45 / 53
45 アスラン王太子殿下との再会
しおりを挟む
そして、不安を抱えたまま、その日はやって来た。
朝からリアとラス様は二人で色々と打ち合わせらしきものをしていて、邪魔するわけにもいかず、一人、不安な気持ちを抱えている間に時間になり、指定の場所へと向かう事になった。
集まるように言われたのは、マヌグリラにある闘技場の一つ。
リアとラス様とは入り口で別れて、私とユウヤくんとユウマくんとは別行動になった。
三人で中に入ってみると、言わずもがな真ん中は闘技するための平地になっていて、それを囲むように観客席があり、見渡すと、すでに貴族らしき今日の観客がちらほら入り始めていた。
証人のために、と多くの貴族が呼ばれているみたいだけど、闘技場が広いので、人で埋め尽くされるなんて事はさずかになさそう。
観客席の後ろには大きな四角いスクリーンが4つほど等間隔に置かれてあって、どうやら、観客席から様子が見れるように魔石か何かで映像を映し出せるようだった。
「ドキドキしてきた」
胸に手を当てて呟くと、聞こえていたのか、ユウヤくんが抱き寄せてくれる。
「大丈夫だって。リアちゃんとラスが負けるわけねぇだろ」
「でも、あんな事言われてたし」
アンジャベル王太子殿下の話は、ラス様にも伝えたから、直接聞いていたリアと一緒に二人共ちゃんと警戒はしていると思う。
勝負に勝てる自信はあるみたいだけど、ラナンさんもダグラスさんも強いって話だし、心配なのに変わりはない。
そういえば、実際、ラス様って強いのかな?
「ユウヤくんとユウマくんとラス様だと、誰が一番強いの?」
「あー。まあ、総合的にいえばラスかもしんねぇけど、剣と体術で言えばオレだし、攻撃魔法だとユウヤかな」
「えと、よくわかんないけど、それなのに総合的にはラス様なの?」
答えてくれたユウマくんに聞き返す。
「あいつ、補助魔法を上手く使うからな」
「?」
それでも意味がわからなくて不思議な顔をすると、今度はユウヤくんが答えてくれた。
「身体強化とかの魔法が使えるから、それを使われると、さすがにオレらもちょっと厳しい」
「じゃあ、普通にしてたら、ラス様はあんまり強くないってこと?」
「いや。騎士団の幹部クラスほどの実力はあるぞ」
ユウマくんはけろりとした顔で答えてくれたけど、そうなると、ユウマくんとユウヤくんは騎士団の幹部以上に強いってこと?
そりゃあ、マヌグリラ側は二人に出てほしくないよね。
私達の席はあらかじめ決められていて、マヌグリラの王族は雨風が関係ない室内で、私達は屋根はあるけれど外の観客席だった。
普通は自分達の方が良い席に座るなんて、と思うのが普通なんだろうけど、そう思わないマヌグリラの王族は、私にしてみれば、やっぱりおかしい。
一応、他の客席よりかは豪華な仕様になっていて、座るところはふかふかだし、くつろげるようにクッションも置かれていた。
呑気に見るつもりはないけど、普通は他国の王族をもっと優遇するのが普通じゃないんだろうか。
やっぱり、王様に意見を言える人がいないのだろうな。
飲み物や軽食も用意されていたけど、何が入っているかわからないから、持参した飲み物を飲んだりして、大人しく座って待っていると、アスラン王太子殿下が現れた。
「久しいな! 元気にしておったか?」
挨拶を済ませると、アスラン王太子殿下は親しげに話しかけてきた。
「おかげさまで、健康面では特に変わったことはございません」
「そうか。まあ、それ以外は大変そうだが、身体が何よりだ。ユーニ殿は特に子を産まねばならぬしな」
「えっ?!」
