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26 ミランダ様、勇気を出す
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ラス様とバーベナ様が婚約破棄になったきっかけは、元々はジンさんの小さなミスからだった。
当時、ミランダ様の婚約者だったジンさんが、とある夜会で、ミランダ様をダンスに誘わないといけないのに、間違えてミランダ様の友人を誘ってしまった。
そして、それがショックでミランダ様は帰ってしまい、ジンさんも呑気なもので、誘ったことを間違えたことにはすぐに謝ったけど、帰る彼女を追いかけもしなかった。
その話を聞いたミランダ様の両親が激怒して、公爵家の嘘か本当かわからない話を貴族の間で流し、イッシュバルド公爵家に悪い評判が立った。
それがバーベナ様とラス様の婚約破棄にもつながったらしい。
でも、実際は違う。
ジンさんはちゃんとミランダ様をダンスに誘っていた。
ミランダ様が私にやったように、その時も友人の後ろに隠れてしまっていただけだった。
だから、ミランダ様がもっと早くに声を上げてくれれば、婚約破棄にまで至らなかったのかもしれない。
彼女はそれをとても悔やんでいる。
結局、ジンさんを追いかけて、私とユウヤくん、リア、ミランダ様で庭園まで行くことになった。
もちろん、バーベナ様にばれないように距離を取るつもりで。
先に行ったジンさんはユウマくんが止めてくれていて、少し離れたところから、ラス様達の様子を二人で眺めていた。
「様子はどうだ」
「ミランダ嬢まで来たんか」
「も、申し訳ありません」
「いや、そういう意味じゃねえって。あんま、こういうのにクビを突っ込むようなタイプに見えなかったからよ」
ユウマくんの言葉にミランダ様は彼の隣りにいるジンさんを見たあと、小さな声で答える。
「元々は私が原因ですから」
その言葉を聞いて、ジンさんが反応する。
「元々のきっかけは僕です。僕が間違えなければこんな事にはならなかったかもしれません」
「ち、違うんです!!」
思わず声を出したミランダ様にジンさんだけじゃなく、私達もしーっと、口元に指を当てた。
「申し訳ありません」
ミランダ様は謝罪すると、俯いてしまう。
可哀想な気がして、慰めてあげたい気分にはなったけど、今はそういうわけにもいかなかった。
私達は先程の場所から移動して、バーベナ様の後ろにまわり、低木の後ろにかがんで姿を隠している状態。
ラス様とバーベナ様は噴水の近くのベンチで話をしていて、噴水を背にラス様は立ったままで座っている彼女から少し離れた位置で話をしていた。
ラス様は私達に気が付いたようで、一瞬、バーベナ様から視線を外したけれど、すぐに元に戻す。
二人までの距離は表情が見えるくらいなので、そこまで離れていないから、あまりうるさくすると、バーベナ様に気づかれる恐れがあるため、会話もそう簡単にはできない。
誰も話さなくなると、ラス様とバーベナ様の会話が耳にかすかに届いてきた。
「ラス様は私の思いを弄んでいらっしゃったのですか」
「ですから、そういう意図はありません。あの時の私とあなたの関係性で必要でしたから、その対応をしただけです。婚約破棄もそちらからです。元々は、あなたのご両親は私の家柄で判断していたのでしょう?」
「それはそうかもしれません。でも、私は違います」
私と話をした時のバーベナ様は小さな声の印象だったけれど、興奮しているのか、私達の耳にも簡単に聞こえてくるようになってきた。
「誤解をさせてしまったなら謝ります。私の中ではあなたは親が決めた婚約者だった、という位置づけでしかありません」
ラス様はきっぱりと言った。
キツいようには聞こえるけど、ちゃんと伝えるのも優しさなんだろうな。
それに、中途半端な答え方をしたら、彼女は諦めるという方法を取らない気もする。
