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27.5 現実での出来事③(トワナ視点)
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本来なら、友人たちの前でリネを紹介して、こんなに冴えない子が妹なんだと憐れんでもらうつもりだった。
それなのに、リネの姿は見えなかったので、残念だけれど、友人たちには帰ってもらうことになった。
談話室に移動して、浮かない顔をしていたお父様たちに、今日の出来事を話してもらうと、信じられないことを言われてしまった。
「リネが帰るのを拒否した? しかも、リネとエディ様の婚約披露パーティーに来いですって?」
「そう言っていたよ」
「どうして私がそんなところに行かないといけないのですか!?」
「でも、リネと会うにはもうそうするしかないのよ」
向かい側のソファーに座っているお母様は、大きく息を吐いた。
「どうしてなんですか!? リネは私の妹なんでしょう!? それにお母様たちは本当の両親じゃないですか! それなのに連れて帰れないなんておかしいです!」
「トワナ、力不足で済まない。だが、もうリネのことは忘れたほうがいいんじゃないか?」
「どういうことですか?」
驚いてお父様に聞き返した。
今までなら、私の願いが叶うまで努力してくれていたはずなのにどうしてなの?
「いや、ニーソン公爵家から帰る馬車の中で話をしていたんだが、リネとエディ様が結婚するのなら、リネの機嫌を取っておいたほうが良いのではないかと思ってな」
「何ですって!? お父様もお母様も正気なんですか!?」
私は勢い良く立ち上がり、お父様たちに向かって叫んだ。
「トワナ、少し落ち着いてちょうだい? リネと仲直りすれば、私たちはニーソン公爵家の恩恵を受けられるのよ?」
「……どういうことでしょうか?」
不服ながらもソファーに座り、お母様に聞き返した。
すると、お母様は笑顔で話をしてくれる。
「うちもそう裕福ではないから、支援をしてもらおうと思っているのよ」
「裕福ではない?」
「ええ、そうよ。トワナの欲しいものは何でも買ってあげたいわ。だけど、さすがにお金が尽きてきているのよ」
「リネの学費はニーソン公爵家が払ってくれるようだから、その分は浮いたんだが、トワナの新しいドレスを買ってやったら、すぐに消えてしまう」
お父様もお母様も笑っているけれど、笑うところがどこなのかわからない。
あんなにも散財しておいて、お金がないですって!?
「ニーソン公爵家に支援してもらわなければならないほどに困っているのですか!?」
「まだ何とかなるから安心しなさい。だが、これからも今の状態を続けていきたいなら、リネに取り入って金を工面してもらおう。反省したふりをしておけば、リネは許してくれるだろう」
お父様は呑気そうに言う。
リネからお金を取り上げるだけなら良いけれど、ニーソン公爵家からお金をもらうのなら、私の将来の取り分が減るだけじゃない!
そんなの意味がないわ!
「駄目ですわ、お父様。私はエディ様の妻になるんです。ですから、ニーソン公爵家にお金の工面をしてもらおうとするのはやめてください」
「でも、パーティーに出席する時のドレスはどうするつもりなの?」
お母様に尋ねられて、少しだけ考える。
パートナーになってくれる男性を見つけて、その男性に買ってもらえばいいわ。
だけど、そうなると少しでも早く、相手を見つけないと、ドレスの仕上がりがパーティーに間に合わなくなる恐れがある。
「お父様、お母様、必ず婚約披露パーティーでエディ様を落としてみせます! ただ、パートナーがいないと私は出席したくありません!」
一人で出席する人もいるけれど、私はそんなことは絶対に嫌だわ。
男性にエスコートしてもらわないと、恥ずかしくてパーティーになんて行けないわ。
ドレスの問題だってあるしね。
「わかった。パートナーになってくれる人を探そう」
「私も知り合いに声を掛けてみるわ」
「ありがとうございます、お父様、お母様」
この時の私は、パートナーなんてすぐに見つかるものだと思っていた。
それなのに、中々見つからなかった。
どうしてかはわからない。
私のパートナーになれるなんて、絶対に喜ばしいことなのに、みんな、お断りの連絡を入れてくる。
「どうして、こんなことになるのよ!」
何通目かわからない、お断りの手紙を握りしめて叫んだ。
これは悪い夢だわ!
こんなことが絶対に現実で起こるはずがないもの!
それなのに、リネの姿は見えなかったので、残念だけれど、友人たちには帰ってもらうことになった。
談話室に移動して、浮かない顔をしていたお父様たちに、今日の出来事を話してもらうと、信じられないことを言われてしまった。
「リネが帰るのを拒否した? しかも、リネとエディ様の婚約披露パーティーに来いですって?」
「そう言っていたよ」
「どうして私がそんなところに行かないといけないのですか!?」
「でも、リネと会うにはもうそうするしかないのよ」
向かい側のソファーに座っているお母様は、大きく息を吐いた。
「どうしてなんですか!? リネは私の妹なんでしょう!? それにお母様たちは本当の両親じゃないですか! それなのに連れて帰れないなんておかしいです!」
「トワナ、力不足で済まない。だが、もうリネのことは忘れたほうがいいんじゃないか?」
「どういうことですか?」
驚いてお父様に聞き返した。
今までなら、私の願いが叶うまで努力してくれていたはずなのにどうしてなの?
「いや、ニーソン公爵家から帰る馬車の中で話をしていたんだが、リネとエディ様が結婚するのなら、リネの機嫌を取っておいたほうが良いのではないかと思ってな」
「何ですって!? お父様もお母様も正気なんですか!?」
私は勢い良く立ち上がり、お父様たちに向かって叫んだ。
「トワナ、少し落ち着いてちょうだい? リネと仲直りすれば、私たちはニーソン公爵家の恩恵を受けられるのよ?」
「……どういうことでしょうか?」
不服ながらもソファーに座り、お母様に聞き返した。
すると、お母様は笑顔で話をしてくれる。
「うちもそう裕福ではないから、支援をしてもらおうと思っているのよ」
「裕福ではない?」
「ええ、そうよ。トワナの欲しいものは何でも買ってあげたいわ。だけど、さすがにお金が尽きてきているのよ」
「リネの学費はニーソン公爵家が払ってくれるようだから、その分は浮いたんだが、トワナの新しいドレスを買ってやったら、すぐに消えてしまう」
お父様もお母様も笑っているけれど、笑うところがどこなのかわからない。
あんなにも散財しておいて、お金がないですって!?
「ニーソン公爵家に支援してもらわなければならないほどに困っているのですか!?」
「まだ何とかなるから安心しなさい。だが、これからも今の状態を続けていきたいなら、リネに取り入って金を工面してもらおう。反省したふりをしておけば、リネは許してくれるだろう」
お父様は呑気そうに言う。
リネからお金を取り上げるだけなら良いけれど、ニーソン公爵家からお金をもらうのなら、私の将来の取り分が減るだけじゃない!
そんなの意味がないわ!
「駄目ですわ、お父様。私はエディ様の妻になるんです。ですから、ニーソン公爵家にお金の工面をしてもらおうとするのはやめてください」
「でも、パーティーに出席する時のドレスはどうするつもりなの?」
お母様に尋ねられて、少しだけ考える。
パートナーになってくれる男性を見つけて、その男性に買ってもらえばいいわ。
だけど、そうなると少しでも早く、相手を見つけないと、ドレスの仕上がりがパーティーに間に合わなくなる恐れがある。
「お父様、お母様、必ず婚約披露パーティーでエディ様を落としてみせます! ただ、パートナーがいないと私は出席したくありません!」
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ドレスの問題だってあるしね。
「わかった。パートナーになってくれる人を探そう」
「私も知り合いに声を掛けてみるわ」
「ありがとうございます、お父様、お母様」
この時の私は、パートナーなんてすぐに見つかるものだと思っていた。
それなのに、中々見つからなかった。
どうしてかはわからない。
私のパートナーになれるなんて、絶対に喜ばしいことなのに、みんな、お断りの連絡を入れてくる。
「どうして、こんなことになるのよ!」
何通目かわからない、お断りの手紙を握りしめて叫んだ。
これは悪い夢だわ!
こんなことが絶対に現実で起こるはずがないもの!
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