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13 初夜をやり直さないか? 絶対にありえない
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その後、お父様も交えて話をして、今後の事を話し合った。
ちなみにミゲルは、外へ追い出してから、無実の証明ができるまで、家には入れない事を決めた。
諦めて離婚届にサインをしてくれれば、それはそれで、家に入れなくて良くなるので、彼は、この家にもう二度と足を踏み入れる事はないかもしれない。
夕方になって、ミゲルが帰ってきたので、家の中には入れずに、その事を告げると、彼は何やらわめいていたけれど、無視して扉を閉めた。
ピノは現在、勾留中なので、ミゲルが面会して、彼女を上手く言いくるめられたとしても、彼女が出てこない限り、無実の証明など出来やしないだろうから、彼の部屋に置かれてある荷物は、ドーウッド家に送り返す事に決めた。
何より、ミゲルは無実ではないし。
実家にいる私が、実家に帰らせてもらいます!
は、出来ないから、彼に実家に帰ってもらう事にしたというわけだ。
荷物を送る事により、ドーウッド家から苦情が来るかもしれないので、荷物の送り主はザック様の名前で送る事になった。
だから、私の家に苦情が来ても、ザック様にお伝えしておきます、と言うだけにするつもりだ。
あと、離婚調停を申し立てる事にしたので、その書類も送った。
そして、それだけではなく、他にもやらなければいけない事がある。
この国の離婚調停は、第三者が介入するといっても、貴族が介入する為、今の段階では、何を言ってもミゲルの方が正しいと感じてしまう人が多いので、その印象を覆さないといけない。
事例を読んでみると、どんな案件であろうとも、女性が泣き寝入りするパターンが多くなっている。
彼が実際は嫌な奴で、嘘を平気で言える人間だということを知らしめて、彼の信用度を他の貴族が文句を言えなくなるくらい、落とさないといけない。
この世界は女性への考え方が、昔の日本と似ている気もする。
女性が何か言い出せば、女性のくせに出しゃばって…となるのだ。
年配の男性で、そんな考え方の人はまだいたけど。
あと残された問題は、頭ではわかっていても、貴族教育なんてされていない私の精神状態だ。
ルキアはまだしも、私は淑女とは程遠い中身の人間。
瞬間湯沸かし器の性格をどうにかしなければいけなくなった。
罵声を浴びせられたり、嫌味を言われると、今までの私は、その場で言い返していた。
そうでもしないと、また同じ事を繰り返されるからだ。
例えば、私が目の前にいるのに私に直接言わずに、他の人に対して私に聞こえる様に私の悪口を言う場合は「言いたい事があるなら、直接どうぞ」と言ってしまうタイプだったのだけど、貴族社会では駄目だと言われてしまった。
もちろん、相手が格下の場合はまだ許されるかもしれないけれど、この国の淑女は、感情を揺さぶられる事なく、笑顔で対応しなければいけないらしい。
無理だわ。
顔に出てしまう。
だけど、女伯爵になるのなら、もっと辛い試練が待っているはず。
始める前から諦めるのはやめよう。
そう気持ちを切り替えた。
「妹が、社交場で聞いた事のある悪口を書き連ねてくれた。本人は言われた事はないそうだが、お茶会などで、本人に言ったり、その場にいない人の事を悪く言っている時の会話だそうだ」
ミゲルを追い出した数日後、訪ねてきてくれたザック様が、1冊のノートを手渡してくれた。
ページをめくってみると、可愛らしいものもあれば、腸が煮えくり返ってしまいそうな悪口が色々と書かれていた。
「こ、これは…」
