でもなんでもないじゃねえかっ!!

「で、おっさん。なんかヒントとかってないのか?」

「あ、ああ、これだ」

と、言って一枚の写真と、シャベル。スコップを手渡してきた。

その写真にはこの高校から撮った風景のようなものが写っていた。

「これは?」

「さあな。なにもきいてねえ。とりあえず、これが見えるところにあるんじゃねえか?」

じゃ、これは宝の地図ならぬ、宝の写真と言ったところだろうか。

「あ、わかった。ありがとな。おっさん」

「おうよ。あ、そうだ。二宮士郎。ちっとこっち来い」

「あ?う、うん」

そして、僕はおっさんの近くに行くと、おっさんは僕の耳元で、他の人には聞こえないように

「あいつには気をつけろよ」

と、言ってきた。

ん?あいつ?あいつって……インスタントガールフレンドか?

てか、それしかないよな。

ん?でも、なんで知ってんだ?

ふと、僕は前にあった火憐の家の前の瞬間移動と、プールの時にあったよくわからない大ジャンプ(ジャンプと言っていいかわからない)を思い出した。

なら、繋がりがあっても不自然ではないか………でも、なんでだ?なんで、インスタントガールフレンドの仲間なら、そんなこと言うわけないよな?

「なあ、おっさ………あれ?居ない?」

僕がなぜ、そんなことを言うのか。問おうとした時にはもう、おっさんの姿はなかった。

「あ、あの……士郎くん?大丈夫ですか?」

「あ、だ、大丈夫ですよっ!!」

ダメだダメだ。今はこのイベントに集中しないと、これをクリアしたら、白崎さんとのデートが待ってるんだっ!!!

「じゃ、探しましょうかっ!!」

と、気合いを入れて、写真を見るとさっきのモザイクがいた第二グランドが撮られていた。

だから、みんな掘ってたのか……

って、言ったって範囲おかしいだろ。どんだけあると思ってんだ。東京ドームが一つすっぽり入るんだぞ!?

はあ、頭おかしいだろ。

でも、仕方ないか……他にヒントないし…………

「あ、士郎くん。蝶が礼してたよね?」

と、島崎先輩から話しかけてきた。

「あ、そうっすね」

なんか、先輩って聞くと話し方がわかんねえな………あんまり、人と関わってこなかったし……

「そうだったよねー」

先輩もヒントの少なさに困っているんだろうか?

そう悩む僕ら二人の横で、一生懸命、馬鹿の一つ覚えのように地面を掘っている二人がいた。

そんなあてもなく掘って当たるわけが………

ガンッ!!!!

と、鉄がなにかに当たったような音が聞こえた。

え?嘘だろ?

「え、えっと、なんかありましたっ!!」

「じ、じゃ、掘りますか……」

そして、僕らはそこを掘り出し、なにやら、手のひらサイズ程度の小さな箱が出てきた。

多分、宝探しの宝なんだろうけど………なんだろうこれ。開かない。

「あ、そうだっ!!バールのようなもので開けましょうっ!!」

と、白崎さん。

「そこじゃねえだろっ!!」

と、思わずつっこんでしまう僕。

そんな、僕を無視して、どこからはバールを取り出してこじ開け始めた。

そして、白崎さんはむりやりそのはこをこじ開けると、中には紙が入っていた。

「この紙って………」

と、僕は生唾を飲んだ。

………チケットじゃないか?

この、横に長い長方形。切れ目。チケットだろこれっ!!

「なんでしょうこれ」

と、その箱を開いた白崎さんがその紙に手を伸ばす。

僕は少し興奮気味だったため、そっぽを向いていた。

「士郎くん士郎くん。これってなんですかね?」

と、僕の裾をちょんちょんっと引っ張ってそう言ってくる。

だから、その裾チョン可愛すぎんだろっ!!