「ひどい」
けれど、ラス様の優しさをバーベナ様はそうとは受け取れなかったみたい。
気持ちはわからないではないけど。
「申し訳ないとは本当に思っています。ただ、婚約者の義務であったことは理解していただきたい」
ラス様の言い分としては、親が決めた婚約者だから覆せないとわかっていて、バーベナ様を受け入れようと決めたから、彼女へ優しい態度やマメな対応を続けていた。
だから、彼女への愛情的なものではなく、儀礼的なもので彼女の相手をしていた、と言いたいのだろう。
彼に恋してる女の子としては辛い言葉だろうな。
でも、彼女はラス様にそんな事を言わせてしまうくらいの事をしたのも確か。
「それって普通のことなの?」
「貴族にも色々とあるからな。親が云々というか、勢力争いや利害関係で子供は自由に恋愛できなくて、小さい頃から婚約者がいる。すぐには無理でも、最終的には上手くいく夫婦が多いから、それが普通になってるんだよな」
リアの質問にユウヤくんが答えた。
「自由に恋愛できないのは辛いわね。誰かを好きになっても、自分に婚約者がいたり、相手に婚約者がいたりするわけだもんね」
ユウヤくんの答えに頷くと、リアはまた口を閉じた。
「婚約者であれば、あなたは私と結婚してくださっていたのですか」
「・・・・・そうなりますね」
沈黙があったので、少し顔を上げてラス様の表情を見ると、どこか悲しげなものになっていた。
「あなたには私への愛情は一つもないと?」
「あなたが望んでおられるようなものはありません」
きっぱりと告げたラス様の言葉に、思わずリアと顔を見合わせてしまった。
バーベナ様が友達だったなら、ラス様に言い過ぎですよ、って言ってしまったかもしれない。
でも、バーベナ様に対しては、なんだか可哀想とは思えなかった。
私って、冷たい人間なのかな。
「・・・・・わかりました」
バーベナ様がベンチから立ち上がる。
そして、捨て台詞のように言った。
「私の心を弄んだこと、社交界で噂にさせていただきますから」
「ご自由に。ただ、そんな事実はありませんが」
「信じる信じないかは、人によりますわ。ただでさえ、イッシュバルド公爵家の名は地に落ちそうですもの」
バーベナ様の言葉に、私だけじゃなく、リアもユウヤくんもユウマくんも眉間にシワを寄せた。
気になってジンさんの方に視線を送ると、とても悔しそうな表情で俯いている。
「私の代で持ち直しますのでご心配なく」
ラス様がにこりと微笑むと、
「見送りはいりません。ここで結構です」
バーベナ様はラス様に強い口調で言い放ち、歩き出す。
一応、これで一件落着、なのかな?
そう思った時だった。
「死んでしまえばいい」
バーベナ様はラス様の方に振り返るなり、そう言った。
な!
なんて事言うの!
頭にきてしまい、立ち聞きしていたことを責められる覚悟で立ち上がろうとした時だった。
ジンさんが立ち上がり、低木を軽々と飛び越えて、バーベナ様の前に立った。
ジンさんがそうしている間に、私はユウヤくんに手を引かれ、バーベナ様に気づかれないよう小道に抜け出す。
「あなたは・・・・・」
「謝ってください」
睨みつけてくるバーベナ様の様子などおかまいなしに、ジンさんはもう一度言った。
「謝ってください」
「ジン、もういい」
「良くなんかないです!」
ラス様の制止をきかずに、ジンさんは続ける。
「あんなひどい事をこの人から言われていいわけありません」
すると、バーベナ様が食ってかかった。
「謝るのはそっちでしょう! あなたが馬鹿な事をしなければ、私はラス様と結婚できていたのに! 元はと言えば、全部あなたのせいじゃない!!」
「違います!!」
そう叫んだのは、私の背後に立っていた人物。
ミランダ様だった。
「レイブグル伯爵令嬢? どうしてあなたが・・・・・」
訝しげな顔をするバーベナ様に、ミランダ様は身体を震わせながら答えた。
「ジン様は悪くありません。悪いのはすべて私だったんです」