「女性達は笑顔の裏でこんな事を考えていたんだな…」
ザック様が感情のない声で言うので苦笑して答える。
「全ての女性がそうではないと思いますよ」
「…そうか、そうだよな。それに男性にだってありえる事だから、女性と限定した言い方もいけないな。僕も気を付けないと」
「それにしても、ブスだとか、気持ち悪いだとか、令嬢が言うものなんですね…」
「言うんだろうな。令息だって言うしな」
「我慢できるかな…」
「我慢するんだ」
きっぱりと言われてしまい、頭を抱える。
この世界では、公爵令息は、本当に格上の存在だというのに、ザック様に対して緊張もせずに、呑気に話をしている時点でも良くない。
緊張感を持たなくては。
「今日、ここに来た理由の一つはそれだが、もう一つ渡したいものがあるんだ」
「何でしょうか」
ザック様は連れてきていた側近の人から、封筒を受け取り、私に差し出してきた。
「君の事情を話したところ、母上が力になりたいと言ってる。お茶会を主催するから、ぜひ来てくれと」
「いきなり、公爵家主催のお茶会だなんて、ハードルが高くないですか!?」
「味方が少ないんだから、まずは味方を作りに行くべきだ。それに主催者は母だし、トラブルを起こしても上手く対処してくれる」
「トラブルを起こす前提なんですか…」
「今のルキア嬢に関してはそうかな」
笑みを浮かべて答えられてしまった。
「とにかく、下は向かずに笑顔でいきます」
「そうだな。今の君なら大丈夫だろう。そういえば、ミゲルからは何も言ってこないのか?」
「今は彼は実家に戻っていますが、毎日の様にこの家に訪ねてきてます。門前払いをしていますけどね」
「そうか。じゃあ、世間には結婚初日に夫に裏切られた可哀想な女性で、反省しない夫に離婚を求めたけど、受け入れてもらえないから追い出したら、毎日訪ねてきて迷惑だという事にしようか。友人達に、その話を流すように伝えるよ。友人達からそれぞれの夫人に話してもらったら、そこから噂は一気に流れるだろうし、女性の多くは君に同情するだろう」
「ミゲルの方は、どう出てくるでしょうか」
私が彼の名前を口にしたと同時、屋敷の外から、ミゲルのの声が聞こえてきた。
「ルキア! 君の夫が来たよ! いいかげん、機嫌を直してくれないか? 僕は空気を読まない人間なんだ。君が困っていても気にしないよ!」
「………」
ミゲルの発言に、私とザック様は顔を見合わせた。
ザック様の後ろに立っている側近の人も驚いた顔をしている。
「彼、正気か…?」
「結婚後に正気な所を見たことがないのでわかりません。でも、このまま、好き勝手やってくれると、彼のメッキがはがれて良いです」
学園時代の彼は、ひたすら外面が良かった。
けれど、今は違う。
なぜなら、彼がまだ、ルキアと私をバカにしてるから、あんな事を言えるのだ。
「ザック様。淑女になれているか確認してもらえます? 少し、お話をしてきますので」
「わかった」
1人では危ないという事で、騎士にも一緒に来てもらい、家の外に出て、ポーチで話をする事にした。
ザック様は扉の向こうで聞いてくれている。
「あなた、自分が何を言ってるかわかってるの?」
腰に手を当てて尋ねると、ミゲルは私を見て、動きを止めた。
「ちょっと、聞いてるの?」
苛立ってはいけないと思いながら、笑顔を作って尋ねると、ミゲルは我に返った様に、私から視線をそらして言う。
「君は、会う度に印象が変わるね」
「はい?」
「今日は着ている服が違う」
「毎日、同じ服を着てるわけじゃないから」
「いや、その、ドレス、似合っているよ」
「はあ…。ありがとうございます」
こいつは何を言っているの?
ああ、淑女は、こいつとは言わない。
余裕のスマイルで!