アスラン王太子殿下に思わず大きな声を上げてしまうと、異国の地でも肌を出し惜しみすることない服装と変わらない、あけっぴろげな調子で笑われてしまう。
「そうか。まだそんな関係ではないのだな! いや、ユウヤ殿もラス殿もよく我慢できるものだ!」
「アスラン様、からかうのも程々にしてあげて下さいぃ。ユーニ様もぉユウヤ殿下もぉ、困っていらっしゃいますよぉ」
王太子殿下の背中の後ろから顔を出したのは、以前、お世話になった中の一人のミズリー様だった。
「ミズリー様、ご無沙汰しております」
「うふふ。ユーニ様がお元気そうで良かったですぅ。せっかくですしぃ、女性同士でお話しましょうよぉ」
そう言ったかと思うと、口調からは考えられないほどの速さで、王太子殿下の後ろから私の元へやって来て、私を自分の席まで引っ張っていくと、開始時間近くまで、ずっと話し相手になってくれたのだった。
「良かったな」
開始時間が近づき、ミズリー様と別れて、自分の席に戻ってくると、ユウヤくんが笑ってくれた。
たぶん、ミズリー様は私の緊張した顔に気が付いて声を掛けてくれただけでなく、ずっと話し相手をしてくれていたんだと思う。
そんな気のつかえる女性が一緒にいるくらいなのだから、やっぱりアスラン王太子殿下は良い人なんだろうな。
だけど、リアもラス様もあげる気はないけどね!
まあ、リアの場合はリアにもメリットはあるのかもしれないけど・・・。
ざわり、と観客の声が大きくなり、顔を上げると、4つのスクリーンに映像が映し出されていた。
今は参加する全員がスタート地点にいるから、同じ映像が4箇所に映し出されていた。
思ったよりも参加人数が多くて、50組くらいは参加しているように思える。
自然にというよりか当たり前なのかもしれないけど、映像の中からリアとラス様の姿を探す。
二人は人のかたまりの端の方にいたから、すぐに見つけ出せた。
画面に映し出されている映像は斜め上から撮られているから、二人が横を向くと表情が見える。
リアもラス様もリラックスしている感じで和やかに会話をしているように見えた。
「あの二人恋人同士かしら? 美男美女でお似合いね!」
「どのペア?」
「ほら、あの端の方にいる、紺色の長い髪の男性と黒髪のポニーテールの女性」
美男美女で、その髪といえば、私に思い浮かぶのはリアとラス様だけなのだけど。
他にもいるかな。
いや、いなさそう。
「ほんと、もっと大きく映してくれないかしら」
「女性も本当に可愛らしいわね。婚約者同士なのかしら。羨ましい!」
周りの貴婦人や御令嬢方がきゃあきゃあと騒ぎ立てると、それが聞こえたのか、ユウマくんの眉間のシワが深くなった。
何かフォローをいれないと、と思った時、甲高い声が響いたと思い、画面に目をやると、ラス様が自分のリボンをとり、リアのポニーテールの髪紐の上に蝶々結びをしていた。
そっか。
ラス様のリボンはお祖母様の形見で、厄災から守ってくれる魔法がかけてあるって言ってたもんね。
ある一件で先が焦げてしまったけど、ここからはそんな様子はわからないから、上手く修復できたのかな?
というか、リボンを貸してもらえるなんて、なんか羨ましいような。
「ラスの奴、あんなんしたらリアが」
「ん?」
ユウマくんが隣でブツブツ呟くから、画面のリアを見てみると、それはもう照れた笑みを浮かべていた。
そりゃそうかも。
ラス様にとって、本当に大事なリボンってわかってるだけに、自分に預けてもらったら、私だってキュンとしちゃう。
ってああ!
リアとラス様にときめいてどうするの!
リアにはユウマくんがいるんだから!