僕は振り向くと、追い打ちをかけるように、上目遣い。

はあ………ダメだ。これはダメだ。

そのダブルパンチをもろに食らった僕は白崎さんをまっすぐ見ることが出来なかった。

「あれ?士郎くん?大丈夫?」

と、僕が目を逸らしたのに、白崎さんは僕の顔を覗き込んでくる。

「だ、大丈夫です」

僕はなんとかKO直前に立ち上がった。

「そうですか?でも、顔が真っ赤ですよ?」

「あ、そ、それはあれですよ。朝焼けのせいですよ。じ、じゃ、この紙見ますか」

と、とっさに言い訳をし、誤魔化した。

「あ、はいっ!!」

僕に紙を手渡してきた。

恐る恐るその紙を見る。

その紙には……

ざんねーん。チケットだと思った?あっははー。ハズレ。

と、書かれていた。

僕は無言で、その紙をぐちゃぐちゃにして地面に叩きつけた。

「なにしてるのよっ!!」

と、慌てた様子でその紙を拾う井上先輩。

そして、井上先輩は紙を広げその文をみると、僕と全く同じ行動を取っていた。

再び地面に叩きつけられた紙はヨボヨボになっていた。

「どうしたんですか?お二人とも」

と、様子見のような感じで白崎さんが訊いてきた。

「「いや、えっと………」」

「なんでもないです」

「なんでもないわよっ!!」

完全にハモってしまった。

そして、それをまた拾い見ている人がいた。

島崎先輩だった。

「おおっ!!士郎くん。なぎっちゃんっ!!白崎さんっ!!やりましたぞ!?」

と、なにやら興奮気味な島崎先輩。

「な、なんですか?」

と、恐る恐る聞くと、

「あれ?士郎くん?わからなかったのかい?」

「あ、はい」

「これは、多分なぎっちゃんが言ってたチケットのヒントだ」

「…………え?」

「このどう考えても何かのチケットにしかみえないフォルム。どう考えてもそのチケットだ」

へ、へぇ………

でも、あんなうざったいこと書かれたら見てらんねえよっ!!!

「で、この数式」

と、言いながら、そのヨボヨボになった紙を再び僕に手渡す。

そして、そのうざったいことが書いていた裏にはなにやら数字が書いてあった。

これって………間違いない。座標を特定するための数式だ。

「わかったって顔だね」

「え、えぇ。まあ」

でも、どうやってとくんだ?

こんなの、人間には解けねえよ。

「でも、先輩。解けないですよね?」

「いや、なぎっちゃんと体育館に行った時。蝶が礼する絵を見たあたりで、座標の問題が来ると思って、これにインストールしておいたんだ」

と、携帯端末を取り出しながら、淡々と話す島崎先輩。

な、なせだ!?蝶が礼する絵を見たら、座標の問題なんだ!?こいつはエスパーなのか!?

「じゃ、ここに数字を入れたら………」

そして、即座に答えは導き出された。

人間には無理だが、さすが機械。マップで出てくるとは、あったまいーいっ!!

「ちょっとっ!!二人共っ!!口より手を動かしなさいっ!!」

と、終わった話に割り込んでくる井上先輩。

「あ、先輩」

そして僕は、このマップと共に説明する。

「………へぇ。話はよくわからなかったけど、あれよね?そのマップの赤い点のところにあるのね?」

全然理解してねえっ!!

「………ま、まぁ。そうなりますね」

「じゃ、行くわよっ!!しかりんっ!!」

「え、えぇっ!!どこにですかぁぁ!!」

リーダー感溢れるセリフを吐く先輩に、強引に引っ張られる白崎さん。なんだろう。両方美少女と言われる部類に入る為、すごい絵になるな。

*******

「ここか………」

僕らはその場に来た。

そこは日の当たらない、今にもキノコが生えてきそうなジメジメとしたところだった。

………嫌だ。掘りたくねえっ!!

「じゃ、やりましょっ!!」

と、やる気満々の井上先輩。

はぁ………嫌だ。

 そして、僕はその場からそっと、立ち去ろうとすると

バンッ!!!

………え?な、なんだ?

僕の肩に手が置かれていた。

「なに逃げようとしてるのかしら?」

「井上先輩………顔があくどい感じになってますよ?」

………やばい。これは………死ぬやつだ。

その手はどんどんと握力を強めていく……

………い、痛い……

「先輩痛いっすよっ!!」

と、言うとニコニコしながらまだ力を入れていく……

先輩の握力で僕の肩甲骨はめしめしと軋んでいく。

バキッ!!!!

してはいけないような音のあとに痛烈な痛みが肩を襲う。

「ギャァァァァァ!!!」

さっき告白されていた女の子くらいの叫び声を上げ、地面に突っ伏していた。

「士郎?できるわよね?」

そんな僕を見下ろしながらの一言。

「は、はい…………」

僕はMじゃねえのに……酷えっ!!!!