ミゲルは実験台。
ミゲルにキレていたら、お茶会でもキレてしまうに事なる。
離婚、そして、女伯爵になる事を認めてもらうため、大人になるのよ。
「で、お帰り願えますか? 毎日、迷惑です。あなたが離婚協議に応じてくれたら、ここまで足を運んでいただかなくても良いんですよ?」
「離婚はしたくない」
「私は離婚したいです。普通の女性なら、あなたの様な人の心がわからない人間とは離婚したがるはずです」
「ルキア」
「はい」
「あの日の晩の事は忘れて、僕達なりに初夜をやり直さないか」
「は? 何を言ってるのよ。絶対にありえない」
ザック様。
どうしたら、この男への殺意に近い苛立ちをおさえられるか教えてほしいです。
私の心の声が届いたのか、ザック様が扉を開けて、外へ出てきてくれた。
ちなみにミゲルは、外へ追い出してから、無実の証明ができるまで、家には入れない事を決めた。
諦めて離婚届にサインをしてくれれば、それはそれで、家に入れなくて良くなるので、彼は、この家にもう二度と足を踏み入れる事はないかもしれない。
夕方になって、ミゲルが帰ってきたので、家の中には入れずに、その事を告げると、彼は何やらわめいていたけれど、無視して扉を閉めた。
ピノは現在、勾留中なので、ミゲルが面会して、彼女を上手く言いくるめられたとしても、彼女が出てこない限り、無実の証明など出来やしないだろうから、彼の部屋に置かれてある荷物は、ドーウッド家に送り返す事に決めた。
何より、ミゲルは無実ではないし。
実家にいる私が、実家に帰らせてもらいます!
は、出来ないから、彼に実家に帰ってもらう事にしたというわけだ。
荷物を送る事により、ドーウッド家から苦情が来るかもしれないので、荷物の送り主はザック様の名前で送る事になった。
だから、私の家に苦情が来ても、ザック様にお伝えしておきます、と言うだけにするつもりだ。
あと、離婚調停を申し立てる事にしたので、その書類も送った。
そして、それだけではなく、他にもやらなければいけない事がある。
この国の離婚調停は、第三者が介入するといっても、貴族が介入する為、今の段階では、何を言ってもミゲルの方が正しいと感じてしまう人が多いので、その印象を覆さないといけない。
事例を読んでみると、どんな案件であろうとも、女性が泣き寝入りするパターンが多くなっている。
彼が実際は嫌な奴で、嘘を平気で言える人間だということを知らしめて、彼の信用度を他の貴族が文句を言えなくなるくらい、落とさないといけない。
この世界は女性への考え方が、昔の日本と似ている気もする。
女性が何か言い出せば、女性のくせに出しゃばって…となるのだ。
年配の男性で、そんな考え方の人はまだいたけど。
あと残された問題は、頭ではわかっていても、貴族教育なんてされていない私の精神状態だ。
ルキアはまだしも、私は淑女とは程遠い中身の人間。
瞬間湯沸かし器の性格をどうにかしなければいけなくなった。
罵声を浴びせられたり、嫌味を言われると、今までの私は、その場で言い返していた。
そうでもしないと、また同じ事を繰り返されるからだ。
例えば、私が目の前にいるのに私に直接言わずに、他の人に対して私に聞こえる様に私の悪口を言う場合は「言いたい事があるなら、直接どうぞ」と言ってしまうタイプだったのだけど、貴族社会では駄目だと言われてしまった。
もちろん、相手が格下の場合はまだ許されるかもしれないけれど、この国の淑女は、感情を揺さぶられる事なく、笑顔で対応しなければいけないらしい。
無理だわ。
顔に出てしまう。
だけど、女伯爵になるのなら、もっと辛い試練が待っているはず。
始める前から諦めるのはやめよう。
そう気持ちを切り替えた。
「妹が、社交場で聞いた事のある悪口を書き連ねてくれた。本人は言われた事はないそうだが、お茶会などで、本人に言ったり、その場にいない人の事を悪く言っている時の会話だそうだ」
ミゲルを追い出した数日後、訪ねてきてくれたザック様が、1冊のノートを手渡してくれた。
ページをめくってみると、可愛らしいものもあれば、腸が煮えくり返ってしまいそうな悪口が色々と書かれていた。
「こ、これは…」
「女性達は笑顔の裏でこんな事を考えていたんだな…」
ザック様が感情のない声で言うので苦笑して答える。
「全ての女性がそうではないと思いますよ」
「…そうか、そうだよな。それに男性にだってありえる事だから、女性と限定した言い方もいけないな。僕も気を付けないと」
「それにしても、ブスだとか、気持ち悪いだとか、令嬢が言うものなんですね…」
「言うんだろうな。令息だって言うしな」
「我慢できるかな…」
「我慢するんだ」
きっぱりと言われてしまい、頭を抱える。
この世界では、公爵令息は、本当に格上の存在だというのに、ザック様に対して緊張もせずに、呑気に話をしている時点でも良くない。
緊張感を持たなくては。
「今日、ここに来た理由の一つはそれだが、もう一つ渡したいものがあるんだ」
「何でしょうか」
ザック様は連れてきていた側近の人から、封筒を受け取り、私に差し出してきた。
「君の事情を話したところ、母上が力になりたいと言ってる。お茶会を主催するから、ぜひ来てくれと」
「いきなり、公爵家主催のお茶会だなんて、ハードルが高くないですか!?」
「味方が少ないんだから、まずは味方を作りに行くべきだ。それに主催者は母だし、トラブルを起こしても上手く対処してくれる」
「トラブルを起こす前提なんですか…」
「今のルキア嬢に関してはそうかな」
笑みを浮かべて答えられてしまった。
「とにかく、下は向かずに笑顔でいきます」
「そうだな。今の君なら大丈夫だろう。そういえば、ミゲルからは何も言ってこないのか?」
「今は彼は実家に戻っていますが、毎日の様にこの家に訪ねてきてます。門前払いをしていますけどね」
「そうか。じゃあ、世間には結婚初日に夫に裏切られた可哀想な女性で、反省しない夫に離婚を求めたけど、受け入れてもらえないから追い出したら、毎日訪ねてきて迷惑だという事にしようか。友人達に、その話を流すように伝えるよ。友人達からそれぞれの夫人に話してもらったら、そこから噂は一気に流れるだろうし、女性の多くは君に同情するだろう」
「ミゲルの方は、どう出てくるでしょうか」
私が彼の名前を口にしたと同時、屋敷の外から、ミゲルのの声が聞こえてきた。
「ルキア! 君の夫が来たよ! いいかげん、機嫌を直してくれないか? 僕は空気を読まない人間なんだ。君が困っていても気にしないよ!」
「………」
ミゲルの発言に、私とザック様は顔を見合わせた。
ザック様の後ろに立っている側近の人も驚いた顔をしている。
「彼、正気か…?」
「結婚後に正気な所を見たことがないのでわかりません。でも、このまま、好き勝手やってくれると、彼のメッキがはがれて良いです」
学園時代の彼は、ひたすら外面が良かった。
けれど、今は違う。
なぜなら、彼がまだ、ルキアと私をバカにしてるから、あんな事を言えるのだ。
「ザック様。淑女になれているか確認してもらえます? 少し、お話をしてきますので」
「わかった」
1人では危ないという事で、騎士にも一緒に来てもらい、家の外に出て、ポーチで話をする事にした。
ザック様は扉の向こうで聞いてくれている。
「あなた、自分が何を言ってるかわかってるの?」
腰に手を当てて尋ねると、ミゲルは私を見て、動きを止めた。
「ちょっと、聞いてるの?」
苛立ってはいけないと思いながら、笑顔を作って尋ねると、ミゲルは我に返った様に、私から視線をそらして言う。
「君は、会う度に印象が変わるね」
「はい?」
「今日は着ている服が違う」
「毎日、同じ服を着てるわけじゃないから」
「いや、その、ドレス、似合っているよ」
「はあ…。ありがとうございます」
こいつは何を言っているの?
ああ、淑女は、こいつとは言わない。
余裕のスマイルで!
ミゲルは実験台。
ミゲルにキレていたら、お茶会でもキレてしまうに事なる。
離婚、そして、女伯爵になる事を認めてもらうため、大人になるのよ。
「で、お帰り願えますか? 毎日、迷惑です。あなたが離婚協議に応じてくれたら、ここまで足を運んでいただかなくても良いんですよ?」
「離婚はしたくない」
「私は離婚したいです。普通の女性なら、あなたの様な人の心がわからない人間とは離婚したがるはずです」
「ルキア」
「はい」
「あの日の晩の事は忘れて、僕達なりに初夜をやり直さないか」
「は? 何を言ってるのよ。絶対にありえない」
ザック様。
どうしたら、この男への殺意に近い苛立ちをおさえられるか教えてほしいです。
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