9 / 36
8 集まる動物たち
しおりを挟む
「セフィラ、私は別にあなたに聞いたのではないんだけれど?」
「どうして君が返事をするんだ?」
私とヒース殿下が同時にセフィラに尋ねると、彼女はなぜか必死になって言う。
「だって、ミーアは国外追放を言い渡されるような女性じゃないの! そんな人がキブズドーツの王太子殿下に誘われるだなんておかしいわ! ミーアは苦しまないといけないのに!」
「俺が誰を誘おうが勝手だろう。それに相手が国外追放されるというのなら尚更だ。逆に、君がどうこう言うものじゃないと思うが? あと、どうして彼女が苦しまないといけないんだ?」
「ミーアが私とオーランド殿下の仲を邪魔したからです!」
「オーランドはミーア嬢の婚約者だ。自分の婚約者に近付く女性に対して邪魔をする行為を取ったとしてもおかしいことじゃないんじゃないか?」
「そ、それは……」
相手は他国であれ王太子殿下なのだから、これ以上しつこく言ってはいけないと思ったのか、セフィラはオーランド殿下に助けを求めるかのように、殿下の胸に頬を寄せた。
そんな彼女を片手で抱きしめて、オーランド殿下は叫ぶ。
「ヒース、ミーアは罪人なんだぞ! 楽にさせる必要はないだろう!」
罪人という言葉に癪に障り、私は冷たい眼差しをオーランド殿下に向けて尋ねる。
「オーランド殿下、お聞きしますが、私は何の罪になるのでしょうか?」
「え? それは、そのヒースと浮気を……」
「私がヒース殿下と浮気をしていたとおっしゃるのですね? その言葉に間違いはありませんか?」
慌てた様子のオーランド殿下に冷たく尋ねると、殿下は視線を彷徨わせたあとに小さく頷く。
「そ、そうだ」
「事実とは異なりますが、おっしゃりたいことは理解できました。では、私がそのことを否定した場合、国際問題に発展する可能性があるということは理解しておられますでしょうか?」
「どういうことなんだ? どうして国際問題に発展するだなんて……」
「オーランド殿下のおっしゃられていることは、オーランド殿下という婚約者がいる私とヒース殿下が密かに会っていたとおっしゃりたいのでしょう?」
尋ね返すと、オーランド殿下も私の言おうとしていることに気が付いたらしく、驚いたように口を大きく開けた。
同じような話をさっきもしていたはずなのに、どうして今頃気付くのかしら。
「婚約披露パーティーに来ているのに、主役と密会だなんておかしいだろ。もし、二人で話をしていたとしても何か理由があるはずだ」
ヒース殿下はそう言ってから、私に視線を送ってきた。
どうしてこちらを見てこられたのかと思ったけれど、オトシロちゃんのことを思い出す。
あの時、一緒にいるところを誰かに見られていたら誤解されている可能性もあるので、言われる前に伝えておく。
「先程、王妃陛下にはお話しましたが、ヒース殿下と私はパーティー会場の外の中庭でお会いしています。ですが、それは浮気をしているオーランド殿下とセフィラがヒース殿下の愛鳥に怪我をさせたからです。元々は二人が逢引していて、鳥を傷付けたんです 私は鳥の悲鳴で駆けつけて回復魔法をかけ、その時にヒース殿下にお会いしたのです」
「俺の鳥を助けてもらったんだから礼を言うのは当たり前だろう」
ヒース殿下はオーランド殿下とセフィラを睨みつけながら、声を一段と低くして言葉を続ける。
「思い出したら腹が立ってきた。戦争するのは国民を巻き込むのでできればしたくないが、王族だけでの戦いならいつでも受けるぞ。何なら今からやってもいいしな」
好戦的なヒース殿下にオーランド殿下は怯んだのか、首を横に振る。
「い、いや、それは」
「良かろう! では、戦おうではないか」
ここは年長者であり、ことを納めなければいけない立場である国王陛下が喧嘩を買ってしまった。
「何を考えていらっしゃるの?」
「本当にね」
思わず呟いた私の言葉に王妃陛下が呆れた顔で頷かれたあと、ヒース殿下に尋ねる。
「あなたは本気でやるつもりなのかしら?」
「馬鹿にされたままではいられません。一応、国の代表で来ていますので。ただ、国民は関係ありません。このままだと本当に国際問題になり、国と国との戦いになります。それは避けたいと思います」
「そうね。こんなバカバカしいことに国民を巻き込むなんてしてはいけないことよ」
王妃陛下は納得するように頷かれた。
王族同士だけで戦うにしても、ヒース殿下はこの場では一人だし、コロール王国側が王妃陛下を含めて三人もいる。