でも、このままじゃ、何かに目醒める……訳ないよな。死ぬレベルだしな。

僕は泣く泣く、そこを掘り始めた。

しばらく掘っていると、なにかまた、先程と同じような箱を見つけた。

「お?これって…………」

「あの箱みたいですねっ!!」

「あ、そうですねっ!!」

と、僕が話返すと、それと共に、箱も白崎さんの手にあった。

あれ?いつの間にっ!?

「じゃ、開けちゃいますねっ!!」

と、無垢な笑顔を見せながらバールでまたこじ開け始めた。

もう、どこからそのバールを持ってきたかはいい。でも、どこでその技術習ったんだよっ!!

「はいっ!出来ましたよっ!!」

「あ、ありがとう?」

なんで返していいかわかんなくて、はてなマーク着いちまったよっ!!

「いえいえーっ!!」

と、やはりニコニコしている。

少し抜けている白崎さん。やっぱりかわいいぜっ!!

「ちょっと、キモい顔してないで、さっさとみるわよっ!!」

先輩はやっぱり、ひでえっ!!

そして、白崎さんが開けた箱を見てみると、紙が入っていた。

「あったわね」

「ありましたね」

「あったねぇ」

と、それぞれ言う、井上先輩。白崎さん。島崎先輩。

そう、それは、チケットだった。いや、正確には引換券だ。

「これで、職員室に行けばいいのよね」

「へ、へぇ………」

初耳なんですけども?

「なにグズってるのよ。さっさと行きましょ?」

こんなにも嬉しそうな井上先輩の表情みたら、もう、僕の初耳なんてことはどうでもよくなった。

職員室まで来た。

コンコンッ!

「失礼します」

ノックしてみんなでぞろぞろと入っていく。

…………あれ?なんでこんなに真っ暗なんだ?

「す、すいませーん」

応答はない。

「誰も…いないようですね」

「そうですね…」

そして、帰ろうとした時。

バンッ!!!バ、バババンッ!!

と、何かがはじけたような音が複数。この真っ暗な職員室に響き渡った。

「おめでとうー」

明転することもなく、そう言われても……

反応に困りすぎるだろ!?

「だ、誰なのよっ!!」

怖いのか。少し震えた声を上げる先輩。

先輩ぽいっちゃ、ぽいな。

バーバン……………バーバン

もしかしてこれって………

バーバンバーバンバーンッ!!

「いや、クラッカーでなにサメな演出してんだよっ!!」

と、つっこむと場が静寂に包まれた。

あ………やべ……これは……

「いや、士郎くん。それはちょっと寒いんじゃないかな?」

「自分でも思ったから、ガチレスやめてぇ!!」

「ガチレスとか………オタクみたいな表現やめてくれないかしら」

「ビビってなかったのかよっ!!」

ツッコミミスってしまった……

そんな時、電気がついた。

「あっ」

そこに居たのは、僕らの担任の黒鉄律だった。

「いやー。ばれちゃいましたね。テヘペロ」

………いや、かわいいけどね。先生なんだし、やめよ?

にしても、足が長いから、黒ストッキングが似合いすぎるっ!!いつも堅物っぽい先生にはこのバニーガールという、卑猥な格好はどうかと思うが……

「じゃ、とりあえずこれ」

と、いって僕にペアチケットを二枚渡してきた。

「あ、ありがとうございます」

「いえいえー。君たちも恋路に勉学。両方頑張ってねっ!!」

「はいっ!!」

そして、僕らは出ようと職員室のドアを開けようとしたその時!

ガララララッ!!!!

と、勢いよく開いた。

そして、僕らを目にも留めず、やつはズカズカと職員室に入っていき、先生の前で止まる。

「先生っ!!僕と付き合ってくださいっ!!!」

……………え?

僕が告白されたわけでもないけど……え?

「な、なに?どうしたの?高崎くん」

あ、やっぱり、こいつがか………

こいつはこの学校での有名人。告白魔の高崎達彦【たかさき たつひこ】。さっきのモザイク野郎だ。

「だから、僕と突き合ってくださいっ!!!」

なぜ言い直した!?