「どうした?」
無言でユウヤくんの手を握ったからか、不思議そうに顔をのぞき込んできた。
やっぱり、ドキドキする。
ユウヤくんか好きな気持ちは変わってない。
でも、ラス様を気にしてしまうのは、どうしてなんだろう。
「なんでもない。なんだか落ち着かなくて」
「そりゃそうだよな。リアちゃんとラスがあそこにいるもんな」
ユウヤくんがポンポンと優しく頭を撫でてくれた。
「これから簡単なルールを説明します」
映像が切り替わり、自分をマヌグリラの宰相と名乗る人から、これから行われるゲームのルールが発表される事になった。
「森の奥深くにある薬草をとって、今のスタート地点に一番早く戻ってきたものの勝ちである。薬草の量は関係なく、取ってこなければいけない薬草はそれぞれ、参加者に渡した紙に書かれている。次に、魔石は使ってはいけない。夜を明かす必要があるため、何個か小屋を用意しているが、参加者分はないため、小屋に入れなかったペアは野宿を強いられる」
野宿のくだりでは、やはり観客席がざわついた。
魔物のいる森の中での野宿なんて、貴族には経験したことがない人もいるからだろう。
ちなみに夜間は魔物の動きが活発化するから、出歩かないようにという注意だけあったけど、野宿してる人はどうすればいいのか、と思ってしまう。
「大丈夫かな。夜を明かすなんて・・・」
「リアちゃんとラスだから間違いが起きることはねぇだろうけど」
「当たり前だろ」
ユウマくんがユウヤくんにきっぱりと告げたその時、とうとうゲーム開始の鐘が鳴った。
朝からリアとラス様は二人で色々と打ち合わせらしきものをしていて、邪魔するわけにもいかず、一人、不安な気持ちを抱えている間に時間になり、指定の場所へと向かう事になった。
集まるように言われたのは、マヌグリラにある闘技場の一つ。
リアとラス様とは入り口で別れて、私とユウヤくんとユウマくんとは別行動になった。
三人で中に入ってみると、言わずもがな真ん中は闘技するための平地になっていて、それを囲むように観客席があり、見渡すと、すでに貴族らしき今日の観客がちらほら入り始めていた。
証人のために、と多くの貴族が呼ばれているみたいだけど、闘技場が広いので、人で埋め尽くされるなんて事はさずかになさそう。
観客席の後ろには大きな四角いスクリーンが4つほど等間隔に置かれてあって、どうやら、観客席から様子が見れるように魔石か何かで映像を映し出せるようだった。
「ドキドキしてきた」
胸に手を当てて呟くと、聞こえていたのか、ユウヤくんが抱き寄せてくれる。
「大丈夫だって。リアちゃんとラスが負けるわけねぇだろ」
「でも、あんな事言われてたし」
アンジャベル王太子殿下の話は、ラス様にも伝えたから、直接聞いていたリアと一緒に二人共ちゃんと警戒はしていると思う。
勝負に勝てる自信はあるみたいだけど、ラナンさんもダグラスさんも強いって話だし、心配なのに変わりはない。
そういえば、実際、ラス様って強いのかな?
「ユウヤくんとユウマくんとラス様だと、誰が一番強いの?」
「あー。まあ、総合的にいえばラスかもしんねぇけど、剣と体術で言えばオレだし、攻撃魔法だとユウヤかな」
「えと、よくわかんないけど、それなのに総合的にはラス様なの?」
答えてくれたユウマくんに聞き返す。
「あいつ、補助魔法を上手く使うからな」
「?」
それでも意味がわからなくて不思議な顔をすると、今度はユウヤくんが答えてくれた。
「身体強化とかの魔法が使えるから、それを使われると、さすがにオレらもちょっと厳しい」
「じゃあ、普通にしてたら、ラス様はあんまり強くないってこと?」
「いや。騎士団の幹部クラスほどの実力はあるぞ」
ユウマくんはけろりとした顔で答えてくれたけど、そうなると、ユウマくんとユウヤくんは騎士団の幹部以上に強いってこと?
そりゃあ、マヌグリラ側は二人に出てほしくないよね。
私達の席はあらかじめ決められていて、マヌグリラの王族は雨風が関係ない室内で、私達は屋根はあるけれど外の観客席だった。
普通は自分達の方が良い席に座るなんて、と思うのが普通なんだろうけど、そう思わないマヌグリラの王族は、私にしてみれば、やっぱりおかしい。
一応、他の客席よりかは豪華な仕様になっていて、座るところはふかふかだし、くつろげるようにクッションも置かれていた。
呑気に見るつもりはないけど、普通は他国の王族をもっと優遇するのが普通じゃないんだろうか。
やっぱり、王様に意見を言える人がいないのだろうな。
飲み物や軽食も用意されていたけど、何が入っているかわからないから、持参した飲み物を飲んだりして、大人しく座って待っていると、アスラン王太子殿下が現れた。
「久しいな! 元気にしておったか?」
挨拶を済ませると、アスラン王太子殿下は親しげに話しかけてきた。
「おかげさまで、健康面では特に変わったことはございません」
「そうか。まあ、それ以外は大変そうだが、身体が何よりだ。ユーニ殿は特に子を産まねばならぬしな」
「えっ?!」
アスラン王太子殿下に思わず大きな声を上げてしまうと、異国の地でも肌を出し惜しみすることない服装と変わらない、あけっぴろげな調子で笑われてしまう。
「そうか。まだそんな関係ではないのだな! いや、ユウヤ殿もラス殿もよく我慢できるものだ!」
「アスラン様、からかうのも程々にしてあげて下さいぃ。ユーニ様もぉユウヤ殿下もぉ、困っていらっしゃいますよぉ」
王太子殿下の背中の後ろから顔を出したのは、以前、お世話になった中の一人のミズリー様だった。
「ミズリー様、ご無沙汰しております」
「うふふ。ユーニ様がお元気そうで良かったですぅ。せっかくですしぃ、女性同士でお話しましょうよぉ」
そう言ったかと思うと、口調からは考えられないほどの速さで、王太子殿下の後ろから私の元へやって来て、私を自分の席まで引っ張っていくと、開始時間近くまで、ずっと話し相手になってくれたのだった。
「良かったな」
開始時間が近づき、ミズリー様と別れて、自分の席に戻ってくると、ユウヤくんが笑ってくれた。
たぶん、ミズリー様は私の緊張した顔に気が付いて声を掛けてくれただけでなく、ずっと話し相手をしてくれていたんだと思う。
そんな気のつかえる女性が一緒にいるくらいなのだから、やっぱりアスラン王太子殿下は良い人なんだろうな。
だけど、リアもラス様もあげる気はないけどね!
まあ、リアの場合はリアにもメリットはあるのかもしれないけど・・・。
ざわり、と観客の声が大きくなり、顔を上げると、4つのスクリーンに映像が映し出されていた。
今は参加する全員がスタート地点にいるから、同じ映像が4箇所に映し出されていた。
思ったよりも参加人数が多くて、50組くらいは参加しているように思える。
自然にというよりか当たり前なのかもしれないけど、映像の中からリアとラス様の姿を探す。
二人は人のかたまりの端の方にいたから、すぐに見つけ出せた。
画面に映し出されている映像は斜め上から撮られているから、二人が横を向くと表情が見える。
リアもラス様もリラックスしている感じで和やかに会話をしているように見えた。
「あの二人恋人同士かしら? 美男美女でお似合いね!」
「どのペア?」
「ほら、あの端の方にいる、紺色の長い髪の男性と黒髪のポニーテールの女性」
美男美女で、その髪といえば、私に思い浮かぶのはリアとラス様だけなのだけど。
他にもいるかな。
いや、いなさそう。
「ほんと、もっと大きく映してくれないかしら」
「女性も本当に可愛らしいわね。婚約者同士なのかしら。羨ましい!」
周りの貴婦人や御令嬢方がきゃあきゃあと騒ぎ立てると、それが聞こえたのか、ユウマくんの眉間のシワが深くなった。
何かフォローをいれないと、と思った時、甲高い声が響いたと思い、画面に目をやると、ラス様が自分のリボンをとり、リアのポニーテールの髪紐の上に蝶々結びをしていた。
そっか。
ラス様のリボンはお祖母様の形見で、厄災から守ってくれる魔法がかけてあるって言ってたもんね。
ある一件で先が焦げてしまったけど、ここからはそんな様子はわからないから、上手く修復できたのかな?
というか、リボンを貸してもらえるなんて、なんか羨ましいような。
「ラスの奴、あんなんしたらリアが」
「ん?」
ユウマくんが隣でブツブツ呟くから、画面のリアを見てみると、それはもう照れた笑みを浮かべていた。
そりゃそうかも。
ラス様にとって、本当に大事なリボンってわかってるだけに、自分に預けてもらったら、私だってキュンとしちゃう。
ってああ!
リアとラス様にときめいてどうするの!
リアにはユウマくんがいるんだから!
「どうした?」
無言でユウヤくんの手を握ったからか、不思議そうに顔をのぞき込んできた。
やっぱり、ドキドキする。
ユウヤくんか好きな気持ちは変わってない。
でも、ラス様を気にしてしまうのは、どうしてなんだろう。
「なんでもない。なんだか落ち着かなくて」
「そりゃそうだよな。リアちゃんとラスがあそこにいるもんな」
ユウヤくんがポンポンと優しく頭を撫でてくれた。
「これから簡単なルールを説明します」
映像が切り替わり、自分をマヌグリラの宰相と名乗る人から、これから行われるゲームのルールが発表される事になった。
「森の奥深くにある薬草をとって、今のスタート地点に一番早く戻ってきたものの勝ちである。薬草の量は関係なく、取ってこなければいけない薬草はそれぞれ、参加者に渡した紙に書かれている。次に、魔石は使ってはいけない。夜を明かす必要があるため、何個か小屋を用意しているが、参加者分はないため、小屋に入れなかったペアは野宿を強いられる」
野宿のくだりでは、やはり観客席がざわついた。
魔物のいる森の中での野宿なんて、貴族には経験したことがない人もいるからだろう。
ちなみに夜間は魔物の動きが活発化するから、出歩かないようにという注意だけあったけど、野宿してる人はどうすればいいのか、と思ってしまう。
「大丈夫かな。夜を明かすなんて・・・」
「リアちゃんとラスだから間違いが起きることはねぇだろうけど」
「当たり前だろ」
ユウマくんがユウヤくんにきっぱりと告げたその時、とうとうゲーム開始の鐘が鳴った。
12
お気に入りに追加
563
あなたにおすすめの小説
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
【完結】烏公爵の後妻〜旦那様は亡き前妻を想い、一生喪に服すらしい〜
七瀬菜々
恋愛
------ウィンターソン公爵の元に嫁ぎなさい。
ある日突然、兄がそう言った。
魔力がなく魔術師にもなれなければ、女というだけで父と同じ医者にもなれないシャロンは『自分にできることは家のためになる結婚をすること』と、日々婚活を頑張っていた。
しかし、表情を作ることが苦手な彼女の婚活はそううまくいくはずも無く…。
そろそろ諦めて修道院にで入ろうかと思っていた矢先、突然にウィンターソン公爵との縁談が持ち上がる。
ウィンターソン公爵といえば、亡き妻エミリアのことが忘れられず、5年間ずっと喪に服したままで有名な男だ。
前妻を今でも愛している公爵は、シャロンに対して予め『自分に愛されないことを受け入れろ』という誓約書を書かせるほどに徹底していた。
これはそんなウィンターソン公爵の後妻シャロンの愛されないはずの結婚の物語である。
※基本的にちょっと残念な夫婦のお話です
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる