13 / 34
13 初夜をやり直さないか? 絶対にありえない
しおりを挟む
その後、お父様も交えて話をして、今後の事を話し合った。
ちなみにミゲルは、外へ追い出してから、無実の証明ができるまで、家には入れない事を決めた。
諦めて離婚届にサインをしてくれれば、それはそれで、家に入れなくて良くなるので、彼は、この家にもう二度と足を踏み入れる事はないかもしれない。
夕方になって、ミゲルが帰ってきたので、家の中には入れずに、その事を告げると、彼は何やらわめいていたけれど、無視して扉を閉めた。
ピノは現在、勾留中なので、ミゲルが面会して、彼女を上手く言いくるめられたとしても、彼女が出てこない限り、無実の証明など出来やしないだろうから、彼の部屋に置かれてある荷物は、ドーウッド家に送り返す事に決めた。
何より、ミゲルは無実ではないし。
実家にいる私が、実家に帰らせてもらいます!
は、出来ないから、彼に実家に帰ってもらう事にしたというわけだ。
荷物を送る事により、ドーウッド家から苦情が来るかもしれないので、荷物の送り主はザック様の名前で送る事になった。
だから、私の家に苦情が来ても、ザック様にお伝えしておきます、と言うだけにするつもりだ。
あと、離婚調停を申し立てる事にしたので、その書類も送った。
そして、それだけではなく、他にもやらなければいけない事がある。
この国の離婚調停は、第三者が介入するといっても、貴族が介入する為、今の段階では、何を言ってもミゲルの方が正しいと感じてしまう人が多いので、その印象を覆さないといけない。
事例を読んでみると、どんな案件であろうとも、女性が泣き寝入りするパターンが多くなっている。
彼が実際は嫌な奴で、嘘を平気で言える人間だということを知らしめて、彼の信用度を他の貴族が文句を言えなくなるくらい、落とさないといけない。
この世界は女性への考え方が、昔の日本と似ている気もする。
女性が何か言い出せば、女性のくせに出しゃばって…となるのだ。
年配の男性で、そんな考え方の人はまだいたけど。
あと残された問題は、頭ではわかっていても、貴族教育なんてされていない私の精神状態だ。
ルキアはまだしも、私は淑女とは程遠い中身の人間。
瞬間湯沸かし器の性格をどうにかしなければいけなくなった。
罵声を浴びせられたり、嫌味を言われると、今までの私は、その場で言い返していた。
そうでもしないと、また同じ事を繰り返されるからだ。
例えば、私が目の前にいるのに私に直接言わずに、他の人に対して私に聞こえる様に私の悪口を言う場合は「言いたい事があるなら、直接どうぞ」と言ってしまうタイプだったのだけど、貴族社会では駄目だと言われてしまった。
もちろん、相手が格下の場合はまだ許されるかもしれないけれど、この国の淑女は、感情を揺さぶられる事なく、笑顔で対応しなければいけないらしい。
無理だわ。
顔に出てしまう。
だけど、女伯爵になるのなら、もっと辛い試練が待っているはず。
始める前から諦めるのはやめよう。
そう気持ちを切り替えた。
「妹が、社交場で聞いた事のある悪口を書き連ねてくれた。本人は言われた事はないそうだが、お茶会などで、本人に言ったり、その場にいない人の事を悪く言っている時の会話だそうだ」
ミゲルを追い出した数日後、訪ねてきてくれたザック様が、1冊のノートを手渡してくれた。
ページをめくってみると、可愛らしいものもあれば、腸が煮えくり返ってしまいそうな悪口が色々と書かれていた。
「こ、これは…」
「女性達は笑顔の裏でこんな事を考えていたんだな…」
ザック様が感情のない声で言うので苦笑して答える。