「な、なに言ってるの?」

「だから、僕はヤりたいんです。早く持て余している性欲を晴らしたいんですっ!!」

あ、ああ………ストレートに言っちまったよ。

「い、いや………」

「ほら、見てくださいっ!!先生の格好見てるだけで……これですよっ!!」

と、いいながら、服を脱ぎ始めた。

そして、モザイクがやはりかかっている。今度は全身に。

バカじゃねえのこいつ。

「ギャァァァァァ!!!!」

先生はさっきのふられた女の子と同じように狂ったように叫び、そこにペタンと腰が抜けていて、動かなくなった。

だが、安心してください。モザイクかけてますよっ!!捕捉:あそこはきんいろのモザイクですよっ!!

「いや、いろんな意味で、あぶねえからっ!!」

「先生……ハァハァ……」

息が荒くなっている変態が僕の前にはいた。

こっちに気づかれないように、白崎さんと井上先輩は先に逃がしたからいいけど、これは止めねえと先生が……あられもない姿に………

「な、なぁ………やめてやれよ」

「………あ、君らいたのか」

「う、うん………」

「………仕方ない。人の目につくところでやると、足が着いちまうからな………」

お巡りさんこいつですっ!!

「じゃ、先生。お預けになってしまいましたが、今夜、貴女を頂きに参ります。TT」

「なにルパン風に犯罪予告してんだよっ!!!で、最後はイニシャルか。丸パクリじゃねえかっ!!」

そして、気づいた時にはやつの姿はなかった。

「二宮くん………」

そんな上目遣いで見られても………

「わかりましたよっ!!家までは無理だから、車まで、送ればいいんでしょ!!」

くっそ。先生も反則的にかわいいよな………

「てな訳で、先輩。このチケットとみんなをあの家に帰らせててもらえませんか?」

と、言って僕は手にもっていたチケットを先輩に渡す。

「わかった。じゃ、先に帰ってる」

「はい。お願いします」

そして、島崎先輩が外に出て行った。

これで、今は先生と二人きりだ。

先生は腰を抜かし、完全に動けない。

そんな先生に近づき……

「や、優しくしてね…」

「じゃ、行きますよっ!!」

と、僕は先生の脇に顔を入れると、担ぐようにして、立ち上がった。

「うっ……」

死体は重いみたいなこと言うけど、それと同じだ。

腰の抜けて力の入らない人は重い。

「大丈夫?」

「あ、このくらい。じゃ
動きますね」

「う、うん」

そして、僕は一歩……また一歩とゆっくり慎重に歩き始めた。

「ふぅ……先生。大丈夫ですか?この感じで」

「え、ええ。二宮くんこそ大丈夫?私重くない?」

「いや、大丈夫ですよっ!!」

僕はとりあえず保健室を目指し歩いていた。

「はぁ……はぁ……」

流石に廊下に出て、暫く、人を一人担いで歩くのは辛いな……

「士郎くんは優しいんだね」

「そ、そう……です……か?」

「うん。そうだよ。私なんて助けないでもよかったのに、助けてくれたしね……」

「い、いや……見捨てれ…ない……ですよ」

「そっか。あ、白崎ちゃんとはどうなの?上手くいってる?」

「なんの……話…です……か?」

受け答えしながら、歩くの辛い……

「え?つきあってるんじゃ………ないの?」

「い、いえ………付き合って……ないですけど……」

「へ、へぇ………」

先生はなんか含んだような。そんな言い方をしてきた。

「な、なん……です?」

「いや、君が気づかないなら、まだいいんじゃないかな?」

「そうです……か」

そんな話をしていると、保健室についた。

僕は先生を保健室にあるベットに寝かせると、横にあった椅子に腰をかけた。

「ふぅ………」

と、大きく息を抜いた。

「士郎くんって、おじさんくさいね」

と、若干年上の20歳にそう言われた。

「は、ははは…」

でも、さっきの話、ほとんどわかんなかったけど、あの含んだ言い方。すごい気になる。

「あの、先生。なんか、白崎さんと僕のことについてなんか言ってましたよね?」

「あ、うん」

「なんで僕と白崎さんが付き合ってるなんて勘違いをしたんですか?」

「それは君たちが………おっと、危ない。これから先は君たちの物語が進んでいくに連れてわかってくることじゃないかな?」

「へぇ……」

流石模範先生。大人対応だ。

それから、先生は動けるようになり、僕は先生の車まで、しっかりと送ると、先に帰ってと言っておいたので、先に帰ったであろう日常部のみんなを追うように帰った。
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