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47 誕生日の夜①
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彼の表情を見てみると、今までに見たことがないくらいに冷たい目をしてロバートを見ていた。
「アイリス! 目を覚ましてくれ! かっ、彼は罪のない人間を脅すような人だぞ!?」
「何を言ってるのよ! あなたは私にもリアムにも招待されていないじゃない! なのに、ここにいるっていうことは、あなたは不法侵入してるのよ!だから、あなたが犯罪者じゃないの!」
「アイリスの言う通りだ。まずは、不法侵入の罪で君を捕まえよう。だけど、俺の妻に手を出そうとしたんだから、それで済むと思うなよ?」
リアムはそう言ったあと、屋敷の方に顔を向けた。
それを合図に、騎士が数人、屋敷のほうから、こちらへ向かって走ってくるのが見えた。
「うわああああ」
それを見たロバートは、情けない声を上げて、騎士から逃れようと走って逃げたけれど、すぐに取り押さえられて連行されていった。
「アイリス、大丈夫!? 私が1人にしてしまったから! 本当にごめんなさい!」
サマンサが近寄ってくると、リアムは私から身体をはなし、彼女のほうに背中を優しく押してくれた。
「サマンサは悪くないわ! それに、サマンサがリアムを呼びに行ってくれたんでしょう?」
「ええ。お水を持って戻ったら、ロバートがいるんだもの! ロバートの噂は最近良いことを聞かなかったし、私が助けに入っても力で負けてしまうかもしれないから呼びに戻ったほうが良いと思ったの」
サマンサはそう言ったあと、ロバートの家に関する話をしてくれた。
私が知らなかっただけで、デヴァイス家は社交界で爪弾きにされていたらしい。
ノマド家に関しては、世間から冷たい目で見られていたけれど、それを気にするタイプでもないし、私が公爵家に嫁いだということで、全く相手にされていなかったわけではないらしい。
現在のデヴァイス家は信用をなくし、没落寸前であり、彼の両親は没落をふせぐために、彼を廃嫡し、家からも追い出したのだそう。
その話を聞いてから、どうして、ロバートが敷地内にいたかという話を、サマンサとリアムに話した。
「どちらが言い出したのかわからないけど、ロバートはロバートだし、あなたの家族も元婚約者をプレゼントにしようだなんて、頭がおかしいんじゃないの?」
「サマンサ嬢の言う通りだと僕も思う」
リアムは頷いたあと、私とサマンサに向かって言葉を続ける。
「とりあえず中に入ろうか。話すなら中で座ってゆっくり話せばいい」
パーティー会場に戻って椅子に座り、飲み物を飲もうとしてグラスを手に取った時、私は自分の身体が震えている事に気が付いた。
これで……、終わったのよね?
家族を罰したりすることは出来なかったけれど、ロバートはこれに懲りてくれるわよね?
きっと、すぐに出てこれない、もしくは出てきても、リアムが絶対に何とかしてくれる。
もちろん、私だって危機感を持って動くわ。
とにかく、どうなるかは、明日にリアムに改めて聞いてみよう。
リアムが気遣ってくれたおかげで、パーティーは予定より早くに終わったけれど、夜遅くまでサマンサと話をしていたせいで、自分の部屋に戻る頃には、日付けが変わる少し前になってしまった。
部屋に戻る途中、リアムの部屋の前を通ると、まだ明かりがついていたので、ノックして声を掛けると、部屋に入る様に促してくれた。
「眠れないの?」
「違うんです。サマンサと話をしていて」
「そうか、気持ちは少しは楽になった?」
「……はい」
頷くと、リアムは悲しそうな顔をする。
「警備が甘くてごめん。せっかくの誕生日だったのに嫌な思いをさせてしまった」
「謝らないで下さい! 大体、悪いのは私の元家族です。あんな風に連れてくるだなんて思ってもみません!」
座っていた椅子から立ち上がって謝ってくれたリアムに、慌てて首を横に振って言う。
すると、リアムは私に近付いてきて、ソファーに座らせると、いつもなら、向かい側に座るのに、隣に座った。
「アイリス! 目を覚ましてくれ! かっ、彼は罪のない人間を脅すような人だぞ!?」
「何を言ってるのよ! あなたは私にもリアムにも招待されていないじゃない! なのに、ここにいるっていうことは、あなたは不法侵入してるのよ!だから、あなたが犯罪者じゃないの!」
「アイリスの言う通りだ。まずは、不法侵入の罪で君を捕まえよう。だけど、俺の妻に手を出そうとしたんだから、それで済むと思うなよ?」
リアムはそう言ったあと、屋敷の方に顔を向けた。
それを合図に、騎士が数人、屋敷のほうから、こちらへ向かって走ってくるのが見えた。
「うわああああ」
それを見たロバートは、情けない声を上げて、騎士から逃れようと走って逃げたけれど、すぐに取り押さえられて連行されていった。
「アイリス、大丈夫!? 私が1人にしてしまったから! 本当にごめんなさい!」
サマンサが近寄ってくると、リアムは私から身体をはなし、彼女のほうに背中を優しく押してくれた。
「サマンサは悪くないわ! それに、サマンサがリアムを呼びに行ってくれたんでしょう?」
「ええ。お水を持って戻ったら、ロバートがいるんだもの! ロバートの噂は最近良いことを聞かなかったし、私が助けに入っても力で負けてしまうかもしれないから呼びに戻ったほうが良いと思ったの」
サマンサはそう言ったあと、ロバートの家に関する話をしてくれた。
私が知らなかっただけで、デヴァイス家は社交界で爪弾きにされていたらしい。
ノマド家に関しては、世間から冷たい目で見られていたけれど、それを気にするタイプでもないし、私が公爵家に嫁いだということで、全く相手にされていなかったわけではないらしい。
現在のデヴァイス家は信用をなくし、没落寸前であり、彼の両親は没落をふせぐために、彼を廃嫡し、家からも追い出したのだそう。
その話を聞いてから、どうして、ロバートが敷地内にいたかという話を、サマンサとリアムに話した。
「どちらが言い出したのかわからないけど、ロバートはロバートだし、あなたの家族も元婚約者をプレゼントにしようだなんて、頭がおかしいんじゃないの?」
「サマンサ嬢の言う通りだと僕も思う」
リアムは頷いたあと、私とサマンサに向かって言葉を続ける。
「とりあえず中に入ろうか。話すなら中で座ってゆっくり話せばいい」
パーティー会場に戻って椅子に座り、飲み物を飲もうとしてグラスを手に取った時、私は自分の身体が震えている事に気が付いた。
これで……、終わったのよね?
家族を罰したりすることは出来なかったけれど、ロバートはこれに懲りてくれるわよね?
きっと、すぐに出てこれない、もしくは出てきても、リアムが絶対に何とかしてくれる。
もちろん、私だって危機感を持って動くわ。
とにかく、どうなるかは、明日にリアムに改めて聞いてみよう。
リアムが気遣ってくれたおかげで、パーティーは予定より早くに終わったけれど、夜遅くまでサマンサと話をしていたせいで、自分の部屋に戻る頃には、日付けが変わる少し前になってしまった。
部屋に戻る途中、リアムの部屋の前を通ると、まだ明かりがついていたので、ノックして声を掛けると、部屋に入る様に促してくれた。
「眠れないの?」
「違うんです。サマンサと話をしていて」
「そうか、気持ちは少しは楽になった?」
「……はい」
頷くと、リアムは悲しそうな顔をする。
「警備が甘くてごめん。せっかくの誕生日だったのに嫌な思いをさせてしまった」
「謝らないで下さい! 大体、悪いのは私の元家族です。あんな風に連れてくるだなんて思ってもみません!」
座っていた椅子から立ち上がって謝ってくれたリアムに、慌てて首を横に振って言う。
すると、リアムは私に近付いてきて、ソファーに座らせると、いつもなら、向かい側に座るのに、隣に座った。
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