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40 助けを求めてきた人③
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事情を聞いてみると、昨日の晩、オズックとルララ辺境伯令嬢が出かけている時に、ガラの悪い男たちに襲われかけたのだそうだ。
結局、その場をおさめたのは誰かというと、オズックではなく、近くにいた騎士だった。
その時のオズックの様子はドーナモイ伯爵令息は聞いていないそうなので、オズックに付いている人から、伝書鳩が来ているか邸に帰ってから確認することにする。
騎士から警察に引き渡された男たちはドーナモイ伯爵令息に頼まれたと話をしたらしい。
そのため、彼は事情を聞かれた。
でも、証拠が見つからなかったので、ドーナモイ伯爵令息は釈放された。
一安心して屋敷に戻って来たところ、婚約を破棄された件などのこともあるからか屋敷内に入れてもらえなかった。
行く宛のない彼はファニに助けを求めようとしたけれど、彼女もそれどころではなかった。
そして、顔が醜くなったファニを見て、ドーナモイ伯爵令息は逃げ出してしまったのだという。
フィルが眉根を寄せて尋ねる。
「彼女と恋仲だったんだろ?」
「そうだったかもしれませんが、本当に酷い顔だったんですよ!」
「顔だけで判断するなよ!」
「フィルの言う通りだわ。元々、あなたを助ける義理もないけれど、そんなことを聞いたら助けて上げようかという気持ちがなくなってしまったわ」
フィルとわたしに睨まれたドーナモイ伯爵令息は焦った顔をして言う。
「ファニの顔が今まで通りだったとしても助けてもらえないのは確かじゃないですか」
「彼女に助けを求めるんじゃなく、嵌めた人間に文句を言いにいけよ」
「そうよ。誰に嵌められたかはわかっているんでしょう?」
「わかっていますが、そんなことを口にしようものなら、僕が殺されてしまうかもしれません!」
また、フィルとわたしに責められて、ドーナモイ伯爵令息はとうとう泣き出してしまったのだった。
結局、その場をおさめたのは誰かというと、オズックではなく、近くにいた騎士だった。
その時のオズックの様子はドーナモイ伯爵令息は聞いていないそうなので、オズックに付いている人から、伝書鳩が来ているか邸に帰ってから確認することにする。
騎士から警察に引き渡された男たちはドーナモイ伯爵令息に頼まれたと話をしたらしい。
そのため、彼は事情を聞かれた。
でも、証拠が見つからなかったので、ドーナモイ伯爵令息は釈放された。
一安心して屋敷に戻って来たところ、婚約を破棄された件などのこともあるからか屋敷内に入れてもらえなかった。
行く宛のない彼はファニに助けを求めようとしたけれど、彼女もそれどころではなかった。
そして、顔が醜くなったファニを見て、ドーナモイ伯爵令息は逃げ出してしまったのだという。
フィルが眉根を寄せて尋ねる。
「彼女と恋仲だったんだろ?」
「そうだったかもしれませんが、本当に酷い顔だったんですよ!」
「顔だけで判断するなよ!」
「フィルの言う通りだわ。元々、あなたを助ける義理もないけれど、そんなことを聞いたら助けて上げようかという気持ちがなくなってしまったわ」
フィルとわたしに睨まれたドーナモイ伯爵令息は焦った顔をして言う。
「ファニの顔が今まで通りだったとしても助けてもらえないのは確かじゃないですか」
「彼女に助けを求めるんじゃなく、嵌めた人間に文句を言いにいけよ」
「そうよ。誰に嵌められたかはわかっているんでしょう?」
「わかっていますが、そんなことを口にしようものなら、僕が殺されてしまうかもしれません!」
また、フィルとわたしに責められて、ドーナモイ伯爵令息はとうとう泣き出してしまったのだった。
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