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11 自分勝手な男たち(途中視点変更あり)
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ヒース殿下はお父様たちの様子を一切気にすることなく、お母様に優しい口調で言う。
「それはかまいません。ミーア嬢もそのほうが心強いと思います」
「お母様……、本当に良いのですか?」
「ミーア、あなたは何も悪くないのに国外追放されるのよ? 相手が国王陛下だから、その命令に逆らうことは出来ない。だけど、私はあなたの母親よ。あなたのために出来ることはなんでもしたいの」
お父様とお兄様は私のことを気遣う様子は一つもなかった。
だけど、お母様だけは私の味方でいてくれるのだと思うと、とても嬉しかった。
「ありがとうございます、お母様」
お母様の手を取って頷いた時だった。
お父様が血相を変えて叫ぶ。
「駄目だ! ただでさえミーアのことでテンディー家の評判が悪くなるというのに、お前まで出て行ってしまったらどうなると思っているんだ!?」
「家のことを考えるのは当主として当たり前かもしれません。ですが、家族を大事にできない人間が領民を守れるとも思えません。あなたは自分の考えが正しいと思っておられるようですし、私もそれを完全に否定はいたしません。ですから別々の道を歩みましょう。ただ、それだけです」
お母様は歩みを止めずにお父様にそう言ったあと、焦った顔をしているお兄様には悲しげに眉尻を下げる。
「モーガン、あなたに妹よりも大事な女性が出来てしまったのね。それは悪いことではないと思うわ。あなたももう成人しているものね。だけど、妹を殺そうとしている女性に熱を上げるだなんて信じられないし、それにあなたには婚約者もいるじゃないの」
「違うんです、母上! 僕は彼女がそんな人だなんて知らなかったんです! 婚約者のことはこれから大事にします!」
「これからじゃ遅いわ。正直にお話をして許しを請いなさい。許してもらえないでしょうけどね」
お母様は小さく息を吐いたあと、お兄様を優しい目で見つめる。
「誰にでも過ちはあるわ。これを機に人を見る目を養いなさい。そして、立派なテンディー家の当主になってね。どんなに離れていても、あなたが道を外さない限り、私はあなたの幸せを願っているわ」
「そんな! 母上! 考え直してください!」
「そうだぞ! 何を考えているんだ!」
お兄様とお父様はお母様に何とか考え直してもらおうと必死に説得していたけれど、お母様の意思は変わらなかった。
そのため、ヒース殿下は動物たちに指示をしてお父様たちを足止めしてくれた。
急いで馬車の乗降場に向かうと、動物たちに起こされていた御者たちやヒース殿下の側近の方たちがすでに待機してくれていた。
そのため夜遅い時間ではあったけれど、すぐにテンディー家に向けて出発することになった。
王家の所有している馬や、テンディー家の馬車の馬にはヒース殿下が話をして、夜が明けても次の日の朝を迎えるまでは絶対にこの場を動かないようにと約束させていた。
そして、王妃陛下の愛馬だけには王妃陛下が準備をして、ここにいらした時には鳥の誘導に従って走るようにとお願いしていた。
ハヤメさんが王妃陛下の愛馬をキブズドーツ王国の国王陛下が現在泊まられている宿屋に案内してくれるらしい。
こうして、私とお母様、そして王妃陛下は荷造りをしたあと、キブズドーツ国の陛下と合流し、コロール王国を出た。
キブズドーツの国王陛下であるロディ様はコロール王国が嘘の話を流す前に、今回の出来事をぼやかせるところはぼやかして、コロール王国の新聞社にお金を出して書かせた。
コロール王国側も国王陛下があんな人であっても、宰相はしっかりしているため、事実関係をキブズドーツに話すように求めてきた。
宰相との話し合いはコロール王国の王妃陛下だったエトワ様が相手をされ、エトワ様に全幅の信頼をおいていた宰相は、エトワ様の言葉を全面的に信じた。
宰相からは、さすがにぼやかしている国王陛下たちの愚行をそのまま公にするのはやめてほしいと頼まれたという。
そのため、オーランド殿下がセフィラと浮気をしていたことは表に出すけれど、オーランド殿下たちが私を殺そうとしたことや、国王陛下が私を国外追放したという話は公にしないことになった。
誰が聞いても浮気された私が国外追放される意味がわからないからだ。
