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49 リアのお願い
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闘技場の中に入り、昨日、私達に用意されていた席のある場所へと向かうと、運営の人達がまた新たに食べ物や飲み物を用意している最中で、人がせわしなく行き交っていた。
「遅かったのだな。こちらは先に楽しませてもらっておるぞ」
アスラン王太子殿下も昨日の席に座っていて、彼に寄り添うミズリー様が柔らかい笑顔で私に手を振ってくれた。
「音声、お出ししますねぇ」
ミズリー様の視線の先に目をやると、リア達は森の中に少しだけ開けた一角に場所を移したようで、リアがラナンさんと剣で戦っていた。
リアは余裕のある表情だけど、ラナンさんはどこか焦った顔をしている。
リアが優勢なのかな?
「そんなにユウマくんが好きなの?」
一旦、間合いを取ると、リアがラナンさんに尋ねた。
「初めて会った日からお慕いしていた。いきなり現れたあなたなんかにとられるなんて!」
「幼馴染みだから、いきなり現れたわけじゃないと思うんだけど」
「うるさい!」
リアは怒りの形相で斬りかかってきたラナンさんの懐に入り込むと、剣の柄で彼女の腹に一発、そこから身をかがませたかと思うと、彼女の足をはらった。
さすがの向こうもそんな事で倒れるようなものではなかったから前に踏みとどまったけれど、リアが休みを与える間もなく、後ろから蹴りを入れた。
「リアちゃん、すっげぇな。本当に平民かよ」
「だろ? アイツ、運動神経もめっちゃいいんだよ」
なぜか、ユウマくんがニコニコ顔で答える。
彼女が戦ってるのに、それもどうなの。
たたらを踏んだラナンさんの背中をリアは足で押し倒し、うつ伏せにさせると、もう片方の足でラナンさんの剣を蹴り飛ばし、自分の剣をラナンさんのうなじに突きつけた。
いや、ほんと、すごい。
私もあんな風になりたい。
カッコ良い。
「血なまぐさいのは好きじゃないの。降参してくれる?」
「私の方が好きなのに!」
リアに背中を押さえつけられた状態で、ラナンさんは首を横に向けて叫んだのに対し、リアが聞き返す。
「どうしてそんな事わかるの?」
「どうしてって、ずっと好きだったから」
「そんなの言い出したら、私の方がユウマくんの事好きよ。人を何年もほったらかしておいて、いきなり現れたと思ったら、勝手に嫁にさせようとしてきた最低な奴だけど、好きよ!!」
うわあ。
リア、これユウマくんが聞いてないと思ってるから言ってるんだろうな。
ふと、ユウマくんの方を見ると、なぜかしゃがみこんでいた。
「ユ、ユウマくん?! どうしたの?!」
「生きてて良かった・・・」
なぁんだ。
そっちか。
心配して損しちゃったよ。
というか、ユウマくんの言葉と様子を見て、なんだかニヤニヤしてしまう。
「オレも言ってほしいなぁ」
「・・・・・」
ユウヤくんが呟く声が聞こえたけれど、聞こえないふりをしておく。
今はリアの方が大事!
「リアさん!」
私達がリアに気を取られている間に、画面上にいなかったラス様がダグラス卿をやっつけたのか、リアの方に走ってきた。
「大丈夫そうですね」
「ラス様も! 大丈夫でしたか?」
「向こうは魔法が苦手な方でしたから、補助魔法で適当に」
「う。なんか相手が気の毒になってきました」
けろりと答えるラス様に、リアが顔を歪めた。
どうやらダグラス卿に同情しているみたい。
まあ、強い騎士だと言われている人が騎士でもなんでもない人に、適当になんて言われているのを聞いたらショックだろうしね。
「というわけで、あなたも捕縛させていただきます」
そう言って、リアに押さえつけられたままのラナンさんをラス様はいとも簡単に魔法でおさえつけてしまった。
「ユウマくん達がラス様が強いって言った意味わかる気がする」
「「だろ?」」
私の言葉に二人同時に頷く。
結果、身動きの取れなくなった二人をそのままにしておくわけにはいかないので、主催者側は二人を棄権扱いにして助けることになった。
そりゃあそうだよね。
命が一番大事だもん。
それからしばらくして、リア達が無事に戻って来て、主催者側に薬草を確認してもらい、承認されたため、優勝ペアはラス様とリアに確定した。
「おかえりリア!」
「ただいまー」
「「お疲れ」」
「本当ですよ。しばらくはこんな徹夜はごめんです」
私とリアが抱き合っていると、ユウヤくんとユウマくんがラス様をねぎらう。
そしてリアと私がはなれると、ユウマくんがリアを持ち上げて抱きしめた。
「な、なんなの?!」
「聞いてた」
「は?」
「あ、リアー。ラナンさんとの時ね、見てたし、聞こえてたんだよ」
私が言うと、何を見て、何を聞いたのか理解したらしく、リアの顔がみるみる内に赤くなった。
お邪魔かな、と感じた私達三人は少し二人から離れて話す。
「お疲れさまでした、ラス様」
勇気を出して抱きつきにいこうとすると、ラス様に手で制された。
「汚れてますよ」
「疲れを癒そうかと」
「気持ちとお言葉だけで癒やされますよ」
「ユーニに抱きついてもらえるなんて羨ましいことだぞ?」
ユウヤくんは私がラス様に抱きつくと嫌なくせに、抱きつくのを拒否されているのを見るのも嫌らしい。
難しいところだ。
「別の機会にお願いします」
「そんな機会はない」
なぜか、ユウヤくんが答える。
まあいいか。
回復魔法が必要なわけでもなさそうだし。
「おめでとう! わかっておった事だったが圧勝だったな」
パチパチと手をたたいてアスラン王太子殿下がミズリー様を連れて、こちらに近寄ってきた。
「ありがとうございます」
「で、ラス殿はお願いというやつはどうするんだ?」
アスラン王太殿下に聞かれ、ラス様は少し首を横にひねったあと、
「そうですね。私としてはリアさんの望みを叶えてさしあげたいと思っているのですが」
リアの方を見ながら答える。
「リアは何かお願いしたいこととかあるのかな」
「そりゃ、アレンの話を無効化するのが一番じゃねぇの? まあ、今更無理な状態だし、他国の話に口出しはできねぇだろうけど」
「そんな事言い出したら、ユウヤくんやユウマくんを婿に! っていうのだって、国の問題だけどね」
「ここの王族は非常識っぽいからな」
私とユウヤくんがそんな会話をしていると、アスラン王太子殿下は言う。
「今日はリア殿もラス殿も疲れただろうし、宿に帰ってはどうだ? 部屋は用意しておるんだろ?」
「「あ!」」
王太子殿下の言葉に私とユウヤくんは揃えて声を上げた。
忘れてた。
部屋をとってない。
「リアさんはお風呂と美味しい食べ物を用意してほしかったみたいですが?」
私達の反応を見て、何も用意されていない事に気が付いたのか、ラス様が恨めしそうな目で見てきた。
「帰りましょう、ラス様! で、お風呂に入ってゆっくりしてください!」
「そうだな。オレの部屋使えばいいから」
「やっぱり用意してねぇじゃねぇか」
「まあ、細かい事は気にすんな。では、アスラン王太子殿下、お言葉に甘えて失礼させていただきます」
ユウヤくんは王太子殿下には綺麗なお辞儀をしてみせると、ラス様の背中をぐいぐいと押していく。
「リア、ユウマくんも帰るよー」
「ユーニ様、リア様、またお会いできるのを楽しみにしてますわぁ」
去り際、ひらひらとミズリー様が手を横に振ってくれたので、私達も笑顔で頷き、王太子殿下に挨拶をしてから、慌てて先に行ってしまったユウヤくん達の後を追った。
結局、私達が宿屋に戻り、ラス様とリアが風呂に入ったところくらいで、やっとマヌグリラの王族が闘技場にやって来たらしく、結果を聞いて何やらいちゃもんをつけていたそうなのだけど、アスラン王太子殿下の口添えがあり、優勝者は当たり前だけど、ラス様とリアのペアのまま。
そして、リアのお願いなのだけど、それはもうシンプルというか、こんな事にお願いを使うのはもったいないような気もしたけれど、こうでもしないと諦めないかも、という事で、これに決まった。
マヌグリラの王族及びラナンさんは、許可なくアダルシュの人間に近付いてはならない。
というような接近禁止命令というやつをお願いする事になり、とりあえず、マヌグリラ王家とのやり取りは、これで幕を引いたのだった。
「遅かったのだな。こちらは先に楽しませてもらっておるぞ」
アスラン王太子殿下も昨日の席に座っていて、彼に寄り添うミズリー様が柔らかい笑顔で私に手を振ってくれた。
「音声、お出ししますねぇ」
ミズリー様の視線の先に目をやると、リア達は森の中に少しだけ開けた一角に場所を移したようで、リアがラナンさんと剣で戦っていた。
リアは余裕のある表情だけど、ラナンさんはどこか焦った顔をしている。
リアが優勢なのかな?
「そんなにユウマくんが好きなの?」
一旦、間合いを取ると、リアがラナンさんに尋ねた。
「初めて会った日からお慕いしていた。いきなり現れたあなたなんかにとられるなんて!」
「幼馴染みだから、いきなり現れたわけじゃないと思うんだけど」
「うるさい!」
リアは怒りの形相で斬りかかってきたラナンさんの懐に入り込むと、剣の柄で彼女の腹に一発、そこから身をかがませたかと思うと、彼女の足をはらった。
さすがの向こうもそんな事で倒れるようなものではなかったから前に踏みとどまったけれど、リアが休みを与える間もなく、後ろから蹴りを入れた。
「リアちゃん、すっげぇな。本当に平民かよ」
「だろ? アイツ、運動神経もめっちゃいいんだよ」
なぜか、ユウマくんがニコニコ顔で答える。
彼女が戦ってるのに、それもどうなの。
たたらを踏んだラナンさんの背中をリアは足で押し倒し、うつ伏せにさせると、もう片方の足でラナンさんの剣を蹴り飛ばし、自分の剣をラナンさんのうなじに突きつけた。
いや、ほんと、すごい。
私もあんな風になりたい。
カッコ良い。
「血なまぐさいのは好きじゃないの。降参してくれる?」
「私の方が好きなのに!」
リアに背中を押さえつけられた状態で、ラナンさんは首を横に向けて叫んだのに対し、リアが聞き返す。
「どうしてそんな事わかるの?」
「どうしてって、ずっと好きだったから」
「そんなの言い出したら、私の方がユウマくんの事好きよ。人を何年もほったらかしておいて、いきなり現れたと思ったら、勝手に嫁にさせようとしてきた最低な奴だけど、好きよ!!」
うわあ。
リア、これユウマくんが聞いてないと思ってるから言ってるんだろうな。
ふと、ユウマくんの方を見ると、なぜかしゃがみこんでいた。
「ユ、ユウマくん?! どうしたの?!」
「生きてて良かった・・・」
なぁんだ。
そっちか。
心配して損しちゃったよ。
というか、ユウマくんの言葉と様子を見て、なんだかニヤニヤしてしまう。
「オレも言ってほしいなぁ」
「・・・・・」
ユウヤくんが呟く声が聞こえたけれど、聞こえないふりをしておく。
今はリアの方が大事!
「リアさん!」
私達がリアに気を取られている間に、画面上にいなかったラス様がダグラス卿をやっつけたのか、リアの方に走ってきた。
「大丈夫そうですね」
「ラス様も! 大丈夫でしたか?」
「向こうは魔法が苦手な方でしたから、補助魔法で適当に」
「う。なんか相手が気の毒になってきました」
けろりと答えるラス様に、リアが顔を歪めた。
どうやらダグラス卿に同情しているみたい。
まあ、強い騎士だと言われている人が騎士でもなんでもない人に、適当になんて言われているのを聞いたらショックだろうしね。
「というわけで、あなたも捕縛させていただきます」
そう言って、リアに押さえつけられたままのラナンさんをラス様はいとも簡単に魔法でおさえつけてしまった。
「ユウマくん達がラス様が強いって言った意味わかる気がする」
「「だろ?」」
私の言葉に二人同時に頷く。
結果、身動きの取れなくなった二人をそのままにしておくわけにはいかないので、主催者側は二人を棄権扱いにして助けることになった。
そりゃあそうだよね。
命が一番大事だもん。
それからしばらくして、リア達が無事に戻って来て、主催者側に薬草を確認してもらい、承認されたため、優勝ペアはラス様とリアに確定した。
「おかえりリア!」
「ただいまー」
「「お疲れ」」
「本当ですよ。しばらくはこんな徹夜はごめんです」
私とリアが抱き合っていると、ユウヤくんとユウマくんがラス様をねぎらう。
そしてリアと私がはなれると、ユウマくんがリアを持ち上げて抱きしめた。
「な、なんなの?!」
「聞いてた」
「は?」
「あ、リアー。ラナンさんとの時ね、見てたし、聞こえてたんだよ」
私が言うと、何を見て、何を聞いたのか理解したらしく、リアの顔がみるみる内に赤くなった。
お邪魔かな、と感じた私達三人は少し二人から離れて話す。
「お疲れさまでした、ラス様」
勇気を出して抱きつきにいこうとすると、ラス様に手で制された。
「汚れてますよ」
「疲れを癒そうかと」
「気持ちとお言葉だけで癒やされますよ」
「ユーニに抱きついてもらえるなんて羨ましいことだぞ?」
ユウヤくんは私がラス様に抱きつくと嫌なくせに、抱きつくのを拒否されているのを見るのも嫌らしい。
難しいところだ。
「別の機会にお願いします」
「そんな機会はない」
なぜか、ユウヤくんが答える。
まあいいか。
回復魔法が必要なわけでもなさそうだし。
「おめでとう! わかっておった事だったが圧勝だったな」
パチパチと手をたたいてアスラン王太子殿下がミズリー様を連れて、こちらに近寄ってきた。
「ありがとうございます」
「で、ラス殿はお願いというやつはどうするんだ?」
アスラン王太殿下に聞かれ、ラス様は少し首を横にひねったあと、
「そうですね。私としてはリアさんの望みを叶えてさしあげたいと思っているのですが」
リアの方を見ながら答える。
「リアは何かお願いしたいこととかあるのかな」
「そりゃ、アレンの話を無効化するのが一番じゃねぇの? まあ、今更無理な状態だし、他国の話に口出しはできねぇだろうけど」
「そんな事言い出したら、ユウヤくんやユウマくんを婿に! っていうのだって、国の問題だけどね」
「ここの王族は非常識っぽいからな」
私とユウヤくんがそんな会話をしていると、アスラン王太子殿下は言う。
「今日はリア殿もラス殿も疲れただろうし、宿に帰ってはどうだ? 部屋は用意しておるんだろ?」
「「あ!」」
王太子殿下の言葉に私とユウヤくんは揃えて声を上げた。
忘れてた。
部屋をとってない。
「リアさんはお風呂と美味しい食べ物を用意してほしかったみたいですが?」
私達の反応を見て、何も用意されていない事に気が付いたのか、ラス様が恨めしそうな目で見てきた。
「帰りましょう、ラス様! で、お風呂に入ってゆっくりしてください!」
「そうだな。オレの部屋使えばいいから」
「やっぱり用意してねぇじゃねぇか」
「まあ、細かい事は気にすんな。では、アスラン王太子殿下、お言葉に甘えて失礼させていただきます」
ユウヤくんは王太子殿下には綺麗なお辞儀をしてみせると、ラス様の背中をぐいぐいと押していく。
「リア、ユウマくんも帰るよー」
「ユーニ様、リア様、またお会いできるのを楽しみにしてますわぁ」
去り際、ひらひらとミズリー様が手を横に振ってくれたので、私達も笑顔で頷き、王太子殿下に挨拶をしてから、慌てて先に行ってしまったユウヤくん達の後を追った。
結局、私達が宿屋に戻り、ラス様とリアが風呂に入ったところくらいで、やっとマヌグリラの王族が闘技場にやって来たらしく、結果を聞いて何やらいちゃもんをつけていたそうなのだけど、アスラン王太子殿下の口添えがあり、優勝者は当たり前だけど、ラス様とリアのペアのまま。
そして、リアのお願いなのだけど、それはもうシンプルというか、こんな事にお願いを使うのはもったいないような気もしたけれど、こうでもしないと諦めないかも、という事で、これに決まった。
マヌグリラの王族及びラナンさんは、許可なくアダルシュの人間に近付いてはならない。
というような接近禁止命令というやつをお願いする事になり、とりあえず、マヌグリラ王家とのやり取りは、これで幕を引いたのだった。
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