本当に戦うつもりなのかはわからないし、そうなった場合に役に立てるかはわからないけれど、私も参戦させてもらうことにする。
「ヒース殿下、私は国外追放の身ですので、もう公爵令嬢ではありません。私怨もありますので援護させていただいてもよろしいでしょうか」
「怪我をしないのなら」
「したとしても治せます。それに、どさくさ紛れにでも一発は殴らせていただかないと気が済みません」
「代わりに殴るが?」
「自分で殴らなければスッキリしません」
「……任せた」
「光栄ですわ」
私とヒース殿下の話がつくと同時に、国王陛下が王妃陛下を呼ぶ。
「おい、エトワ。お前はこっちに来るんだ」
「嫌ですわ」
「い、嫌だと!? 何をワガママなことを言っているんだ!」
「ワガママで済ますおつもりですか? ああ、本当に腹が立ってきましたわ」
王妃陛下は一度下を向き、大きく息を吐いてから顔を上げられた。
何かが吹っ切れたような強い決意を持った目で、王妃陛下は口を開く。
「陛下やオーランドたちの言っていることは、ミーアとヒース殿下が浮気をしていて、それをオーランドとそこにいる女性に見られた。ここまでは合っておりますわね?」
「そ、そうだ」
代表して陛下が頷く。
「見られてしまったから、ミーアたちはオーランドたちを殺そうとしたと言いたいんですわね?」
「そうです、母上!」
オーランド殿下が大きく頷くと、王妃陛下は眉を落とす。
「オーランド、あなたは私にとって可愛い子だけれど、もう一緒にいられないわ」
「ど、どういうことです!?」
「陛下、オーランドとそこの娘を結婚させるおつもりですか?」
オーランド殿下の問いかけには答えずに、王妃陛下が今度は国王陛下に質問された。
「もちろんだ。オーランドはこの娘の純血を……」
そこまで言われないと気が付かないのですか?
心の中で問いかけて、大きくため息を吐く。
同時にヒース殿下、王妃陛下、お母様も同じようにため息を吐いていた。
「あ、その、それはきっと、そうだ。浮気を見る前に、その、だな」
しどろもどろになる国王陛下を呆れた顔で王妃陛下は見つめる。
「どういうことです? 彼女の純血を奪いながら、ヒース殿下とミーアの密会を見ていたとでも?」
「う、うるさい! エトワ、細かいことは良い! 早くこっちに来るんだ!」
「嫌だと言っていますでしょう!」
王妃陛下が拒否すると、国王陛下は逆上してヒース殿下に当たり始める。
「貴様が私のエトワを誘惑したんだな!? 許せん! この糞野郎が!」
「そうだぞ、ヒース! お前のような厄介者はこの世から消えてなくなればいい!」
オーランド殿下と国王陛下が臨戦態勢をとったので、私も構えようとしたけれど、ヒース殿下に手で制される。
「どうかされましたか?」
「防御魔法を頼めるか?」
「それは、大丈夫ですが」
「彼らの後ろを見てくれ」
ヒース殿下は前を見据えたまま私に頼んでくる。
そのため、私もヒース殿下の視線の先を追うと、驚きで声が出そうになってしまった。
オーランド殿下たちの後ろには数えきれないくらい、たくさんの動物たちがいた。
小動物だけではなく、明らかに肉食動物だと思われる動物もいる。
「ど、どうやって城の敷地内に……?」
「付いていくとうるさいから、何台かの荷馬車に乗せて城に連れてきた。馬車の中で待たせていたんだが、どうやら、オトシロたちが知らせたらしい」
オトシロちゃんたちが止まっているはずの木を見ると「呼んだ?」と言わんばかりに、オトシロちゃんとメトシロちゃんが飛んできて、私の肩に止まった。
「オトシロちゃんたちが呼んできたの?」
「ピイィー!」
「ピィッ」
二匹とも、えっへんといわんばかりに胸を張った。
可愛い。
……と、そんなことを言っている場合ではないわね。
「おい! 何なんだ。どうした、エトワ。どうして笑うんだ」
動物たちが集まっていることに、私の家族は驚きで固まってしまっていたけれど、王妃陛下は優しい表情でになり、ころころと笑ってからヒース殿下に尋ねる。
「オーランドの後ろにいる可愛いのか、奇妙なのかわからない動物は何かしら?」
「カンガルーのガルオです」
「カンガルー? あまり聞いたことはないわね。息子が悪いのは確かだけれど、さすがに殺したりはしないわよね?」
「もちろんです」
ヒース殿下が王妃陛下の質問に答えたと同時に、カンガルーという二本足で立っている大きな動物はぴょんと飛び上がったかと思うと、オーランド殿下の腰辺りに前蹴りを放った。
「どうして君が返事をするんだ?」