婚約披露パーティーの夜に、コロール王国の国王陛下がヒース殿下に対して、キブズドーツ王国に戦争を仕掛けるような発言をしたため、王妃陛下がことを納めるために責任を取るということにされたという形に持っていった。
コロールとキブズドーツの軍事力は圧倒的にキブズドーツのほうが高い。
戦争をしても負けると考えたコロールの国民は国王が仕出かした馬鹿なことは、妻である王妃陛下が責任を取ることになってもしょうがないと諦めた。
そのおかげで、すんなりと王妃陛下もキブズドーツで暮らすことが認められた。
けれど、王妃陛下はキブズドーツに対して悪いことをしていないので、城内では賓客として扱われることになった。
けれど、コロール王国の国王であるシュキー様が黙っているはずもなかった。
そして、それはオーランド殿下も、私のお父様もそうだった。
*****
(視点変更)
それはミーアたちとの一件があった二日後の晩のことだ。
ほぼ裸の状態で足を氷漬けにされていたセフィラとオーランドは体調を崩していた。
体調が悪くても一緒にいたいと言うセフィラの気持ちを汲んで、オーランドの寝室のベッドで二人は寄り添って横になっていた。
「オーランド殿下、あんなことがありましたけれど、私たち幸せになれますよね」
ピンク色のネグリジェ姿のセフィラは、白いシャツに黒のパンツ姿のオーランドの胸に自分の頬を寄せた。
「う、うん。そうだね。そうだと思うんだけど、セフィラ。僕はすごく体調が悪いんだ。悪いけれど、僕に回復魔法をかけてくれないかな」
「ミーアのせいですわ。本当に信じられない。隣国に行って辛い目に遭えばいいのよ」
横になっていたセフィラはミーアへの不満を口にしながら身を起こし、オーランドに回復魔法をかけた。
「これでどうですか?」
「あんまり楽にならないな。というか、どんどん苦しくなっていくような気がする」
そう言っているうちに、どんどんオーランドの顔色は悪くなっていき、呼吸も荒くなっていく。
「オーランド様!?」
「……セフィラ、頼むよ。……浄化魔法を……かけてくれないか」
「浄化魔法ですか!? 私、あまり上手く出来ないんですけど?」
「いいから……! とにかく……頼むよ」
オーランドは横になったまま手を伸ばし、セフィラの腕を掴んだ。
「わかりました」
セフィラは眉根を寄せて頷くと、オーランドに浄化魔法をかけた。
すると、みるみるうちに彼の顔色が良くなっていく。
「ああ……。とても楽になった」
「どうして!? 呪いは解けたはずじゃないんですか!?」
オーランドは起き上がって叫ぶ。
「そうだよ! でも、完全に解けたわけじゃなかったんだ! 頼むよ、セフィラ。これからも僕に浄化魔法をかけてくれないか?」
「わかりました! お任せください!」
そう力強く答えたセフィラだったが、光の精霊の数の多さはミーアに比べたら微々たるものだ。
ミーアでさえ一日に一度、浄化魔法をかけていたのに、セフィラの浄化魔法にミーアと同じような効果があるはずがなかった。
数時間後、オーランドはまた苦しみ始めた。
のたうち回るオーランドの様子に、隣に寝ているセフィラが気付かないわけもなく、彼女はもう一度浄化魔法をかけた。
そして、また数時間ごとに同じことを繰り返した。
朝になり、医者や呪いに詳しい専門家を呼び寄せて確認したところ、呪いが解けていないのではないかということだった。
セフィラの浄化魔法では効力が弱く、2時間に一度のペースで浄化魔法をかけなければ、オーランドは苦しむことになるだろうと専門家は言った。
オーランドは情けない顔をしてセフィラに頼む。
「……セフィラ、頼むよ。僕に1時間ごとに浄化魔法をかけてくれないか」
「起きている間なら可能ですが、寝ている間は無理です! 我慢してください!」
「そんなことを言わないでおくれよ。大体、君が僕を誘惑したんだろう?」
「美しい乙女を探していると言って私に近付いてきたのはあなたじゃないですか!」
喧嘩を始めた二人を専門家や王太子の付き人、セフィラの侍女は白けた目で見ていた。
そして、そんな二人を見ていたのは彼らだけではなかった。
2匹の小さなネズミが壁の隙間からオーランドたちの様子を見つめていた。
暗い青色がかった灰色の毛を持つ小さなネズミで、オーランドたちの喧嘩が長引きそうだとわかると、顔を見合わせて、まるで笑っているかのように目を細めた。
そして、そのネズミたちはヒースにこのことを伝えるため、仲間が待っている場所に向かおうとした。
「ミーアを呼び戻そう!」
「捨てた女を呼び戻すつもりですか!?」
「しょうがないだろう! 捨てたものが惜しくなったといえば、ミーアだって喜んでくれるはずだよ」
しかし、オーランドとセフィラのやり取りを聞いたネズミたちは、足を止めて二人の話をこのまま聞き続けることにしたのだった。
「それはかまいません。ミーア嬢もそのほうが心強いと思います」
「お母様……、本当に良いのですか?」
「ミーア、あなたは何も悪くないのに国外追放されるのよ? 相手が国王陛下だから、その命令に逆らうことは出来ない。だけど、私はあなたの母親よ。あなたのために出来ることはなんでもしたいの」
お父様とお兄様は私のことを気遣う様子は一つもなかった。
だけど、お母様だけは私の味方でいてくれるのだと思うと、とても嬉しかった。
「ありがとうございます、お母様」
お母様の手を取って頷いた時だった。
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「家のことを考えるのは当主として当たり前かもしれません。ですが、家族を大事にできない人間が領民を守れるとも思えません。あなたは自分の考えが正しいと思っておられるようですし、私もそれを完全に否定はいたしません。ですから別々の道を歩みましょう。ただ、それだけです」
お母様は歩みを止めずにお父様にそう言ったあと、焦った顔をしているお兄様には悲しげに眉尻を下げる。
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「違うんです、母上! 僕は彼女がそんな人だなんて知らなかったんです! 婚約者のことはこれから大事にします!」
「これからじゃ遅いわ。正直にお話をして許しを請いなさい。許してもらえないでしょうけどね」
お母様は小さく息を吐いたあと、お兄様を優しい目で見つめる。
「誰にでも過ちはあるわ。これを機に人を見る目を養いなさい。そして、立派なテンディー家の当主になってね。どんなに離れていても、あなたが道を外さない限り、私はあなたの幸せを願っているわ」
「そんな! 母上! 考え直してください!」
「そうだぞ! 何を考えているんだ!」
お兄様とお父様はお母様に何とか考え直してもらおうと必死に説得していたけれど、お母様の意思は変わらなかった。
そのため、ヒース殿下は動物たちに指示をしてお父様たちを足止めしてくれた。
急いで馬車の乗降場に向かうと、動物たちに起こされていた御者たちやヒース殿下の側近の方たちがすでに待機してくれていた。
そのため夜遅い時間ではあったけれど、すぐにテンディー家に向けて出発することになった。
王家の所有している馬や、テンディー家の馬車の馬にはヒース殿下が話をして、夜が明けても次の日の朝を迎えるまでは絶対にこの場を動かないようにと約束させていた。
そして、王妃陛下の愛馬だけには王妃陛下が準備をして、ここにいらした時には鳥の誘導に従って走るようにとお願いしていた。
ハヤメさんが王妃陛下の愛馬をキブズドーツ王国の国王陛下が現在泊まられている宿屋に案内してくれるらしい。
こうして、私とお母様、そして王妃陛下は荷造りをしたあと、キブズドーツ国の陛下と合流し、コロール王国を出た。
キブズドーツの国王陛下であるロディ様はコロール王国が嘘の話を流す前に、今回の出来事をぼやかせるところはぼやかして、コロール王国の新聞社にお金を出して書かせた。
コロール王国側も国王陛下があんな人であっても、宰相はしっかりしているため、事実関係をキブズドーツに話すように求めてきた。
宰相との話し合いはコロール王国の王妃陛下だったエトワ様が相手をされ、エトワ様に全幅の信頼をおいていた宰相は、エトワ様の言葉を全面的に信じた。
宰相からは、さすがにぼやかしている国王陛下たちの愚行をそのまま公にするのはやめてほしいと頼まれたという。
そのため、オーランド殿下がセフィラと浮気をしていたことは表に出すけれど、オーランド殿下たちが私を殺そうとしたことや、国王陛下が私を国外追放したという話は公にしないことになった。
誰が聞いても浮気された私が国外追放される意味がわからないからだ。
婚約披露パーティーの夜に、コロール王国の国王陛下がヒース殿下に対して、キブズドーツ王国に戦争を仕掛けるような発言をしたため、王妃陛下がことを納めるために責任を取るということにされたという形に持っていった。
コロールとキブズドーツの軍事力は圧倒的にキブズドーツのほうが高い。
戦争をしても負けると考えたコロールの国民は国王が仕出かした馬鹿なことは、妻である王妃陛下が責任を取ることになってもしょうがないと諦めた。
そのおかげで、すんなりと王妃陛下もキブズドーツで暮らすことが認められた。
けれど、王妃陛下はキブズドーツに対して悪いことをしていないので、城内では賓客として扱われることになった。
けれど、コロール王国の国王であるシュキー様が黙っているはずもなかった。
そして、それはオーランド殿下も、私のお父様もそうだった。
*****
(視点変更)
それはミーアたちとの一件があった二日後の晩のことだ。
ほぼ裸の状態で足を氷漬けにされていたセフィラとオーランドは体調を崩していた。
体調が悪くても一緒にいたいと言うセフィラの気持ちを汲んで、オーランドの寝室のベッドで二人は寄り添って横になっていた。
「オーランド殿下、あんなことがありましたけれど、私たち幸せになれますよね」
ピンク色のネグリジェ姿のセフィラは、白いシャツに黒のパンツ姿のオーランドの胸に自分の頬を寄せた。
「う、うん。そうだね。そうだと思うんだけど、セフィラ。僕はすごく体調が悪いんだ。悪いけれど、僕に回復魔法をかけてくれないかな」
「ミーアのせいですわ。本当に信じられない。隣国に行って辛い目に遭えばいいのよ」
横になっていたセフィラはミーアへの不満を口にしながら身を起こし、オーランドに回復魔法をかけた。
「これでどうですか?」
「あんまり楽にならないな。というか、どんどん苦しくなっていくような気がする」
そう言っているうちに、どんどんオーランドの顔色は悪くなっていき、呼吸も荒くなっていく。
「オーランド様!?」
「……セフィラ、頼むよ。……浄化魔法を……かけてくれないか」
「浄化魔法ですか!? 私、あまり上手く出来ないんですけど?」
「いいから……! とにかく……頼むよ」
オーランドは横になったまま手を伸ばし、セフィラの腕を掴んだ。
「わかりました」
セフィラは眉根を寄せて頷くと、オーランドに浄化魔法をかけた。
すると、みるみるうちに彼の顔色が良くなっていく。
「ああ……。とても楽になった」
「どうして!? 呪いは解けたはずじゃないんですか!?」
オーランドは起き上がって叫ぶ。
「そうだよ! でも、完全に解けたわけじゃなかったんだ! 頼むよ、セフィラ。これからも僕に浄化魔法をかけてくれないか?」
「わかりました! お任せください!」
そう力強く答えたセフィラだったが、光の精霊の数の多さはミーアに比べたら微々たるものだ。
ミーアでさえ一日に一度、浄化魔法をかけていたのに、セフィラの浄化魔法にミーアと同じような効果があるはずがなかった。
数時間後、オーランドはまた苦しみ始めた。
のたうち回るオーランドの様子に、隣に寝ているセフィラが気付かないわけもなく、彼女はもう一度浄化魔法をかけた。
そして、また数時間ごとに同じことを繰り返した。
朝になり、医者や呪いに詳しい専門家を呼び寄せて確認したところ、呪いが解けていないのではないかということだった。
セフィラの浄化魔法では効力が弱く、2時間に一度のペースで浄化魔法をかけなければ、オーランドは苦しむことになるだろうと専門家は言った。
オーランドは情けない顔をしてセフィラに頼む。
「……セフィラ、頼むよ。僕に1時間ごとに浄化魔法をかけてくれないか」
「起きている間なら可能ですが、寝ている間は無理です! 我慢してください!」
「そんなことを言わないでおくれよ。大体、君が僕を誘惑したんだろう?」
「美しい乙女を探していると言って私に近付いてきたのはあなたじゃないですか!」
喧嘩を始めた二人を専門家や王太子の付き人、セフィラの侍女は白けた目で見ていた。
そして、そんな二人を見ていたのは彼らだけではなかった。
2匹の小さなネズミが壁の隙間からオーランドたちの様子を見つめていた。
暗い青色がかった灰色の毛を持つ小さなネズミで、オーランドたちの喧嘩が長引きそうだとわかると、顔を見合わせて、まるで笑っているかのように目を細めた。
そして、そのネズミたちはヒースにこのことを伝えるため、仲間が待っている場所に向かおうとした。
「ミーアを呼び戻そう!」
「捨てた女を呼び戻すつもりですか!?」
「しょうがないだろう! 捨てたものが惜しくなったといえば、ミーアだって喜んでくれるはずだよ」
しかし、オーランドとセフィラのやり取りを聞いたネズミたちは、足を止めて二人の話をこのまま聞き続けることにしたのだった。
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