「どういう事?」
聞き返したバーベナ様だけでなく、ジンさんも困惑の表情を浮かべた。
当時、ミランダ様の婚約者だったジンさんが、とある夜会で、ミランダ様をダンスに誘わないといけないのに、間違えてミランダ様の友人を誘ってしまった。
そして、それがショックでミランダ様は帰ってしまい、ジンさんも呑気なもので、誘ったことを間違えたことにはすぐに謝ったけど、帰る彼女を追いかけもしなかった。
その話を聞いたミランダ様の両親が激怒して、公爵家の嘘か本当かわからない話を貴族の間で流し、イッシュバルド公爵家に悪い評判が立った。
それがバーベナ様とラス様の婚約破棄にもつながったらしい。
でも、実際は違う。
ジンさんはちゃんとミランダ様をダンスに誘っていた。
ミランダ様が私にやったように、その時も友人の後ろに隠れてしまっていただけだった。
だから、ミランダ様がもっと早くに声を上げてくれれば、婚約破棄にまで至らなかったのかもしれない。
彼女はそれをとても悔やんでいる。
結局、ジンさんを追いかけて、私とユウヤくん、リア、ミランダ様で庭園まで行くことになった。
もちろん、バーベナ様にばれないように距離を取るつもりで。
先に行ったジンさんはユウマくんが止めてくれていて、少し離れたところから、ラス様達の様子を二人で眺めていた。
「様子はどうだ」
「ミランダ嬢まで来たんか」
「も、申し訳ありません」
「いや、そういう意味じゃねえって。あんま、こういうのにクビを突っ込むようなタイプに見えなかったからよ」
ユウマくんの言葉にミランダ様は彼の隣りにいるジンさんを見たあと、小さな声で答える。
「元々は私が原因ですから」
その言葉を聞いて、ジンさんが反応する。
「元々のきっかけは僕です。僕が間違えなければこんな事にはならなかったかもしれません」
「ち、違うんです!!」
思わず声を出したミランダ様にジンさんだけじゃなく、私達もしーっと、口元に指を当てた。
「申し訳ありません」
ミランダ様は謝罪すると、俯いてしまう。
可哀想な気がして、慰めてあげたい気分にはなったけど、今はそういうわけにもいかなかった。
私達は先程の場所から移動して、バーベナ様の後ろにまわり、低木の後ろにかがんで姿を隠している状態。
ラス様とバーベナ様は噴水の近くのベンチで話をしていて、噴水を背にラス様は立ったままで座っている彼女から少し離れた位置で話をしていた。
ラス様は私達に気が付いたようで、一瞬、バーベナ様から視線を外したけれど、すぐに元に戻す。
二人までの距離は表情が見えるくらいなので、そこまで離れていないから、あまりうるさくすると、バーベナ様に気づかれる恐れがあるため、会話もそう簡単にはできない。
誰も話さなくなると、ラス様とバーベナ様の会話が耳にかすかに届いてきた。
「ラス様は私の思いを弄んでいらっしゃったのですか」
「ですから、そういう意図はありません。あの時の私とあなたの関係性で必要でしたから、その対応をしただけです。婚約破棄もそちらからです。元々は、あなたのご両親は私の家柄で判断していたのでしょう?」
「それはそうかもしれません。でも、私は違います」
私と話をした時のバーベナ様は小さな声の印象だったけれど、興奮しているのか、私達の耳にも簡単に聞こえてくるようになってきた。
「誤解をさせてしまったなら謝ります。私の中ではあなたは親が決めた婚約者だった、という位置づけでしかありません」
ラス様はきっぱりと言った。
キツいようには聞こえるけど、ちゃんと伝えるのも優しさなんだろうな。
それに、中途半端な答え方をしたら、彼女は諦めるという方法を取らない気もする。
「ひどい」
けれど、ラス様の優しさをバーベナ様はそうとは受け取れなかったみたい。
気持ちはわからないではないけど。
「申し訳ないとは本当に思っています。ただ、婚約者の義務であったことは理解していただきたい」