「全ての女性がそうではないと思いますよ」
「…そうか、そうだよな。それに男性にだってありえる事だから、女性と限定した言い方もいけないな。僕も気を付けないと」
「それにしても、ブスだとか、気持ち悪いだとか、令嬢が言うものなんですね…」
「言うんだろうな。令息だって言うしな」
「我慢できるかな…」
「我慢するんだ」
きっぱりと言われてしまい、頭を抱える。
この世界では、公爵令息は、本当に格上の存在だというのに、ザック様に対して緊張もせずに、呑気に話をしている時点でも良くない。
緊張感を持たなくては。
「今日、ここに来た理由の一つはそれだが、もう一つ渡したいものがあるんだ」
「何でしょうか」
ザック様は連れてきていた側近の人から、封筒を受け取り、私に差し出してきた。
「君の事情を話したところ、母上が力になりたいと言ってる。お茶会を主催するから、ぜひ来てくれと」
「いきなり、公爵家主催のお茶会だなんて、ハードルが高くないですか!?」
「味方が少ないんだから、まずは味方を作りに行くべきだ。それに主催者は母だし、トラブルを起こしても上手く対処してくれる」
「トラブルを起こす前提なんですか…」
「今のルキア嬢に関してはそうかな」
笑みを浮かべて答えられてしまった。
「とにかく、下は向かずに笑顔でいきます」
「そうだな。今の君なら大丈夫だろう。そういえば、ミゲルからは何も言ってこないのか?」
「今は彼は実家に戻っていますが、毎日の様にこの家に訪ねてきてます。門前払いをしていますけどね」
「そうか。じゃあ、世間には結婚初日に夫に裏切られた可哀想な女性で、反省しない夫に離婚を求めたけど、受け入れてもらえないから追い出したら、毎日訪ねてきて迷惑だという事にしようか。友人達に、その話を流すように伝えるよ。友人達からそれぞれの夫人に話してもらったら、そこから噂は一気に流れるだろうし、女性の多くは君に同情するだろう」
「ミゲルの方は、どう出てくるでしょうか」
私が彼の名前を口にしたと同時、屋敷の外から、ミゲルのの声が聞こえてきた。
「ルキア! 君の夫が来たよ! いいかげん、機嫌を直してくれないか? 僕は空気を読まない人間なんだ。君が困っていても気にしないよ!」
「………」
ミゲルの発言に、私とザック様は顔を見合わせた。
ザック様の後ろに立っている側近の人も驚いた顔をしている。
「彼、正気か…?」
「結婚後に正気な所を見たことがないのでわかりません。でも、このまま、好き勝手やってくれると、彼のメッキがはがれて良いです」
学園時代の彼は、ひたすら外面が良かった。
けれど、今は違う。
なぜなら、彼がまだ、ルキアと私をバカにしてるから、あんな事を言えるのだ。
「ザック様。淑女になれているか確認してもらえます? 少し、お話をしてきますので」
「わかった」
1人では危ないという事で、騎士にも一緒に来てもらい、家の外に出て、ポーチで話をする事にした。
ザック様は扉の向こうで聞いてくれている。
「あなた、自分が何を言ってるかわかってるの?」
腰に手を当てて尋ねると、ミゲルは私を見て、動きを止めた。
「ちょっと、聞いてるの?」
苛立ってはいけないと思いながら、笑顔を作って尋ねると、ミゲルは我に返った様に、私から視線をそらして言う。
「君は、会う度に印象が変わるね」
「はい?」
「今日は着ている服が違う」
「毎日、同じ服を着てるわけじゃないから」
「いや、その、ドレス、似合っているよ」
「はあ…。ありがとうございます」
こいつは何を言っているの?
ああ、淑女は、こいつとは言わない。
余裕のスマイルで!
