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7 方法を考えないといけません!
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「今日はリノアのおかげで楽しかったわ」
「何が楽しかったのかさっぱりわからないのですが、楽しんでいただけたのなら良かったのです」
アリスさんとは2時間ほどしかお話をしてませんが、それだけの時間で親密になってしまうくらい、彼女との時間は濃密でした。
色んな意味で。
私はアリス様の事をアリスさんと呼ぶようになり、アリスさんは私をリノアと呼んでくれるようになりました。
あと、イッシュバルド卿をテツ様と呼んでいましたが、様は嫌だと言われるので、テツくんとお呼びする事になりました。
アクア様もそう呼ばれているそうなので、お言葉に甘えました。
お2人と仲良くなれたのは嬉しいですが、アリスさんは発言がたまに過激なのでドキドキしてしまいます。
「令嬢って大人しいかワガママっていうのが多いんだけど、リノアがまともで良かったわ」
「お前はワガママで気が強い最悪な令嬢だけどな」
「褒めてくれてありがとう」
「褒めてねぇよ」
アリスさんとテツくんはいつもこんな感じなのだそうで、羨ましいくらいに仲良しなのです。
話している会話の内容は気にしない様にしないといけませんが…。
普通の貴族のカップルの仲良しさんがしている会話とは少し違いますからね。
「今日はリノアを助けてくれてありがとう」
「とんでもない。リノアの近くにいると、小物がたくさん近寄ってきて退屈しなくて良かったです」
「令嬢を小物って言うな」
お礼を言うラルフ様に答えたアリスさんに、テツくんが注意されます。
テツくんはなんだかんだ言っておられますが、アリスさんが大好きな事が見ているだけで伝わってきます。
そんなテツくんを見てニコニコしていると、アリスさんが話しかけてきます。
「なんで笑ってるの?」
「何でもないのです。今日は本当にありがとうございました。アリスさんが隣にいるだけで、令嬢方だけでなく、男性も静かになっていましたし助かりました」
「お役に立てて良かったわ。また、何か面白そうな事があったら呼んでね?」
「出来れば、これで噂が落ち着いていってくれると良いのですが…」
小さく息を吐いてから言うと、アリスさんは顎に指を当てて、少し考えてから言います。
「令嬢は黙ってるかもしれないけど、辺境伯の座を狙ってる人間は、まだ大人しくならないんじゃないかしら」
「やはり、そうですよね」
「新たに近付いてくる人間は、信用してる人間の紹介じゃない限り、用心しておいた方がいいわね」
アリスさんに色々とアドバイスしていただいた後、2人と別れ、私達も帰る事にしました。
「疲れただろう?」
「この数時間で色々とあったのです」
「帰ってゆっくりするといい」
今日の夜会で少しは信憑性のない噂が減る事を祈っていたのですが、噂はおさまったものの、アリスさんと仲良くなった私に近付きたい令息が増える事になってしまうとは、この時は予想もしていませんでした。
「ブルーミング伯爵令嬢、はじめまして」
それは執事のソラと、護衛騎士のミリー様と買い物に出かけていた日の事です。
アリスさんとテツくんに先日のお礼に贈り物を送ろうと店をまわっていると、お菓子の店で1人の男性に声をかけられました。
「…はじめまして」
その男性の顔は遠目で拝見した事があった為、名前だけは知っていました。
たしかドミニク・トラジャス伯爵です。
いきなりの登場に動揺しながらも挨拶を返すと、彼はにやりと笑い、頭を下げて言います。
「あなたを悪魔の屋敷から救い出すためにやって参りました」
「悪魔の屋敷?」
「クラーク辺境伯は悪魔です。あなたの様な女性が婚約者だなんてとんでもないです」
「ちょっと!」
ムッとされたミリー様を無言で手で制してから、目の前の彼、トラジャス伯爵に言う。
「ラルフ様は悪魔ではありません」
「洗脳されているんですよ。そんな哀れなあなたを僕が救い出してあげましょう」
「結構です」
くるりと背を向けて、店を出る事にしましたが、トラジャス伯爵は追いすがって来ます。
「今日は挨拶だけです。あなたには僕がいる事を覚えていてほしい」
言葉の意味を確認しようと振り返りましたが、トラジャス伯爵は先程と同じ様に嫌な笑みを浮かべていて、気持ち悪くなり、黙って店を出ました。
「リノア様、大丈夫ですか?」
「大丈夫なのです」
心配そうにしているソラに笑顔を作って頷く。
私、ああいう思い込みの激しい男性は苦手なのです!
気持ち悪いのです!
あの感じですと、私に関わる気があるようですし、近寄ってこない様に何か方法を考えないといけません!
「何が楽しかったのかさっぱりわからないのですが、楽しんでいただけたのなら良かったのです」
アリスさんとは2時間ほどしかお話をしてませんが、それだけの時間で親密になってしまうくらい、彼女との時間は濃密でした。
色んな意味で。
私はアリス様の事をアリスさんと呼ぶようになり、アリスさんは私をリノアと呼んでくれるようになりました。
あと、イッシュバルド卿をテツ様と呼んでいましたが、様は嫌だと言われるので、テツくんとお呼びする事になりました。
アクア様もそう呼ばれているそうなので、お言葉に甘えました。
お2人と仲良くなれたのは嬉しいですが、アリスさんは発言がたまに過激なのでドキドキしてしまいます。
「令嬢って大人しいかワガママっていうのが多いんだけど、リノアがまともで良かったわ」
「お前はワガママで気が強い最悪な令嬢だけどな」
「褒めてくれてありがとう」
「褒めてねぇよ」
アリスさんとテツくんはいつもこんな感じなのだそうで、羨ましいくらいに仲良しなのです。
話している会話の内容は気にしない様にしないといけませんが…。
普通の貴族のカップルの仲良しさんがしている会話とは少し違いますからね。
「今日はリノアを助けてくれてありがとう」
「とんでもない。リノアの近くにいると、小物がたくさん近寄ってきて退屈しなくて良かったです」
「令嬢を小物って言うな」
お礼を言うラルフ様に答えたアリスさんに、テツくんが注意されます。
テツくんはなんだかんだ言っておられますが、アリスさんが大好きな事が見ているだけで伝わってきます。
そんなテツくんを見てニコニコしていると、アリスさんが話しかけてきます。
「なんで笑ってるの?」
「何でもないのです。今日は本当にありがとうございました。アリスさんが隣にいるだけで、令嬢方だけでなく、男性も静かになっていましたし助かりました」
「お役に立てて良かったわ。また、何か面白そうな事があったら呼んでね?」
「出来れば、これで噂が落ち着いていってくれると良いのですが…」
小さく息を吐いてから言うと、アリスさんは顎に指を当てて、少し考えてから言います。
「令嬢は黙ってるかもしれないけど、辺境伯の座を狙ってる人間は、まだ大人しくならないんじゃないかしら」
「やはり、そうですよね」
「新たに近付いてくる人間は、信用してる人間の紹介じゃない限り、用心しておいた方がいいわね」
アリスさんに色々とアドバイスしていただいた後、2人と別れ、私達も帰る事にしました。
「疲れただろう?」
「この数時間で色々とあったのです」
「帰ってゆっくりするといい」
今日の夜会で少しは信憑性のない噂が減る事を祈っていたのですが、噂はおさまったものの、アリスさんと仲良くなった私に近付きたい令息が増える事になってしまうとは、この時は予想もしていませんでした。
「ブルーミング伯爵令嬢、はじめまして」
それは執事のソラと、護衛騎士のミリー様と買い物に出かけていた日の事です。
アリスさんとテツくんに先日のお礼に贈り物を送ろうと店をまわっていると、お菓子の店で1人の男性に声をかけられました。
「…はじめまして」
その男性の顔は遠目で拝見した事があった為、名前だけは知っていました。
たしかドミニク・トラジャス伯爵です。
いきなりの登場に動揺しながらも挨拶を返すと、彼はにやりと笑い、頭を下げて言います。
「あなたを悪魔の屋敷から救い出すためにやって参りました」
「悪魔の屋敷?」
「クラーク辺境伯は悪魔です。あなたの様な女性が婚約者だなんてとんでもないです」
「ちょっと!」
ムッとされたミリー様を無言で手で制してから、目の前の彼、トラジャス伯爵に言う。
「ラルフ様は悪魔ではありません」
「洗脳されているんですよ。そんな哀れなあなたを僕が救い出してあげましょう」
「結構です」
くるりと背を向けて、店を出る事にしましたが、トラジャス伯爵は追いすがって来ます。
「今日は挨拶だけです。あなたには僕がいる事を覚えていてほしい」
言葉の意味を確認しようと振り返りましたが、トラジャス伯爵は先程と同じ様に嫌な笑みを浮かべていて、気持ち悪くなり、黙って店を出ました。
「リノア様、大丈夫ですか?」
「大丈夫なのです」
心配そうにしているソラに笑顔を作って頷く。
私、ああいう思い込みの激しい男性は苦手なのです!
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あの感じですと、私に関わる気があるようですし、近寄ってこない様に何か方法を考えないといけません!
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