ラス様の言い分としては、親が決めた婚約者だから覆せないとわかっていて、バーベナ様を受け入れようと決めたから、彼女へ優しい態度やマメな対応を続けていた。
だから、彼女への愛情的なものではなく、儀礼的なもので彼女の相手をしていた、と言いたいのだろう。
彼に恋してる女の子としては辛い言葉だろうな。
でも、彼女はラス様にそんな事を言わせてしまうくらいの事をしたのも確か。
「それって普通のことなの?」
「貴族にも色々とあるからな。親が云々というか、勢力争いや利害関係で子供は自由に恋愛できなくて、小さい頃から婚約者がいる。すぐには無理でも、最終的には上手くいく夫婦が多いから、それが普通になってるんだよな」
リアの質問にユウヤくんが答えた。
「自由に恋愛できないのは辛いわね。誰かを好きになっても、自分に婚約者がいたり、相手に婚約者がいたりするわけだもんね」
ユウヤくんの答えに頷くと、リアはまた口を閉じた。
「婚約者であれば、あなたは私と結婚してくださっていたのですか」
「・・・・・そうなりますね」
沈黙があったので、少し顔を上げてラス様の表情を見ると、どこか悲しげなものになっていた。
「あなたには私への愛情は一つもないと?」
「あなたが望んでおられるようなものはありません」
きっぱりと告げたラス様の言葉に、思わずリアと顔を見合わせてしまった。
バーベナ様が友達だったなら、ラス様に言い過ぎですよ、って言ってしまったかもしれない。
でも、バーベナ様に対しては、なんだか可哀想とは思えなかった。
私って、冷たい人間なのかな。
「・・・・・わかりました」
バーベナ様がベンチから立ち上がる。
そして、捨て台詞のように言った。
「私の心を弄んだこと、社交界で噂にさせていただきますから」
「ご自由に。ただ、そんな事実はありませんが」
「信じる信じないかは、人によりますわ。ただでさえ、イッシュバルド公爵家の名は地に落ちそうですもの」
バーベナ様の言葉に、私だけじゃなく、リアもユウヤくんもユウマくんも眉間にシワを寄せた。
気になってジンさんの方に視線を送ると、とても悔しそうな表情で俯いている。
「私の代で持ち直しますのでご心配なく」
ラス様がにこりと微笑むと、
「見送りはいりません。ここで結構です」
バーベナ様はラス様に強い口調で言い放ち、歩き出す。
一応、これで一件落着、なのかな?
そう思った時だった。
「死んでしまえばいい」
バーベナ様はラス様の方に振り返るなり、そう言った。
な!
なんて事言うの!
頭にきてしまい、立ち聞きしていたことを責められる覚悟で立ち上がろうとした時だった。
ジンさんが立ち上がり、低木を軽々と飛び越えて、バーベナ様の前に立った。
ジンさんがそうしている間に、私はユウヤくんに手を引かれ、バーベナ様に気づかれないよう小道に抜け出す。
「あなたは・・・・・」
「謝ってください」
睨みつけてくるバーベナ様の様子などおかまいなしに、ジンさんはもう一度言った。
「謝ってください」
「ジン、もういい」
「良くなんかないです!」
ラス様の制止をきかずに、ジンさんは続ける。
「あんなひどい事をこの人から言われていいわけありません」
すると、バーベナ様が食ってかかった。
「謝るのはそっちでしょう! あなたが馬鹿な事をしなければ、私はラス様と結婚できていたのに! 元はと言えば、全部あなたのせいじゃない!!」
「違います!!」
そう叫んだのは、私の背後に立っていた人物。
ミランダ様だった。
「レイブグル伯爵令嬢? どうしてあなたが・・・・・」
訝しげな顔をするバーベナ様に、ミランダ様は身体を震わせながら答えた。
「ジン様は悪くありません。悪いのはすべて私だったんです」
「どういう事?」
聞き返したバーベナ様だけでなく、ジンさんも困惑の表情を浮かべた。
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