ミゲルは実験台。
ミゲルにキレていたら、お茶会でもキレてしまうに事なる。
離婚、そして、女伯爵になる事を認めてもらうため、大人になるのよ。
「で、お帰り願えますか? 毎日、迷惑です。あなたが離婚協議に応じてくれたら、ここまで足を運んでいただかなくても良いんですよ?」
「離婚はしたくない」
「私は離婚したいです。普通の女性なら、あなたの様な人の心がわからない人間とは離婚したがるはずです」
「ルキア」
「はい」
「あの日の晩の事は忘れて、僕達なりに初夜をやり直さないか」
「は? 何を言ってるのよ。絶対にありえない」
ザック様。
どうしたら、この男への殺意に近い苛立ちをおさえられるか教えてほしいです。
私の心の声が届いたのか、ザック様が扉を開けて、外へ出てきてくれた。
ちなみにミゲルは、外へ追い出してから、無実の証明ができるまで、家には入れない事を決めた。
諦めて離婚届にサインをしてくれれば、それはそれで、家に入れなくて良くなるので、彼は、この家にもう二度と足を踏み入れる事はないかもしれない。
夕方になって、ミゲルが帰ってきたので、家の中には入れずに、その事を告げると、彼は何やらわめいていたけれど、無視して扉を閉めた。
ピノは現在、勾留中なので、ミゲルが面会して、彼女を上手く言いくるめられたとしても、彼女が出てこない限り、無実の証明など出来やしないだろうから、彼の部屋に置かれてある荷物は、ドーウッド家に送り返す事に決めた。
何より、ミゲルは無実ではないし。
実家にいる私が、実家に帰らせてもらいます!
は、出来ないから、彼に実家に帰ってもらう事にしたというわけだ。
荷物を送る事により、ドーウッド家から苦情が来るかもしれないので、荷物の送り主はザック様の名前で送る事になった。
だから、私の家に苦情が来ても、ザック様にお伝えしておきます、と言うだけにするつもりだ。
あと、離婚調停を申し立てる事にしたので、その書類も送った。
そして、それだけではなく、他にもやらなければいけない事がある。
この国の離婚調停は、第三者が介入するといっても、貴族が介入する為、今の段階では、何を言ってもミゲルの方が正しいと感じてしまう人が多いので、その印象を覆さないといけない。
事例を読んでみると、どんな案件であろうとも、女性が泣き寝入りするパターンが多くなっている。
彼が実際は嫌な奴で、嘘を平気で言える人間だということを知らしめて、彼の信用度を他の貴族が文句を言えなくなるくらい、落とさないといけない。
この世界は女性への考え方が、昔の日本と似ている気もする。
女性が何か言い出せば、女性のくせに出しゃばって…となるのだ。
年配の男性で、そんな考え方の人はまだいたけど。
あと残された問題は、頭ではわかっていても、貴族教育なんてされていない私の精神状態だ。
ルキアはまだしも、私は淑女とは程遠い中身の人間。
瞬間湯沸かし器の性格をどうにかしなければいけなくなった。
罵声を浴びせられたり、嫌味を言われると、今までの私は、その場で言い返していた。
そうでもしないと、また同じ事を繰り返されるからだ。
例えば、私が目の前にいるのに私に直接言わずに、他の人に対して私に聞こえる様に私の悪口を言う場合は「言いたい事があるなら、直接どうぞ」と言ってしまうタイプだったのだけど、貴族社会では駄目だと言われてしまった。
もちろん、相手が格下の場合はまだ許されるかもしれないけれど、この国の淑女は、感情を揺さぶられる事なく、笑顔で対応しなければいけないらしい。
無理だわ。
顔に出てしまう。
だけど、女伯爵になるのなら、もっと辛い試練が待っているはず。
始める前から諦めるのはやめよう。
そう気持ちを切り替えた。
「妹が、社交場で聞いた事のある悪口を書き連ねてくれた。本人は言われた事はないそうだが、お茶会などで、本人に言ったり、その場にいない人の事を悪く言っている時の会話だそうだ」
ミゲルを追い出した数日後、訪ねてきてくれたザック様が、1冊のノートを手渡してくれた。
ページをめくってみると、可愛らしいものもあれば、腸が煮えくり返ってしまいそうな悪口が色々と書かれていた。
「こ、これは…」
「女性達は笑顔の裏でこんな事を考えていたんだな…」
ザック様が感情のない声で言うので苦笑して答える。
「全ての女性がそうではないと思いますよ」
「…そうか、そうだよな。それに男性にだってありえる事だから、女性と限定した言い方もいけないな。僕も気を付けないと」
「それにしても、ブスだとか、気持ち悪いだとか、令嬢が言うものなんですね…」
「言うんだろうな。令息だって言うしな」
「我慢できるかな…」
「我慢するんだ」
きっぱりと言われてしまい、頭を抱える。
この世界では、公爵令息は、本当に格上の存在だというのに、ザック様に対して緊張もせずに、呑気に話をしている時点でも良くない。
緊張感を持たなくては。
「今日、ここに来た理由の一つはそれだが、もう一つ渡したいものがあるんだ」
「何でしょうか」
ザック様は連れてきていた側近の人から、封筒を受け取り、私に差し出してきた。
「君の事情を話したところ、母上が力になりたいと言ってる。お茶会を主催するから、ぜひ来てくれと」
「いきなり、公爵家主催のお茶会だなんて、ハードルが高くないですか!?」
「味方が少ないんだから、まずは味方を作りに行くべきだ。それに主催者は母だし、トラブルを起こしても上手く対処してくれる」
「トラブルを起こす前提なんですか…」
「今のルキア嬢に関してはそうかな」
笑みを浮かべて答えられてしまった。
「とにかく、下は向かずに笑顔でいきます」
「そうだな。今の君なら大丈夫だろう。そういえば、ミゲルからは何も言ってこないのか?」
「今は彼は実家に戻っていますが、毎日の様にこの家に訪ねてきてます。門前払いをしていますけどね」
「そうか。じゃあ、世間には結婚初日に夫に裏切られた可哀想な女性で、反省しない夫に離婚を求めたけど、受け入れてもらえないから追い出したら、毎日訪ねてきて迷惑だという事にしようか。友人達に、その話を流すように伝えるよ。友人達からそれぞれの夫人に話してもらったら、そこから噂は一気に流れるだろうし、女性の多くは君に同情するだろう」
「ミゲルの方は、どう出てくるでしょうか」
私が彼の名前を口にしたと同時、屋敷の外から、ミゲルのの声が聞こえてきた。
「ルキア! 君の夫が来たよ! いいかげん、機嫌を直してくれないか? 僕は空気を読まない人間なんだ。君が困っていても気にしないよ!」
「………」
ミゲルの発言に、私とザック様は顔を見合わせた。
ザック様の後ろに立っている側近の人も驚いた顔をしている。
「彼、正気か…?」
「結婚後に正気な所を見たことがないのでわかりません。でも、このまま、好き勝手やってくれると、彼のメッキがはがれて良いです」
学園時代の彼は、ひたすら外面が良かった。
けれど、今は違う。
なぜなら、彼がまだ、ルキアと私をバカにしてるから、あんな事を言えるのだ。
「ザック様。淑女になれているか確認してもらえます? 少し、お話をしてきますので」
「わかった」
1人では危ないという事で、騎士にも一緒に来てもらい、家の外に出て、ポーチで話をする事にした。
ザック様は扉の向こうで聞いてくれている。
「あなた、自分が何を言ってるかわかってるの?」
腰に手を当てて尋ねると、ミゲルは私を見て、動きを止めた。
「ちょっと、聞いてるの?」
苛立ってはいけないと思いながら、笑顔を作って尋ねると、ミゲルは我に返った様に、私から視線をそらして言う。
「君は、会う度に印象が変わるね」
「はい?」
「今日は着ている服が違う」
「毎日、同じ服を着てるわけじゃないから」
「いや、その、ドレス、似合っているよ」
「はあ…。ありがとうございます」
こいつは何を言っているの?
ああ、淑女は、こいつとは言わない。
余裕のスマイルで!
ミゲルは実験台。
ミゲルにキレていたら、お茶会でもキレてしまうに事なる。
離婚、そして、女伯爵になる事を認めてもらうため、大人になるのよ。
「で、お帰り願えますか? 毎日、迷惑です。あなたが離婚協議に応じてくれたら、ここまで足を運んでいただかなくても良いんですよ?」
「離婚はしたくない」
「私は離婚したいです。普通の女性なら、あなたの様な人の心がわからない人間とは離婚したがるはずです」
「ルキア」
「はい」
「あの日の晩の事は忘れて、僕達なりに初夜をやり直さないか」
「は? 何を言ってるのよ。絶対にありえない」
ザック様。
どうしたら、この男への殺意に近い苛立ちをおさえられるか教えてほしいです。
私の心の声が届いたのか、ザック様が扉を開けて、外へ出てきてくれた。
13
お気に入りに追加
2,591
あなたにおすすめの小説
あなたの瞳に映るのは
cyaru
恋愛
マルス子爵家のトルデリーゼは茶器をソーサーに戻す音に過去の記憶を取り戻した。
これは4回目の人生。
2回目、3回目、そして今回ともに同じ場面から始まる人生が始まった。
結婚を半年後に控えた婚約者のレンドン侯爵家バレリオとの間柄は決して悪いものではなかった。一方的にトルデリーゼの方が好意を抱き思い慕っていた感は否めないが、それでもこの先は手を取り夫婦として歩んでいけると思っていた。
目の前でスブレ子爵家の令嬢プリシラに恋に落ちるバレリオ。
トルデリーゼは今回の人生はバレリオから離れる事を望んだ。
それは偏に過去3回の人生はバレリオに固執したばかりに不遇な人生だったからだ。
過去と変わらぬ初日から仲を深め合うバレリオとプリシラ。
トルデリーゼは隣国に嫁いだ姉を頼り出国する事で物理的な距離を取り、婚約解消を狙うがバレリオから離れようとすればするほど何故かバレリオが今回の人生は絡んでくる。
マルス家が他国に移住するのではとの危機感から出国の許可が下りず悶々とする中、ふとしたきっかけで知り合った男性までトルデリーゼに恋に落ちた、結婚をしたいとマルス家にやって来た。
男性はカドリア王国の第一王子でアルフォンスだと判るが、身分差もありトルデリーゼは申し出を固辞する。
しかしアルフォンスはトルデリーゼの「誰かに愛されて嫁ぎたい」と言う心の隙間に入り込み、国家間の政略も絡んでトルデリーゼは異例中の異例でカドリア王国に嫁ぐ事になったのだが…。
※絡んでくる男性、粘着度が高いのでご注意ください。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識や歴史と混同されないようお願いします。外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義である事が了解できそうにない時はブラウザバックをお願いします。
現実(リアル)の医療、や日常生活の様相などは同じではないのでご注意ください。
※架空のお話です。登場人物、場所全て架空です。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
【完結】わたくしの望みはただひとつ!
杜野秋人
恋愛
◆伯爵家令嬢のアンジェリーナは冒険者『アンジェラ』として自由気ままに生きている。彼女は前世の日本で、周りに気を使い人に合わせるばかりで自分のことを何ひとつ望みどおりに叶えられないまま、心を病んで自殺してしまった。それを思い出したことで、今度の人生こそは自分の思うままに生きようと固く心に決めていたのだ。
だがそんな彼女に縁談が持ち込まれる。相手は格上の侯爵家、しかも評判最悪の○○野郎だ。当然逃げようとする彼女だが敵もさるもの、先手を打たれて実家から拉致されてしまう。しかしそこに助けに来てくれたのが、冒険者仲間の『マイン』だった。
なぜ助けてくれたのか。そう問う彼女にマインは顔を背けながらポツリと呟く。「お前が、誰かのものになるのが嫌だ」と。えっ、それってまさか、もしかして!?
訳もわからないままにマインの地元に連れて行かれ、そこで彼女は彼の意外な正体を知ることになる。あれよあれよという間に甘やかされとろかされて、気づけば彼の婚約者として夜会でお披露目される流れになっていた⸺!?
◆この作品は小説家になろう様で投稿したものの改訂版になります。大筋は変わっていませんが、各話の区切りを見直して6話構成を10話構成に変更しています。
カクヨムでも公開しています。あちらは全14話。
◆作者の投稿作は基本的に同一の世界観に基づいています。どの作品も独立しているのでそれぞれ単品でもお楽しみ頂けますが、合わせて読めば二倍楽しいです。多分。
◆HOTランキング8位、人気ランキング14位、恋愛ランキング13位………おおう、嘘でしょ……お気に入り登録数とかなろう版の15倍くらいあるし。
それもこれも皆様のおかげです。ご愛読感謝!
(それぞれ最高位です。現在は下がってます)
ていうかHOTランキング用のジャンルが知らん間に「女性向け」に変えられてました(笑)。まあ女性主人公の恋愛物だとそうなるかあ。
◆閲覧数も落ち着いて来たところで、設定資料を一部公開します。短編にしたために書ききれなかったアレやコレやソレやドレやらがたくさんあるので、まあ見てやって下さいませ。おまけページは全2回、『キャスト&舞台設定』と『用語解説&世界観説明』です。
「この結婚はなかったことにしてほしい、お互いのためだ」と言われましたが……ごめんなさい!私は代役です
m
恋愛
男爵家の双子の姉妹のフィオーリとクリスティナは、髪色以外はよく似ている。
姉のフィオーリ宛にとある伯爵家から結婚の申し込みが。
結婚式の1ヶ月前に伯爵家へと住まいを移すように提案されると、フィオーリはクリスティナへ式までの代役を依頼する。
「クリスティナ、大丈夫。絶対にバレないから!
結婚式に入れ替われば問題ないから。お願い」
いえいえいえ、問題しかないと思いますよ。
ゆるい設定世界観です
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
選ばれたのは私以外でした 白い結婚、上等です!
凛蓮月
恋愛
【第16回恋愛小説大賞特別賞を頂き、書籍化されました。
紙、電子にて好評発売中です。よろしくお願いします(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾】
婚約者だった王太子は、聖女を選んだ。
王命で結婚した相手には、愛する人がいた。
お飾りの妻としている間に出会った人は、そもそも女を否定した。
──私は選ばれない。
って思っていたら。
「改めてきみに求婚するよ」
そう言ってきたのは騎士団長。
きみの力が必要だ? 王都が不穏だから守らせてくれ?
でもしばらくは白い結婚?
……分かりました、白い結婚、上等です!
【恋愛大賞(最終日確認)大賞pt別二位で終了できました。投票頂いた皆様、ありがとうございます(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾応援ありがとうございました!
ホトラン入り、エール、投票もありがとうございました!】
※なんてあらすじですが、作者の脳内の魔法のある異世界のお話です。
※ヒーローとの本格的な恋愛は、中盤くらいからです。
※恋愛大賞参加作品なので、感想欄を開きます。
よろしければお寄せ下さい。当作品への感想は全て承認します。
※登場人物への口撃は可ですが、他の読者様への口撃は作者からの吹き矢が飛んできます。ご注意下さい。
※鋭い感想ありがとうございます。返信はネタバレしないよう気を付けます。すぐネタバレペロリーナが発動しそうになります(汗)
無理やり『陰険侯爵』に嫁がされた私は、侯爵家で幸せな日々を送っています
朝露ココア
恋愛
「私は妹の幸福を願っているの。あなたには侯爵夫人になって幸せに生きてほしい。侯爵様の婚姻相手には、すごくお似合いだと思うわ」
わがままな姉のドリカに命じられ、侯爵家に嫁がされることになったディアナ。
派手で綺麗な姉とは異なり、ディアナは園芸と読書が趣味の陰気な子爵令嬢。
そんな彼女は傲慢な母と姉に逆らえず言いなりになっていた。
縁談の相手は『陰険侯爵』とも言われる悪評高い侯爵。
ディアナの意思はまったく尊重されずに嫁がされた侯爵家。
最初は挙動不審で自信のない『陰険侯爵』も、ディアナと接するうちに変化が現れて……次第に成長していく。
「ディアナ。君は俺が守る」
内気な夫婦が支え合い、そして心を育む物語。
公爵令嬢姉妹の対照的な日々 【完結】
あくの
恋愛
女性が高等教育を受ける機会のないこの国においてバイユ公爵令嬢ヴィクトリアは父親と交渉する。
3年間、高等学校にいる間、男装をして過ごしそれが他の生徒にバレなければ大学にも男装で行かせてくれ、と。
それを鼻で笑われ一蹴され、鬱々としていたところに状況が変わる出来事が。婚約者の第二王子がゆるふわピンクな妹、サラに乗り換えたのだ。
毎週火曜木曜の更新で偶に金曜も更新します。
取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる