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番外編や後日譚
夫婦の危機?
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それは、ルーラス様が公務で他国の王族と会った日の夜の出来事でした。
寝室にやって来たルーラス様は、どこか浮かない顔をしています。
「体調が悪いのですか?」
読んでいた本を閉じて駆け寄ると、ルーラス様は眉尻を下げました。
「体調というか……、リルーリア、悪いんだが、俺に魔法がかけられていないか調べてくれないか。というか、無効化魔法をかけてほしい」
「何かあったのですか?」
毒などの状態異常の魔法はルーラス様には効かないはずです。
それなのに、そんなことを言うだなんてよっぽどのことですので、慌ててルーラス様の手を握ると、一瞬にしてルーラス様の表情が明るくなりました。
「ありがとう」
「やっぱり、魔法がかけられていたのですね」
「ああ。普通なら対応できるはずなんだが、向こうも王族だから効力が強いんだろうな」
「一体、どんな魔法をかけられたのでしょうか」
王族が他国の王族に魔法をかけるだなんてありえないことです。
手を引いて、ベッドに寝かせると、ルーラス様は私を抱き枕のように抱きしめて話し始めます。
「魅了魔法だ」
「魅了魔法? ということは、先程までのルーラス様は他の女性のことを好きだったということですか!?」
「うう。そう言われると辛いが、そういうことなんだろう。でも、リルのことも好きだったんだ」
「二股をかけていたのですね!」
「間違ってないから言い返せない」
「冗談ですよ、ルーラス様。魅了魔法がかかっているのに、私のことも好きだなんて、ルーラス様はとても意思の強い方です」
「そうかな」
「そうです!」
それにしても、ルーラス様は女性にモテモテですね。
まったく、男性にモテたことのない私には羨ましいような、そうでもないような。
ですが、妻としては芳しくない事態です!
「魔法をかけた相手はわかるのですよね」
「かけた相手なのかはわからないが、俺が好きになろうとしていた相手は誰だかわかる」
「それはどういう意味でしょう」
「家族で来ていたから、魔法をかけたのは、その中の誰かかもしれない」
「ということは、家族全員がルーラス様とその王女様の恋を応援している可能性があるということですか」
「リルがいる限り、完全に魅了されることはないんだけどな」
「その方たちとは明日も会うのですか?」
「会議に参加するから、その時に会うと思う」
明日は迎賓館近くの宿屋で国際会議が開かれることになっていて、ルーラス様は王太子殿下と一緒に参加すると聞いています。
「では、私も一緒に行きます! 夫が危ないというのに妻が何もしないわけにはいきません! 安心してくださいね、ルーラス様! 私がルーラス様の騎士にっ」
笑顔で振り返ったところ、私の口がルーラス様のそれで塞がれてしまったため、言葉を発することができなくなりました。
唇が離れたところで文句を言います。
「る、ルーラス様っ! 苦しいです! いきなり、どうしたんですか!?」
「数時間だけど、リルが頭の中から消えそうになってたんだ。次にそうならないように、リルでいっぱいにしてもいいか?」
私の上に覆いかぶさり、にこりと笑ったルーラス様の目は獲物を狙う狼のような目です。
「お、おやすみなさいぃ」
ルーラス様が夜に子供にならなくなってから、夫婦の営みをしたことがないわけではありません。
ですが、今日のルーラス様は野獣のように感じるので、体力が持つ気がしません。
胸の上に両手を置いて、目を閉じました。
眠ったふりです!
「おい、リル! 寝てないのはわかってるからな! おい、リル、目を開けろって!」
そう言いつつも、私に何もしてこないのは、ルーラス様の優しさなのでしょうか。
それとも。
旦那様をへたれ、だなんて言ったら、妻失格ですかね。
ーーーーーーーーーーーーーー
大変、ご無沙汰しております!
こちらの作品ですが、タイトルを少し変更して、レジーナブックス様より7月末に書籍が刊行されることになりました!
書籍のほうでは誤字脱字の修正もそうですが、編集者様や校正担当の方からのご指導をいただき、色々と書き直して読みやすいものとなっております。
レジーナブックス様のサイトで書影も公開されておりますので、よろしければ見てみてくださいませ。
リルーリアや子供ルーラスは可愛いですし、大人ルーラスはかなりのイケメンです!(中身は私の中では恋愛面でへたれ)
表紙もそうですが、挿絵も本当に美麗ですので手にとっていただけますと幸いです。
寝室にやって来たルーラス様は、どこか浮かない顔をしています。
「体調が悪いのですか?」
読んでいた本を閉じて駆け寄ると、ルーラス様は眉尻を下げました。
「体調というか……、リルーリア、悪いんだが、俺に魔法がかけられていないか調べてくれないか。というか、無効化魔法をかけてほしい」
「何かあったのですか?」
毒などの状態異常の魔法はルーラス様には効かないはずです。
それなのに、そんなことを言うだなんてよっぽどのことですので、慌ててルーラス様の手を握ると、一瞬にしてルーラス様の表情が明るくなりました。
「ありがとう」
「やっぱり、魔法がかけられていたのですね」
「ああ。普通なら対応できるはずなんだが、向こうも王族だから効力が強いんだろうな」
「一体、どんな魔法をかけられたのでしょうか」
王族が他国の王族に魔法をかけるだなんてありえないことです。
手を引いて、ベッドに寝かせると、ルーラス様は私を抱き枕のように抱きしめて話し始めます。
「魅了魔法だ」
「魅了魔法? ということは、先程までのルーラス様は他の女性のことを好きだったということですか!?」
「うう。そう言われると辛いが、そういうことなんだろう。でも、リルのことも好きだったんだ」
「二股をかけていたのですね!」
「間違ってないから言い返せない」
「冗談ですよ、ルーラス様。魅了魔法がかかっているのに、私のことも好きだなんて、ルーラス様はとても意思の強い方です」
「そうかな」
「そうです!」
それにしても、ルーラス様は女性にモテモテですね。
まったく、男性にモテたことのない私には羨ましいような、そうでもないような。
ですが、妻としては芳しくない事態です!
「魔法をかけた相手はわかるのですよね」
「かけた相手なのかはわからないが、俺が好きになろうとしていた相手は誰だかわかる」
「それはどういう意味でしょう」
「家族で来ていたから、魔法をかけたのは、その中の誰かかもしれない」
「ということは、家族全員がルーラス様とその王女様の恋を応援している可能性があるということですか」
「リルがいる限り、完全に魅了されることはないんだけどな」
「その方たちとは明日も会うのですか?」
「会議に参加するから、その時に会うと思う」
明日は迎賓館近くの宿屋で国際会議が開かれることになっていて、ルーラス様は王太子殿下と一緒に参加すると聞いています。
「では、私も一緒に行きます! 夫が危ないというのに妻が何もしないわけにはいきません! 安心してくださいね、ルーラス様! 私がルーラス様の騎士にっ」
笑顔で振り返ったところ、私の口がルーラス様のそれで塞がれてしまったため、言葉を発することができなくなりました。
唇が離れたところで文句を言います。
「る、ルーラス様っ! 苦しいです! いきなり、どうしたんですか!?」
「数時間だけど、リルが頭の中から消えそうになってたんだ。次にそうならないように、リルでいっぱいにしてもいいか?」
私の上に覆いかぶさり、にこりと笑ったルーラス様の目は獲物を狙う狼のような目です。
「お、おやすみなさいぃ」
ルーラス様が夜に子供にならなくなってから、夫婦の営みをしたことがないわけではありません。
ですが、今日のルーラス様は野獣のように感じるので、体力が持つ気がしません。
胸の上に両手を置いて、目を閉じました。
眠ったふりです!
「おい、リル! 寝てないのはわかってるからな! おい、リル、目を開けろって!」
そう言いつつも、私に何もしてこないのは、ルーラス様の優しさなのでしょうか。
それとも。
旦那様をへたれ、だなんて言ったら、妻失格ですかね。
ーーーーーーーーーーーーーー
大変、ご無沙汰しております!
こちらの作品ですが、タイトルを少し変更して、レジーナブックス様より7月末に書籍が刊行されることになりました!
書籍のほうでは誤字脱字の修正もそうですが、編集者様や校正担当の方からのご指導をいただき、色々と書き直して読みやすいものとなっております。
レジーナブックス様のサイトで書影も公開されておりますので、よろしければ見てみてくださいませ。
リルーリアや子供ルーラスは可愛いですし、大人ルーラスはかなりのイケメンです!(中身は私の中では恋愛面でへたれ)
表紙もそうですが、挿絵も本当に美麗ですので手にとっていただけますと幸いです。
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