私とヒース殿下が同時にセフィラに尋ねると、彼女はなぜか必死になって言う。
「だって、ミーアは国外追放を言い渡されるような女性じゃないの! そんな人がキブズドーツの王太子殿下に誘われるだなんておかしいわ! ミーアは苦しまないといけないのに!」
「俺が誰を誘おうが勝手だろう。それに相手が国外追放されるというのなら尚更だ。逆に、君がどうこう言うものじゃないと思うが? あと、どうして彼女が苦しまないといけないんだ?」
「ミーアが私とオーランド殿下の仲を邪魔したからです!」
「オーランドはミーア嬢の婚約者だ。自分の婚約者に近付く女性に対して邪魔をする行為を取ったとしてもおかしいことじゃないんじゃないか?」
「そ、それは……」
相手は他国であれ王太子殿下なのだから、これ以上しつこく言ってはいけないと思ったのか、セフィラはオーランド殿下に助けを求めるかのように、殿下の胸に頬を寄せた。
そんな彼女を片手で抱きしめて、オーランド殿下は叫ぶ。
「ヒース、ミーアは罪人なんだぞ! 楽にさせる必要はないだろう!」
罪人という言葉に癪に障り、私は冷たい眼差しをオーランド殿下に向けて尋ねる。
「オーランド殿下、お聞きしますが、私は何の罪になるのでしょうか?」
「え? それは、そのヒースと浮気を……」
「私がヒース殿下と浮気をしていたとおっしゃるのですね? その言葉に間違いはありませんか?」
慌てた様子のオーランド殿下に冷たく尋ねると、殿下は視線を彷徨わせたあとに小さく頷く。
「そ、そうだ」
「事実とは異なりますが、おっしゃりたいことは理解できました。では、私がそのことを否定した場合、国際問題に発展する可能性があるということは理解しておられますでしょうか?」
「どういうことなんだ? どうして国際問題に発展するだなんて……」
「オーランド殿下のおっしゃられていることは、オーランド殿下という婚約者がいる私とヒース殿下が密かに会っていたとおっしゃりたいのでしょう?」
尋ね返すと、オーランド殿下も私の言おうとしていることに気が付いたらしく、驚いたように口を大きく開けた。
同じような話をさっきもしていたはずなのに、どうして今頃気付くのかしら。
「婚約披露パーティーに来ているのに、主役と密会だなんておかしいだろ。もし、二人で話をしていたとしても何か理由があるはずだ」
ヒース殿下はそう言ってから、私に視線を送ってきた。
どうしてこちらを見てこられたのかと思ったけれど、オトシロちゃんのことを思い出す。
あの時、一緒にいるところを誰かに見られていたら誤解されている可能性もあるので、言われる前に伝えておく。
「先程、王妃陛下にはお話しましたが、ヒース殿下と私はパーティー会場の外の中庭でお会いしています。ですが、それは浮気をしているオーランド殿下とセフィラがヒース殿下の愛鳥に怪我をさせたからです。元々は二人が逢引していて、鳥を傷付けたんです 私は鳥の悲鳴で駆けつけて回復魔法をかけ、その時にヒース殿下にお会いしたのです」
「俺の鳥を助けてもらったんだから礼を言うのは当たり前だろう」
ヒース殿下はオーランド殿下とセフィラを睨みつけながら、声を一段と低くして言葉を続ける。
「思い出したら腹が立ってきた。戦争するのは国民を巻き込むのでできればしたくないが、王族だけでの戦いならいつでも受けるぞ。何なら今からやってもいいしな」
好戦的なヒース殿下にオーランド殿下は怯んだのか、首を横に振る。
「い、いや、それは」
「良かろう! では、戦おうではないか」
ここは年長者であり、ことを納めなければいけない立場である国王陛下が喧嘩を買ってしまった。
「何を考えていらっしゃるの?」
「本当にね」
思わず呟いた私の言葉に王妃陛下が呆れた顔で頷かれたあと、ヒース殿下に尋ねる。
「あなたは本気でやるつもりなのかしら?」
「馬鹿にされたままではいられません。一応、国の代表で来ていますので。ただ、国民は関係ありません。このままだと本当に国際問題になり、国と国との戦いになります。それは避けたいと思います」
「そうね。こんなバカバカしいことに国民を巻き込むなんてしてはいけないことよ」
王妃陛下は納得するように頷かれた。
王族同士だけで戦うにしても、ヒース殿下はこの場では一人だし、コロール王国側が王妃陛下を含めて三人もいる。
本当に戦うつもりなのかはわからないし、そうなった場合に役に立てるかはわからないけれど、私も参戦させてもらうことにする。
「ヒース殿下、私は国外追放の身ですので、もう公爵令嬢ではありません。私怨もありますので援護させていただいてもよろしいでしょうか」
「怪我をしないのなら」
「したとしても治せます。それに、どさくさ紛れにでも一発は殴らせていただかないと気が済みません」
「代わりに殴るが?」
「自分で殴らなければスッキリしません」
「……任せた」
「光栄ですわ」
私とヒース殿下の話がつくと同時に、国王陛下が王妃陛下を呼ぶ。
「おい、エトワ。お前はこっちに来るんだ」
「嫌ですわ」
「い、嫌だと!? 何をワガママなことを言っているんだ!」
「ワガママで済ますおつもりですか? ああ、本当に腹が立ってきましたわ」
王妃陛下は一度下を向き、大きく息を吐いてから顔を上げられた。
何かが吹っ切れたような強い決意を持った目で、王妃陛下は口を開く。
「陛下やオーランドたちの言っていることは、ミーアとヒース殿下が浮気をしていて、それをオーランドとそこにいる女性に見られた。ここまでは合っておりますわね?」
「そ、そうだ」
代表して陛下が頷く。
「見られてしまったから、ミーアたちはオーランドたちを殺そうとしたと言いたいんですわね?」
「そうです、母上!」
オーランド殿下が大きく頷くと、王妃陛下は眉を落とす。
「オーランド、あなたは私にとって可愛い子だけれど、もう一緒にいられないわ」
「ど、どういうことです!?」
「陛下、オーランドとそこの娘を結婚させるおつもりですか?」
オーランド殿下の問いかけには答えずに、王妃陛下が今度は国王陛下に質問された。
「もちろんだ。オーランドはこの娘の純血を……」
そこまで言われないと気が付かないのですか?
心の中で問いかけて、大きくため息を吐く。
同時にヒース殿下、王妃陛下、お母様も同じようにため息を吐いていた。
「あ、その、それはきっと、そうだ。浮気を見る前に、その、だな」
しどろもどろになる国王陛下を呆れた顔で王妃陛下は見つめる。
「どういうことです? 彼女の純血を奪いながら、ヒース殿下とミーアの密会を見ていたとでも?」
「う、うるさい! エトワ、細かいことは良い! 早くこっちに来るんだ!」
「嫌だと言っていますでしょう!」
王妃陛下が拒否すると、国王陛下は逆上してヒース殿下に当たり始める。
「貴様が私のエトワを誘惑したんだな!? 許せん! この糞野郎が!」
「そうだぞ、ヒース! お前のような厄介者はこの世から消えてなくなればいい!」
オーランド殿下と国王陛下が臨戦態勢をとったので、私も構えようとしたけれど、ヒース殿下に手で制される。
「どうかされましたか?」
「防御魔法を頼めるか?」
「それは、大丈夫ですが」
「彼らの後ろを見てくれ」
ヒース殿下は前を見据えたまま私に頼んでくる。
そのため、私もヒース殿下の視線の先を追うと、驚きで声が出そうになってしまった。
オーランド殿下たちの後ろには数えきれないくらい、たくさんの動物たちがいた。
小動物だけではなく、明らかに肉食動物だと思われる動物もいる。
「ど、どうやって城の敷地内に……?」
「付いていくとうるさいから、何台かの荷馬車に乗せて城に連れてきた。馬車の中で待たせていたんだが、どうやら、オトシロたちが知らせたらしい」
オトシロちゃんたちが止まっているはずの木を見ると「呼んだ?」と言わんばかりに、オトシロちゃんとメトシロちゃんが飛んできて、私の肩に止まった。
「オトシロちゃんたちが呼んできたの?」
「ピイィー!」
「ピィッ」
二匹とも、えっへんといわんばかりに胸を張った。
可愛い。
……と、そんなことを言っている場合ではないわね。
「おい! 何なんだ。どうした、エトワ。どうして笑うんだ」
動物たちが集まっていることに、私の家族は驚きで固まってしまっていたけれど、王妃陛下は優しい表情でになり、ころころと笑ってからヒース殿下に尋ねる。
「オーランドの後ろにいる可愛いのか、奇妙なのかわからない動物は何かしら?」
「カンガルーのガルオです」
「カンガルー? あまり聞いたことはないわね。息子が悪いのは確かだけれど、さすがに殺したりはしないわよね?」
「もちろんです」
ヒース殿下が王妃陛下の質問に答えたと同時に、カンガルーという二本足で立っている大きな動物はぴょんと飛び上がったかと思うと、オーランド殿下の腰辺りに前蹴りを放った。
24
お気に入りに追加
3,202
あなたにおすすめの小説
婚約者が病弱な妹に恋をしたので、私は家を出ます。どうか、探さないでください。
待鳥園子
恋愛
婚約者が病弱な妹を見掛けて一目惚れし、私と婚約者を交換できないかと両親に聞いたらしい。
妹は清楚で可愛くて、しかも性格も良くて素直で可愛い。私が男でも、私よりもあの子が良いと、きっと思ってしまうはず。
……これは、二人は悪くない。仕方ないこと。
けど、二人の邪魔者になるくらいなら、私が家出します!
自覚のない純粋培養貴族令嬢が腹黒策士な護衛騎士に囚われて何があっても抜け出せないほどに溺愛される話。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
今さら後悔しても知りません 婚約者は浮気相手に夢中なようなので消えてさしあげます
神崎 ルナ
恋愛
旧題:長年の婚約者は政略結婚の私より、恋愛結婚をしたい相手がいるようなので、消えてあげようと思います。
【奨励賞頂きましたっ( ゚Д゚) ありがとうございます(人''▽`)】 コッペリア・マドルーク公爵令嬢は、王太子アレンの婚約者として良好な関係を維持してきたと思っていた。
だが、ある時アレンとマリアの会話を聞いてしまう。
「あんな堅苦しい女性は苦手だ。もし許されるのであれば、君を王太子妃にしたかった」
マリア・ダグラス男爵令嬢は下級貴族であり、王太子と婚約などできるはずもない。
(そう。そんなに彼女が良かったの)
長年に渡る王太子妃教育を耐えてきた彼女がそう決意を固めるのも早かった。
何故なら、彼らは将来自分達の子を王に据え、更にはコッペリアに公務を押し付け、自分達だけ遊び惚けていようとしているようだったから。
(私は都合のいい道具なの?)
絶望したコッペリアは毒薬を入手しようと、お忍びでとある店を探す。
侍女達が話していたのはここだろうか?
店に入ると老婆が迎えてくれ、コッペリアに何が入用か、と尋ねてきた。
コッペリアが正直に全て話すと、
「今のあんたにぴったりの物がある」
渡されたのは、小瓶に入った液状の薬。
「体を休める薬だよ。ん? 毒じゃないのかって? まあ、似たようなものだね。これを飲んだらあんたは眠る。ただし」
そこで老婆は言葉を切った。
「目覚めるには条件がある。それを満たすのは並大抵のことじゃ出来ないよ。下手をすれば永遠に眠ることになる。それでもいいのかい?」
コッペリアは深く頷いた。
薬を飲んだコッペリアは眠りについた。
そして――。
アレン王子と向かい合うコッペリア(?)がいた。
「は? 書類の整理を手伝え? お断り致しますわ」
※お読み頂きありがとうございます(人''▽`) hotランキング、全ての小説、恋愛小説ランキングにて1位をいただきました( ゚Д゚)
(2023.2.3)
ありがとうございますっm(__)m ジャンピング土下座×1000000
※お読みくださり有難うございました(人''▽`) 完結しました(^▽^)
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます
冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。
そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。
しかも相手は妹のレナ。
最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。
夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。
最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。
それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。
「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」
確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。
言われるがままに、隣国へ向かった私。
その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。
ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。
※ざまぁパートは第16話〜です
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる